- 2020/07/14
- 2018/01/22
【単行本とはどんな本?】意外と知らない本のコト、教えます!
単行本(たんこうぼん)とは、どんな本?それってジャンル?大きさ?「聞いたことあるけど、よくわからない」という人も、「趣味は読書」という人も、意外と知らない本の種類について、すべて解説しちゃいます!奥深き"本の世界"を知れば、堂々と本を語れること間違いなし!
本の種類を知ろう~あなたは説明できますか?
あなたは本屋さんへよく行きますか?本好きの人はもちろんのこと、「ちょっと時間つぶしにでも」なんて軽い気持ちで本屋さんへ入る人も多いのではないでしょうか。平積みになっている新刊コーナーや雑誌の最新号をチェックしてみたり、棚を見渡せばコミック、小説、ビジネス書、レシピ本、写真集…無数の本たちを眺めるだけでも何だかワクワクしますよね。
このコミック、小説というのは、本のジャンルということになりますが、本にはこれ以外にも出版時の分類というものがあるんです。
上記のような言葉、聞いたことありませんか?しかし、耳にしたことはあっても、それがどんな本なのかはきちんと説明できない、という人も多いはず。かと言って、今さら誰かに聞くのも気がひける…。
そんなあなたはぜひ最後までお目通しを!周りの人に披露できちゃう"本の雑学"を伝授します。一緒に本について勉強していきましょう。本の違いを知ればもっと読書を楽しめるはずです!
単行本とは何?ズバリ解説します
単行本とは
全集ではなく単独で刊行される本のことを単行本と呼びます。
ページ数が多いものは上下巻などに分けて出版されることもありますが、サイズやジャンルも関係ありません。(ちなみに、全集やシリーズ物で刊行されたものは叢書(そうしょ)と呼びます。)
単行本は一般的に、小説やエッセイなど雑誌や新聞で連載されたものをまとめて刊行されることが多いですが、掲載・連載を経ずに、執筆後そのまま書籍化されるものを「書き下ろし」と言います。書き下ろしの場合は、本屋に並ぶ=初めて世に出る作品ですので、人気作家の作品であれば話題にもなりやすく、帯に目立つように「書き下ろし」と書かれていたりします。
《単行本の種類》① ハードカバー 単行本の表紙が固い(ハード)もの。上製本(じょうせいぼん)とも呼ばれる。 |
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メリット | 丈夫なので長期間保存できる。 |
デメリット | 重いので持ち歩きには適さない。 |
②ソフトカバー 単行本の表紙が柔らかい(ソフト)もの。並製本(なみせいほん)とも呼ばれる。 |
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メリット | 軽いので持ち歩きに向いている、どこでも読める。 |
デメリット | 型崩れしやすく、折れやすい。 |
コミックのことを「単行本」と呼んでいる人もたくさんいると思いますが、上述の定義をもとに厳密に言うと、コミックはレーベル(出版社)ごとにシリーズ化されているため、叢書に当てはまり、実を言うと単行本には当てはまらないということになります。ですが、コミックも大半が漫画雑誌等に連載されたものをまとめて刊行しているので、その意味合いから「単行本」と呼ばれるようになったようです。
いかかでしたか?単行本って、何となく「ハードカバーの小説」をイメージする人が多いと思いますが、実はとても広い意味を持っていたんですね。
単行本の他には、どんな種類があるの?
単行本については大体わかってきたと思います。ここからは、もっと本を知るために単行本以外の種類もご紹介していきます。本の種類の知識を持てば、どんなタイプが一番自分に合うのか、どういうときに読みたいのか…自然とわかってくるはずです。本の選択肢の幅も広がりますよ!
