①【バトル系】手に汗握る!名作から最新漫画まで読んでおきたい15選
1位 鋼の錬金術師(全27巻/完結)
鋼の錬金術師 1 (ガンガンコミックス)
作者 |
荒川弘 |
出版社 |
スクウェア・エニックス |
出版年月 |
2002年1月 |
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20年も前の作品なんて信じられない…!いつまでも色あせない名作中の名作です。亡くなった母を生き返らせるため、錬金術における最大の禁忌と言われる「人体錬成」を試みた兄エドワードと弟アルフォンス。しかし錬成は失敗に終わり、エドは右腕と左足を、アルフォンスは全身を失うことに。あまりにも衝撃的な冒頭シーンにショックを受けた人も多いのでは?人は何かを犠牲にしないと何も得ることができない【等価交換】という言葉が、深く心に刻まれました。ストーリー、キャラクターともに最高のファンタジー漫画です!
2位 ドラゴンクエスト ダイの大冒険(愛蔵版 全25巻/完結)
ドラゴンクエスト ダイの大冒険 新装彩録版 1(愛蔵版コミックス)
作者 |
稲田 浩司 (著), 三条 陸 (原著) |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2020年10月 |
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ダイの大冒険、懐かしいですね!sakuraは小学生のときハマりにハマって、毎週レンタルショップでVHSを借りていた記憶があります(笑)2020年10月より、2度目の新作アニメ放送と同時に、愛蔵版コミックも発売されて久しぶりに漫画を手に取ったという人もいらっしゃるのではないでしょうか?「ドラゴンクエスト」の世界観をベースに描かれている本作は、主人公ダイが仲間たちとともに魔王討伐へと乗り出す物語です。ポップの成長ぶりを見ていたら、きっと「自分なんて…」と思いがちな人でも勇気をもらえるはず。大人になった皆さんにこそ、改めて読んで欲しいシリーズです。
3位 七つの大罪(全41巻/完結)
七つの大罪 1(講談社コミックス)
作者 |
鈴木 央 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2013年2月 |
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王道バトルファンタジーといえば、絶対に『七つの大罪』は外せません!騎士たちの横暴により荒廃しつつあるリオネス王国を舞台に、王女エリザベスが伝説の逆賊<七つの大罪>に助けを求めに行くというストーリーです。主人公のメリオダスは一見子どものように見えるのですが、これがまためちゃめちゃ強い!かつての仲間たちが次々と集っていくのですが、これもまた強い。途中から闘級システムが入り、正直訳がわからなくなりつつもやっぱり面白い(笑)続編『黙示録の四騎士』も連載が始まっていますので、あわせてお楽しみ下さいね。
4位 ダンダダン
ダンダダン 1(ジャンプコミックス)
作者 |
龍 幸伸 |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2021年8月 |
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ジャンププラスから期待の新星が現れました!作者の龍幸伸さんは、『チェンソーマン』の藤本タツキ先生のもとでメインアシスタントを務めていた方で、ものすごく画力が高いんです。本作『ダンダダン』は、オカルト×ラブコメ×SFファンタジーという新ジャンルで、霊媒師を祖母に持つ女子高生・綾瀬桃と、同級生のオカルトオタク・高倉健(通称オカルン)が繰り広げるオカルト怪奇バトルに、常時テンションが上がりっぱなし!キャラが個性的で全くブレないのが良いですね。オカルトなのにきちんと青春している、不思議と爽やかな作品です。まだ新しい作品なのでこれからが楽しみ!
5位 FAIRY TAIL(全63巻/完結)
FAIRY TAIL 1(講談社コミックス)
作者 |
真島 ヒロ |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2006年12月 |
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sakuraは昔『FAIRY TAIL』の1巻目を読んだとき、「なんだONE PIECEの二番煎じか」というのが第一印象でした。失礼なことを思っていたかつての自分に馬鹿と言いたい…。シリーズを読み進めていくにつれ、作者のオリジナリティあふれる作品だということを実感しました!世界にいくつも存在する魔導士ギルド。一人前の魔導士を目指す一人の少女・ルーシィは、火を操る魔導士・ナツと、人の言葉をしゃべる青い猫・ハッピーに誘われ彼らのギルド「フェアリーテイル」に入ることに。魔法を使ったド派手なバトルシーンがとにかく格好良く、王道ファンタジーを楽しみたい人にもおすすめ!
6位 終末のワルキューレ
終末のワルキューレ 1(ゼノンコミックス)
作者 |
アジチカ(作画)梅村真也(原作)フクイタクミ(構成) |
出版社 |
コアミックス |
出版年月 |
2020年4月 |
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アニメから入ったという人も多いかもしれませんが、これはなかなかぶっ飛んだ漫画ですよ!なにしろ、誰もが知っている全世界の神々vs人類の闘いなのです。北欧神話に出てくるトール神もいれば、インド神話の破壊神シヴァもいて。神々に対抗する人間は、あの呂布や佐々木小次郎、全人類の父・アダムまで登場します。彼らがタイマン勝負をする日が来ようとは…今までだれがこんな設定を考えたでしょうか(笑)このシリーズは真面目に読んだらダメですよ。前代未聞の全く展開が読めない超白熱バトルに、腹を抱えて笑いながら楽しんでくださいね!
7位 怪獣8号
怪獣8号 1(ジャンプコミックス)
作者 |
松本 直也 |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2020年12月 |
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ジャンププラスで超人気の作品です。最近のジャンプラは、『SPY×FAMILY』といい『ダンダダン』といい本当に面白い漫画が多くなりましたね!本作『怪獣8号』の面白いところは、主人公がちょっとくたびれたオッサンというところです(笑)少年漫画の主人公としては異色なのですが、これがまた子ども時代ジャンプと共に過ごしてきた30代、40代にはものすごく共感できる部分があり、ついつい応援したくなってしまうんですよね。怪獣が当たり前のように跋扈するようになった日本を舞台に、怪獣vs防衛隊員の命がけの攻防戦を描くストーリーは、胸が熱くなること必至!!
8位 隠の王(全14巻/完結)
隠の王 1(Gファンタジーコミックス)
作者 |
鎌谷 悠希 |
出版社 |
スクウェア・エニックス |
出版年月 |
2004年11月 |
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『隠の王』は、「なばりの王」と読みます。現代を舞台にした忍のアクションファンタジーということで、「NARUTO」と比べられることも多いのですが、本作のキャラがとても魅力的で女性にファンが多いのも特徴です。禁忌の術である"森羅万象"を秘めた少年・壬晴と、彼を巡っての忍の闘いが描かれています。鎌谷悠希さんの絵が、巻を追うごとに綺麗になっていって最後にはもう儚さすら覚えるほどの美しさでした。イラストが好きな方は、鎌谷さんの画集「リーリカメンテ」も手にとってみてくださいね。
9位 青の祓魔師
青の祓魔師 1(ジャンプコミックス)
作者 |
加藤 和恵 |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2009年8月 |
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青エクは、アニメ化されたことをきっかけに、爆発的にコミックの売上を伸ばしたジャンプ作品のひとつです。本作のキーワードは、サタンとエクソシスト、そして双子の兄弟の絆と言っても良いでしょう!主人公の奥村燐は、実は悪魔の王サタンが人間に産ませた息子。サタンは燐の育ての親である神父・藤本獅郎に憑依して燐を「虚無界」へ連れて行こうとするも、燐は自らの悪魔の力を封印した降魔剣で撃退します。燐は自分を守って命を落とした獅郎の仇を討つべく、祓魔師を目指すというストーリーです。正反対の性格の燐と弟・雪男の兄弟ゲンカ、泣けます…。
10位 ノラガミ
ノラガミ 1(講談社コミックス月刊マガジン)
作者 |
あだち とか |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2011年7月 |
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絵柄の美しさには定評がある作者さん。神様を描いた作品はほかにも多々ありますが、現代日本を舞台にしているのですぐに馴染むことができます。ノラガミ=野良の神さま。いつかお社を持ちたいと思っている神さま・夜トが、人間のさまざまな依頼を受けてお社のための資金を貯めていくのですが、「賽銭は5円!」と決めつけているあたりいつになったら貯まるのやら…(笑)夜トと行動を共にするようになるひよりちゃんも、事故で幽体離脱体質になってしまったという面白いヒロインで、キャラがみんな可愛く個性的なのもポイント高し。
11位 ブラッククローバー
ブラッククローバー 1(ジャンプコミックス)
作者 |
田畠 裕基 |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2015年6月 |
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魔法系ファンタジーの漫画というと、もうかなり有名な漫画で出尽くされた感があるので、唯一無二の…とまではいきませんが王道バトルファンタジーが好きな人ならば押さえておいて間違いはありません!誰もが魔法を使え、魔法がすべての世界において、生まれながらにして魔力を持たない孤児の少年アスタ。彼のライバルであり、幼なじみでもあるユノと一緒に魔導士の頂点である"魔法帝"を目指すストーリーです。ちなみに、アニメ化もされているのですが、漫画のほうが魔法描写の描き込みが凄まじく美しいのでおすすめです。
12位 マッシュル-MASHLE-
マッシュル-MASHLE- 1(ジャンプコミックス)
作者 |
甲本 一 |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2020年6月 |
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偶然にも順位が並んでしまったのですが、この『マッシュル-MASHLE-』も実は『ブラッククローバー』と世界観がとても似ているんです。そしてジャンプ同時期連載という…。誰もが魔法を使える世界で、主人公マッシュが全く魔法を使えないという設定です。でも、この2作品が決定的に違うのは、『マッシュル-MASHLE-』が絶妙にギャグに徹しているところなんです(笑)人里離れた森の中で、日々筋トレをしているマッシュはその天然な性格のせいでたびたびトラブルを起こします。魔法に対して鍛え抜かれた肉体の力で対抗する彼が、今後どのような活躍を見せるのか楽しみにしています…!
