少し風に冷たさを感じるようになると、必ず読みたくなる漫画がある。それが深見じゅん著の「ぽっかぽか」だ。
ドラマ化もされたこの作品。あすかという女の子が、両親のことを「ちち」「はは」と呼んでいるシーンを覚えている人も少なくないだろう。この作品は1987年に連載がはじまり、今も尚連載されている長寿漫画。全てが一話完結で終わるから、途中から読む人にとっても読みやすい漫画だ。
主人公の田所家は、どこにでもあるような平凡なサラリーマン夫婦、慶彦と麻美。それに幼い娘あすかの3人家族。ありふれた生活の中で起きるちょっとした事件を通して、家族の温かさ・強さを感じられる作品。作品の中で取り扱われるのは、育児の問題だったり、夫婦の問題だったり、身近に起きやすいことだけれど、簡単に相談ができない内容ばかり。それらの問題を、田所家をとおして、「誰にでも起こることだから大丈夫なんだよ」とそっと手を伸ばしてくれるストーリーに仕上がっている。そこがきっと長年愛される理由なのだろう。
読むと心がぽっかぽかになるこの作品。ちょっと疲れたな。というときに読んでもらいたい作品なのだ。