きれいな表紙と、タイトルにひかれて、手にとってみた作品がある。
佐藤友生著の「妖怪のお医者さん」
普通の高校生として生活しているクロは、実は妖怪に育てられた子供。
育ててくれた母親を、治すことができなかったことから、妖怪のお医者さんを
続けている。
そんなクロの通う学校に、霊感少女琴子が転校してきたことから
物語は始まる。
いかにも漫画らしいこの作品。
普通、妖怪が登場するものは、妖怪退治がメインとなってくるのだけれど、
妖怪を退治するのではなく、治療するというストーリーが新しい。
絵柄も華やかで、とても読みやすかった。
クロに恋してしまう妖怪の話が、個人的にはお気に入りで、
「好きな人を食べてしまうことが愛情表現」
という妖怪と、その思いを知ったクロの心理が、読んでいて切なかった。
最初は、琴子のキャラに疑問を持ちながら読んでいたが、
読み進めるほどに、面白いと思える作品だった。