13位 RAVE(全35巻/完結)
RAVE 1(講談社コミックス)
作者 |
真島 ヒロ |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
1999年11月 |
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漫画家の中でも速筆と名高い真島ヒロさんですが、『FAIRY TAIL』の前に連載していたこの『RAVE』は、6年間にわたる連載期間を無休載で描き切ったという実績があります!レイヴと呼ばれる光の聖石と、ダークブリングと呼ばれる闇の魔石が引き起こした戦争から50年。二代目レイヴマスターに選ばれた主人公ハルは、世界を救う旅に出るという冒険ファンタジー漫画です。最初のほうはやはり絵がまだこなれていませんが、巻数が進むにつれてどんどん上手になりますよ。泣けるエピソードもたくさんあり、『FAIRY TAIL』が気に入った方はあわせてお楽しみいただきたいです。
14位 古代戦士ハニワット
古代戦士ハニワット 1(アクションコミックス)
作者 |
武富 健治 |
出版社 |
双葉社 |
出版年月 |
2019年4月 |
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読む人を選ぶ漫画NO.1と言っても過言ではないかもしれません。でも好きな人はおそらくドはまりするでしょう…。日本各地でかつてより目撃されていた土偶の形をした化け物。人知れず神社に所属する「埴輪土(ハニワド)」が討伐していたのですが、ある日現代社会に突如として巨大土偶が出現するのです…!そのデカイ土偶は「ズシーン、ズシーン…」とゆっくり歩きながら移動するのですが、なにしろ重量があるし絶対止まらないから人間も建物もすべてを踏みつぶして歩いていくという異様さ。とてつもなく奇妙で荒削りなタッチなのに、なぜか目が離せない独特な魅力のあるバトル漫画です。
15位 かつて神だった獣たちへ
かつて神だった獣たちへ 1(講談社コミックス)
作者 |
めいびい |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2014年12月 |
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タイトルのネーミングセンスが抜群です。sakuraは本作はアニメから入ったのですが、コミックの表紙同様ダークな世界観が魅力的な作品です!10年にわたる大規模な内戦で、人間の姿と引き換えに神の力を得た「擬神兵」によって世界は平和を取り戻します。でも平和な世界では、かつて神と呼ばれた彼らもただの化け物で忌み嫌われる存在となってしまうのです。かつて仲間だった者たちの命を奪わなければいけないという葛藤と、果てのない暴力の連鎖に読むのが辛くなってしまうことも。好き嫌いはあるかと思いますが、この何とも言えない暗さが個人的にはとても好きです。
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②【ダーク系】死ぬのも当たり前!?アニメ化も多数のおすすめ16選
1位 呪術廻戦
呪術廻戦 1(ジャンプコミックス)
作者 |
芥見 下々 |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2018年7月 |
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もはや有名すぎて、ランキングに入れるかどうか迷いましたが…sakuraが個人的に好きすぎる作品なのでダーク系1位にランクインさせました。人間の負の感情がもたらす「呪い」によって「呪霊」という化け物が生まれるようになった日本。その呪霊を殲滅するべく呪術師たちの闘いを描いた本作は、アニメ化の影響もあり今や世界中で大人気のダークファンタジーとなりました!重要キャラが惜しげもなく死亡していく本作は、正直読んでいて全く気が休まりません!(笑)それでもバトルシーンの凄まじさは、少年漫画でも随一なのではないかと思います。大好きな漫画です。
2位 チェンソーマン(全11巻/完結)
チェンソーマン 1(ジャンプコミックス)
作者 |
藤本 タツキ |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2019年3月 |
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連載中「果たしてこれはジャンプで連載して良いのだろうか?」と何度思ったことか…。それほどまでに王道の少年漫画からかけ離れたストーリーと暴力描写が際立つ作品なのですが、あまりにも中毒性のある漫画で気付けば夢中で連載を追っかけている自分がいました(笑)「悪魔」が日常にいる世界。借金返済のため悪魔のポチタとともにデビルハンターとして生計を立てていた少年デンジは、ある日裏切りに遭い殺されてしまいます。でもそこからがチェンソーの悪魔の誕生です。予想の斜め上をいくぶっとび展開とダークな世界観に思う存分浸ってください!ちなみに第二部はジャンププラスにて連載が予定されています。
3位 ベルセルク
ベルセルク 1(ヤングアニマルコミックス)
作者 |
三浦 建太郎 |
出版社 |
白泉社 |
出版年月 |
1990年11月 |
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2021年5月、三浦先生が逝去されたことにより未完となってしまいましたが、『ベルセルク』とともに青春時代を過ごしたという人も多いのではないでしょうか。ダークファンタジーの金字塔とも言うべき本作は、中世ヨーロッパを彷彿とさせる世界を舞台に繰り広げられる主人公ガッツの復讐劇で、瞬く間に物語にのめり込んでしまう魅力を持っています。今思えばなかなかエグイ物語です…戦場では当たり前に行われている行為も、このように緻密な絵で描かれると目を背けたくなってしまうことも。ダークで完成度の高い作品であることは間違いありませんので、ぜひご一読を!
4位 進撃の巨人(全34巻/完結)
進撃の巨人 1(少年マガジンKC)
作者 |
諫山 創 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2010年3月 |
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11年にもおよぶ長期連載に幕を下ろした『進撃の巨人』。それまでの少年漫画に、新しい旋風を巻き起こしてくれた作品と言っても過言ではないでしょう。1巻を読んだときの衝撃は今でも忘れることはできません。巨人が支配する世界で、人間はただの餌と化しているという残酷さと例えようのない絶望…!でもただのダークファンタジーにとどまらず、巻を追うごとにさまざまな伏線や考察が飛び交った本作は、ストーリー性と構成の妙を教えてくれる傑作ファンタジーに化けました。いつか、スピンオフですべての伏線が回収される日は来るのでしょうか?
5位 東京喰種 トーキョーグール(全14巻/完結)
東京喰種 トーキョーグール 1(ヤングジャンプコミックス)
作者 |
石田 スイ |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2012年2月 |
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「喰種(グール)が人の肉を喰らう」という衝撃的な内容ながら、アニメ化・実写化もされ社会現象を巻き起こした作品のひとつです。sakuraも最初は怖いもの見たさでコミックを手に取ったのですが、これがめちゃめちゃハマってしまって結局最終巻まで一気読みしてしまいました。読書好きのごく平凡な大学生・カネキはある事件が原因で半喰種化してしまうのですが、人の気持ちも喰種の気持ちも理解できる彼の波乱万丈な人生があまりにも哀しいです。何が正義で、何が悪なのかがだんだんわからなくなる本作。続編の『東京喰種:re』とあわせて読んでいただきたいです!
6位 不滅のあなたへ
不滅のあなたへ 1(講談社コミックス)
作者 |
大今 良時 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2017年1月 |
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『聲の形』の大今良時さんが描くファンタジー漫画『不滅のあなたへ』は、おそらく読む人を選ぶ漫画です。世界に投げ入れられたひとつの「球」。ありとあらゆるものの姿を写しとり、形を変えられる存在の"それ"は、やがて死んだオオカミに、さらには少年の姿に……と、意識と自我を持ちながら姿を変えていきます。やがて後の人々に「フシ」と呼ばれることになる不思議な存在の物語は、ときには温かく、ときには胸が痛くなるほど切なく。たくさんの人たちとの出会いがあればあるほど、死という現実を突きつけられます。本作の行きつく先を必ず見届けたいと思います。
7位 黒執事
黒執事 1(Gファンタジーコミックス)
作者 |
枢 やな |
出版社 |
スクウェア・エニックス |
出版年月 |
2007年2月 |
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世の中に執事ブームを巻き起こした漫画といえば『黒執事』を外すことはできません!美麗なキャラクターと、散りばめられた伏線。イギリス貴族を描いたゴシック風味の本作は、今でも女性たちに絶大な人気を誇っています。「あくまで執事ですから」というフレーズ流行りましたね!名門貴族であるファントムハイヴ家の幼い当主・シエルと、外見・教養・武術などすべてにおいて完璧な執事セバスチャン。最初こそコメディ的な展開だったのですが、巻を追うごとにブラックなファンタジーへと様変わりしていきます。ちなみにアニメのセバスチャン役の声優は小野大輔さん。麗しすぎる…!
8位 CLAYMORE(全27巻/完結)
CLAYMORE 1(ジャンプコミックス)
作者 |
八木 教広 |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2002年1月 |
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さきほどご紹介した『ベルセルク』の女主人公版、といったところでしょうか。人間を捕食する妖魔を倒すべく生み出された、半人半妖の女戦士"クレイモア"。人々に忌み嫌われながらも、妖魔たちをバッサバサと倒していくように見えるのですが、彼女たちの持つ宿命があまりにも救いがなく…読み進めるのが辛くなってしまうことも。でも中盤以降の衝撃の事実から最終巻で得られる感動は筆舌に尽くしがたいです…!伏線が綺麗に回収されているのも見事なので、途中で挫折せずにぜひ最後まで読んで欲しいシリーズです。
9位 アライブ 最終進化的少年(全21巻/完結)
アライブ 最終進化的少年 1(講談社コミックス月刊マガジン)
作者 |
あだち とか,河島 正 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2003年11月 |
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さきほどご紹介した『ノラガミ』でおなじみのあだちとか先生の作品です!綺麗な絵柄なので油断していると、初っ端から衝撃を受けますよ(笑)都内の平凡な高校生・太輔は、ある日自分の目の前で同じ高校の生徒が笑顔で飛び降り自殺するという衝撃的な場面に直面します。それが、全世界でときを同じくして同様の自殺者が相次いでいることが判明するのです。「自殺ウイルス」という不気味な現象。そして能力者たちの凄絶な闘い。ラストは賛否両論あり、正直大風呂敷を広げすぎた感は否めませんが、sakuraはこのブラックなストーリーが大好きです。
10位 デッドマン・ワンダーランド(全13巻/完結)
デッドマン・ワンダーランド 1(角川コミックス・エース)
作者 |
片岡 人生,近藤 一馬 |
出版社 |
角川書店 |
出版年月 |
2007年9月 |
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片岡人生さんと近藤一馬さん、ご夫婦で描かれているシリーズ。シンプルでスタイリッシュな表紙ですが、中身はなかなかえげつないストーリーです(笑)ある日突然、クラスメイト惨殺の容疑をかけられ、完全民営化刑務所「デッドマン・ワンダーランド」行きになった主人公・丸太。残酷なサバイバルゲーム、首から注入される毒、公開処刑などこの世の悪という悪がすべて詰め込まれたような刑務所で、丸太は生き残ることはできるのか?キャラの可愛さに惑わされないようにしましょう…。理不尽・不条理なダークファンタジーが好きな人はおそらくかなりハマるかと!
11位 3×3EYES(全40巻/完結)
3×3EYES 1(ヤンマガKCスペシャル)
作者 |
高田 裕三 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
1988年10月 |
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「サザンアイズ」と読みます。三只眼の少女・パイと、ひょんなことから不死身になってしまった藤井八雲のボーイミーツガールもの。ヒンドゥー教や中国文化をベースにした妖怪ものファンタジーというのがまた珍しく、今読んでも新鮮さを感じるほどです。何と言っても本作の魅力は、パイの可愛さと、八雲のモテ具合です(笑)八雲は決して美男子というわけではないのに、妖怪・人間問わず女性にモテるのは彼の優しさと人柄からくるものなのでしょうね。ちなみに続編『幻獣の森の遭難者』『鬼籍の闇の契約者』が出ています。今でも新刊が読めるのは嬉しすぎる…!
