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近頃は、あまりメディアでも取り上げられなくなったが、
以前闇金の抜けられない負のスパイラルに、陥っている
人は少なくないという。
そんな闇金の世界を淡々と描いているのが、真鍋昌平著の
「闇金ウシジマくん」だ。
主人公の丑嶋は、超暴利闇金を経営している。そこを訪ねてくる、
経済的に破綻した人間の姿をリアルに描いたこの作品。グロテスクな
表現も多く、猥雑としたこの作品は、読んでいると目を背けたくなるような
シーンも多い。そのため、批判されることも多いのだが、読み応えのある
ストーリーで、人気を集めているようだ。
・ブランド品におぼれ、最終的には麻薬漬けになり廃人になるＯＬ
・パチンコにはまり、売春に走る主婦
・自分の力を過信して、潰れていくギャル男
など、一歩間違えば、自分も陥ってしまう可能性のある話ばかりだ。
人間の深い闇の部分を、あっさりとそしてよりリアルに描いている
この作品。闇金の怖さを知る教材として、最高にいいのかもしれないが、
落ち込んでいるとき、へこんでいるときは、手を付けない方がいいかも
しれない。
最近、「ＮＧ系」（農業系）が人気があるらしい。土に触れ、
自分の手で植物や動物を育て上げることに、癒しと生きがいを
感じる人が増えているそうだ。
そんな農業をテーマにした、二ノ宮戸知子著の「GREEN～農家のヨメになりたい～」。
のだめカンタービレでおなじみの、二ノ宮知子の作品だ。
惚れっぽくて、面食いな主人公、吉川和子が、農業に勤しむ、小野誠に一目ぼれを
したことから、物語は始まる。
のだめカンタービレほど、突飛なキャラも設定もないのだが、ただ淡々と日常が
過ぎていく空気感が心地よい。和子の周りを巻き込みつつも、なんだか憎めない
キャラや、それを優しく？見守る誠の姿など、読んでいてとてもほのぼのと
してくる。
コミカルに描かれてはいるものの、農業の抱える問題点や厳しさもきちんと
描いているこの作品。楽しい、面白いだけじゃない、辛い部分もぐっと読み手に
伝わってくるのだ。
なんとなく、最近農業が気になるなぁ、という人には、お勧めの作品だと思う。
iPhoneユーザーの間で話題になっている「TRAVATAR（トラバター）」を
さっそくダウンロードしてみた。
TRAVATARは、iPhone専用のフリーアプリ。株式会社ワンパクがリリースした
「あなたの分身となるアバター、通称『トラバター』は
あなたが誰かとすれ違う度に、他人のトラバターと交換されます。
その誰かが、また別の誰かとすれ違い・・・。
あなたのトラバターは常に誰かのiPhoneを渡り歩いていきます。
３０日間の限られた期間で、目指せ海外渡航!?」
という内容のアプリ。地方に住んでいるから、どれだけ利用者が
いるか心配だったけれど、意外と利用者が多いらしく順調に旅を
続けてくれている。ただ、サーバーが不安定で、時折情報が見れなくなる
ところが、少し難点だ。
自分のTRAVATARがどこまで旅をするかも楽しみだし、自分のところに
遊びに来た、他人のTRAVATARがどこから来たのかも、楽しめるこのアプリ。
特にゲーム性が高いものではないが、普段ゲームなどになじみがない人でも、
十分に楽しめるところが、人気の秘密なのではないだろうか。
漫画で取り上げられたことがきっかけで、ブームが
起きることも、最近では珍しくない。かるた競技を描いた
末次由紀著の「ちはやふる」もそのひとつだ。
ちはやふるは、各書店の漫画担当者などの有志で構成される
マンガ大賞実行委員会により開催されている、第2回マンガ大賞に
輝いた作品でもある。著者の末次由紀は、他の作品からトレースした
として、一時漫画家活動を停止したことでも知られている。
主人公の千早（ちはや）は、小学校6年生のときに、クラスメイトの
新（あらた）から、かるたの世界へ導かれる。天性の聴力を活かし、
めきめきと上達する千早。そんな千早が、かるたの世界に引き込まれて
いくさまが、生き生きとテンポよく描かれている。
絵柄の華やかさや、見せ場の上手さはもちろんのこと、臨場感
あふれるストーリーは、読み手をぐいぐいかるたの世界へ引き込んでいく。
第1話目を読んだだけで、この作品は絶対に面白い！と確信させてくれた
作品だった。
盗用問題で、他の作品が絶版になっている末次作品。他の作品も
読んでみたかったなぁと、少し残念に思った。
近頃のドラマは、漫画が原作になっているものが多い。
河合克敏著の「とめはねっ！鈴里高校書道部」も、2010年に
ドラマ化される。
初めてではないかといわれる、書道をテーマとしたこの作品。
主人公のカナダ帰りの帰国子女、縁（ゆかり）は、ぱっとしないルックスから
クラスでも目立たない存在の高校1年生。ひょんなことから、廃部寸前の書道部員に
弱みを握られ、むりやり書道部に入部することになる。
書道という、どちらかというと暗いイメージのある分野を、
分かりやすく噛み砕いているこの作品。書道をよく知らない
人間でも、すんなりと入っていける。
しかし、なんだかテンポが悪いように感じてしまう。各キャラの
個性がイマイチはっきりしなかったり、無理にライバルを作り
上げたり。少年漫画にありがちな展開も、読んでいてテンポが
悪く感じる原因なのかもしれない。
とはいえ、テーマとしてはとても面白く、興味深い。書道の
奥深さ、本来の意味を知るいいきっかけとなった。今後の展開に
注目したいと思う。
