• 2021/01/14
  • 2020/03/02

約束のネバーランドが面白い!謎だらけの展開と伏線を徹底考察!

週刊少年ジャンプで連載されていた大人気漫画『約束のネバーランド』。サバイバル脱獄もの×手に汗握る心理戦で、通常のバトル漫画とは一味違います。謎だらけの展開に加え、張り巡らされた伏線の数々。大人こそハマってしまうこと必至です。本作の隠された謎を徹底解明!

約ネバコミックセット

『約束のネバーランド』ってどんな漫画?

『約束のネバーランド』という漫画をご存じですか?

週刊少年ジャンプで2020年6月まで連載されていた少年漫画で、通称「約ネバ」「ネバラン」と呼ばれています。連載当初から、ジャンプらしからぬブラックな展開と、謎が謎を呼ぶサスペンス要素が話題となり、あっという間にジャンプの人気漫画の仲間入りを果たしました。本作の原作は白井カイウさん、作画は出水ぽすかさんが担当しています。同時期に連載していた『鬼滅の刃』の爆発的人気の中、密かにファンを増やし続けていました。

『約束のネバーランド』あらすじ

親のいない子どもたちが集まる孤児院「グレイス=フィールドハウス」(GF)。そこでは孤児たちが「ママ」と呼ばれ慕われているイザベラのもとで、楽しく幸せな生活を送っていた。子どもたちの中でも、エマ・ノーマン・レイの3人はとりわけ優秀な頭脳を持っており、毎朝のテストでそろって満点を取るほど。そんな中、里親のもとへ旅立ったコニーが大切にしていたぬいぐるみを忘れたことに気付き、エマとノーマンは近づくことが禁じられている門へ急いで向かいます。そこで2人は衝撃的な光景を目にすることに…。

『約束のネバーランド』マンガ賞受賞歴
  • 「このマンガがすごい!2018」オトコ編1位
  • 「マンガ新聞大賞2017」大賞

『約束のネバーランド』は、各種マンガ賞においても頭角を現し、新世代のジャンプ漫画として注目を集めました。今までのジャンプ漫画といえば、『ドラゴンボール』や『ワンピース』などに見られるように<友情・努力・勝利>というのが基本の図式でしたが、「約ネバ」は一味違います。

さきほど「ジャンプらしからぬブラックな展開」と書きましたが、どちらかというと少し大人の読者をターゲットにしているようです。ジャンプの読者層の変化とともに、人気作品の傾向も変わってきたのかもしれませんね。本作の人気の秘密は何なのでしょうか?通常のジャンプ作品とはどんな違いがあるのかを見ていきましょう!

『約ネバ』人気の5つの理由とは?

『約束のネバーランド』は、年少の読者はもちろんのこと、昔ジャンプを読んで育った大人たちからも圧倒的な支持を得ています。酸いも甘いもかみ分けた大人たちがこれほどハマってしまう理由には「あるワケ」があるようです。「約ネバ」の人気の秘密について、ひとつずつ紐解いていきましょう!

※以下、ほんの少しネタバレがあります!

人気のヒミツ① 原作×作画の2人タッグ!

「約ネバ」の特徴は、原作と作画がそれぞれ分かれていることです。原作は白井カイウさん、作画は出水ぽすかさんが担当しています。同じ漫画家とはいえ「プロットを考えるのは得意だけど絵が苦手」な人。逆に「絵は得意だけど、いまいちストーリーを組み立てられない」という人がいるようです。自分の弱点を補ってくれる相手がいたら最強だと思いませんか?

社会現象を巻き起こした『DEATH NOTE(デスノート)』がわかりやすい例で、原作は大場つぐみさん、作画は小畑健さんという2人タッグ。タッグを組むことによってそれぞれが得意分野に注力できるというメリットがあります。「約ネバ」のような"構成力"がものを言うタイプの作品には、原作と作画が分かれているというのはうってつけなのではないでしょうか。


人気のヒミツ② 「子ども」らしくない頭脳明晰な子どもたち

「約ネバ」の中心人物は、エマ、ノーマン、レイをはじめとする子どもたちです。少年少女が主人公の作品はこの世に多々ありますが、「約ネバ」はちょっと毛色が違い主人公とともに成長していくタイプの作品ではありません。読み進めていくうちにわかるのですが、「見た目は子ども、頭脳は大人」(どこかで聞いたようなフレーズですが…笑)を地でいくような子どもたちで、彼らの頭の良さに度肝を抜かれてしまうはず!

