文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品アニメーション部門に
選ばれた、「青い花」の原作を読んだ。
原作は、志村貴子著の青い花。淡い水彩画のような表紙が印象的な
作品だ。
推薦作品ということで、なんとなく堅いイメージをもって読んだのだが、
いい意味で裏切られた。鎌倉を周辺とする地区を舞台に、女子高に通う
女の子たちの、女の子同士の恋愛や、友情、そして男女間の恋愛が
描かれている作品だった。
絵柄も話も、全体的に柔らかな雰囲気で、少し男性はとっつきにくさを
感じるかもしれない。しかし、話は奥が深く、しばし考えさせられる
シーンもある。
女性同士の性愛をテーマに描かれているけれども、直接の描写はなく、
全体をとおして、雰囲気や行間で出来事を伝えており、そのうまさに
ぞくりとするシーンもある。
女性同士の恋愛モノ、という偏見を捨てて、読んでほしい作品の
ひとつだと思う。