まるでスポ根もののような、料理漫画がある。
寺沢大介著の「将太の寿司」である。アニメや、柏原崇主演でドラマ化も
されたから、そちらで記憶がある人も多いだろう。
主人公の関口将太は、父親のような寿司職人を目指し状況。
東京の名店、鳳寿司で修行を積み、立派な寿司職人になっていく
ストーリー。
勧善懲悪に近い世界や、料理を食べた者のオーバーなリアクションなど、
スポ根ものに近いノリではあるが、とても面白い。
とくに圧巻なのは、料理の絵である。ひとつひとつがとても
美味しそうなのである。米粒の一粒一粒さえ丁寧に描かれた絵は、
思わずお寿司を食べたくなる。
実はわたしは、生魚が苦手で、小さい頃は食べられなかった。
しかし、将太の寿司を読んで、あまりにも美味しそうだったため、
生魚にチャレンジしたところ、今ではすっかり好物になっている。
弱気を助け、悪気を懲らしめる将太の姿は、いかにも漫画だなぁと
苦笑してしまう部分もあるが、一度読み出すと癖になる。
食欲の秋に、ぴったりな漫画ではないだろうか。