そもそも、エマたちが暮らす「グレイス=フィールドハウス」はとりわけ高度な頭脳を持つ子どもたちが集められています。何不自由なくのびやかに暮らせる環境と、脳を鍛えるための毎日のテスト。頭脳・運動神経・勘の鋭さ、すべてにおいて最高レベルの子どもたちが繰り広げる頭脳戦は、巻を追うごとに凄まじさを増していきます。


人気のヒミツ③ 少年漫画とは思えない容赦のないストーリー展開

単刀直入に言うと、「約ネバ」は容赦のないストーリーです。本コンテンツを書いているsakuraは30代ですが、子どもの頃に読んだ少年漫画はここまでブラックな展開はなかったと記憶しています。それこそ先ほど取り上げた『DEATH NOTE』や『進撃の巨人』あたりから、人間の命のやりとりをリアルに描くストーリーが増えたように感じているのですが…。

「約ネバ」には時折ドキリとするような描写があります。あるひとつの選択が「死」に直結してしまうこともあり、ゲームのように生き返らせることができるなんていう救済措置もありません。ときには残酷とも思えるほどトラウマ級の表現もありますが、決して安心できないストーリーが、物語全体に緊張感を持たせているのかもしれませんね。


人気のヒミツ④ 手に汗にぎる心理戦が面白い (※ネタバレ注意!)

「約ネバ」では、早々に「グレイス=フィールドハウス」が人間を食肉として出荷するための人間飼育農園であることが判明します。里親に引き取られたはずのコニーが食肉として鬼に出荷されるのを目撃したエマとノーマンは、仲の良いレイも巻き込んで表向きは孤児院という体裁の監獄から脱獄しようと試みます。優しいママは、実は鬼たちの手下として働く「飼育監」だったのです。

子どもたちを管理し、適切な年齢になるまで飼育するママとの心理戦が本当に怖いです。脱獄計画を決してママに悟られてはならず、監視が行き届いた孤児院内で水面下の準備を進めるのには限界があります。疑うママに対して、いつもの「良い子」を演じるのはなんと難しいのでしょう!またママの補佐役として派遣されたシスター・クローネとの打算的な駆け引きも見どころです。


人気のヒミツ⑤ 全体像が見えてこない不安と期待

全体像がなかなか見えてこないという作品は、不安をあおります。本作の第一関門として「グレイス=フィールドハウス」という監獄を脱出することという目的がありますが、果たして外の世界は一体どうなっているのか?ほかの人間や農園は存在するのか?自分たちはなぜ食用児として飼われていたのか?など、謎だらけです。

主人公たちにとってはもちろんのこと、読者にとっても世界の全体像がなかなか見えてきません。箱庭の外はまた箱庭だった…という入れ子式の印象があり、すべてがひっくり返されるかもしれないという不安感がぬぐえません。でも巻を追うごとに、パズルのピースがひとつずつ埋まっていくような小気味良い感覚。1枚の絵が完成したときには、どんな世界が見えてくるのか楽しみですね!

『約ネバ』の世界&主要キャラクター紹介

『約束のネバーランド』には、たくさんの魅力的なキャラクターが登場します。味方はもちろんのこと、敵にも不思議と憎めないキャラクターが揃っていて、「約ネバ」の世界に深みを与えてくれます。それでは、物語の中核を担う主要キャラを紹介していきましょう。

<約束のネバーランドの世界>
約束のネバーランド相関図 グレイス=フィールド グローリー=ベル グランド=ヴァレー ラートリー家

約束のネバーランド相関図 グレイス=フィールド グローリー=ベル グランド=ヴァレー ラートリー家

グレイス=フィールド(GF)の登場人物

エマ

認識番号:63194
エマ 本作の主人公。11歳でGFで最年長のひとり。天真爛漫で楽天的。基本的に人を疑うことを知らない。ノーマン、レイと仲が良くいつも3人で行動している。テストは毎回フルスコアで優秀。頭よりも直感で動くタイプの少女。
ノーマン

