推理小説はあまり読まないのだが、友人に薦められて
辻村深月著の「冷たい校舎の時は止まる」を読んだ。
大学受験を控えた高校3年生8人が、雪の降る日、無人の校舎に
閉じ込められてしまう。
常識では説明できない出来事が続く中、学園祭で自殺したクラスメイトの
顔や名前をどうしても思い出せないことに気がつく。もしかしたら、
この8人の中の誰かが、自殺した人間なのではないかと、お互いが
疑心暗鬼になりつつも、自殺したクラスメイトのことを、必死に
考える。
読んでいて感じたのは、良くも悪くもライトノベルだなぁということ。
登場人物8人のキャラクターが、すべて出来すぎている感がいなめない。
それに、ヒロインの辻村深月が、不思議なくらいみんなから守られている
のも、十分な説明もなく、納得いかないし、何より作者とヒロインが
同じ名前というのが、居心地が悪くて仕方ない。
ただ、この作品を中高生のころ読んでいたら、ものすごい衝撃と
感動を覚えただろうなぁとは感じるのだ。