• 2021/06/11
  • 2018/04/25

『進撃の巨人』はなぜ面白い?人気の理由と謎の伏線回収のまとめ

【祝・完結!】大人気漫画『進撃の巨人』を徹底考察!人気キャラクターや人物相関図はもちろん、ストーリー内に散りばめられた多くの謎と伏線、またそれらを回収する驚きの展開の数々を解説します。一部ネタバレがあるのでご注意を!一度読むのを止めた人こそ知ってほしい情報がここに!

進撃の巨人全巻セット

今さらだけど…『進撃の巨人』とは?

【あらすじ】
人類は50mの壁に囲まれた閉鎖的な地で、壁の外にいる巨人たちからの侵略を防ぎながら自由の代償と引き換えに平和に暮らしていた。しかし、突如出現した「超大型巨人」によって壁が破壊され、100年間守られていた壁内での人類の平和が脅かされることに。主人公のエレン・イェーガーは、壁の破壊によって侵攻してきた巨人の群れたちにより、家や家族を失ったことで巨人への復讐を決意する。「巨人を1匹残らず駆逐してやる――。」その想いを胸に、力を手に入れるために幼馴染のミカサ・アルミンと共に調査兵団に入団し、正体不明の巨人に立ち向かっていく…。

原作漫画は、2009年に『別冊少年マガジン』で連載がスタート。今までにないような残酷な世界観と衝撃的な展開の数々に多くの人たちの心を鷲掴みにし、2011年には「このマンガがすごい!」オトコ編にて第1位を獲得しました。

さらに2013年にはテレビアニメの放送が開始され、そのクオリティの高さが人気を後押しし、社会現象を巻き起こすほどの大ヒットに。一時は書店から原作漫画が消えるほど、多くの人が『進撃の巨人』に夢中になっていました。そんな原作漫画は、2019年末には売り上げが全世界で1億部を突破し、いまや日本を代表する人気漫画の仲間入りを果たしています。

そんな『進撃の巨人』の面白さといえば、物語の冒頭からストーリー上にいくつも散りばめられている謎や伏線。「なぜ人類は壁の中で生活をしているのか。」「この世界の全貌とは。」「一体あのセリフはなんなのか。」「あそこには何があるのか。」巨人と人類との壮絶な戦いと並行して、次々に出てくる意味深な描写に多くの読者が疑問を持っていることでしょう。ここでは、『進撃の巨人』の面白さを深掘りしながら、ストーリーに登場した謎と伏線をまとめてみました。

「前は読んでいたけど、途中で話が難しくなって読むのを止めた…」
そんな人にこそ、ぜひ知ってほしい『進撃の巨人』の魅力をたっぷりとご紹介します!

※ストーリーの特性上、ネタバレも含まれていますので未読の方の閲覧はご注意ください。

なぜこんなに人気?『進撃の巨人』にハマる3つのポイント

進撃の巨人全巻

本作でいう巨人とは、絵本や童話に出てくるような大きい人間ではありません。顔は人間ですが知性はなく、人間を戦略的に攻撃したり、会話や意思疎通することも基本的にはできません。巨人は近くにいる人間に反応し、ただ「食べる」だけの行動を取ります。つまり、多くの人間たちは巨人によって噛み砕かれてしまうのです。

「人が食べられる」という残酷さと絶望感が覆いつくすストーリーは少し"グロい"と思う人もいるでしょう。ですが、そんな印象を霞ませるほど、面白すぎる物語に没頭してしまいます。多くの読者を夢中にさせる人気の理由とはなんなのか。詳しく解説します!

