最近、よく“森ガール”という言葉を耳にするのではないだろうか。“森ガール”とは、森にいそうな女の子のことをさすらしい。ゆるいワンピースを愛用し、ゆるくパーマのかかったヘアスタイルに、ナチュラルなメイク。足元はぺたんこの靴。そんなファッションを愛する女の子“森ガール”の代表といわれているのが、羽海野チカ著の「ハチミツとクローバー」主人公、“花本はぐみ”通称“はぐ”である。
「ハチミツとクローバー」は映画化、ドラマ化された人気作で、美術大学に通う学生の恋愛模様を描いた作品。主要登場人物の男女4名が、それぞれ片思いをしているという、なんとも切ないお話なのだ。
美術に関しては、天性の才能を持つはぐ。しかし、決して恵まれた環境で育ったとは言えず、絵を描いているときだけが幸せという少女時代をすごしている。そんなはぐが大学に入学してから、どんどん世界が広がっていく様子は、大人になった今読むと、とても切なく、甘酸っぱい。
淡い青春時代を振り返るときと、“森ガール”について知りたいとき、お勧めの1冊だ。