- 2020/07/21
- 2018/01/25
【文庫って何?】単行本と迷う方へ。文庫の魅力を徹底解剖!
なんとなく使っている「文庫」という言葉。その意味、本当に知っていますか?単行本と文庫はどちらが良いの?文庫版漫画のメリットは?そんな疑問を持つ人に読んでほしい、文庫の魅力教えます!あなたは単行本派か文庫派かがわかっちゃう診断チャートもあり。
【文庫ってなんだろう】意外と知らない文庫本のヒミツ
本を買う時によく耳にする「文庫」という言葉。日常的に使っているけど、その言葉の意味はほとんどの人がよくわかっていないのではないでしょうか。小さいサイズの本をなぜ「文庫」と呼ぶの?まずは、そんな初歩的な疑問を解消していきましょう!
ぶんこ【文庫】とは…
書庫を意味する和語の「ふみくら」に対する和製漢語
[意味]
1.書物や古文書などを入れておく書庫。
2.その後まとまった蔵書やコレクション。
3.まとまった蔵書を所蔵する施設(図書館)。
4. 叢書やシリーズなどにつける名前
5.「文庫本」の略。
…なんだか難しい意味が並んでいますが、現代人に馴染み深いのはやはり「文庫本」の略称かと思います。 「文庫本」とは、同じ出版社から続けて刊行される、同一の型・装丁の叢書(そうしょ)のこと。つまり、文庫の表紙や背表紙に統一性があるものが多いのは、出版社ごとにデザインのフォーマットがある程度決まっていたからなんですね。
さらに文庫本のソフトカバーの表紙を外してみると、シンプルでスタイリッシュなデザインがあしらわれているものが多く、各出版社のこだわりや伝統を感じることができます。
- 岩波文庫
… 唐草模様・壺マーク - 新潮文庫
… 葡萄マーク・飾り罫 - 角川文庫
… 鳳凰のマーク・椿や紫陽花
他にも出版社ごとにモダンでオシャレなデザインがいっぱい!ブックカバーをかけるよりもカバーを外して読んだ方がカッコよく読書ができるかも?!文庫本を手に取るときには、ぜひ一度、カバーも外して表紙デザインを楽しんでみてください。
お役立ちメモ:「叢書」(そうしょ)って何?
文庫本の特徴にもある"叢書"という言葉ですが、聞き慣れないものですよね。意味がわからない人のために、ちょっとだけご説明いたします!
叢書とは…
1.同じ種類、分野の事柄を、一定の形式に従って編集、刊行した一連の書物。シリーズ。
2.多くの書物を集大成したもの。
歴史全集や文学全集などをイメージするとわかりやすいですね。上記の表にもありますが、今回のテーマである文庫本も、"単行本で刊行した書籍を各出版社一定のスタイルで再刊行したもの"という意味で、叢書に当たると言えます。
文庫本、単行本、新書…その違いは?
本屋さんに行けば必ずコーナーごとに分かれている「文庫本」「単行本」「新書」。出版形式のひとつだとは思うけど、イマイチその違いがわからない…よっぽどの本好きの人じゃない限りはみんなこんな感覚だと思います。じゃあいったい、それぞれどんな本のことを指すの?どんな違いがあるの?という人へ。ご安心ください、詳しく解説いたします!
判 大きさ |
主なジャンル | 製本の種類 | 特 徴 | |
---|---|---|---|---|
単行本 | B6判、四六判 128×182mm 128×188mm |
小説・エッセイ・ビジネス本 |
上製本 (ハードカバー) |
・叢書ではなく単独で刊行される本
・新作は単行本から出版されることが多い
・文芸誌で発表された作品をまとめたもの
・書き下ろし作品を発表する作家も多数
|
文庫本 | A6判 105×148mm |
小説・古典・詩集 |
並製本 (ソフトカバー) |
・小型の叢書
・単行本として刊行されたものの廉価版
・普及を目的として刊行されている
・単行本の内容から誤字・脱字が修正されるケースも有
|
新 書 | 新書判 103×182mm (105×173mm) |
ノンフィクション・専門書・学術書・実用書・啓発本 |
並製本 (ソフトカバー) |
・文庫本より少し大きい叢書
・サイズに明確な基準(JIS規格)がない
・新書と同じサイズの小説は「ノベルズ判」と呼ばれる
・書き下ろしのものが多い
|
見た目や大きさだけでなく、中身にもちょっとした違いがあるんですね。最新作の小説などを読みたいときは、やはりどうしても単行本の形式で刊行されることが多いようです。あの話題作を文庫で読みたい!と思っても、発売されるのは数年先…というのもざらなので、文庫化を待つよりも話題に乗り遅れる前に単行本で買ってしまった方が良いこともあるかもしれません。
さらに、単行本を刊行した出版社だからといって、必ず文庫版もその出版社から出るとは限りません。著作権が切れている古い作品はさまざまな出版社から文庫本が発売されていますし、比較的新しい作品でも契約の関係で複数の出版社から文庫本を出している場合もあります。欲しい作品の文庫本を探すときには、複数の会社から出されていないのかも調べてみると良いかもしれません。
【文庫or単行本】あなたのおすすめはどっち?!診断チャート
単行本と文庫本の具体的な違いはわかったかと思いますが、いざお目当ての本を買おうとしたときに単行本と文庫本の両方で刊行されていた場合、どちらを買おうか迷ってしまいますよね。文庫も単行本も一長一短ですが、あなたの読書習慣によって実は買うべき本の種類も違うのかも?!どちらがあなたにぴったりなのか、さっそく診断してみましょう!