人気の理由① 唯一無二の壮大な世界観と設定

ダーク・ファンタジーである『進撃の巨人』は、もちろん現実とはかけ離れた世界観の中で物語が進んでいきます。

その日 人類は思い出した ヤツらに支配されていた恐怖を…

鳥籠の中に囚われていた 屈辱を…

『進撃の巨人』1巻より引用

1巻冒頭のこの言葉の通り、この世界では人類は巨人の餌と化し、巨人がすべてを支配している世界だということがわかります。少年誌で、ここまで絶望的なシチュエーションは珍しいのではないでしょうか。

人間を食べる巨人…。こんな生物が存在するというだけで絶望してしまいますが、こんな恐怖と隣り合わせで生きる子どもたちが、大きな犠牲を払いながら巨人と対峙していくんです。しかし、本作の見どころは少年誌に多い「敵との壮絶なバトル」や「主人公と仲間の熱い友情」などではありません。この漫画の舞台となっている"世界"そのものの謎を解き明かすことが、この漫画の最大の見どころなんです。

壁の中で暮らしている登場人物たちも、読者と同じくこの"世界"の謎について一切知りません。物語が進むにつれて、この神秘のベールに包まれた"世界"がどんどん紐解かれていくのですが…。緻密に計算し尽された独特の世界観に一歩足を踏み入れると、その魅力に取り憑かれ抜け出せなくなるはずです。

人気の理由② 予測不能で衝撃的な展開の数々

物語は目の前で母親が巨人に食べられてしまったことにより、エレンが巨人に復讐を誓うところから始まります。しかし、さまざまなことが明らかになることでエレンたちの"本当の敵"が巨人なのかどうかが曖昧になっていくのですが…。

最初の謎であった「巨人の正体」についてはわりと物語の序盤で明かされますが、その事実により読者の間でもさまざまな仮説が立てられるはず。読みながらきっと「〇〇が怪しい」「実はこの世界は〇〇だ」なんて、多くの人が自分なりに考察していくでしょう。

しかし、その予想や考察がことごとく裏切ってくれるのがこの『進撃の巨人』です!この物語は、読者の想像以上に複雑で難解で、一筋縄ではいきません。だからこそ、奥深く何度も読みたくなる!最初に読んだときには気づかなかった、キャラの微妙な表情や目線、行動なども真実を知った後に読むと驚く発見が多いはず。作者の諫山創先生…細かすぎます!

人気の理由③ 個性豊かで魅力的なキャラクター

『進撃の巨人』の人気を支えているのが、個性たっぷりのキャラクターたち。1番の人気キャラクターは、主人公のエレンではなく、幼なじみのミカサやアルミンでもなく、調査兵団の兵長・リヴァイなのは有名ですよね。『進撃の巨人』は、登場人物も多いので、それぞれの特徴と相関図を合わせてご紹介します!

<キャラクター相関図>
※各画像をクリックすると人物紹介へリンクします。
キャラクター相関図 エレン・イェーガー ミカサ・アッカーマン アルミン・アルレルト ライナー・ブラウン ベルトルト・フーバー アニ・レオンハート ジャン・キルシュタイン マルコ・ボット コニー・スプリンガー サシャ・ブラウス クリスタ・レンズ ユミル リヴァイ エルヴィン・スミス ハンジ・ゾエ グリシャ・イェーガー カルラ・イェーガー 超大型巨人 鎧の巨人 女型の巨人 獣の巨人
【主な登場人物】
エレン・
イェーガー
エレン・イェーガー

本作の主人公。とにかく感情的で無鉄砲な性格。しかし、正義感は人一倍強く、意志も強いため、エレンの言葉に影響されて訓練兵時代の同期の多くが調査兵団を志願することとなる。身体能力は高い方ではないものの、人よりも何倍も努力し続けたことにより、104期・訓練兵団の中では5位の成績まで上り詰めた。冷静さを欠き猪突猛進してしまう性格のため、同期からは「死に急ぎ野郎」と言われている。

ミカサ・
アッカーマン
ミカサ・アッカーマン

本作のヒロイン。作中では珍しい東洋人とのハーフで、エレンと共に暮らしていた家族のような存在。幼少期に両親を殺害され、その場で自分の身にも危険が迫っていたときにエレンが救出してくれた。それ以来、ミカサにとってエレンがすべてとなり、常にエレンの傍にいるようになる。強靭な力と凄まじい戦闘能力により、訓練兵時代にも男性陣を押し退けて首席で卒業するほどの実力の持ち主である。

