「鏡をみてはいけません」を読んで、読みたくなったのが、
田辺聖子原作／鴨居まさね漫画の「金魚のうろこ」帯に書かれたキャッチ
「煩わしいのが、面白い」という言葉が、実にぴったりの作品だ。
・ なんでも主人に相談してからでないと動けなかった女性が豹変する
「あんたが大将」
・ 結婚に関するアラフォー女性のリアルを描いた「見さかいもなく」
・ ワガママお嬢様に恋をした「金魚のうろこ」
・ どうしょうもないけれど、どこか憎めない父親とその家族を描いた「達人大勝負」
・ つかず、離れずの微妙な中年男女の恋を描いた「夢笛」
どれも、主人公は普通の生活を送る、普通の人々。それぞれに、ちょっとした悩みや
想いを抱きながら、静かに生きている様が、淡々と描かれている。
田辺聖子の小気味よい作風と、鴨居まさねの透明感のある絵柄がぴったりとあっていて、
普通の生活は、こんなにも素晴らしいのだと思えてくる。
どちらのファンにも、太鼓判を押して勧められる1冊だ。