ーサイズによる分類ー■ 文庫本
おおむねA6判サイズ(105㎝×148㎝)で出版される、小型の叢書。
ソフトカバーのため単行本に比べると低価格で販売されます。単行本として刊行されたものの中で、人気が高いなどの理由で1~3年後に文庫版として発売されることが多くなっています。単行本の内容から加筆されていたり、あらすじや作者の解説やあとがきもあり、単行本+αして価値を高めています。
■ 新書
おおむね新書判サイズ(105㎝×173㎝)で出版される叢書。
内容でノベルズ(小説)とノンフィクション系(実用書)に分かれます。最近では新書と言えば実用書(哲学、心理学、ビジネス、金融経済etc…)のイメージが強く、「バカの壁(養老孟司 著)」が400万部超え、「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?(山田真哉 著)」「人は見た目が9割(竹内一郎 著)」が100万部超えなどヒット作も多数出ています。新書ノベルズ(小説)で有名なのは、松本清張シリーズや、トラベルミステリーの旗手、西村京太郎シリーズなどがあります。
※文庫、新書は、出版社ごとに同じサイズ、体裁で刊行されているため叢書となります。
■ 大型本
明確な定義はありませんが、雑誌、写真集、図鑑、美術書など単行本よりも大きいサイズのものを指します。本を開くと1メートル以上にもなる大きな絵本などもあり、読み聞かせにもピッタリ。地図や画集なども細部までしっかり見ることが出来ます。
ーその他の種類ー
■ ペーパーバック
日本でペーパーバックと言えば、カバーの付いていない洋書を意味することが多いと思います。しかし、もともとは製本上の分類で、ソフトカバーと同じものになります。また、近年ブームとなっている電子書籍の対義語としてペーパーバック(紙の書籍)と呼ぶときもあり、使う際は注意が必要です。
■ コンビニコミック(廉価版コミックス)
主にコンビニエンスストアにおいてペーパーバック仕様で販売されているものを指し、「ゴルゴ13」「カイジ(シリーズ)」「こちら葛飾区亀有公園前派出所」などの人気作が刊行されています。低価格(お弁当や飲み物と一緒に買っても1,000円以下)なので手軽に人気作を購入できると幅広い世代に支持されています。
■ ムック本
マガジン(雑誌)とブック(書籍)を掛け合わせた和製英語。その名の通り、雑誌のような書籍形態の刊行物のこと。ムック本で主なものは「るるぶ」などの旅行・観光本や、ブランドムックと呼ばれるブランド品の付録がついた雑誌です。ブランドはファッションやアクセサリーのブランドなど幅広く多彩な限定付録が低価格で手に入るため、とても人気があります。
単行本と文庫本、あなたはどちら派?
さて、ここまでいろいろな本の種類を説明してきましたが、タイトルにもある「単行本」について、もう一度スポットライトを当てたいと思います。
本好きの間でよく交わされるのが、「あなたは単行本派?それとも文庫本派?」というやりとり。小説などは、先に単行本として発売されてから数年後に文庫本で発売されるケースが多く、どちらを買うべきか迷う!という人も多いはずです。なかには結局迷ってどちらも買う機会を逃してしまっている人もいるのでは?!一度このあたりで自分はどちらを買うべきなのか整理してみましょう。
<新刊の場合>単行本 |
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発売と同時に読める 価格が高い(おおむね1,500~2,000円位) |
文庫本 |
価格は安い 欲しい本が単行本刊行された後に文庫化されるまで1~数年後かかる (文庫化されない可能性も) |
好きな作家の新刊が出る!とわかれば、発売と同時に手に入れたいのが本好きの心理。でも単行本って、高いですよね…。なかには月に1冊買うのが精いっぱい、という人もいるのではないでしょうか。本には惜しみなくお金をかける!という考えの人は別ですが、「どうしても絶対にすぐ読みたい!」という作品は単行本で買って、それ以外は文庫になるのを楽しみに待つ、という選択が賢いかもしれません。
<既刊の場合>単行本 |
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丈夫で長持ちする、装丁も綺麗で部屋のインテリアにもなる 高価格、重いので持ち歩きに不向き |
文庫本 |
低価格、小さくて軽いので外出先で気軽に読める 柔らかいので損傷しやすい |
すでに単行本、文庫本どちらでも発売されている本を買う際は、その本をどう読みたいかがポイントです。
例えば、
表紙の装丁や帯のデザインが凝っていて気に入った、保存版として大事にしたい ➡ 単行本 |
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表紙の装丁や帯のデザインが凝っていて 気に入った、保存版として大事にしたい |