認識番号:22194
ノーマン 11歳でGFで最年長のひとり。天才的な頭脳を持っており、テストは毎回フルスコア。いつも穏やかな性格だが、エマ、ノーマン、レイの中では一番現実的。全体の幸せのためには少数の犠牲は仕方がないと思っている。
レイ

認識番号:81194
レイ 11歳でGFで最年長のひとり。天才のノーマンと唯一渡り合える知恵を持っている。エマ・ノーマン同様テストは毎回フルスコア。常に本を読んでおり、非常に博識。暴走しがちなエマのブレーキ役になることも多々ある。
ドン

認識番号:16194
ドン 10歳でエマたち3人に次ぐ年長者。負けず嫌いだが明るく仲間想いの少年。エマ、ノーマン、レイが優秀なあまり、時々卑屈になる一面を見せる。物語が進むにつれ、幼い兄弟たちを引っ張るリーダー的な存在になるまで成長する。
ギルダ

認識番号:65194
ギルダ 10歳でエマたち3人に次ぐ年長者。眼鏡をかけた少女で少々内気だが、芯が強く曲がったことが嫌い。エマとともに年少者の世話をしているので、特にエマと仲が良い。面倒見が良く、物語が進むと幼い兄弟たちのお母さんのような存在になる。
コニー

認識番号:48294
コニー 6歳の女の子。ふわふわとした優しい笑顔でみんなに可愛がられている。うさぎのぬいぐるみリトルバーニーを常に手元に置いている。テストのスコアはいまひとつで、そのことに少しだけ劣等感を持っている。将来の夢は「素敵なお母さん」。
フィル

認識番号:34394
フィル 4歳の男の子。幼いがとても活発で周りのことをよく観察している。エマと遊ぶことが大好きで、心からエマのことを信頼している。4歳とは思えないほど賢く、テストも成績優秀。フィルの何気ない発言が突破口になることもある。
イザベラ(ママ)

認識番号:73584
31歳。GFで子どもたちを愛情を持って育てており、皆からは「ママ」と呼ばれて慕われている。優しい性格で、怒ることはほとんどない。表向きは穏やかな「ママ」だが、裏の顔は…。
シスター・クローネ(シスター)

認識番号:18684
26歳。ママの補佐役として派遣され、皆からは「シスター」と呼ばれる。浅黒い肌が特徴。子どもたちとの鬼ごっこでは本気を出し、卓越した運動能力が垣間見えることもある。「ママ」の座を狙っている。



グローリー=ベル(GB)の登場人物

ユウゴ(オジサン)

認識番号:ETR3M8
エマたちがやっとの思いでたどり着いたシェルターで暮らしている男性。過去の悲惨な出来事により心を閉ざしているが、徐々にGFの子どもたちに協力的な態度を見せ始める。食料調達の方法や銃の扱い方など生きるための術を子どもたちに教える。
ルーカス

認識番号:KGX2A7
ユウゴの親友。かつて激しい戦いの中でユウゴを逃し、仲間の中で自分ひとりだけ生き残った。右腕は失ってしまい、顔には傷跡が残っている。杖をついているものの戦闘力は健在。統率力があり、子どもたちはルーカスに信頼を置いている。



グランド=ヴァレー(GV)の登場人物

オリバー

認識番号:AⅡ866-890
GP(ゴールディ・ポンド)にいる少年で、猟場にいる子どもたちのリーダー。頭が良く、鬼と隣り合わせの生活でも子どもたちの生活をうまく回している。自分を救ってくれたルーカスに恩を感じている。
ヴァイオレット

認識番号:DⅣ332-198
GPにいる少女。自分のことを「オレ」と言い短髪のため、エマは名前を聞くまでは少年なのか少女なのか確信が持てなかった。荒っぽい性格だが根は優しい。チームの斥候として活躍する。
ナイジェル

認識番号:RⅢ522-633
GPにいる少年。常に帽子を被っているため、たまに帽子を脱ぐと誰なのかわからなくなる。支給武器の担当で、機械類には強い様子。怖がりだがここぞというところで度胸を見せる。
ザック

認識番号:QⅡ863-552
GPにいる少年。リーダーのオリバーと1、2位を争うほどの戦闘力の高さ。どんな危険も顧みず率先して飛び込んでいくため生傷が絶えず、結果的に傷の直し方に詳しくなった。現在は救護を担当している。
ジリアン

