今まで、女の子として生活していた女子中学生が、
学校側などからも認められ、男子中学生として、登校する
ことになったと、新聞で読んだ。
最近よく耳にする、「性同一障害」の話題だ。地方である
自分の地元でも、ここまできたか、と思った。
周囲の反応はどうなのだろう、学校側はきちんと対処
してくれているのだろうか、そして何より、本人はきちんと
納得して、望んでその形になったのだろうかと、余計な心配を
していた。
そんなときであったのが、能町みね子著の「オカマだけど
OLやってます」都内の某会社で、普通にOLとして働く
性同一障害の男性が手がけた、エッセイ。
重たいテーマにもかかわらず、淡々とそしてあっさりと、かわいらしい
イラストを交えながら描かれていた。
もちろん、ここまでたどり着くまでに、相当な葛藤や悲しみや苛立ちが
あったのだろう。それを笑い飛ばすでもなく、悲観的になるでもなく、
ただただ客観的に、描かれているのだ。
著者は、手術もすみ、戸籍上も女性となり、現在生活しているという。
難しい問題ではあるけれど、あまり難しく考えてはいけないのだな、と
気づかせてくれた1冊だった。