家族のスタイルが多様化している今、こんな家族も
あるかもしれないな、と思った作品がある。
南Q太著の「ぼくの家族」
主人公は、子連れ同士で再婚した夏美。フリーの
イラストレーターとして働く、40歳。彼女には、広海という
娘がいる。広海と同い年のサリナを子に持つ、信良と再婚し、
4人で一緒に暮らしている。
サリナはもともと偏食なのか、新しい母親への反発なのか、
夏美の作る料理を食べようとしない。
広海も、新しい父に甘えたい気持ちはあるが、サリナに
遠慮して、甘えることができない。
そんなギクシャクした家族を描いたこの作品。最初のころは、
本当にうまくいくのだろうかと心配になるのだが、徐々に家族の
形が出来上がっていく。
でも、それは今までのイメージにある家族ではなくて、まったく
新しいタイプの家族なのだ。
他人が一緒に暮らす中で、喧嘩をしたり、慰めあったりして、
徐々に家族になっていくのだと、しっとりした気持ちになる。
一人暮らしをしている人なら、家族に会いたくなる作品かも
しれない。