認識番号:QⅠ231-493
GPにいる少女。仲間思いで素直な性格のあまり、時々一人で暴走することもある。服にワッペンを付けていて、シェルターの仲間にプレゼントをすることも。ユウゴとルーカスを慕っている。



ラートリー家

ジェイムズ・ラートリー(ウィリアム・ミネルヴァ) ラートリー家の第35代当主。1000年前、人間と鬼の間で「契約」を結んだ一族の末裔。ウィリアム・ミネルヴァという偽名を使い、農園に納める本に細工をし、食用児たちに安全なシェルターなどを提供するためのヒントを与えた。エマたちの唯一の味方と思われる人物。
ピーター・ラートリー
ラートリー家の第36代当主。ジェイムズの弟。兄と違い、人間の世界を平和に保つためには食用児の犠牲は仕方ないことと捉えている。食用児が人間の世界に来ることを徹底的に拒み、全員の抹殺を図ろうとする強硬派。兄を裏切った。

散りばめられた伏線と<6つの謎>を徹底考察!

『約束のネバーランド』には、たくさんの謎が散りばめられています。エマら食用児たちに刻まれている「認識番号」の謎。1000年前に結ばれたという人間と鬼の「契約」。そしてそもそも「鬼」という存在の謎。「約ネバ」は伏線だらけのコミックスと言っても過言ではありません!読み進めていくうちに解決に到るものもありますが、基本的にこの世界全体が謎に包まれています。

そこで!自身も「約ネバ」ファンである『もったいない本舗』のスタッフsakuraが、この伏線だらけの展開について徹底考察します!

※以下、ネタバレありますのでご注意下さい。

① イザベラは果たして敵なのか?
GFで優秀な「飼育監」として子どもたちを育て、食用児として鬼に出荷していたイザベラ(ママ)。真相を知った子どもたちは「ママに裏切られた」という思いもあるでしょうが、元はといえばイザベラだって食用児だったのです。優秀な女子で、子どもを生みその能力が認められればママになることができます。

彼女の過去編を見る限り、決してこの「食人鬼に喰われる人間」という図を肯定しているわけではなく諦めの気持ちから現在のポジションにいる様子。最上級農園のいわば上物であるエマたちを脱獄させてしまったことで、イザベラが鬼たちからどのような処分を受けたのかはまだ明らかになっていません。

でも、最終的にはエマたちの逃亡を手助けしてしまい、どこか吹っ切れたような晴れ晴れとしたイザベラの表情は、読者の記憶にも深く刻まれているのではないでしょうか。今後エマたちとイザベラが再会することがあれば、敵としてなのか?それとも…?

② 鬼はもともとは人間だった?
人間を食べる「鬼」については、まだまだ謎だらけの存在で多くは明かされていません。人間(主に脳)を好んで食べ、量産できるように人間農園を作って管理しているという、知性もある恐ろしい生き物です。

でも物語を読み進めるとわかるのですが、鬼にも鬼の社会があり底辺で生きるものもいれば、何不自由なく良い生活をしている鬼もいます。市場では食べ物が売っていて、鬼たちはそれを買い求めます。ときには「高級で美味しいお肉を食べたいなぁ」なんて思っている。まるで人間と同じ暮らしですよね。

そして、エマら食用児たち、飼育監、ラートリー家の人間たちと鬼は、みな同じ言語で話していることに気付きませんか?鬼が後から人間の言葉を覚えたと考えられなくもないですが、鬼同士の会話でもどうやら同じ人間の言葉で話をしているようです。このことを考えると、鬼は元々は人間だった?という仮説も成り立つのではないでしょうか。

③ 首の認識番号に法則はある?
エマをはじめとするハウスの子どもたちの首には、5桁の数字「認識番号」(マイナンバー)が振られています。物語の序盤から、どこか不吉な印象を覚えた読者も多いのでは?一見なんの関連性もないように見える数字ですが、勘の良い人は気づいたのではないでしょうか。

GFの子どもたちの番号の末尾は、全員が「94」です。彼らを管理するママやシスターの末尾は「84」。では、認識番号を逆から読んで見ると…?エマは「49136」ノーマンは「49122」レイは「49118」です。これは早く生まれた順に割り振られた可能性が非常に高いです。3人の中で、レイの誕生日が一番早く来たことからもわかりますね。