アルミン・
アルレルト
アルミン・アルレルト

エレンとミカサの幼なじみ。2人と同じくシガンシナ地区で育ったが、その温和な性格からよく同級生からはいじめられていた。感受性や探求心に富む頭脳派で、大人顔負けの知恵により作中でもさまざまな作戦の助言をする。その頭の良さから、エレンを中心に巻き起こる事件や謎の解決の糸口を見つける存在となり、物語の中盤からは調査兵団のブレーンとして活躍する。

【訓練兵団・第104期生】
ライナー・
ブラウン
ライナー・ブラウン

大柄で屈強な面持ちでありながら、責任感が強く面倒見も良いことから、同期の中でも信頼が厚い。ミカサの才能の凄さから陰に隠れがちだが、ライナーの身体能力も一級品。危険な作戦を前にしても物怖じすることなく、敢然と巨人に立ち向かっていく。しかし、作中ではシュールな笑いを生み出すキャラの1人で、そのギャップがたまらなく面白い。

ベルトルト・
フーバー
ベルトルト・フーバー

ライナーとは同郷のため、一緒にいることが多い。卒業成績もミカサ、ライナーに次ぐ3位という好成績にも関わらず、あまり目立たない存在である。大人しい性格で決断力もないため、本人も「僕には意思がない」と気にしており、確固たる意思を持つエレンたちを羨ましがる場面も。寝相が壊滅的に悪いらしい。

アニ・
レオンハート
アニ・レオンハート

ミカサと同じくらい口数が少なく、クールなキャラ。あまり人とつるむこともなく、一人でいることが多い。父親から教え込まれたという格闘術の腕はピカイチで、体格の大きいライナーをも投げ倒すことができる。エレンの影響で同期の多くのメンバーが調査兵団を志望する中、アニだけは憲兵団に入団。人に流されず、我が道を進むタイプ。

ジャン・
キルシュタイン
ジャン・キルシュタイン

兵士としての能力も高いのに、少々身勝手な性格なため序盤ではエレンとよく衝突していた。兵士を志願した理由が「安全な内地で暮らすため」という現実主義な一面もあり、誰よりも独善的だと思われていた。しかし、物語が進むにつれ、エレンたちの大きな支えとなる存在に。また、どの登場人物たちよりも一般的な感性を持つ常識人である。

マルコ・ボット
マルコ・ボット

謙虚さと周りへの気配りを忘れない真面目な性格で、ジャンと共に行動していることが多い。誤解されて周りから敬遠されがちなジャンに大きな理解を示し、「いま何をすべきか明確にわかる人」と、彼に指揮役に向いていると助言する。優れた洞察力を持っているため、アルミンとも気が合うようだ。

コニー・
スプリンガー
コニー・スプリンガー

小柄で坊主頭がトレードマーク。少々頭が弱いため、他人の発言の意味をよく理解できないシーンも多々あり。仲間想いのお調子者なため、サシャとよくじゃれ合っている。頭は悪いながらも身体能力は「バランス感覚が良く、小回りのきく機動が得意」と評され、200名以上いる訓練兵の中でも8位の順位を残している。

サシャ・
ブラウス
サシャ・ブラウス

基本的に話し方は敬語。にも関わらず、とんでもない食い意地で周りからは「こいつはバカだ」と称されるほど破天荒。しかし、その明るい性格からか、同期の中ではムードメーカー的な存在である。田舎育ち、世間知らず、天然(アホ)という共通点から、コニーとはウマが合う。鋭い勘の持ち主で、並々ならぬサバイバル能力を見せるシーンも。あだ名は「芋女」。

クリスタ・
レンズ
クリスタ・レンズ

金髪で碧い瞳の可愛すぎる外見で、誰でも平等に優しくする性格。その献身的な振る舞いに、彼女を「女神」「天使」と呼ぶ者も多く、同期からの人気はNO.1。しかし「良い人ぶっている」「真意は隠している」と指摘されることも。少々いきすぎた自己犠牲を発揮してしまうので、仲の良いユミルから注意されることもしばしば…。

