最近気になる作家は?と聞かれたら、元町夏央をあげている。
「中央線ドロップス」という作品で、彼女の作品を知ってから
いつのまにか、とりこになっている。
そんな元町夏央の最新コミック「熱病加速装置」を読んだ。
今までの作品の短編集である。
収録作品は、彼女の代表作でもある「あねおと」などが収録されている。
元町作品の醍醐味は、なんといっても、あの息苦しさにある。
思春期特有の、心も体もアンバランスな時期に感じる、息苦しさ。
そういったものを、すっと描いているのだ。
流行に逆らった、暑苦しささえ感じる絵柄も、ストーリーと
とてもマッチしていて、個人的には大好きなのだ。
特に気に入ったのは「あねおと」
義姉弟による、近親相姦の話。と言ってしまえばそれまでなのだが、
結婚を間近に控えた義姉に、どうしても気持ちが抑えられない弟の
リアルな息遣いが聞こえてくるようだ。
最後は、一応ハッピーエンドで終わっているこの作品。
思春期特有の、あの息苦しさを味わいたい人には、お勧めの作品だ。