もっと年上であるイザベラは「48537」なので当然数字も古くなります。年少のフィルは「49343」で、エマ、ノーマン、レイよりも後にハウスに納品されていることがわかります。要するに、「認識番号」を逆から読むとハウスへの納品番号になっているというわけです。

④ フィルは本当に無垢な子ども?
GFは能力の高い子ばかりを育てる高級農園ですが、エマ、ノーマン、レイのフルスコア3人はともかくとして、ひとりだけ能力未知数の子どもがいるのに気付きましたか?それは4歳のフィルです。

フィルは天真爛漫な男の子で、エマのことが大好き。一見すると純真無垢な子どもに見えますが、実は秘められた能力についてはハウス随一かもしれません。ミネルヴァが提供した本のフクロウの蔵書票に隠された「モールス信号」にいち早く気付き、さらにはハウスが人肉を出荷するための農園という秘密にも薄々気付いていたのです。

とても4歳児とは思えない能力の高さ!エマたちの脱出に際して、自分たち年少者が人質のような立場に置かれていることも理解しているフィル。彼は本当にただの小さな男の子なのでしょうか?救出のときにどんな成長を遂げているのか空恐ろしくもありますね。

⑤ 邪血の少女とは一体何者なのか?
「鬼」と一口に言っても、全員が人間を捕食するわけではありません。GFを脱出し、追われる鬼からエマたちを助けたムジカとソンジュ。特にムジカは、鬼よりも人間に近い容貌をしており、「宗教上の理由」で人間は食べないというのです。でもここで、ひとつの矛盾が…。天才少年ノーマンの説によると、鬼は人間を食べ続けないと、その人型を維持することができないということ。

鬼は食べたものの遺伝子を取り込み、その容貌に変化するため、人間を食べないムジカとソンジュはなぜ人間の姿なのか?という疑問が生じます。そして「邪血の少女」と呼ばれるムジカの血を少しでも飲んだ鬼は、人間を食べなくても人型を保っていられる特異体質になるのです。ムジカは本当に鬼なのか?噂では、鬼と人間のハーフという説が有力視されているようですが、果たして…?

ムジカの血は、この世界の構図を一変させる力を持っています。エマが望んでいるように、人間と鬼が共存できる日は来るのでしょうか。

⑥ タイトルに込められた意味は?
最後に、『約束のネバーランド』というタイトルの意味について考察していきましょう。どういう意味だろう?と皆さんも考えたのではないでしょうか。ネバーランドと聞いて、真っ先に思い出すのが「ピーター・パン」に出てくる、子どもたちが年を取らない国「ネバーランド」ですよね。年を取らない…というのは、本作「約ネバ」の農園にも共通します。何故なら、子どもたちは大人になる前に出荷されて鬼に食べられてしまうのですから。

他にも考えられることとして、「ネバーランド」を直訳して「存在しない国」のような解釈もできそうです。まさか、食用児の生きる世界が存在しない…なんていう絶望的な展開にならないことを祈るばかりですが、エマたちがこれから築こうとしている新しい国ということもあり得るのではないでしょうか。

本作では、いくつもの「約束」が交わされます。鬼と人間との間で交わされた「鬼と人間は棲み分けをする」という1000年前の約束。エマがフィルに対して交わした「2年以内に必ず迎えに戻る」という約束。これらが、最終的にタイトルの「約束のネバーランド」に結びついてくるのかもしれませんね。
<※2020年11月更新> 約ネバ完結とともに、これらの謎や考察も明らかになりました。怒涛のクライマックスの後に訪れる感動の幕引きに涙した読者も多いはず!完結してからもう一度読み返してみると、あちこちに伏線が張られていたことに驚きました。上記以外にも、さまざまな謎が解明されているので、じっくりとイラストを眺めながら再読することをおすすめします!(by sakura)

最新アニメ化&実写映画化情報

『約束のネバーランド』TVアニメ化情報


『約束のネバーランド』はTVアニメ化されており、2019年1月~フジテレビ「ノイタミナ」枠で第1期が放送されました。

非常に見やすいアニメーションと、出水ぽすかさんの若干クセのある絵柄を崩さずにキャラクターデザインしているところに好感が持てます。さすがはノイタミナと言ったところ!また原作で表現されていた独特の「怖さ」(原作を読んだ人ならわかる、イザベラのあのシーン等々)がアニメでも存分に表現されており、原作を読んでいる人でも新たな楽しみ方ができるのではないでしょうか。