ユミル
ユミル

そばかすと鋭い目つきが特徴的。物語の序盤ではほとんど目立っておらず、名前が明かされたのも他の同期よりもかなり遅かった。粗暴な言葉遣いから、同期にあまり友達はいないものの、クリスタだけは見捨てず仲良くしていた。そんなクリスタを溺愛しており、卒業順位も裏で操作してクリスタが10位になるように仕向けている。

【調査兵団】
リヴァイ
リヴァイ

調査兵団の兵士長で、人類最強の兵士と称賛される。団員たちからは「兵長」と慕われ、1人で約4,000人並みの戦力を持つと言われている。しかし、中身は愛想が悪く高圧的で、かなりの神経質。巨人を討伐するときに血を浴びると「チッ汚ねぇなぁ」と言いながら即座に血を拭う潔癖症である。調査兵団に入る前は、街のゴロツキだった過去も。

エルヴィン・
スミス
エルヴィン・スミス

調査兵団・13代団長。仲間の犠牲に躊躇がないことから非情で冷酷な性格かと思いきや、他人には想像できないほどの大きな覚悟と信念の元で動いている。その想いに共感してか、兵士長のリヴァイやハンジなど調査兵団のメンバーから絶大な信頼を得ている。強引な作戦実行が目立つが、その行動力と柔軟な思考により多くの真実が明らかとなる。

ハンジ・
ゾエ
ハンジ・ゾエ

誰にでも気さくに話しかける性格だが、巨人への探究心が強すぎて周囲から困惑されることも。謎の多い巨人の生態や特性を知るたびに嬉しそうな表情を浮かべ、生け捕りにした巨人によって何度も食い殺されそうになる。少々ぶっ飛んだ性格だが、戦闘時には上官としての有能さがしっかりと描かれている。

【その他・キャラクター】
グリシャ・
イェーガー

エレンの父親。845年のシガンシナ地区・ウォール・マリアの巨人たちの襲来の日に「帰ったらずっと秘密にしていた、地下室を見せてやろう」という言葉を残し、家を出て行って以来、行方不明に。エレンのかすかな記憶によると、再会して自宅の地下室の鍵をエレンに託してくれたようだが…。物語の鍵を握る重要人物。

カルラ・
イェーガー

エレンの母親。激情型で危なっかしい息子であるエレンをいつも心配していた。超大型巨人が蹴破った壁の破片がエレンの自宅に直撃し、その倒壊に巻き込まれ足を負傷。挟まって動けないところにエレンとミカサが救出に来るが「2人は逃げなさい!」と自分よりも子どもを助けることを優先させる。その後、エレンたちの目の前で巨人に食べられ絶命する。

【巨人】
超大型巨人
超大型巨人

845年、シガンシナ地区の壁を破壊し、約100年間守られていた人類の安住の地を脅かしたすべての元凶。50mの壁をも超える巨体のため、動きは鈍い。5年後の850年にも突如として現れ、トロスト区の壁を蹴破ってしまう。

鎧の巨人
鎧の巨人

超大型巨人と共にシガンシナ地区に現れた巨人。硬い体で覆われており、ウォール・マリアの扉を体当たりで破壊した。この扉の破壊によって人類はウォール・マリアを放棄し、活動領域も大幅に狭められることとなる。

女型の巨人
女型の巨人

第104期のメンバーが調査兵団となり、初めて壁外調査に向った日に突如出現した巨人。巨人には生殖器がないため性別はないと言われているものの、女性らしい風貌をしているため"女型"と呼ばれている。格闘術に長けており、最初の巨人・エレンとの交戦でも圧倒的強さを見せる。

獣の巨人
獣の巨人

獣のように手足が長い風貌の巨人。しかし、巨人化しているときに明確な言語を発している。つまり、人間の言葉が話せる巨人である。知性のない巨人への強制力もあるようで、彼の指示により巨人が静止したり襲ったりすることも可能。他にも特殊な能力があるようだが…。

面白さのヒミツ!気になる伏線や謎まとめ

『進撃の巨人』の最大の面白さは、謎が謎を呼ぶ驚くべきストーリー。

物語の序盤はその閉鎖的な"世界"の仕組みや巨人という奇妙な生命体がなんなのか読者は知る由もなく物語が進んでいましたが、原作漫画の21巻から展開が一気に進み、その全貌が少しずつ紐解かれていきました。

