- 2022/03/01
【妖怪漫画】怪異譚もラブコメも熱血バトルも!おすすめ作品35選
不思議で、怖くて、面白い。そんな日本の伝統的アイドル、「妖怪」が大活躍する作品を集めました!民俗学ベースの本格的な怪異譚からラブコメファンタジー、ほのぼの日常ものからサバイバルバトルまで、面白ければそれで良し。あなたの好きな妖怪漫画はありますか?
怖いだけじゃない?妖怪の魅力
妖怪は、怖いだけのものだと思っていませんか?そんなあなたはこちらをご覧ください。Wikipediaによる、『妖怪』の記述はこちら。
妖怪(ようかい)は、日本で伝承される民間信仰において、人間の理解を超える奇怪で異常な現象や、あるいはそれらを起こす、不可思議な力を持つ非日常的・非科学的な存在のこと。
実は妖怪は、人を害することが前提ではありません。善でも悪でもない、人の理解が及ばない不思議な存在。人に悪さをするケースもあれば、ただ気味の悪い存在としてそこにいるだけのケースもあり、起きる現象はさまざま。こうしたことから、物に魂が宿った『付喪神(つくもがみ)』、陰陽師が使役する『式神(しきがみ)』、はたまたジブリの大人気キャラクター『トトロ』も妖怪に含まれることもあるようです。学問や文化として現代まで語り継がれるほど愛されてきた、さまざまな特徴を持つ彼ら。その不思議で面白いエピソードを、漫画でも手軽に楽しんでみましょう!
妖怪漫画おすすめ35選
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(見出しをクリックするとタイトル名が表示されます)
①バトル・怪異譚
怪物事変(けものじへん)
『ジャンプSQ』で大好評連載中!村中から虐げられていた鬼と人間のハーフの少年・日下 夏羽(くさか かばね)が、東京からやってきたという胡散臭い探偵と出会うところから物語は始まります。こちらの作品のご紹介を僭越ながら務めさせていただきたい…のですが、もう何も見ず公式サイトに飛んで、無料で公開されている第1話を読んでください。提示される謎の数と、解決していく謎の数のバランスの良さ。暗く重いシーンからの、想定外すぎるエピソードによるギャグを挟んだ場面転換。1話分に詰め込まれた情報量と構成が、とにかく綺麗で素晴らしすぎます!今後もこのように物語は紡がれていくため、ぜひ夏羽の成長と行く末を見守りながら応援してください。ジャンプSQの看板作品に相応しく、きっちり『ジャンプ』っぽい設定で、『SQ』らしくグロ注意な陰惨バトル!しかし登場するキャラクターたちが明るく導いてくれるため、淀んだ空気感は決してありません。毎月楽しく連載を追っていける作品ですよ!
▼『怪物事変』公式サイトはこちら▼
もののがたり
ずっと大切に使っている「物」はありますか?「物」に心が宿ったもの、付喪神(つくもがみ)。ときに人を慕い、ときに人を襲うそれを、彼らの住まう元の世界に帰すことを生業としている主人公・岐兵馬(くなと ひょうま)。付喪神を憎悪する彼が、付喪神を家族と呼び慕う長月ぼたんと共に暮らすことになってしまうところから、物語は始まります。決して明るいだけではない、雰囲気抜群のしっとりとした作品です。また、さまざまなデザインと因縁を持った付喪神たちの誰も彼もが魅力的!バトルシーンも圧巻の迫力で、付喪神たちのそれぞれの特性が活かされた戦い方も面白い。次はどんな付喪神が出てくるのかと、ワクワクしますよ。序盤はまだ世界観の一部しか見ることができず、平凡な印象を抱かれる方もいらっしゃるかもしれません。まずは3巻まで、読んでみてください。
あやかしトライアングル
『To LOVEる』の作者による、色々と「とらぶる」な妖怪退治ハーレムもの!コメディのカテゴリでご紹介するか迷いましたが、同作者の他作品『BLACK CAT』のようなカッコいいバトル要素もあるため、こちらでのご紹介です。とにかく、女子がかわいらしい。しかしバトルパートでのアクションはスピード感・構図・迫力文句なしにかっこよく、そのギャップがまた素敵です。期待通り、きっちり『週刊少年ジャンプ』の限界に挑戦されているため、『To LOVEる』ファンにもおすすめです!