12位 亜人(全17巻/完結)
亜人 1(アフタヌーンKC)
作者 |
三浦 追儺(原著) 桜井 画門 (著) |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2013年3月 |
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発売された時期がちょうど同じくらいということもあり、最初は『東京喰種』に雰囲気が似ているなぁと思っていたのですが、巻が進むにつれてオリジナルカラーが出てくるようになりました。「亜人」というのは、外見は普通の人間だけれど、殺されても死なないという生物。主人公・圭はある日交通事故で死んだのですが、直後に生き返ったことで亜人と判明するのです。亜人は世界にごくわずかしかいないため、バレると研究対象にされてしまうという恐怖!圭は人里を離れ山の中へ逃げ込むのですが…。佐藤健さんと綾野剛さん主演で実写映画化もされた本作。最終巻も最高なので、全巻一気読みをおすすめいたします!
13位 ベルサイユオブザデッド(全5巻/完結)
ベルサイユオブザデッド 1(ビッグコミックス)
作者 |
スエカネ クミコ |
出版社 |
小学館 |
出版年月 |
2017年1月 |
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スエカネクミコさんの描くキャラデザインが大好きです…!過去に『放課後のカリスマ』でもハマったのですが、ぶっとんだキャラと奇想天外なストーリーは今作でも健在。主人公は、マリー・アントワネットの双子の弟アルベール。姉のマリーは婚姻のためにフランスへと向かう途中、不死者というゾンビのような群れに襲われて殺されてしまいます。顔がそっくりで線の細いアルベールは、姉のふりをしてフランスへとやってくるのですが…。中世ものや耽美な世界観が好きな人は、ぜひ手に取っていただきたいです。細かい設定はこの際気にしない!力技で5巻でまとめあげた傑作です(笑)
14位 怪物事変
怪物事変 1(ジャンプコミックス)
作者 |
藍本 松 |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2017年3月 |
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アニメ化でも話題になりましたね!「怪物」と書いて「けもの」と読みます。閉塞的な村で、叔母の経営する旅館でこき使われている少年・夏羽。彼の周りでは家畜が相次いで腐乱死するという事件が起こっています。主人公が半妖ものというのは珍しくありませんが、本作は繊細でポップな絵柄&キャラクターの可愛さと、凄惨な事件とのギャップが独特な魅力を生み出しています。東京の探偵事務所で助手として働くことになった夏羽は、離れ離れになった両親を見つけることはできるのか?ひとりひとりキャラの過去を掘り下げながら展開していくストーリーに、今後も目が離せません!
15位 魔女と野獣
魔女と野獣 1(ヤンマガKCスペシャル)
作者 |
佐竹 幸典 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2017年9月 |
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スタイリッシュな表紙に惹かれて手に取った本作ですが、思いのほかこのダークな世界観にハマってしまいました…!魔女に呪いをかけられた主人公ギドと、棺桶を背負った魔術師アシャフとのバディものです。ギドは見た目こそ可愛い少女なのですが、その口の悪さと異様なほどの食欲旺盛さとのギャップが笑えます。ギドとアシャフは、魔響教団という魔術関係の教団に属して事件を解決していくのですが、「ギドがキレる→アシャフがなだめる→結局ギドが折れる」という2人の掛け合いも面白く、魔女や吸血鬼などが好きな人は絶対にハマるピカレスク・ファンタジーです。
16位 地獄くらやみ花もなき
地獄くらやみ花もなき 1(角川コミックス・エース)
作者 |
路生 よる(原著) 藤堂 流風(著) |
出版社 |
KADOKAWA |
出版年月 |
2020年9月 |
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第3回角川文庫キャラクター小説大賞読者賞を受賞した路生よるさんの原作小説をコミカライズした作品です。もう好きな人はタイトルだけで買いですよね(笑)罪を背負った人が化け物に見えてしまうニート青年・遠野青児と、この世のものとは思えない美貌を持つ和装の少年・西條皓がコンビとなりさまざまな怪奇事件を解決していく作品です。実はこの皓(しろし)は、鬼の代わりに罪人を地獄に届ける「地獄代行業」を営んでいるのです。人間の罪と悪が浮き彫りになるどろりとした恐怖と、全く助手として助けにならない青児のダメさ加減のバランスが良く、ミステリーとしてもホラーファンタジーとしても楽しめるシリーズです!
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③【SF系】SF×ファンタジーは相性◎。定番からマニアックまで13選
1位 約束のネバーランド(全20巻/完結)
約束のネバーランド 1(ジャンプコミックス)
作者 |
出水 ぽすか(著) 白井 カイウ(原著) |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2016年12月 |
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伏線だらけの謎解きSFファンタジーを楽しみたいなら、絶対に外せないのが『約束のネバーランド』です。『鬼滅の刃』の爆発的人気の裏で、じわじわと熱狂的なファンが増えていった印象があります。孤児院グレイス=フィールドハウスに隠された恐ろしい秘密。エマ・ノーマン・レイをはじめとする頭脳明晰な子どもたちと、首に振られた認識番号…。毎回謎が謎を呼ぶ展開で、sakuraは秘密が隠されているという単行本の扉絵を隅々まで眺めるのも当時の楽しみでした。アニメ化に加え、実写映画化もされている本作は、最終巻まで一気読みの面白さです!
2位 僕だけがいない街(全9巻/完結)
僕だけがいない街 1(カドカワコミックス・エース)
作者 |
三部 けい |
出版社 |
角川書店 |
出版年月 |
2013年1月 |
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『僕だけがいない街』は、短いながらもサスペンスフルな展開が魅力のSFファンタジーです。主人公・悟は、再上映(リバイバル)という特殊能力を持っていて、時間を巻き戻すことができるのです。母の死をきっかけに小学生時代に巻き戻された悟は、小学生連続誘拐殺人事件で殺された少女の家庭の闇を垣間見ることに。母を殺した犯人と、当時の連続殺人事件の真犯人とは?過去に戻ることができるタイムリープ能力と、主人公の観察眼により真相に迫っていくストーリーは、手に汗握る展開続き!アニメ化・実写映画化もされ大人気の作品、未読の方はぜひお手に取ってみて下さい。
3位 サマータイムレンダ(全13巻/完結)
サマータイムレンダ 1(ジャンプコミックス)
作者 |
田中 靖規 |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2018年2月 |
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2022年、アニメ化も決定している『サマータイムレンダ』!爽やかな表紙につられて読み始めたのですが、巻を追うにつれて不穏な展開になり毎回ドキドキしながら読み進めました。タイムリープ物という点では、2位の『僕だけがいない街』と重なるところがあるものの、こちらは和歌山の離島ならではの明るい雰囲気と、島に昔から伝わる「影を見たものは死ぬ」という不気味な言い伝え、幼なじみの死の真相に迫るスリルがオーバーラップし、一種独特な魅力がある作品に仕上がっています。女の子たちがとにかく可愛いのも特徴!アニメ化が待ち遠しいです。
4位 九龍ジェネリックロマンス
九龍ジェネリックロマンス 1(ヤングジャンプコミックス)
作者 |
眉月 じゅん |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2020年2月 |
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単行本が発売されるたびに、鯨井さんの色鮮やかなチャイナ服に見惚れてしまう『九龍ジェネリックロマンス』。かつて香港に実在した巨大なスラム街「九龍城砦」を舞台にしたSFファンタジーで、雑多でカオスな雰囲気が好きな読者にはたまらない作品です。キラキラした男女の恋愛物…と思いきや、途端にSFチックな流れに。主人公の欠落した記憶の謎、そして九龍の上空に浮かぶジェネリックテラ…ミステリアスな展開に加え、鯨井さん×工藤くんのじれったい関係性が気になるばかりです…!あと、本作に登場する"レモンチキン"がとにかく美味しそうで、自分でも作ってみたくなりました(笑)
5位 寄生獣(全10巻/完結)
寄生獣 1(アフタヌーンコミックス)
作者 |
岩明均 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
1990年7月 |
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『寄生獣』は、SFファンタジー漫画界における屈指の名作で、それでいて今読んでも全く古臭さを感じない作品です。世に出てはたちまち忘れ去られていく漫画が多い中、本作はおそらく100年後も読み継がれていく漫画となるでしょう。古くより、人間に寄生する生物を描いた作品は小説でも映画でもたくさんあります。主人公の新一も同じで、頭部への寄生生物の侵入は防いだものの、右手に寄生されてしまい、それは独立した意識を持つようになるのです。徐々に変貌していく新一の身体、そして「ミギー」との奇妙な共存関係。誰の視点から読むかによって印象がガラリと変わるところも本作の醍醐味だと思います!
6位 テルマエ・ロマエ(全6巻/完結)
テルマエ・ロマエ 1(ビームコミックス)
作者 |
ヤマザキマリ |
出版社 |
エンターブレイン |
出版年月 |
2009年11月 |
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日本中に大旋風を巻き起こしたテルマエ・ロマエブーム。いや、銭湯ブームと言ったら良いのでしょうか(笑)爆笑もののギャグ漫画でありながら、日本の古き良き文化を再発見できる本作は、アニメ化・実写映画化もされたちまち人気漫画の仲間入りを果たしました。古代ローマの浴場設計技師ルシウスは、設計において悩み始めると水中に吸い込まれてしまい、なぜか日本の風呂場にタイムスリップするというストーリー。何から何までツッコミどころ満載なのですが、風呂という文化を最大限享受できる日本に生まれたことを感謝したくなる作品です。ちなみに2022年にNetflixにてTVアニメ「テルマエ・ロマエ ノヴァエ」の配信が決定しています。風呂ブーム再来ですね!!