ここでは、これまでにストーリー上に散りばめられた謎を一つひとつおさらいしていきます。

人類を脅かす巨人の正体

壁の外をウロウロと彷徨っている巨人たち。動物などには目もくれず「人間だけを食べる」という習性を持つ謎の生命体です。どこから来てどうやって生まれたのかなどもわかっていませんでしたが、作中ではエレンの父・グリシャがその巨人のヒミツを握っているような描写がたびたび登場します。途中、調査兵団の間でその正体について仮説を立てるシーンもありますが、本当の真実がわかるのはそこからだいぶ先になります。

【謎がわかる巻数】13巻、21巻、22巻
進撃の巨人13巻
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進撃の巨人21巻
21巻
進撃の巨人22巻
22巻
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エレンたちが暮らす世界を囲む壁

エレンたちが暮らす世界はウォール・マリア、ウォール・ローゼ、ウォール・シーナという3つの壁で囲われています。その壁は50mもの高さがあり、人間の技術では到底作ることができない代物だそう。人類が知る歴史の中でも、この壁の起源や製法も謎に満ちていました。しかし、ある巨人との対戦で壁の一部が破損したことにより、エレンたちも驚く信じられない光景が…!巨人から身を守るために築かれたはずの大きな壁…。果たしてどうやって作られたのか。衝撃の事実は、その目で確かめてみてください。

【謎がわかる巻数】8巻
進撃の巨人 8巻

進撃の巨人 8巻

作者 諫山創
出版社 講談社
出版年月 2012年8月9日
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エレンの家の地下室のヒミツ

シガンシナ区にあるエレンの実家の地下室にグリシャが残したヒミツが隠されていることは、第1話目から何度も意味深に言及されていました。幾多の困難を乗り越え、エレンたちはやっとその地下室にたどり着くのですが、そこにはこれまでの期待を裏切らないほどの衝撃的な事実が。壁の外のことやグリシャの生い立ちなどのヒミツが記録されています。ここで初めて読者もこの作品の世界の真実を知ることになります。

【謎がわかる巻数】21巻
進撃の巨人 21巻

進撃の巨人 21巻

作者 諫山創
出版社 講談社
出版年月 2016年12月9日
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王政が人類に隠している世界の歴史(壁の外の世界)

エレンたちが暮らす壁の中は「フリッツ家」と呼ばれる王家によって統治されていますが、その王政府の方針として人々は外の世界に興味を持つこと自体をタブーとしています。そのため、壁の中の人たちは外の世界のことは一切知らず、約100年前に人類が巨人の脅威から身を守るために壁の中に逃げ込んだという歴史的事実しか知らされていません。しかし、ここで疑問なのが「わずか100年ほど前の出来事なのに、なぜ誰も元いた外の世界について語ることをしないのか」ということ。「壁の外には巨人しかおらず人類は全滅している」と断定しているところにも不自然さを拭いきれません。その裏には王政が情報操作し、壁の中の住人には知られたくない事実を隠しているようで…。

【謎がわかる巻数】13巻、14巻、15巻
進撃の巨人13巻
13巻
進撃の巨人14巻
14巻
進撃の巨人15巻
15巻
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女型の巨人の正体

エレンたちが調査兵団になって初めての壁外調査で遭遇した、女型の巨人。明らかに他の巨人とは違い知性や意思を持って行動しているため、その正体が人間であることをアルミンは早い段階で推察しています。巨人化したエレンとの壮絶な交戦や多くの調査兵団員の犠牲の末、その正体を暴くシーンはまさに鳥肌もの。思わずもう一度過去のシーンを読み返したくなるほど、ここまでの出来事の至るところに伏線が散りばめられていたことに、女型の巨人の正体を知って初めて気づくはずです。

【謎がわかる巻数】8巻
進撃の巨人 8巻

進撃の巨人 8巻

作者 諫山創
出版社 講談社
出版年月 2012年8月9日
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鎧の巨人、超大型巨人の正体