そして、アニメ第2期が2021年1月7日から同じく「ノイタミナ」枠で放送開始しました!第1期が原作でいう<GFハウス脱獄編>(1~5巻)、第2期は<ミネルヴァ探訪編>が描かれています。ファンとしては、その先の<ゴールディ・ポンド猟場編>もあわせて放送して欲しいものですが…。第2期も相変わらずのクオリティの高さ!原作とはまた違った面白さがあるので、コミック派の方もぜひご覧下さいね。


『約束のネバーランド』実写化情報

そしてファンにとっては衝撃とも言えるニュースが舞い込んできました。「約ネバ」が、まさかの実写化!すでに2020年12月18日から公開されています。エマ役は浜辺美波さん、ノーマン役は板垣李光人さん、レイ役は城桧吏さんが演じています。また、イザベラ役を北川景子さん、シスター・クローネ役を渡辺直美さんが演じていますが、特にこの2人の再現度が高い!と早くも話題になっています。

正直なところ最初は「実写化して大丈夫なの?」と思ったのが大半のファンの意見だと思います。実写映画版では「出荷」年齢を12歳から16歳に引き上げるなど、俳優陣の年齢との兼ね合いもあったようですが、おおむね好意的に受け取られているようです。約ネバファンの人と、映画から入った人では感じ方が違いそうですが、原作とは別物として楽しむのが正解かもしれませんね!


『約束のネバーランド』海外で実写ドラマ化決定!

実写映画化の発表に続き、2020年6月、新たな衝撃的なニュースが舞い込んできました。なんと、『約束のネバーランド』が海外で実写ドラマ化が決定したというのです!

海外実写ドラマ化情報
監督:ロドニー・ロスマン(『スパイダーマン:スパイダーバース』)
プロデューサー:マシ・オカ(『HEROES』シリーズ出演)
制作:FOX21
配信:Amazon Prime Video

マシ・オカ氏といえば、『HEROES』シリーズで世界的に一気に知名度が上がりましたよね!そんな彼がプロデューサーとなって進めるドラマ化プロジェクト、しかも制作は数々のヒットドラマを生み出してきたFOX21ときたら、間違いなく大がかりなドラマになるはず。ファンとしては映画ではできない、細部まで凝りに凝ったクオリティを期待したいところですね。キャストなど詳細は未定なので、続報を楽しみに待ちましょう!

まとめ

ここまで『約束のネバーランド』の魅力と、多くの<謎>について考察を重ねてきましたがいかがでしたか?「約ネバ」は、一筋縄ではいかないストーリー展開と、散りばめられた伏線が知的好奇心を刺激される漫画です。ジャンプらしからぬブラックで巧みな筋運びは、子供達だけではなく大人の読者をも魅了し続けています。

歴代ジャンプ作品の中ではきわめて異色の作品ですが、通常のバトル漫画に飽き飽きしている方、騙し騙される心理戦漫画に惹かれる方、そしてパズルゲームや謎解きが好きな方にはぜひともオススメしたい漫画です。

一気読み必至の面白さのコミック(全20巻)に加え、ノベライズ版『約束のネバーランド ~ノーマンからの手紙~』と『約束のネバーランド ~ママたちの追想曲~』も発売されています。小説は、原作では明かされていないハウスでの過去編や、飼育監の誕生秘話なども知ることができますので、あわせてお楽しみ下さい!

『約束のネバーランド』1巻

約束のネバーランド(ジャンプコミックス)1巻

作者白井 カイウ/出水 ぽすか

出版社集英社

出版年月2016年12月


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sakura
ライティング担当 : sakura

札幌在住30代。本や少年コミックを読むことが大好きで、家事の合間にハイボールを飲みながら読書をするのが至福のとき。小説はイヤミス、ホラー、児童文学まで好きなジャンルは多岐にわたり、ラストですべてがひっくり返される「大どんでん返し」本を好んで読む。子どもの頃からホラー映画が好きで、最近は『死霊館』や『インシディアス』など心の奥底まで恐怖心をかきたてられるようなジェームズ・ワン監督作品に魅了されている。

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