7位 11人いる!(全1巻/完結)
11人いる! (小学館文庫)
作者 |
萩尾 望都 |
出版社 |
小学館 |
出版年月 |
1994年12月 |
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「懐かしい!」という声が聞こえてきそうですね。sakuraは子どもの頃、萩尾望都さんの漫画を読んで育った世代ですから、名作だらけの萩尾作品の中でもどの漫画をチョイスするか非常に迷いました。今回はよりSF色が強い『11人いる!』をご紹介します。宇宙大学の最終試験において、外部との一切の接触が絶たれた宇宙船に乗り込んだ10人。…のはずなのですが11人目がいた!というストーリーです。疑心暗鬼の中、手を取り合って協力するのがなんと難しいことか…!究極のクローズド・サークルものであり、ほんのり耽美な香りも漂う本作は、何度読んでも色褪せることのない傑作漫画です。
8位 天は赤い河のほとり(全28巻/完結)
天は赤い河のほとり 1(フラワーコミックス)
作者 |
篠原千絵 |
出版社 |
小学館 |
出版年月 |
1995年5月 |
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7位に引き続き、名作少女漫画シリーズが続きます(笑)タイムスリップもので骨太の歴史漫画を楽しみたいなら『天は赤い河のほとり』もおすすめ!古い作品なので、少々絵柄の古さは否めませんが、構成力とストーリーで読ませてくれます。普通の女子中学生・夕梨は、ある日古代ヒッタイト帝国にタイムスリップしてしまいます。ヒッタイト…といえば、世界史で習ったあれですね。この漫画を読めば、まるで興味のなかったヒッタイトについて否応なく詳しくなることでしょう。そして、夕梨を助けるカイル皇子が目の毒になるほどカッコイイので、現実に戻れなくなることも覚悟しましょう…。歴史漫画としても恋愛漫画としても、一度は読んでおきたい作品です。
9位 推しの子
推しの子 1(ヤングジャンプコミックス)
作者 |
赤坂 アカ(著), 横槍 メンゴ(著) |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2020年7月 |
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良い意味で完全にタイトルに騙された漫画です。「どうせアイドルを推す話なんだろうなぁ」と、なんの気なしに手に取った作品だったのですが、全然違った…!いや、そうなのですが想像していた以上に色々な意味が含まれた漫画だったのです。地方都市の産婦人科医として働く主人公ゴロー。彼の働く病院に、推しのアイドル・星野アイが訪れるところから物語は始まります。そうか、タイトルの意味は「推しの子ども」という意味も含まれているのか…!と。何を言ってもネタバレとなりそうなので多くは語りませんが、生まれ変わりというSF要素、真犯人を探すサスペンス要素、そして愛憎渦巻くアイドル業界の裏側など、可愛い表紙とは裏腹に内容はかなりシリアス。続きが非常に楽しみです!
10位 銀河英雄伝説
銀河英雄伝説 1(ヤングジャンプコミックス)
作者 |
藤崎 竜(著), 田中 芳樹(原著) |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2016年2月 |
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「まさか、あのフジリューが銀英伝を描くなんて…!」と最初は驚きました。『封神演義』の中華なイメージが強く、SFファンタジーとはかけ離れているように思えたからです。そして原作はあまりにも有名な田中芳樹先生。でもそんな一抹の不安も杞憂に終わったようで、スタイリッシュでオリジナリティあふれた銀英伝に生まれ変わりました!常勝の天才ラインハルトと、不敗の魔術師ヤン・ウェンリー。2人の英雄がお互いを認め合いながら幾度となくぶつかりあい、銀河を駆け抜ける様は、現実を忘れてのめりこんでしまうほどに面白いです。でも一番感動したのは、ラインハルトの金髪の描き込みの凄まじさだったりします。どれだけ時間かけてるんだ、この髪の毛…(笑)
11位 あまつき(全24巻/完結)
あまつき 1(ZERO-SUMコミックス)
作者 |
高山 しのぶ |
出版社 |
一迅社 |
出版年月 |
2005年3月 |
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高山しのぶさんのイラストと色使いが好きすぎて、画集を買うぐらいハマっていた漫画です。主人公・鴇時は、見学に来ていた大江戸博物館で「鵺(ぬえ)」という妖に襲われ、気がつくと江戸時代のような世界に迷い込んでしまいます。単純なタイムスリップものではなく、巻を追うごとにストーリーが複雑になっていくのが特徴。最終巻は、最初に思い描いていた世界とはかなり様相が変わっていますが、じっくり読み直すと本当によくできたプロットだと感じます…!登場人物がみんな可愛く、梵天派か、露草派かで当時かなり意見が割れていた記憶があります(笑)麗しいキャラが好きな女性の皆さんにおすすめ!
12位 イムリ(全26巻/完結)
イムリ 1(ビームコミックス)
作者 |
三宅 乱丈 |
出版社 |
エンターブレイン |
出版年月 |
2007年7月 |
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2020年、14年間という長期連載に幕を下ろした『イムリ』。最初から最後まで非常に独創的で、メッセージ性の強い作品でした。当時は画風からしてちょっと異色(というかクセが強い)な漫画だったので、1巻目を読んで「あまり自分の好みではないかも」と思っていたんです…。でも5巻を超えるあたりになると、続きが気になって仕方なくなります。カーマ・イコル・イムリという3つの民族が織りなすSF超大作。超大作ゆえにどうしても世界観の説明が冗長になることもありますが、まずは5巻まで!頑張って読んでください。そこからは自動的に次巻に手が伸びると思います(笑)
13位 ランド(全11巻/完結)
ランド 1(モーニングKC)
作者 |
山下 和美 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2015年4月 |
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『天才柳沢教授の生活』で有名な山下和美さんの描くSFファンタジー漫画『ランド』。四方を4体の神々と深い山に囲まれているという異様な世界観は、謎が謎を呼び、あっという間に読者をこの不穏な世界に連れて行ってくれます。そんな農村で暮らす主人公の少女・杏は、いつも「山の向こう」がどうなっているのか興味津々でした。ある日彼女はひょんなことから、「山の向こう」に行ける人間がいることを知り、徐々にその世界の秘密を垣間見ることになるのですが…。本シリーズの中盤以降は、強烈すぎる真相が明らかになり、読破した後にまた1巻目から読み直してしまいたくなること必至!!
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④【異世界系】今や大人気ジャンル。いつでも現実逃避ができる8選
1位 本好きの下剋上
本好きの下剋上 第一部 1(コロナ・コミックス)
作者 |
香月美夜(著), 鈴華(著), 椎名優(著,その他) |
出版社 |
TOブックス |
出版年月 |
2016年6月 |
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初出は小説の投稿サイト「小説家になろう」で2013年から連載されていた作品です。『本好きの下剋上』はそのタイトルの通り世の中の本好きな読者の心をがっちりと掴みました!現代の日本に暮らす本好きの女子大生・麗乃は、図書館への就職が決まった矢先に事故に巻き込まれ亡くなってしまいます。…が、目が覚めると異世界の貧しい兵士の家の女の子・マインに生まれ変わっていたのです。でもその世界には大好きな本が見当たらない。それどころか「紙」さえ簡単に手に入らないのです。本がなければ作ってしまえばいい!と、前世の知識をフル活用して紙から本を作ろうというマインをついつい応援したくなります。小説・漫画・アニメどれから入ってもOKですよ!
2位 ライドンキング
ライドンキング 1(シリウスコミックス)
作者 |
馬場康誌 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2019年1月 |
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正直言うと、最初はあまり食指が動かなかった表紙ですが…(すいません)読み始めてみるとめちゃめちゃ面白いではありませんか!今や交通渋滞が起きるほど異世界転生ものであふれた時代。でもたいていの主人公は若くて可愛い女の子だったり、冴えないニートの男の子なんかが多いような気がしますが、本作はそんな型には一切はまりません!だって、『ライドンキング』の主人公プルチノフはロシアの◯ーチンに激似のマッチョでいかついおじさんなんですもん。(大統領で格闘技好きというところまでそっくり)テロリストの襲撃を受けて気を失ったプルチノフですが、目が覚めるとそこはモンスターと人間が共存する異世界だったのです。主人公が超人であり、一般人の感覚とまるでずれているところも面白いです。個人的に長く続いて欲しいシリーズですね(笑)
3位 幼女戦記
幼女戦記 1(角川コミックス・エース)
作者 |
東條 チカ(著), カルロ・ゼン(原著) |
出版社 |
KADOKAWA |
出版年月 |
2016年12月 |
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初出は小説の投稿サイト「Arcadia」です。原作は少々クセがあるため読みづらさもあったのですが、東條チカさんによりコミカライズされた本作は、絵が綺麗でとにかく読みやすい!人事担当のエリートサラリーマンが、同僚に逆恨みされた結果命を落とすことになるのですが、彼は徹底的な超合理主義者であり、無神論者。死後の世界で、創造主Xに「反省させて信仰心を取り戻させる」ために、孤児の少女ターニャに転生させられてしまいます。見た目は可愛い幼女なんだけど、中身はエリートサラリーマン。ターニャがちょくちょく見せる幼女らしからぬ凶悪な顔がツボです。タイトルで敬遠せず、ぜひ手に取っていただきたい作品!
4位 ドリフターズ
ドリフターズ 1(ヤングキングコミックス)
作者 |
平野 耕太 |
出版社 |
少年画報社 |
出版年月 |
2010年7月 |
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ものすごく面白いのに作者が遅筆ゆえなかなか新刊が出ず、やきもきさせられるシリーズです(笑)島津豊久や織田信長など歴史上の人物たちが、それぞれの時代から異世界へタイムスリップしエルフや竜などが存在する異世界へと飛ばされてしまうというストーリー。タイトルにもある「ドリフターズ」とは「漂流者」という意味。やはり偉人たちはどんな時代、どんな世界に行ってもすぐに適応し上を目指すものなのか…!ハンニバルやスキピオ、はたまたジャンヌ・ダルクなども登場するので、世界史が好きな人ならニヤリとしてしまいそうです。アニメ化もされていますが、二期は原作のストックがたまらないと放送は難しそうだなぁ…(遠い目)
5位 図書館の大魔術師
図書館の大魔術師 1(アフタヌーンコミックス)
作者 |
泉 光 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2018年4月 |
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本作は「転生もの」ではありませんが、昔思い描いていたようなファンタジー系の異世界を思う存分堪能できる漫画です。作者さんの絵がとにかく繊細で隅々まで美しく(描き込みどうなっているのというぐらい細かい!)、世界観やキャラクター設定も丁寧に練られているのがわかります。主人公の少年シオは、大の本好きなのですが、貧乏で人と見た目が違うというだけで迫害され村の図書館の利用すら制限されています。そんな彼が、差別が存在しない本の都アフツァックの司書を目指すというビブリオファンタジー。本を好きなときに自由に読めるという幸せを改めて感じます…!少年の成長を最後まで必ず見届けたいです。
6位 異世界居酒屋「のぶ」
異世界居酒屋「のぶ」 1(カドカワコミックス・エース)
作者 |
蝉川 夏哉(原作), ヴァージニア二等兵(漫画) |
出版社 |
KADOKAWA |
出版年月 |
2015年12月 |
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老若男女どの年齢層にもおすすめしたい異世界グルメ漫画です!グルメ漫画って、中にはどうもキャラや食べ方が気に入らないというのは「あるある」だと思うんですが、本作の魅力は「すべてが自然体」なんです。異世界の古都アイテーリアの裏路地に繋がっているのは居酒屋「のぶ」。日本の居酒屋では「とりあえず生!」と注文するのが定番ですが、この「のぶ」でも生ビールは「トリアエズナマ」で定着(笑)いつも食べている居酒屋の定番メニューがこんなにも美味しそうに見えるとは…!さまざまな問題を抱えた異世界の人たちも「のぶ」の料理に舌鼓を打ち、常連になっていく様子は読んでいてニマニマしてしまいます。
7位 最果てのパラディン
最果てのパラディン 1(ガルドコミックス)
作者 |
柳野かなた (原作), 奥橋睦 (漫画) |
出版社 |
オーバーラップ |
出版年月 |
2018年3月 |
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原作の大ファンです!小説投稿サイト「小説家になろう」にて2015年に連載開始、コミカライズそしてアニメ化もされ王道ファンタジー好きの中でも話題になっている作品です。引きこもりで無為な人生を過ごしてきた主人公は、死後に記憶を保ったまま異世界で赤ん坊として転生します。彼はウィルと名付けられ、廃墟で不死者の3人ブラッド、マリー、ガスに育てられるのですが…。原作のイラストを担当されていた輪くすさがさんのタッチが印象的だったのですが、コミカライズ版では奥橋睦さんによりポップで馴染みやすい絵柄となりました。ありがちなチートではなく、ウィルが努力に努力を重ねて強くなっていくのが好ましいです。原作は感涙レベルなので、ぜひあわせてお読みください!