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↓ |
単行本 |
電車やカフェなどで、空いた時間にちょこちょこ読みたい ➡ 文庫本 |
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電車やカフェなどで、 空いた時間にちょこちょこ読みたい |
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↓ |
文庫本 |
というように、どのようなシーンで読みたい本なのかをまずイメージすると、お金を無駄にせず本を楽しむことが可能です。
<その1>
単行本刊行の後に文庫本、という流れですが、実は単行本での誤字脱字や、著者が気になったり心変わりした部分を訂正&修正、加筆して文庫化することもあるんです。なので、単行本と文庫本では違う部分があることも!このため、単行本も文庫本も両方購入するという人も多くいます。文庫本の最後のページに、「~修正、加筆しています」などの注意書きがあるので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
<その2>文庫本にあって単行本にないもの、それは"あらすじ"です!言われてみると「ああ、そう言えばそうか」と気づきますよね。もちろん、あらすじの有無は購入にあまり関係ないと思いますが、本屋さんで「たまには新しい作家を開拓しよう」なんてときには、文庫本のあらすじを参考に探すのもおすすめです。いつもは手にしない作家さんの作品でもあらすじに惹かれて読んでみたら「とっても面白かった!他の作品も読んでみよう」と読書の世界が広がるかもしれませんよ。
今すぐにでも読みたくなる!スタッフおすすめの単行本
本について、たくさんの知識を伝授してきましたが、そろそろ「本が読みたーい!」という欲求に駆られてきませんか?でも「何を選んだら良いかわからない」「本選びは失敗したくない」という人もいるはずです。
そこで!幅広いジャンル&業界トップクラスの在庫を誇る中古本販売店である『もったいない本舗』のスタッフがおすすめする単行本を一気にご紹介します!素晴らしい本がたくさんあってすべてをご紹介できないのは残念ですが、有名な賞を受賞した作品やベストセラーのものを厳選しましたので参考にしてみて下さいね。
『祈りの幕が下りる時』 東野 圭吾
2018年1月映画化決定!"泣けるミステリー"として話題となった「新参者」シリーズの完結編!
『君の膵臓をたべたい』 住野 よる
住野よるのデビュー作。2016年には「本屋大賞」第2位。キミスイと呼ばれ大ヒットしました。アニメ化や映画化もされています。
『蜜蜂と遠雷』 恩田 陸
史上初、「直木賞」・「本屋大賞」をダブル受賞した作品。ピアノコンクールを舞台に過去と今を描く青春群像小説。
『コンビニ人間』 村田 沙耶香
2016年「芥川賞」受賞作品。舞台はコンビニエンスストア。作者は作家活動と並行してコンビニで働いており、その経験を活かした作品になっています。
『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』 岸見 一郎
2013年刊行のベストセラー。フロイト・ユングと並び、"心理学の三大巨頭"と言われる、アドラーの思想(心理学)を物語形式で紹介しています。これを実践できれば人生が変わるかも!?
まとめ
たいていの人は単行本は高くて大きな本、文庫本は安くて小さい本というイメージがあったのではないでしょうか。ですが、調べていくと両者の違いは意外と多く、どちらにもそれぞれの魅力があることがわかって頂けたと思います。
文庫本に比べ、単行本は表紙などもこだわり、とても凝った作りになっています。(表紙のデザインを見て中身を読んでみたくなるという人も多いのでは?!)発売後、すぐに読めるので本好きの人なら単行本派という人も少なくないはずです。また、「スピン」と呼ばれるしおり代わりの紐もついているので少しずつじっくり読み進めるにはピッタリですね。
もうすでに読書好きの人も、そうでない人も、興味が持てる本と出会って欲しいと思います。読書がもたらすメリットはたくさんあり、何か壁にぶち当たったときには本が解決のヒントを与えてくれることも。ちょっと大げさですが、もしかするとその本があなたの人生を変える一冊になるかもしれません。ぜひ、たくさん読書をして人生を豊かなものにして下さい
ライティング担当 : otake札幌在住の40代2児の母。趣味は読書。小説からエッセイ、漫画まで何でもこいの雑食派。好きな作家は横山秀夫、誉田哲也、角田光代、篠田節子、乃南アサなど。とくに人間の本音や心の闇に迫る作品に惹かれる。テレビも好きで、笑えるバラエティで忘れた笑顔を取り戻す。一度手放した思い出の漫画たちを買い戻すことを目標に日々働く。すべての家事を終えて飲む一杯が一番の癒し。 |