こんにちは、もったいない本舗です。
皆さん、「青春ミステリ」と言われたらどんな本を思い浮かべますか??
私は、米澤穂信さん『氷菓』、恩田陸さん『夜のピクニック』などが真っ先に頭に浮かびますが、
最近、「青春ミステリ」は時代とともにこんなに変化してきたのか!と驚いた本があります。
河野裕さんの『いなくなれ、群青』。
「階段島」シリーズといって、新潮文庫nexから現在3巻まで出ている人気作品です。
地図にも載っていない、外界から一切遮断された「階段島」が舞台。
ここで暮らす人達は、島に来た時の記憶がなく、島から出る方法も分からないのです。
島から出る方法はひとつ、「自分の失ったものを見つけること」。
悲観主義者の主人公・七草と、理想主義者の少女・真辺とのゆるやかな掛け合いは、
どこか村上春樹さん的な雰囲気を感じさせて、引き込まれてしまいます。
『いなくなれ、群青』というタイトルだとか、文中の言葉選びのセンスはとても好き!
・・・が、青春時代から時が経ち過ぎた人間には、なかなか共感しがたい部分もあり(笑)
10代の時の自分だったら、もっと色々と感じる部分もあっただろうなぁ、と少し残念です。
この作品に登場する真辺の存在が、何とも眩しかったです・・・
彼女は正論だけを主張するけれど、正論を述べることがいつも正しいとは限らないんですよね。
正論を前面に出した人と一緒にいる事は、とても体力を使うことですから。。。
そういう10代ならではの強気の主張も、今の若い人達がどう考えるのか興味があります。
「青春ミステリ」というよりも、「ミステリー風味の青春ファンタジー」という感じでしたが、
斬新な視点で描かれた作品で、なかなか新鮮な読書でした。
ちなみにこの作品、本日6月22日から6月26日まで、”劇団た組”により舞台化されるそうです。
作品の持つ箱庭的世界観が、舞台でどう表現されるのか楽しみですね!
第9回目公演『いなくなれ、群青』(新潮文庫刊) | 劇団た組。HP
「階段島」シリーズ特集(新潮文庫nex)
【執筆担当者】
ナナミ(ハイボール女子)
ハイボールをこよなく愛するアラサー。
小説、コミックが日々の活力で、好きな作家はとことん追いかける。
愛読書は北方謙三の『三国志』と、栗本薫の『グイン・サーガ』。
ミステリ、ファンタジー、SF、ホラー、古典まで幅広く読む。
好きなゲームが発売されると、徹夜でハイボールを飲みながらプレイする。
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