妖怪戦葬
理不尽しか無い妖怪退治デスゲーム!モブでいたい主人公の真空は、気が付くと見知らぬ場所に転送させられていました。まるで自分の墓標のように名前が書かれた木の柱に、古びた社。廃村のようなそこは、「妖怪の里」。そこに住まうある妖怪を退治しないと現世には戻れないという、究極のデスゲームが幕を開けます。特殊能力も何もない普通の人間が、妖怪相手にどう立ち回るのか。理不尽と絶望がまん延する中での、ギリギリバトルが面白い!サバイバルホラー好きにはたまりません。謎も少しずつ明らかになっていきますよ。グロいシーンが多々あるため、苦手な方はご注意ください!
化物語
言葉遊びの西尾節が炸裂する『物語シリーズ』を、『天上天下』『エアギア』の大暮維人がコミカライズ!吸血鬼もどきになってしまった主人公の少年・阿良々木暦が、怪異に悩み怯える少女たちを次々と救います。どのページをめくっても画面が美しいという、原作ファンもアニメファンも納得の完成度。原作の不思議な世界観を、天才的な大暮氏のテイストでしっかりと表現しきっています。表紙だけでも、並べて飾っておきたくなりますよ。原作から入ってもアニメから入っても、はたまたこちらの漫画版から入っても、どれでもお勧めです!
地縛少年花子くん
学園七不思議・トイレの花子さんは…男の子!?かわいらしい絵柄で綴られる、学園七不思議をベースにした怪異譚です。願いを何でも叶えてくれるという噂がある、トイレの花子さん。主人公の八尋 寧々(やしろ ねね)が自分の願いを叶えるため、トイレで花子さんを呼び出すところから物語は始まります。絵柄がかわいらしいので忘れがちですが、設定もストーリーも割と容赦がありません!しかし魅力的なキャラクターたちが生き生きと動き回り、怪異をズバッと解決。かわいらしさと怪異が上手に同居しています。この世のものではない花子くんと、寧々の関係性にも胸キュン…。彼岸と此岸を結ぶ縁は一体どうなってしまうのか、最後まで見届けましょう!
ロザリオとバンパイア
画力の成長が凄まじいため、ぜひ最終巻の表紙も見ていただきたい。『月刊少年ジャンプ』の休刊に伴い『ジャンプSQ』に移籍、『ロザリオとバンパイア season II』として完結した、ラブコメハーレム要素もあるバトル漫画です。妖怪が通う学校・陽海学園に入学してしまった、ごくごく普通の少年・青野月音(あおの つくね)。彼がかわいらしい妖怪たちに囲まれて、ドタバタでもハッピーな学園生活を送ります!作者によると、移籍前のこちらのシーズン1は主人公の物語、移籍後のシーズン2は仲間たちの物語になるそうです。どちらも面白いですが、シーズン1の伏線を2できちんと回収しているため、やはり順番に読んだ方がわかりやすいです。とにかく画力の向上が凄まじく、元々かわいらしく・カッコよかったキャラたちがどんどん美麗になっていくため、その過程もリアルタイムで楽しめますよ!
ぬらりひょんの孫
妖怪の総大将、ぬらりひょん。その孫である、妖怪クォーターの少年・リクオが、任侠妖怪と盃を交わし、組をガッチリまとめてカチコミます。妖怪の世界に任侠を組み込んだ独自の設定が面白い!また登場する妖怪たちの多くは、鳥山石燕の『画図百鬼夜行』などの妖怪画集を参考に描かれていて本格的。時折挟まれる墨絵のような画風も、粋とホラーの絶妙なバランスで文句なしの美しさ。ちなみに、作者の椎橋氏は『ジョジョ』の作者荒木飛呂彦先生の元アシスタント。ジョジョファンの方は、作中に描かれる擬音文字などから、そこはかとなく溢れだすジョジョ味にクスッとしてしまうかもしれませんね!