エレンたちにとって、すべての惨劇の元凶であるこの2体の巨人。女型の巨人の正体を知った調査兵団たちが次に予測したのは、鎧の巨人・超大型巨人の中身も同じ人間ではないかということ。過去の出来事や言動を思い出しその正体に目星をつけていたのも束の間、突然自らその正体を明かした人物たちが…!何の前触れもなく、唐突にエレンに自分のことを打ち明けるシーンにはビックリした人も多かったのではないでしょうか。

【謎がわかる巻数】10巻
進撃の巨人 10巻

進撃の巨人 10巻

作者 諫山創
出版社 講談社
出版年月 2013年4月9日
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陰の薄いそばかすの女子のヒミツ

いつもクリスタと一緒に行動を共にしている、目つきの鋭いそばかす顔の女子。エレンと同じ訓練兵団104期生としてちょこちょこ登場していたものの、一向にその名前が明かされず読者からも"謎の多い女"として色々な憶測を生んでいました。9巻でようやくその名前が「ユミル」だとわかるのですが、本編外伝の「イルゼの手帳」で同様の名前が出ていることから、ますます読者は混乱!しかし、彼女の出生や名前のヒミツは物語のかなり後半に語られることとなります。

【謎がわかる巻数】9巻、22巻
進撃の巨人9巻
9巻
進撃の巨人22巻
22巻
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クリスタのヒミツ

エレンの訓練兵時代の同期で誰にでも優しい美少女。最初は目立った活躍はありませんが、同期の中でも癒し系の存在として存在感を発揮していました。しかし、物語が進むにつれて、実は彼女の本名は「クリスタ」ではないことが判明。その正体とは、この壁の中ではかなり大切な存在のようですが…。壁の中を支配する王政や王家のヒミツの鍵を握る重要人物で、きっと新章でもキーパーソンになるはずです。

【謎がわかる巻数】13巻~
進撃の巨人 13巻

進撃の巨人 13巻

作者 諫山創
出版社 講談社
出版年月 2014年4月9日
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獣の巨人の正体

9巻で初めて登場したこの獣の巨人。巨人なのに言葉が話せる、他の巨人を操ることができるなど今まで見たことのない能力を発揮し、調査兵団たちの行く手を阻む厄介な存在です。巨人だけど知性があるので中身が人間なのは間違いなさそうですが、立体起動装置などを知らず、壁内の情報を探っている様子も。鎧の巨人や超大型巨人との関係や、なぜエレンを知っていたのかなど、謎は深まるばかり…。しかし、新章突入前にその素性が明らかに!

【謎がわかる巻数】21巻
進撃の巨人 21巻

進撃の巨人 21巻

作者 諫山創
出版社 講談社
出版年月 2016年12月9日
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明かされていない謎や未回収の伏線まとめ

第1話のタイトル「二千年後の君へ」

『進撃の巨人』ファンなら誰しもが気になっているのがこちらのタイトル。第1話の内容とはまったく関係ないタイトルなため、どんな意味で誰に向けたものなのか。未だに謎に包まれています。さらに物語の冒頭で、昼寝から目覚めたエレンがなぜか涙を流していて、目の前にいるミカサに対して「髪が伸びてないか?」と意味深な発言をしていることで、ループ説やエレンの記憶が誰かから継承されている説などネット上でもさまざまな推理合戦が繰り広げられています。物語が進むにつれてこの件に関するヒントが今後明かされるのでしょうか。

追記:30巻にて伏線回収!

30巻に掲載されている122話のサブタイトルが「二千年前の君から」。人類で初めて巨人の力を手に入れたユミルの生涯について描かれています。エレンたちが住む世界に巨人が現れたのが約2000年前。ユミルが巨人になったことで、巨人の歴史が始まったことになります。つまり第1話のタイトルは、長年ずっと心を捕らわれ続けたユミルの想いを語っていることが推測できます。そして、122話でそのユミルの想いを汲み取ったエレンが起こした行動に、全世界が震撼することに…。9年に渡って張り巡らされた伏線が、ようやく回収された瞬間でした。

物語の冒頭で「いってらっしゃい」と言った人物

先述の通り、第1話の冒頭はエレンが昼寝をしていたところをミカサに起こされるシーンから始まります。その時に白昼夢を見ていたエレンは、夢の中で誰かに「いってらっしゃい」と伝えられていました。顔は見えていませんがエレンがあげたマフラーをしていることから、読者の間でも「おそらくミカサだろう」と思われているのですが…。目覚めた直後にエレンも「長い夢を見ていた気がする」と発言しているため、これには何か大きな意味がありそうですね。

追記:34巻にて伏線回収!

