小学生のころから、群ようこの「無印シリーズ」が好きだった。
今思うと、きちんと意味を理解して読んでいたわけではなく、
なんとなく大人の世界に憧れながら、読んでいたのだろう。
それにしても、群ようこの切り口は、今でも大好きだ。あっさりと
そして、ちょっと悪戯っぽく、女性というものを切り取っていく。
女性だからこそわかる、女性の小利口さや、意地悪さ、そして
かわいらしさを、イキイキと描いているように感じる。
時に、「無印不倫物語」は、普通ならじめじめと重たい雰囲気に
なってしまう、「不倫」というテーマを、実にコミカルに描いている。
そんな人、どこがいいの??と疑問に思ったり、「こんなカップル
いるよね~」と笑ったり。どの登場人物も身近で、人間くさくて、
滑稽だけれど、愛らしいのだ。
不倫を描いているけれど、明るく面白い作品。それこそが、
群ようこ最大の魅力なのかもしれない。