8位 転生したらスライムだった件
転生したらスライムだった件 1(シリウスコミックス)
作者 |
伏瀬 (原作), 川上泰樹 (漫画) |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2015年10月 |
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異世界転生ものといえば「転スラ」も絶対に外すことはできませんね!こちらも例に漏れず小説投稿サイト「小説家になろう」にて2013年から連載されていた作品のコミカライズです。通り魔に刺されて死んでしまった37歳サラリーマンが、異世界でスライムに転生したという、まさにタイトル通りの作品です。この手の作品によくあるチート感が気になる人もいるかもしれませんが、やはり人気の作品というのは人気の理由があるもので。ゲームの中では最弱の代表格であるスライムですが、次々と能力を獲得していくのが小気味良いです。中身はおっさんでもスライムは可愛い…でもおっさんか…。RPGで育った世代にもおすすめです。
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⑤【恋愛系】ファンタジーでも恋したい!胸キュン必至の7選
1位 昴とスーさん
昴とスーさん 1(ハルタコミックス)
作者 |
高橋 那津子 |
出版社 |
KADOKAWA |
出版年月 |
2017年8月 |
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sakuraは既刊本を何度も何度も繰り返し読むくらい、愛してやまない作品です。ハルタは大人の女性好みの良質な作品が揃っているのですが、本作はその中でも5本の指に入るぐらいだと思っています。表紙を見て歳の差恋愛もの?それとも姉弟もの?と思っている方、どれも違います…!ネタバレになるので詳細は避けますが、小さなアパートで暮らす澪と昴はある秘密を抱えています。お互いを思いやる気持ちと、どこまでも変わらない愛情が泣きたいほど胸に迫ります。小説ではよく「行間を読む」という言い方をしますが、本作は一コマ一コマ登場人物の仕草から気持ちが透けて見え、言葉が無くともこんなにも感情を伝えられるものなのかと感動します。恋愛好きなら絶対読んで!!
2位 わたしの幸せな結婚
わたしの幸せな結婚 1(ガンガンコミックス)
作者 |
顎木 あくみ (原作), 高坂 りと (漫画) |
出版社 |
スクウェア・エニックス |
出版年月 |
2019年9月 |
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パッと見ると普通の恋愛漫画に見えませんか?でもあえて「ファンタジー漫画」としてご紹介する理由は、本作では「異能」という能力が結婚の鍵になっているからです。「異能」を持つ家系が名家である時代に、その家系に生まれながら一切能力を受け継がなかった娘・美世。実母が早くに亡くなり、継母と義母妹に使用人同然に虐げられて育ちます。その嫁入り先を命じられたのは、冷酷無慈悲と評判の久堂家。幸せになれるはずもない結婚でしたが…。まさに和製シンデレラ!清霞はイケメンという言葉では生ぬるいほどの美貌で直視できません(笑)不器用だけれどお互い惹かれあっている2人の幸せを祈るばかりです。それにしてもやはり和装というのは麗しいものですね…!
3位 図書館戦争 LOVE&WAR(全15巻/完結)
図書館戦争 LOVE&WAR 1(花とゆめCOMICS)
作者 |
有川 浩 (原作), 弓 きいろ (漫画) |
出版社 |
白泉社 |
出版年月 |
2008年4月 |
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『図書館戦争』はあまりにも有名すぎるので、あらすじについては割愛しますが、このコミカライズ『図書館戦争 LOVE&WAR』は原作ファンでもぜひ読んでもらいたい!sakuraは原作小説シリーズが大好きなので、コミカライズはちょっと不安だったのですが…ここまで原作の格好良さと身悶えするほどの甘々っぷりを再現してくれるなんて、正直予想外でした。郁は同性から見てもびっくりするくらいひたむきで、男前なのにキュートだし、堂上教官に至ってはこんなイケメン世の中に存在するんですか…というぐらい魅力的です。ちなみに「別冊編」もコミカライズされていますが、こちらは糖度120%なので覚悟して読んでください(笑)
4位 魔法使いの嫁
魔法使いの嫁 1(ブレイドコミックス)
作者 |
ヤマザキコレ |
出版社 |
マッグガーデン |
出版年月 |
2014年4月 |
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異類婚ものが好きな皆さん、『魔法使いの嫁』はいかがですか?オークションで売られていた身寄りのない少女チセを買ったのは、魔法使いのエリアス。「弟子 兼 嫁」として引き取られたチセが、悲しい過去から一転し大切に育てられていく様にホッとします。エリアス(毎回エアリスと間違える)は常に紳士な態度なのですが、何しろ表情が読めないので掴みどころがなく、それでもチセのことになると時折冷静さを失うのが可愛いです…!バトル漫画のような起伏があるわけではなく、淡々と日々が綴られていく作品なので、雰囲気を楽しみたい人に特におすすめします。アニメ版のOPもめちゃくちゃ良い曲です。
5位 太陽と月の鋼
太陽と月の鋼 1(ビッグコミックス)
作者 |
松浦だるま |
出版社 |
小学館 |
出版年月 |
2020年10月 |
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『累』で衝撃的なデビューを果たした松浦だるまさんですが、本作『太陽と月の鋼』の舞台はなんと江戸時代。(でも異能バトルもの!?)やはりこの作者さんの絵柄はうっとりするほど美しく、特に表紙絵は秀逸で隅々まで眺めてしまいます。主人公・鋼之助は武士でありながら、金物を持つと奇妙に折れ曲がってしまい、刀を持てないという特殊体質。当然稼ぐこともできず貧乏暮らしです。でも彼のもとに、美貌の女性・月が嫁いで来るのです。自分とは不釣り合いと追い返してもやはり鋼之助の側に置いて欲しいという。何か大きな秘密を抱えた妻・月と、鋼之助の体質に隠された謎とは…?全く先が読めず、今とにかく続きが気になる漫画のひとつです!
6位 赤髪の白雪姫
赤髪の白雪姫 1(花とゆめCOMICS)
作者 |
あきづき空太 |
出版社 |
白泉社 |
出版年月 |
2007年12月 |
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ライトな気持ちで読める少女漫画をお探しなら、『赤髪の白雪姫』がおすすめです!世にも珍しい赤い髪を持つ白雪は、自国の王子に目をつけられ愛妾に命じられるのですが、彼女は拒否し国を出ることに。そして隣国の森で助けてくれたゼンはなんとその国の王子だった…というストーリーは超王道の少女漫画。でも本作の一番の魅力は、なんといっても主人公・白雪の常にそのときの最善の道を選びとる頭の良さと、その心の強さです。そしてゼンやオビをはじめとする彼女を取り巻くキャラクターも個性的な面々が揃っています。アニメ化もされているので、ぜひあわせてお楽しみください。
7位 金の国 水の国(全1巻/完結)
金の国 水の国(フラワーコミックスアルファスペシャル)
作者 |
岩本 ナオ |
出版社 |
小学館 |
出版年月 |
2016年7月 |
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『町でうわさの天狗の子』の岩本ナオさんが手がけるファンタジー『金の国 水の国』は、ほんのり昔懐かしい雰囲気が漂う童話風のお話で、ほっこり温かい気持ちになります。毎日些細なことでいがみあっているA国とB国。そこで友好のために、それぞれA国は一番美しい娘をB国に、B国は一番賢い青年をA国に送り合って縁組をすることになるのですが…。サーラとナランバヤルは、決して美男美女というわけではないのだけれど、一冊でこの満足感。やはり人間は見てくれではなくて心根の温かさなんだなぁ(笑)読後感爽やかで、手元に置いて何度も繰り返し読みたくなるファンタジー漫画です。
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⑥【戦記系】骨太な歴史ファンタジーが読みたい人なら絶対この7選
1位 キングダム
キングダム 1(ヤングジャンプコミックス)
作者 |
原 泰久 |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2006年5月 |
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『ワンピース』同様、今更あらすじなど不要なほど有名になってしまった作品です!もう1巻発売から15年も経ったのですね…当時、キングダムの単行本化を記念して、書店で1話目が読める小冊子を配っていたことを思い出しました(笑)後の独裁者としてその名を馳せることになる始皇帝の少年時代から描かれます。下僕の少年、信と漂は「天下の大将軍」となるため必死に稽古に励むのですが、そんな2人のもとに、ある一人の男が現れるところから物語は動き始めます。壮大な歴史漫画の幕開けですが、この作品が今後史実にそって進むのか…それとも…?作者さんには、ぜひとも無事完結させて欲しいものです。
2位 ヒストリエ
ヒストリエ 1(アフタヌーンコミックス)
作者 |
岩明均 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2004年10月 |
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続きがなかなか出ないシリーズNO.1!しかし……とにかく面白いっ…!!『寄生獣』で一躍有名になった岩明均さんの歴史漫画『ヒストリエ』は、何というか知的好奇心をくすぐるような作品なんです。後にかの有名なアレキサンダー大王の書記官となるエウメネスにスポットを当て、彼の波乱万丈な人生を描きます。物語は遅々として進まないのですが、ただのひとりの青年であり、類稀な天才でもあるエウメネスをこうも魅力的に描けるものなのか。読み進めると辿ってきた道のりのあちこちに伏線が張られていることに気づきます。アレキサンダー大王の青年時代の描写もまた斬新で、「無事に完結するかどうか」という一点さえクリアできれば、おそらくsakuraの中で首位確実の漫画です(笑)
3位 ヴィンランド・サガ
ヴィンランド・サガ 1(アフタヌーンコミックス)
作者 |
幸村誠 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2006年8月 |
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続きがなかなか出ないシリーズNO.2です(笑)11世紀の北欧を舞台に、ヴァイキングたちの生き様を描いた作品で、幻の理想郷「ヴィンランド」を目指すお話。最強の戦士トールズの子トルフィンは、父を殺された復讐心から戦場の中で生きがいを見出すようになります。人を見ればナイフを振るうような激しい少年時代を経て、巻を追うごとにトルフィンが人間的に変化していく様は、何だか感慨深い気持ちになります。(sakuraは正直初期の頃の手負いの獣のようなトルフィンも好きだったのですが)本当の強さとは何なのか。力だけが強さではないのだと証明してくれるような作品です。アニメも面白いので、ぜひあわせてご覧くださいね!