幽☆遊☆白書
『HUNTER×HUNTER』『レベルE』の冨樫義博氏による、永遠に語り継がれる『ジャンプ』の名作です!中二病の症状の一つ、「腕に包帯を巻き邪悪な力を封印している設定」等の元ネタです。序盤は幽霊探偵もの、中盤からは手に汗握るバトルもの。どちらも決して「気持ちの強さ」だけで終わるようなものではなく、心理戦による駆け引きや論理的な戦術など、『HUNTER×HUNTER』に通ずる、どれも捻りのある面白さ。キャラクターの設定やデザインもかっこよく、当時の『ジャンプ』に多くの女性読者を呼び込んだとも言われています。特に味方サイドの登場人物である蔵馬と飛影は、連載が終了して約30年経った現在でもなお、多くの女性読者の心を掴んだままとなっています。該当世代の方々に、安易に蔵馬派か飛影派か尋ねると千日戦争に発展しかねないため、気を付けてくださいね!全19巻(文庫版全12巻、完全版全15巻)と集めやすい巻数で完結しているため、安心してお読みください!
もっけ
ファンタジーではなく、民俗学に基づいた本格的な妖怪が描かれている作品です。妖怪が見える姉の静流と、妖怪に憑かれやすい妹の瑞生。自然に抗うのではなく、自然を受け入れ共存していくという日本らしい思想のように、妖怪を受け入れ共存していく一話完結型のストーリー。副業で拝み屋をしている祖父の助力の元、日々怪異に遭いながらも、姉妹たちは少しずつ成長していきます。震えるほど恐ろしい、というよりは、背筋が冷たくなる怖さ。そんな隙間風のような恐怖が日本の様式美を表しているようで、作者の手腕と雰囲気づくりの上手さに脱帽です。異形の描写にもぞっとします。読後は、民俗学関連の本を読みたくなるかもしれませんね。
百鬼夜行抄
連載期間は25年以上のロングセラー。一話完結型、どこか幻想的でミステリー要素もある、大人気ホラー作品です。主人公の飯嶋 律は、幼い頃から人ならざるものが見えてしまう霊感体質。亡き祖父から受け継いだその力は、ときに妖魔や妖怪を惹きつけてしまいます。祖父が遺した式神たちと暮らしながら、時折訪れる仄暗い日常をやり過ごし、また穏やかな日を紡いでいく。決して怖さや欝々としたものばかりだけでない、どちらかと言うと不思議な世界を見せてくれるストーリーです。さまざまな怪異譚は、恐怖もあれどきちんと優しさも残されています。一話完結型で読みやすいため、寝る前の百物語として読むのにもピッタリですよ!
向ヒ兎堂日記
明治時代の貸本屋が舞台の、レトロな妖怪ミステリーものです。世間は、妖怪関連すべてを取り締まる『違式怪異条例』が施行された治世。その状況下で、妖怪が見えてしまう主人公・兎崎伊織が、店を訪れる妖怪たちの悩みに寄り添います。派手なアクションシーンこそありませんが、まるで数珠のような謎の連鎖に、ページをめくる手が止まらなくなります。画面から漂う、科学と伝承が絶妙に混じり合った、明治時代ならではの不思議な空気感もまた素晴らしい。しっとりとした怪奇譚をお探しの方におすすめです!
あかやあかしやあやかしの
あかあかと灯る提灯に、からからと回る風車。一度でも潜り抜けたら戻れない、「とおりゃんせ」のような魅力を持つ世界観の作品です。個人製作の同人ゲームからコンシューマ化という偉業を成し遂げた、伝説の同人ゲームサークルによる2作目。そちらのコミカライズです!空環(ウツワ)市の山にある神社で育った少年・由(ユエ)は、お祭りで2人の少年と出会います。神社に戻り、2人から何か惹かれるものを感じたことを大人たちに伝えると、神社の主から命令が。「食事」の支度をするように、と…。同時に空環市内では、突然人が消えてしまう「神隠し」が絶えず噂されていました。「食事」と「神隠し」。あやかしが住まう街を舞台に、ここから永遠が始まります。ゲーム内のストーリーがわかりやすく整頓されているため、もちろんゲーム未プレイでもしっかり楽しめます。ただし2巻まで読んで原作のゲームに興味を持たれたら、一度コミックスを置いてゲームをプレイされることをおすすめします。3巻辺りから、物語の核心に少しずつ触れていきますよ。志方あきこ氏による、作品の世界観を余すことなく表現したオープニングテーマも必聴です!
