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誰しも一度はやったことがあるゲーム、といっても過言ではないのが、「スーパーマリオブラザーズ」ではないだろうか。ゲームに関して疎い私でも、小学生の頃熱中して遊んだ記憶がある。
1985年に発売された“スーパーマリオブラザーズ”は、世界で一番売れたゲームソフトとして、ギネスブックにも登録されている。とあるゲーム雑誌の「後世に伝えたいゲーム」で、断トツのナンバー1になったこともある。こんなにも愛されているのは、ゲームとしてのクオリティの高さもさることながら、初心者から上級者まで、誰でも楽しめる簡単さも理由の一つではないだろうか。
私は本当にゲームに疎く、そして下手である。実のところ、スーパーマリオブラザーズをクリアできていない。大人になってからも挑戦してみたのだが、全くダメだった。それでも、このゲームで遊びたいと思う。それは他のゲームでは、操作を覚えるまでに飽きてしまう私のような初心者でも、操作が簡単で十分に楽しめるからだ。あのピコピコした電子音も、今見るとがたがたな映像も、全てがいとおしい。
これを書いていたら、また遊びたくなってきた。今度こそ、クリアできたらいいのだが…
読むと必ず泣いてしまう漫画がある。浅野いにおさんの作品がそれだ。私が浅野いにおさんの作品に出会ったのは、ある古本屋さん。宮﨑あおいさん主演で映画化される「ソラニン」を手に取ったのがきっかけ。表紙の美しさにひかれて買った、ジャケ買いならぬ、表紙買いを初めてした漫画だった。
浅野いにおさんの漫画は、大人になってから読むのを勧めたい。思春期から大人になる間の特有な、なんともいえない空気がリアルに描かれているからだ。登場人物も、妙にリアルで人間臭い。ありふれた日常に、普通の登場人物。等身大の世界。だからこそ、読んでいてすっぽり感情移入してしまい、いつの間にか泣いてしまうのだろう。
そして、浅野いにおさんの漫画は落ち込んでいるときに読むのをオススメする。はっきりいって、ハッピーエンドといえる作品は少ない。自分の力ではどうしょうもないことに巻き込まれ、絶望する。それでも地道に這いつくばって、なんとか生き抜こうとする主人公達の姿に、いつも励まされる。強くも優れてもいない主人公達が、こんなにも頑張っているのだから、私も頑張ろう。そう思える漫画なのだ。
料理好きな方に特にオススメしたいのが、こちらの作品。よしながふみ著の「きのう何食べた？」。
これは、都内某所２LDKに男二人暮らしで住む、筧史朗（弁護士）43歳と矢吹賢二（美容師）41歳のゲイカップルが主役のお話。メインとなるのはふたりの「食ライフ」。恋愛の要素はほとんどと言っていいほど出てこない。キャッチフレーズは「2LDK男二人暮らし、食費、月2万5千円也。」作品のほとんどを、筧の料理シーンで占めていて、レシピ本としても楽しめる漫画だ。
読んでいて、つい微笑んでしまうのが、二人の食事シーン。料理が趣味の筧がいつも台所に立ち、二人分の食事を準備する。いつも美味しそうに料理を食べる矢吹を見ながら、明日は何をつくろう、と考えている筧の姿がとても微笑ましくて、つい誰かのために台所に立ちたくなるのだ。
料理の楽しさ、食事の大切さを教わることができるこの作品。主人公がゲイなんでしょ？と敬遠する方もいるかもしれないが、ぜひ一度、ためしに読んでもらいたい。読めばきっと、あなたも誰かのために料理をしたくなり、誰かと食事をしたくなるはずだから。
風俗業界を描いた漫画が好きだ。なぜなら、自分では体験することのない、未知の世界を知ることができるから。
最近のお気に入りは、ドラマにもなった、和久井健著の「新宿スワン」。バカで一本気な主人公白鳥龍彦が新宿歌舞伎町で、スカウトマンをしながら、成長していくストーリー。歌舞伎町という、世界でも名だたる夜の街を舞台に、スカウトマン・キャバ嬢・ホスト・ヤクザなど、様々なタイプの人物がリアルに描かれている作品だ。
この作品の魅力のひとつは、古臭いようだけれど「義理と人情」なのではないかと思う。主人公の龍彦は、バカだけれど麻薬や闇金など、道義に反したことが大嫌い。仲間思いの勧善懲悪のはっきりした、義理と人情に厚い男なのだ。そんな彼だからこそ、いろんなピンチのときも協力者が必ず現れる。それに、自分の力でどうにかしようと奮闘する姿に心打たれる、とても魅力的な人物なのだ。
龍彦のように、自己を投げ打ってでも仲間を助ける姿は、昔の少年漫画のヒーローのように輝いている。希薄でライトな人間関係が当たり前になってきた昨今だからこそ、龍彦のような存在に憧れるのかもしれない。
読むたびに、背筋がぞくりとする漫画。それが清水玲子著の「秘密－トップ・シークレット－」である。2008年にはテレビアニメ化された作品でもある。
設定は西暦2060年以降の日本。科学の進歩により、死者の脳を映像化することができるようになった。そこで、犯罪に巻き込まれ亡くなった被害者や、自殺や死刑によって亡くなった加害者の脳を見て、事件の真相を解明する方法が確立された。それを行っている「科学捜査研究所 法医第九研究所」通称“第九”を舞台としたストーリー。
まず、目をひくのはその絵の美しさ。透明感のある絵柄は、つい見とれてしまうほどである。そしてストーリーの緻密さにいつも驚かされる。快楽殺人者の脳を見て、第九の捜査員のほとんどが、精神に異常をきたすエピソードは、恐怖さえ覚えた。読むと夜眠れなくなるほど怖いのに、読まずにはいられない。そんな中毒性の高い作品だ。
1983年にデビューして以来、常に第一線で活躍する作家清水玲子。彼女が描き出す“秘密－トップ・シークレット－”に、まだまだ目が離せない。