4位 アルスラーン戦記
アルスラーン戦記 1(講談社コミックス)
作者 |
荒川 弘 (著), 田中 芳樹 (原著) |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2014年4月 |
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田中芳樹さんの言わずと知れた大ヒット小説シリーズをコミカライズ…連載開始された当初、誰もが「無謀」と思ったことでしょう(笑)ハガレンの作者だから大丈夫という期待はありましたが、何しろ原作小説が完結しないまま長い月日が経っていたからです。でもさすがは荒川さんで、クセのある原作をたちまち独自のカラーに染めてしまいました。気弱で優しいアルスラーン王子も、王子一筋で超人的な力を持つダリューンも、頭脳としたたかさを兼ね備えたナルサスも、今ではコミカライズ版のキャラクターの印象が強いです。2017年、原作は完結を迎えましたが漫画は原作通りの結末をたどるのか気になるところです。
5位 将国のアルタイル
将国のアルタイル 1(シリウスコミックス)
作者 |
カトウコトノ |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2008年4月 |
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エキゾチックな絵が美しい『将国のアルタイル』。表紙を並べてゆっくりと鑑賞したいぐらい個人的に好みのイラストです。(1巻目はまだあっさりしていますが、巻数を重ねると凄まじく細かい描き込みになります)17歳という若さで史上最年少の将軍にまで上り詰めた主人公マフムート。戦争で母親を失った経験から、もう二度と戦争を起こさせないという信念を持つ彼は、頭が切れる天才でありながら、ときには感情的になり暴走してしまうという若い一面も。世界観はどこか『アルスラーン戦記』と通じるものがありますが、本作はより戦争の醜さがリアルに描かれています。巻を追うごとにめちゃくちゃ面白くなっていくので、まずは最初の5巻は一気読みしてください!
6位 軍靴のバルツァー
軍靴のバルツァー 1(BUNCH COMICS)
作者 |
中島 三千恒 |
出版社 |
新潮社 |
出版年月 |
2011年7月 |
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歴史ファンタジー漫画というジャンルでは珍しく、19世紀のヨーロッパの軍隊を描いた『軍靴のバルツァー』。(ちなみに設定としては架空の国が舞台となっています)主人公のバルツァーのキャラクターがとても魅力的。ヴァイセン王国の陸軍特務少佐であるバルツァーは、明るく陽気でありながら、古きものを切り捨て新しいものを取り入れる戦略眼には突出したものがあります。出世コースと思われた彼は、士官学校の先生として派遣されることになるのですが、持ち前の頭脳を生かしながら軍事力をアップデートしていきます。バルツァーの教え子たちの成長も、本作の読みどころのひとつです。
7位 BASARA(全27巻/完結)
BASARA 1(フラワーコミックス)
作者 |
田村由美 |
出版社 |
小学館 |
出版年月 |
1991年3月 |
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sakuraが小学生の頃ハマった漫画『BASARA』。今読むとどうしても絵柄の古さは否めないのですが、やはり名作中の名作で面白いです!舞台は20世紀末、高度な文明が滅びた後の日本。運命の子として双子の兄・タタラの身代わりとして人々を導くことになった少女・更紗が主人公です。更紗は、朱里がまさか兄や村人たちの仇である赤の王だとは知らずに、惹かれていくというのは少女漫画における定石ですが、ドキドキしてしまいます。次々と人が死んでいくので決して軽い物語ではありませんが、未読の人がいれば一度は読んでいただきたい作品です。
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⑦【王道系】これぞ王道ファンタジー!ポップな世界を楽しめる6選
1位 マギ(全37巻/完結)
マギ 1(少年サンデーコミックス)
作者 |
大高忍 |
出版社 |
小学館 |
出版年月 |
2009年12月 |
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王道中の王道!!どの巻もカラフルな表紙が目を引く『マギ』は、剣と魔法のファンタジーが好きな人ならば絶対に外せません。本作はアラビアンナイトのような世界観で、1巻目から壮大なストーリーを感じられます。一番の魅力は、とにかくキャラが立っているところ!主人公の少年アラジンをはじめ、正義感の強いアリババも、可愛いのにめっぽう強いモルジアナも、敵キャラのジュダルだって登場人物すべてと言って良いほど個性的なキャラ揃い。これだけ莫大なキャラが登場するのに、しっかり描き分けされているのもすごいと思います。明るさと、ダークさと、絶妙なギャグパートが融合した冒険活劇です。
2位 とんがり帽子のアトリエ
とんがり帽子のアトリエ 1(モーニングコミックス)
作者 |
白浜 鴎 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2017年1月 |
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王道の中でも、こういうタイプのガチなファンタジーは珍しいと思ったのが『とんがり帽子のアトリエ』です。今この令和の時代に本作を連載してくれているのが嬉しいなと思います。(共感してくださる方いらっしゃるでしょうか…)魔法使いに憧れている少女ココが、ある日をきっかけに魔法使いを目指すという王道ファンタジー。隅々まで描き込まれた精緻な世界観に加え、背景も小物も何から何まで本当に素晴らしい…!作者の白浜鴎さんの画力は海外でも話題になるほどで、漫画のみならず観賞用としても手元に置いておきたいシリーズです。
3位 乱と灰色の世界(全7巻/完結)
乱と灰色の世界 1(ハルタコミックス)
作者 |
入江 亜季 |
出版社 |
エンターブレイン |
出版年月 |
2009年11月 |
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女性も男性も、「色気のあるキャラクター」を描かせたら、入江亜季さんの右に出る者はいません!断言します!(笑)現在連載中の『北北西に曇と往け』もそうですが、なんでこんなに登場人物みんなが麗しいの……と思うほどです。本作『乱と灰色の世界』は、入江作品の中でもとりわけキュートでポップ。10歳の少女・乱はあるダボダボのシューズを履くとグラマラスな大人の女に変身できるという秘密があるのですが、ある日変身後の姿のまま初恋に落ちてしまうのです。魔法使いものでもあり、バトルものでもあり、恋愛漫画でもある本作は、全7巻という短い物語ながらも喜怒哀楽すべてが詰まったカオスな傑作ファンタジー漫画です。特に女性の方にオススメ!
4位 アラガネの子
アラガネの子 1(ジャンプコミックス)
作者 |
佐々木 尚 |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2021年3月 |
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ジャンププラスで連載中の『アラガネの子』は、どことなく懐かしさを感じるストーリーです。鉱石職人の青年・朱星と、家族と自らの足を石に変えられてしまった少年・灰が繰り広げる冒険オリエンタルファンタジー。師弟ものって昔はよくありましたが最近はあまり見かけなくなったので、逆に斬新なイメージがありますね…!師弟コンビのやりとりと、それぞれのギャップ(朱星が料理下手、灰がしっかり者)についニヤニヤしてしまいます。絵も綺麗で読みやすいので、気になった方はまずジャンプラで試し読みするのも良いかも?
5位 王国の子(全9巻/完結)
王国の子 1(ITANコミックス)
作者 |
びっけ |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2012年8月 |
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びっけさんの水彩画タッチの絵柄が本当に大好きです。sakuraはびっけ作品はコンプリートしていますが、その中でも男女ともに王道ファンタジーとして楽しめるのが『王国の子』です。王位継承権を持つ王女エリザベスの影武者に選ばれた少年ロバートが主人公。男性が女性の影武者になるという漫画は意外とあります。先ほどご紹介した『ベルサイユオブザデッド』(スエカネ クミコ著)や、『少年王女』(雪広うたこ著)もそうです。やはりこのテーマはスリリングで、かつロマンがあるのでしょうか(笑)実在したエリザベス一世の生涯とフィクションを融合させた、とても疾走感のある歴史ファンタジーです。ぜひ感動の最終巻まで読んで!!
6位 騎士譚は城壁の中に花ひらく(全3巻/完結)
騎士譚は城壁の中に花ひらく 1(ガルドコミックス)
作者 |
ゆづか正成 |
出版社 |
オーバーラップ |
出版年月 |
2020年11月 |
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『騎士譚は城壁の中に花ひらく』は王道ファンタジーの中でもちょっと特殊で、本作は中世ヨーロッパの城下町の日常が描かれています。騎士見習いのロサの成長物語をベースとし、当時の生活様式がものすごく丁寧に描かれているところが個人的に好みでした。食べ物や見取り図など、ページの余白に描かれる手書きのコラムがまたRPG好きには興味をそそられるんです…!無限に広がりを見せそうなストーリーだけに、3巻で完結となってしまったのは非常に惜しい。それでも本作を読んで絶対に損はないので、一風変わった騎士たちの日常を覗いてみたい人は、ぜひ読んでみてくださいね。願わくは、またいつか続編が出ますように!
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⑧【旅・冒険系】旅の行きつく先は?壮大なスケールで描かれる6選
1位 葬送のフリーレン
葬送のフリーレン 1(少年サンデーコミックス)
作者 |
山田鐘人 (原作), アベツカサ (作画) |
出版社 |
小学館 |
出版年月 |
2020年8月 |
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「マンガ大賞2021」大賞を受賞した『葬送のフリーレン』。本作が他のファンタジー漫画と違うところは、通常の漫画の終着点となっているところが、この漫画の始まりだということです。勇者一行が魔王を倒し、世の中に平和が訪れた後日譚。主人公は、パーティーのひとりだったエルフの少女フリーレン。(少女の見かけをしているとはいえ長寿なので人間で言うと1000歳を超える)長生きの彼女は、人間の寿命の短さや儚さをなかなか理解することができません。過去の回想シーンを挟みながら緩やかなときが流れていくストーリーは、無性に切なく温かな感動に包まれます。これは読まないとわからない!新感覚のファンタジー漫画なので、ぜひともたくさんの人に読んで欲しいです。
2位 マギ シンドバッドの冒険
マギ シンドバッドの冒険 1(裏少年サンデーコミックス)
作者 |
大高 忍 (原著), 大寺 義史 (イラスト) |
出版社 |
小学館 |
出版年月 |
2013年9月 |
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さきほどご紹介した王道ファンタジー『マギ』より30年前の時代。後に七海の覇王となるシンドバッドの少年時代から始まる物語です。本編『マギ』でもシンドバッドのオーラは特別なものがありましたが、やはりこれを読むと彼は少年時代から天才以外の何者でもないということがわかります…!なんというか、「どこまでもブレない人」だなと(笑)ちなみに作者は、マギの大高忍さんのアシスタントである大寺義史さん。絵柄も似ているので、『マギ』ファンでも違和感なく読めると思います。最終巻は本編へと繋がるストーリーで、また最初から読み直したくなってしまうかも?