いかがでしたか?単行本、文庫本、どちらのタイプだったでしょうか?
本が好きでコレクションしている人は、長期保存できて変形・損傷しづらいハードカバーを、出掛けた先で手軽に読書を楽しみたい人は、持ち歩きに向いているソフトカバーがおすすめです。自分の読書スタイルに合わせて選んでみましょう。
【ココが文庫の魅力!】迷ったら文庫を選びたくなる5つの理由
1 | サイズが小さくて長時間読みやすい |
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サイズが小さい!これは一番わかりやすい文庫本の魅力かもしれません。ハードカバーの単行本って、長時間読んでいると手がだるくなったり、意外と疲れちゃうんですよね。文庫本なら、手の小さな女性でも、疲れずに長時間読書を楽しめるでしょう。
2 | 持ち運びに便利 |
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文庫本は小さくて軽いので、お気に入りの一冊をバッグに入れておけば、通勤の電車やバスの中、待ち時間の暇つぶし、居心地の良いカフェでの休憩中などにさっと取り出して読書ができます。おうちでじっくり読むのとはまた違った読書の楽しみ方、ぜひお試しを!
3 | 場所を取らない |
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文庫本と単行本を比べると、厚さ、高さともに文庫本の方が小さいので、本棚に入る冊数が圧倒的に違います。買った本は一応保存しておきたい、でも収納場所に限りがある、という人は、あえて文庫本で揃えてみてはいかがでしょうか。また、文庫本は叢書(出版社ごとに定型)なので、並べると整然とし見栄えもキレイですよ。
4 | 値段が安い |
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単行本が1冊1,000円~2,000円近くするのに対し、文庫本はだいたい1冊500~1,000円以内で買うことができます。どうしても新刊をすぐ買いたい!などのこだわりがなければ、文庫本がお得かもしれません。
5 | 裏表紙にあらすじが書いてある |
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これは意外と気づかない魅力かもしれません。文庫本にあって単行本にないもの、それは"あらすじ"なんです。文庫本は裏表紙にあらすじが書いてることが多く、本選びの際に参考になること請け合いです。
文庫本にはこんなにもたくさんの魅力がいっぱい!
持ち歩きやすさだけでなく、値段の安さや裏表紙のあらすじなど、購入の決め手になる要素がたくさんあります。本の痛みやすさが玉に瑕ですが、それでも大切に扱えば何度も読み返すこともできるので、年間の読書冊数が多い人ほど、文庫本の方が気軽にサクサクと読書ができるのでおすすめです。
文庫本は小説だけじゃない!実はマンガもあります
あまり知られていないのが、文庫サイズで販売されている文庫版コミック。書店でもメインの漫画コーナーに置かれていないので、その存在をあまり知らない人も多いようです。通常のコミック1~2冊分が文庫版1冊に収められているものもあるので、全巻まとめ買いする時には冊数がかさばらない上、金額的にもかなりお得になることも。
例として、これまでに文庫版も刊行されいてるヒットマンガをあげてみましょう。
シティーハンター (作:北条 司)
先生! (作:河原 和音)
赤ちゃんと僕 (作:羅川 真里茂)
ごくごく一部のものをご紹介しましたが、まだまだ有名なヒット漫画の文庫版はたくさん刊行されています。通常版には載っていた、おまけ漫画や作者のあとがきなどはカットされていることがほとんどですが、純粋に漫画の内容だけを楽しみたい人には十分!また、冊数が少ないだけでなく、本のサイズ自体が通常よりも小さいので、収納もコンパクトに。部屋をスッキリ保ちたい人も気兼ねなく揃えることができますよ。
まとめ
文庫本とは、もともと人々の生活に読書を根付かせるための普及用の本です。だから片手でも読める手頃なサイズ&価格に設定されているため、年間たくさんの本を読みたい!という読書家の人にはぴったりの出版形式の本といえます。ふらっと立ち寄った書店で気になった作家の文庫本を買ってみると、意外とファンになったり、なんてこともあるかもしれませんね。お手頃な価格なので、作家買いもできちゃいます。
電車に揺られて、街の雑踏の中で、あるいはカフェのBGMを聴きながら…そんなひと時のお供にも文庫本はぴったりです。日々の生活が豊かになりますよ。
でも、いくら安価でコンパクトサイズとはいえ、文庫本も買い続けると家の本棚からあふれてしまいます。気が付けば収納スペースがない…そんな時は、あなたの本を次に読みたい人へ渡してみませんか?自宅にいるだけでいらない本の買取ができる「宅配買取」というサービスを利用すれば、面倒なお店への本の持ち込みをする必要もナシ!読まなくなった本を一気に処分したい時にもおすすめです。
貴重な資源を無駄にすることなく、エコロジーかつお得な方法で本をリサイクルしましょう!
ライティング担当 : momo山梨県在住、30代の2児の母。テレビはドラマ・アニメ・バラエティを中心に観ることが多い。ドラマなら恋愛・仕事・サスペンス、アニメならラブコメ・青春・SFが好みだが、総じて“泣ける系”のジャンルにも弱い。漫画は専ら少女漫画ばかりで、矢沢あいの『天使なんかじゃない』は自分史上最高の作品である。最近では咲坂伊緒の漫画が大好き。気になる映像化作品をチェックする時は、映画を観てから小説(漫画)を読む派。 |