こんにちは、もったいない本舗です。
長い間読もう読もうと思いつつ、ずっと積みっぱなしだった本があります。
ダニエル・キイス著『アルジャーノンに花束を』。
先日、山下智久さん主演でドラマ化されましたので、この機会にと本棚から引っ張り出してきました。
３２歳になっても、幼児並みの知能しかないチャーリイ・ゴードン。
パン屋で働くチャーリイは、周りからバカにされながらも毎日満ち足りた生活を送っています。
そんな彼に、ある夢のような話が舞い込んで来ます。
大学の偉い先生が、幼児並みのチャーリイの頭を良くしてくれるというもの。
チャーリイは早速その実験に飛びつき、毎日実験の経過報告を日記形式で綴っていく事に・・・
私、読み始めて長年ある勘違いをしていた事に気が付きました。
主人公＝アルジャーノンだと思っていたのですが、どうやらネズミの名前だったようです（笑）
最初こそ、チャーリイのたどたどしい口調が読みづらく、読み進めるのに骨が折れましたが、
中盤以降、知能が向上してきてからは一気読みの面白さ！
ただ、これは・・・なんという哀しい物語なのか。
頭が良くなった事によって見えてくる、人間の悪意、嫉妬。
今まで人に好かれていたチャーリイ自身の人柄も、徐々に変化していく様がやりきれないです。
そして、ジェットコースターのようにあっという間に転がっていく衝撃の結末。
「全世界が涙した現代の聖書」という謳い文句でしたが、何かもやもやしたものが残る作品。
月並みな言葉ですが、本当の幸せとは何なのか？と考えさせられました。
おそらく、１０年先も鮮明に記憶に残るタイプの本です。読んで良かった。
同著者で『24人のビリー・ミリガン』というノンフィクションも気になるので、
こちらも近々挑戦してみようと思います。
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