3位 獣の奏者(全11巻/完結)
獣の奏者 1(シリウスコミックス)
作者 |
上橋菜穂子 (原作), 武本糸会 (漫画) |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2009年5月 |
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上橋菜穂子さんの原作『獣の奏者』を読んで、sakuraはこれでもかというほど号泣しました。そのときの記憶を胸に抱えたまま、数年経ったときに出会ったこのコミカライズ。自分の大好きな小説が、脳内ではなく他人の描いた絵で可視化されるというのに最初は抵抗があったのですが、読み始めてみるとその忠実な再現度に驚きました!戦闘用の獣である闘蛇と、神聖な獣である王獣をめぐり、少女エリンの波乱万丈の人生が描かれます。あらすじだけでは魅力を表現できないほどに、深い作品です。アニメ版とはキャラデザインが違うのですが、個人的には漫画のほうがより気に入っています。
4位 テガミバチ(全20巻/完結)
テガミバチ 1(ジャンプコミックス)
作者 |
浅田 弘幸 |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2007年1月 |
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美しく淡いタッチで描かれる『テガミバチ』。表紙絵の雰囲気が好きな方なら、おそらく内容も気に入るのではないでしょうか。夜が明けることのないアンバーグラウンド。そこでは、3つの階級層にわかれて住人たちが暮らしており、人工太陽の光すら届かない最下層エリアでは、鎧虫という危険な生物が生息しています。そんな中、危険を顧みず人々の唯一の希望である手紙を運ぶのが「テガミバチ」の仕事。本作の世界観がすばらしく、手紙に込められた人々の気持ちは優しく泣けるエピソードばかりです。ちなみに浅田弘幸さんの画集も超絶美しいので、イラストを気に入った人はぜひ!
5位 ダンジョン飯
ダンジョン飯 1(ハルタコミックス)
作者 |
九井 諒子 |
出版社 |
KADOKAWA/エンターブレイン |
出版年月 |
2015年1月 |
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『ダンジョン飯』1巻が発売されたときのことを覚えています。「モンスターを食べるグルメ漫画が出た!」と、当時ちょっとした話題になりました(笑)ドラクエなどのRPGで育った世代は絶対楽しめます。パーティーを組んで、ダンジョンに入っていくというのはゲームそのままですが、そういえば食事事情って今まで考えたこともなかったですよね。でもこの『ダンジョン飯』では、退治するモンスターも無駄にはしません!「大サソリと歩き茸の水炊き」や「除霊ソルベ」「茹でミミック」など笑っちゃうぐらいオリジナリティーあふれる料理が並びます。調理法まで細かく描かれ、ちょっと美味しそう……と思ってしまう自分が怖い。ちなみに連載誌は、途中でビームからハルタへと移っています。
6位 空挺ドラゴンズ
空挺ドラゴンズ 1(アフタヌーンコミックス)
作者 |
桑原 太矩 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2016年11月 |
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旅は旅でも「空の旅」がお好みなら、『空挺ドラゴンズ』はいかがでしょうか?ドラゴンとの戦闘もののみならず、それを狩って食らう!という異色のグルメ漫画でもあります。『ダンジョン飯』同様、予想の斜め上を行くグルメです(笑)ドラゴンの肉ってどんな味がするんだ…と思いますが、うまい具合に料理しているのを見ると意外と美味しそう。ジブリへのオマージュが感じられる画風(服装もナウシカっぽい)ですが、あくまでも捕龍船での日常が描かれているのでストーリーはゆるゆるとしています。これといった起伏があるわけではないので、日常系ファンタジーが好きな人におすすめします。
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⑨【世界観が良い系】唯一無二!独特な世界観がついクセになる6選
1位 群青学舎(全4巻/完結)
群青学舎 1(ハルタコミックス)
作者 |
入江 亜季 |
出版社 |
KADOKAWA/エンターブレイン |
出版年月 |
2006年8月 |
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sakuraの愛読書と言っても過言ではありません!入江作品は先ほどもご紹介した『乱と灰色の世界』や『北北西に曇と往け』はよく知られているのですが、『群青学舎』は意外と知名度が低いようなので、この機会に密かに布教したいと思っております。本作は、青春日常系・ミステリアス系・ファンタジー系、さらに舞台も日本だったり中世風の異世界だったりとさまざまなカラーの作品が詰め込まれた短編オムニバス。どのお話も順位をつけられないぐらい好きなのですが、中でも「待宵姫は籠の中」は特に印象的。外界を知らずに城の中で育った待宵姫と、彼女を盗んだ山賊マミジロとの不器用な恋愛にキュンキュンします!この4冊は一生の宝物です。
2位 王国物語
王国物語 1(ヤングジャンプコミックス)
作者 |
中村 明日美子 |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2018年7月 |
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耽美な世界観がお好きな方に絶対おすすめしたいのが『王国物語』です。中村明日美子さんというと、線が細く、それでいて力強さとなまめかしさが同居した独特のタッチの絵柄が特徴的なのですが、本作は異国を舞台にしたダークな寓話ファンタジーということもあり、その本領が最大限発揮されています。紫の瞳のアーダルテと、青い瞳のアードルテ。片方は皇子に、片方は幽閉と別々の道を歩むことになる双子の物語。同時収録の「王と側近」シリーズもまたとんでもなく美しいです。ストーリーよりもこの独特の妖しい世界観に思う存分浸っていただきたい!青年誌掲載ですが、女性に人気が出そうです。
3位 宝石の国
宝石の国 1(アフタヌーンコミックス)
作者 |
市川 春子 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2013年7月 |
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『宝石の国』は、まさにきらきらと光り輝くような表紙が目印のファンタジー漫画です。絵が独特、キャラも独特、ストーリーも独特で、本作は読む人をかなり選ぶのでは。理解できない人はおそらく1巻目で挫折するだろうし、逆にこの世界観にはまる人はとことんのめりこむのではないかと。遠い未来、宝石の体を持つ28人と、彼らを装飾品にしようと襲ってくる月人との戦いを描いています。本作はもしかするとアニメから入ったほうが理解しやすいかもしれません。(というかこの作品をアニメ化できたということに驚きですが)さきほどご紹介した『アラガネの子』同様、鉱物好きにはたまらない漫画です!
4位 岩元先輩ノ推薦
岩元先輩ノ推薦 1(ヤングジャンプコミックス)
作者 |
椎橋 寛 |
出版社 |
集英社 |
出版年月 |
2021年7月 |
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『ぬらりひょんの孫』で有名な椎橋さんの新連載『岩元先輩ノ推薦』は、大正時代の陸軍学校を舞台にした異能力バトルもの!もう大好きな要素がすべて揃っていて、sakuraは迷わず購入したのですがこれがまた…良い…!(笑)1910年代の陸軍直属の中学校で、岩元先輩が、軍事利用できそうな特殊能力を持つ人間を推薦(スカウト)して学校へ入学させるというもの。本作ではさまざまな異能力者が登場します。謎の黒い雪や、蘇る死者…オカルトチックな現象も岩元先輩が冷静に判断し、本人に学校への推薦状を渡します。大正ロマン×怪奇譚は相性が良く、この世界にいつまでも浸っていたくなります。岩元先輩カッコイイ!!
5位 クジラの子らは砂上に歌う
クジラの子らは砂上に歌う 1(ボニータコミックス)
作者 |
梅田 阿比 |
出版社 |
秋田書店 |
出版年月 |
2013年12月 |
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どこか既視感のある設定ではあるのですが、それでもこの世界観にのめりこませてくれるのは、作者さんの力量なのでしょう。『クジラの子らは砂上に歌う』の舞台は、砂がすべてを覆い尽くしてしまった世界。主人公の少年チャクロは、「泥クジラ」と呼ばれる漂泊船で暮らしているのですが、外の世界のことは何も知りません。それは読者も一緒で、チャクロとともに一歩、また一歩と外の世界の秘密に触れていくことになります。こういうディストピア系のファンタジーは大好物!繊細な絵柄と、どこか懐かしさを感じるストーリーに引き込まれること間違いなしです。アニメ化もされていますよ。
6位 辺境の老騎士 バルド・ローエン
辺境の老騎士 バルド・ローエン 1(ヤングマガジンコミックス)
作者 |
支援BIS(原著), 菊石 森生 (漫画) |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2017年3月 |
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いつもの異世界系はもうおなかいっぱいという人には、まるで名作映画を観ているかのように渋い『辺境の老騎士 バルド・ローエン』をおすすめします!小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿された原作のコミカライズです。本作が他のなろう系とは一味違う理由は、<①主人公がおじさんを通り越して老人である②異世界ものだが転生ではなくチートもない③これといった起伏がなく淡々としている>からなのですが、これが驚くほど良い世界観のファンタジーなんです。金も名誉も捨てた老騎士バルドは、死に場所を探す旅に出るのですが、ついでに美味しいものも楽しもうというスタンスが素敵。若さ=格好良さでは断じてない…!
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⑩【ほのぼの系】心が癒されるファンタジー。ほっと一息つける5選
1位 ハクメイとミコチ
ハクメイとミコチ 1(ビームコミックス)
作者 |
樫木祐人 |
出版社 |
エンターブレイン |
出版年月 |
2013年1月 |
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『ハクメイとミコチ』このファンタジー漫画を知っているのと知らないのとでは、その後の漫画人生に大きな違いが出てくると思います…!それくらい「真のファンタジー漫画ってこういう作品のことを言うんだ」と納得できるのではないでしょうか。まるで絵本のような表紙絵が可愛い本作は、森の中で暮らす小人の女の子たちの日常生活を描いています。身長9センチの彼女たちは、ハクメイは大工仕事、ミコチは料理や家事などそれぞれ得意分野で生計を立てています。1コマ1コマの描き込みが凄まじく、じっくりと眺めるのも楽しいです。優しくゆったりとした時間が流れる日常が愛おしく、読んでいるこちらまで毎日を丁寧に生きようという気持ちにさせられる漫画です。
2位 夏目友人帳
夏目友人帳 1(花とゆめコミックス)
作者 |
緑川ゆき |
出版社 |
白泉社 |
出版年月 |
2005年10月 |
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あまりにも有名な漫画なので、もはやあらすじについては言わずもがなですね。妖怪が見える少年・夏目が、用心棒のニャンコ先生とともに妖怪たちに名を返す日常を描いた作品です。『夏目友人帳』は一話完結型の作品ですが、どのエピソードも「優しい・切ない・泣ける」の三拍子揃っていて、毎回読んでいて涙ぐんでしまうほど。妖怪は妖怪でも、友好的なものもいれば、夏目を取り込もうとしてくるものもいます。でも最後には決まって温かい気持ちになれる極上のあやかし譚です。巻を追うごとに、孤独な夏目が少しずつ心を開いていく様子も見どころのひとつ。TVアニメやアニメ映画も本当に素晴らしいので、ぜひ一緒にお楽しみください!