34巻138話で、ミカサは過酷な現実から目を背けたい一心でエレンと2人で人里離れた山奥で平和に暮らす夢を見ます。しかし、現実のエレンと対峙する覚悟を決めたミカサは、最期の瞬間に夢の続きでエレンに向けて「いってらっしゃい」という言葉をかけるのです。おそらく、第1話でエレンに声をかける女性はこのときのエレン目線のミカサなため、髪の毛も短い姿だったのだと思います。1話目の少年エレンがなぜ未来のミカサの、しかも夢の中の姿を見ることができたのか。それもおそらく、巨人の力を得たものが辿り着く"道"による能力によるものでしょう。

アッカーマン家とは

アッカーマンの性を名乗るのは、ミカサ・アッカーマン、リヴァイ・アッカーマン、そしてリヴァイの叔父で育ての親であるケニー・アッカーマンの3人。3人に共通しているのは、並外れた身体能力と体中から沸き起こる強靭な力。その力の謎やミカサとリヴァイの血縁関係の有無については未だ明白にはなっていません。真の王家が持つ記憶改ざんの能力の影響を受けない一族ということだけはわかっていますが、果たしてこれが今後の展開に何か影響していくのか…。このことについては原作でもまだ語られていません。

追記:28巻&32巻にて伏線回収!

28巻の112話でエレン、ミカサ、アルミンが話し合う中で、エレンがジークから聞いたというアッカーマン家の習性について明かす場面が。そこでエレンが言及していたのは、「人の姿のまま一部巨人の力を引き出せる一族」「誰かを宿主として認識した途端、血に組み込まれた習性が発動する」ということ。しかし、32巻でジークとの会話をエレンが回想しているときには、また別の習性が語られていて…。巨人の仕組みを暴くために人類が生み出した、新たな種族だというのは間違いなさそうです。

ミカサの出生や強さのヒミツ

エレンの幼なじみであり、今作のヒロインでもあるミカサにもかなり多くの謎が残っています。壁の中の人間には珍しい一族・東洋人の末裔であることは物語の最初にわかっていますが、先ほどのアッカーマン家との関係性をはじめ、たまにミカサを襲う頭痛の原因や代々継承されている右手の刺青の意味など、彼女への疑問はまだまだ尽きません。主要キャラクターだからこそ何か大きなヒミツを隠していてほしい!と期待せずにはいられない…そんな人物です。

追記:27巻&32巻にて伏線回収!

なぜ、エレンたちが住む土地に珍しい東洋人の種族が生き残っていたのか。右手の刺青はなんだったのか。その理由がアズマビト家というミカサの血縁に当たる人の口から語られるシーンがようやく27巻で登場します。さらに、ミカサの強さのヒミツは先ほどのアッカーマン家の習性とやはり関連しているようです。

太陽が西から登る理由

『進撃の巨人』の世界では、なぜか太陽が西から東に昇っていく描写がたびたびあります。いくつかのシーンで確認できることから、作者があえてこの場面を入れていると思われ、何か大きな意味がありそうです。しかし、ストーリーの中では登場人物たちはもちろん、誰も何もこのことについては触れていません。今後この伏線回収はあるのでしょうか。

作者・諌山創氏が語る!『進撃の巨人』の元ネタとは

作者である諫山 創(いさやま はじめ)さんは、この『進撃の巨人』がデビュー作であることは有名ですよね。デビューでいきなり大ヒット作を生み出し、一躍有名作家へとのし上がりました。連載開始直後も、スポットの当たっていたキャラクターが次々と死んでいく予測不可能でテンポの速い展開で読者のハートを鷲掴みに。10年以上連載されている今でもこれからどんなことが起こるのかまったく予想できません。

