「天然素材でいこう」などの作品で、少女漫画家としての
人気を不動のものにしている、麻生みこと。
彼女の新作「路地恋花」を読んだ。
舞台は、京都の路地裏。芸術家たちが長屋に住み、それぞれの
作品を作り、生活している。長屋の住人たちを主人公として、
すべて1話完結の作品だ。
個人的にお気に入りなのは、シルバーアクセサリーを作る
男性と、恋人が変わるたびに、彼にペアリングを依頼する
女性のお話。すぐに恋をして、すぐに振られてしまう彼女は、
恋が始まると彼の前に現れ、ペアリングをつくってもらい、
恋が終わると、ペアリングをほかのアクセサリーに作り直して
もらうために、彼のもとを訪れる。
複雑な思いで、アクセサリーを作り続ける彼と、本当に
自分を好きになってくれる人を探している彼女の姿に、
妙にやきもきしてしまった。
絵柄も美しく、ストーリーもさすが!とうなってしまう
麻生みことの世界。これからも、続きが楽しみでならない。