3位 蟲師(全10巻/完結)
蟲師 1(アフタヌーンコミックス)
作者 |
漆原友紀 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2000年11月 |
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『蟲師』は、電子書籍ではなくぜひ紙ベースで読んで欲しい漫画のひとつ。どこか懐かしく、時折ぞくりとさせられる本作は古き良き日本の姿が描かれていて、どっぷりとこの世界観に浸れるのはやはり紙の漫画だと思うのです…!旅する蟲師であるギンコが、「蟲」が引き起こすさまざまな不可解な現象を解決してくというお話。どこか民間伝承を想起させるストーリーは、たちまち日常から非日常へと読者を連れて行ってくれます。この世は目に見えるものがすべてではないのですね。深い、深い緑が匂いたつような描写も魅力のシリーズです。
4位 不機嫌なモノノケ庵(全18巻/完結)
不機嫌なモノノケ庵 1(ガンガンコミックス)
作者 |
ワザワ キリ |
出版社 |
スクウェア・エニックス |
出版年月 |
2014年6月 |
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キャラクターが可愛い妖譚がお好みなら、『不機嫌なモノノケ庵』がおすすめ。登場人物の可愛さ然り、その上妖怪まで可愛いんだから世の中の女子たちのハートを掴むはずです(笑)高校に入学して以来妖怪に取り憑かれた芦屋が頼ったのは、妖怪たちを現世(うつしよ)から隠世(かくりよ)に導く仕事をしている安倍晴齋。この世の中にバディものは多々ありますが、祓い屋系のバディはなかなか珍しいのではないでしょうか。常に不機嫌だけど、実は面倒見の良いイケメン安倍さんが大好きです。ちなみにモノノケ庵の描写が、まるで和風どこでもドアのようで密かに憧れています…。
5位 妖怪アパートの幽雅な日常
妖怪アパートの幽雅な日常 1(シリウスコミックス)
作者 |
香月 日輪(原著), 深山 和香 (漫画) |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2011年11月 |
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思いがけず妖怪系の漫画の紹介が続くことになりました(笑)『妖怪アパートの幽雅な日常』もまたほのぼの系ファンタジー好きなら押さえておきたい漫画です。原作小説も大人気で、ジュヴナイル向けかと思いきや、現代社会に疲れた大人の皆さんに意外なほど人気が出ました。高校生の主人公・夕士が家賃2万5000円という破格の金額で入居することになったアパートは、お化けが出るといういわくつきの物件!でも同居しているのは心優しい妖怪たち。中でも手首だけの妖怪るり子さんの作る料理がめちゃめちゃ美味しそうで…。小説版もとても読みやすいのでおすすめです。
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⑪【中華・アジアン系】王宮・後宮ものが大人気!女子にもおすすめの7選
1位 薬屋のひとりごと
薬屋のひとりごと 1(ビッグガンガンコミックス)
作者 |
日向夏 (原作), ねこクラゲ (作画) |
出版社 |
スクウェア・エニックス |
出版年月 |
2017年9月 |
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『薬屋のひとりごと』もまた、小説の投稿サイト「小説家になろう」が初出です。(なろう系のコミカライズが本当に多くなりました!)本作の面白いところは、なんとコミカライズが二種類あること。ねこクラゲさんのスクエニ版と、倉田三ノ路さんのサンデー版。どちらもそれぞれ違った魅力があるのですが、今回はスクエニ版をご紹介します。薬屋の少女・猫猫(マオマオ)は、誘拐され後宮へ下女として売り飛ばされてしまうのですが、悲壮感は一切なく、その薬の知識と鋭い観察眼でさまざまな事件を解決していくのが何とも小気味良い!超絶美形の宦官・壬氏のお気に入りとなるも、猫猫はどこまでも冷めていて誰にも媚びないキャラが良いですね。アニメ化を切に求む!!!!
2位 精霊の守り人(全3巻/完結)
精霊の守り人 1(ガンガンコミックス)
作者 |
上橋 菜穂子 (原作),藤原 カムイ(作画) |
出版社 |
スクウェア・エニックス |
出版年月 |
2007年9月 |
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国際アンデルセン賞を受賞した上橋菜穂子さんの代表作『精霊の守り人』と、『ロトの紋章』で知られる藤原カムイさんのタッグならば、絶対に間違いはありません!守り人シリーズは言わずとしれた児童文学の名作中の名作。藤原カムイさんはこの独特な上橋ワールドを見事にコミカライズしてくれました。短槍使いの女用心棒バルサは、水妖に憑かれた皇子チャグムを守るという大仕事を引き受けます。アジア風の異世界の設定なのですが、食べ物・慣習・風俗に至るまで守り人の世界が隈なく作り込まれていて、本当にこういう世界が存在するかのようなリアリティがある素晴らしい作品です。原作、アニメ、コミカライズすべてが満点の面白さ!
3位 千年狐 ~干宝「捜神記」より~
千年狐 ~干宝「捜神記」より~ 1(MFコミックス フラッパーシリーズ)
作者 |
張 六郎 |
出版社 |
KADOKAWA |
出版年月 |
2018年11月 |
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本作『千年狐 ~干宝「捜神記」より~』は、あまり万人に知られていないかもしれませんが、ぜひ世の中の皆さんにおすすめしたい!!可愛くて、美しくて、泣いて、笑って、顔面崩壊するくらい面白い作品です(笑)中国の志怪小説『捜神記』に着想を得た漫画で、千年を生きた狐が人間たちを化かす古代中国ファンタジー。巻末の膨大な参考文献を見ても、きちんと考証されて描かれているのがわかります。妖狐は人間に化けて妖艶な姿になるのですが、しっぽが隠し切れていないのが可愛い。シリアスなストーリーの中に絶妙なギャグパートと泣けるエピソードが挿入され、何とも味わい深いコミックに仕上がっています。掲載誌は、「月刊コミックフラッパー」とちょっとマイナーですが、結構良い漫画が揃っています。
4位 彩雲国物語(全9巻/完結)
彩雲国物語 1(あすかコミックDX)
作者 |
雪乃 紗衣 (原作), 由羅 カイリ (作画) |
出版社 |
角川書店 |
出版年月 |
2006年6月 |
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この表紙のキラキラ感が眩しいっ……!(笑)あまりの美青年揃いっぷりに、大人の皆さんはなかなか手が出しづらい作品かもしれませんが、これがまためちゃくちゃ面白いのですよ。原作は由羅カイリさんの小説「彩雲国物語シリーズ」(角川ビーンズ文庫)として、当時異常なほどの人気がありました。sakuraもその一人で、毎回新刊が出るのを楽しみにしていたものです。彩雲国の名家に生まれた紅秀麗は、お嬢様なのに家計は火の車。そんな彼女に舞い込んできた仕事は、若き王様の教育係だったのです。とにかく超絶イケメン揃いの逆ハーレム状態なのですが、秀麗はそんな状況に浮かれることもなくその頭脳と要領の良さを発揮します。同性から見ても秀麗は憧れの女性です。
5位 暁のヨナ
暁のヨナ 1(花とゆめコミックス)
作者 |
草凪みずほ |
出版社 |
白泉社 |
出版年月 |
2010年1月 |
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中華風ファンタジーは多いですが、こちらは珍しく韓流といったところでしょうか。でも展開は王道を行く大河ファンタジーなので、安心して読めるのも嬉しいです。何不自由なく高華王国で育った姫ヨナは、ある日従兄スウォンの裏切りにあい父を殺されてしまいます。スウォンは、実はヨナがずっと好きだった初恋の人。ヨナは幼馴染であり彼女の専属護衛のハクに連れられ逃亡生活を余儀なくされることになるのです。外の世界に触れて、ヨナが自分が無知だったことを自覚し成長していく過程も面白いし、なにより幼い頃からずっとヨナを遠くから見てきたハクのいじらしさよ……。国取り系や亡国系が好きな人は必ず読むべきシリーズです!
6位 女王の花(全15巻/完結)
女王の花 1(フラワーコミックス)
作者 |
和泉 かねよし |
出版社 |
小学館 |
出版年月 |
2008年8月 |
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泣ける漫画としても名高い『女王の花』。完結しているのでぜひ一気読みしてもらいたいシリーズです。正妃の娘であり正当な姫であるにもかかわらず虐げられて育った少女・亜姫。彼女はある日、金髪・碧眼を持つ奴隷の少年・薄星と出会います。初めての出会いから、どんなときも一緒にいた2人。やがて国を追われることになった亜姫は、戦乱の世を生き抜いていくことに。特筆すべきは、やはり幼い頃から一緒に育った亜姫と薄星の許されない恋模様でしょう。最終巻は涙なしには読めません。歴史ファンタジーとしても大河ロマンスとしても押さえておきたい作品です。
7位 新暗行御史(全18巻/完結)
新暗行御史 1(サンデーGXコミックス)
作者 |
尹 仁完 (著), 梁 慶一 (イラスト) |
出版社 |
小学館 |
出版年月 |
2001年7月 |
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『新暗行御史』は原作・作画ともに韓国人という、骨太なスーパー伝記ロマン。sakuraは昔漫画好きの友人から全巻セットを借りて、たちまちのめり込みました!暗行御史(あんぎょうおんし、アメンオサ)というのは、実際に李氏朝鮮に実在した国王直属の官吏のこと。(日本で言う水戸黄門に通じるところがある)秘密裏に地方官を監視するという役割を担っています。本作は、その史実に加えて悪魔や幽玄兵士を融合させたファンタジーバトル漫画となっています。やはり韓国コミック界の巨星ということもあり、日本漫画のストーリーとは一味も二味も違います。荒廃しきった世界での正義とは何なのか。一風変わったファンタジー漫画が読みたい人はぜひ!
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