いくつになっても、女性は女性なのだと思わせる作品がある。
桜沢エリカ著の「愛の生活」
主人公の美亜は、愛に生きる母奈津子に振り回されて生きている。
今のところ、奈津子の恋人、マーくんと3人で暮らしているものの、
どうも奈津子には新しい恋人がいるようで・・・
「愛ってなに?」と素直に悩んでいる美亜と対照的に、子供がいても、
いくつになっても、恋に生きる、母の奈津子。
奈津子の生き様に、女性なら誰しもあこがれるのだろう。しかし、
奔放に本能のままに生きることは難しくて、憧れのまま留めて いるのかもしれない。
幼なじみの好意を、ありがたくも少しうっとうしく感じながら、 自身も恋をしていく美亜。
昔の彼女との付き合いがつづいている らしい、マーくん。そして、新しい恋人のために、
すべてを投げ捨てよう としている、奈津子。 そんな3人の思いが、息苦しいくらいリアルに
描かれている。
本当に「愛の生活」とはなんなのか。果たしてそれは存在するのか。 そんなことを思った作品だった。