早く『進撃の巨人』の今後の展開が知りたい!と思っている人に朗報です。作者の諌山創さん曰く、「この『進撃の巨人』は北欧神話にインスパイアされた」と語っています。つまり、北欧神話を読み解いていていくと、この『進撃の巨人』のさまざまな謎がわかる仕組みになっているのだとか。

ネタバレ覚悟で北欧神話を読んでいくと、何かヒントが見つかるかも?!予想好き・考察好きの人は、ぜひ元ネタである北欧神話も『進撃の巨人』の原作漫画と併せて読んでみて下さい。

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アニメ『進撃の巨人』も遂にファイナルシーズンへ!

『進撃の巨人』の人気を押し上げた要因であるアニメも、いよいよクライマックスへとカウントダウンを開始!過去のSeason 1~3にも引けを取らないクオリティで、原作漫画の23巻からのストーリーを軸に「The Final Season」として、2020年12月6日より再びテレビ放送されます。

アニメならではの疾走感や戦闘の臨場感、キャラクターみんなの可愛さ、カッコよさはやはりアニメの方が一枚上手。壁の中で巨人と戦っていたSeason3の世界から5年後の物語なので、メインキャラクターたちがどのように大人びたのか。アニメを観れば、よりみんなの成長を感じることができるはずです。漫画では汲み取れなかった、さまざまなキャラの感情を声優さんたちの名演技と共にお楽しみください。

2021年に遂に堂々完結!11年半の歴史に幕<全34巻>

2021年6月に待望の最終巻『進撃の巨人』34巻が発売されました!

23巻から突入した新章「マーレ編」から世界の全貌や、壁の人類たちが知る由もなかった国々の争い、そして自分の意志で巨人になれる人間のヒミツなどが明かされてきました。しかし、この新章で読者の誰もが違和感を覚えるほど豹変してしまったのが、主人公のエレンです。

幼なじみのミカサやアルミンも困惑するほど、単独行動を繰り返すエレン。その真意とは一体なんなのか?エレンの目的とは?

残された謎もたくさんあります。明確な答えがわからない描写もあります。それでも、決定的な部分の伏線はきっちりと回収し、誰もが読後の余韻に浸る最高の幕引きであったことは間違いありません。細かな部分は読者の想像力に委ね、考察させる余地をもたせることで、完結後もしばらくは『進撃の巨人』の世界を楽しめそうです。

話題作ということで、ネットを開くだけでどこにネタバレが潜んでいるのかわかりません…。未読の方は、急いで…!

まとめ

これまでも、さまざまな謎や伏線に驚かされてきた『進撃の巨人』。この漫画の魅力を、すべて伝えることは難しいですが、少しは伝わったでしょうか?

この作品の醍醐味は何と言っても、謎や伏線が複雑に交差したストーリー。1度読んだだけでは理解できず、結局初めから読み返さなければわからないということも十分あり得ます。「途中でわけがわからなくなった…」と投げ出さずに、ぜひ何度でも読み返して謎を読み解いてみてください!

これまでの設定やさまざまな情報を頭の中で整理する意味でも、『進撃の巨人』は全巻セットで購入し、時間があるときにイッキ見するのがおすすめ。何度も読み返したくなる漫画をぜひ自宅のコレクションの一つに加えてくださいね。

進撃の巨人 全巻セット

進撃の巨人 全巻セット

作者 諫山創
出版社 講談社
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momo
ライティング担当 : momo

山梨県在住、30代の2児の母。テレビはドラマ・アニメ・バラエティを中心に観ることが多い。ドラマなら恋愛・仕事・サスペンス、アニメならラブコメ・青春・SFが好みだが、総じて“泣ける系”のジャンルにも弱い。漫画は専ら少女漫画ばかりで、矢沢あいの『天使なんかじゃない』は自分史上最高の作品である。最近では咲坂伊緒の漫画が大好き。気になる映像化作品をチェックする時は、映画を観てから小説(漫画)を読む派。

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