デビルサマナー 葛葉ライドウ対コドクノマレビト
『真女神転生』『ペルソナ』のアトラスによるゲーム、『葛葉ライドウシリーズ』の、完全新作コミカライズです!主人公の十四代目・葛葉ライドウは、悪魔も妖怪も神でさえも使役して戦う悪魔召喚士。悪鬼はびこる大正20年の帝都を舞台に(大正は15年までのため、架空の設定です)、人々の平和を護ります。ちなみに主人公のデザインの元ネタは、なんと『ジョジョ』3部の主人公・空条承太郎。オラオラはしませんが、絶望的な絶対悪意の前でもその膝を決して折ることはせず、クールに刀を一閃します。どんなときでも頼りになる、怖ろしくも頼もしい「仲魔」を従えて!原作シリーズ同様、きっちり監修と脚本がついた、ダークで絶望的なストーリーは圧巻の一言。それを原作ゲームファン全員を沸かせる素晴らしい画力で、綾村氏が完全再現。もちろんゲーム未プレイでもしっかり楽しめます!ゲーム化が熱望される全6巻、ぜひ最後まで見届けてください。
もののべ古書店怪奇譚
あふれ出る京極夏彦感。鬼となる古書を回収・処分するために、古書店の主人公が闇を往きます。傍らには「助手」として、無邪気な少年を連れて…。と思っていたら綺麗にどんでん返しに遭うため、決して油断しないでくださいね!鬼のバトルは結構猟奇的で、作品を通して漂う空気は割と鬱屈。優しいストーリーももちろん存在しますが、毎回なにかしらの濁りを残してストーリーが進むため、そういった闇のスパイスが大好物な方におすすめです!
②コメディ・恋愛
妖怪の飼育員さん
動物と触れ合えて学べる動物園ならぬ、"妖怪園"で妖怪たちと楽しく触れ合える世界観です!一話完結型、主人公が妖怪園の飼育員として、さまざまな特性を持つ妖怪たちのお世話を頑張ります。奇抜な設定でありながらも、きちんと民俗学ベースの妖怪豆知識が描かれているため、図らずとも勉強になりますよ。妖怪と共存している世界のためホラー要素はなく、常にコミカルで明るい雰囲気。『ゲゲゲの鬼太郎』『地獄先生ぬ~べ~』『孔雀王』に於いて、それぞれ主人公側をかなり苦戦させた最強レベルの妖怪として登場した「七人ミサキ」ですら、こちらの作品だと大変シュールなことになっておられます。また、獣医ならぬ妖怪医のお名前が陸奥吾郎さんだったり、『ブラックジャック』や『サイボーグ009』など往年の名作のパロディ要素もあちこちに。元ネタをご存じの方は、そちらの意味でもクスリと笑えますよ。
鬼灯の冷徹
怖いイメージの地獄が、一気に愉快なものに変わります。主人公は閻魔大王の第一補佐官・鬼神の鬼灯。エリートの彼がその有能さゆえに、容赦ないツッコミに爆弾のようなボケで周囲を黙らせつつ、中間管理職ゆえのフォローや尻拭いといった苦労に明け暮れるさまが、爆笑と共に描かれています。しかも作者は美大出身で日本画専攻。カラーページの構図や色彩にもその技術が垣間見え、個性的で美しいものとなっています。地獄だけでなく海外の神話や妖怪など、幅広い怪異をネタにブラックコメディを展開。全31巻完結済、最後まで飽きることなく見届けることができますよ!
妖怪アパートの幽雅な日常
原作者は『地獄堂霊界通信』でお馴染みの、児童文学の名作家。アニメも大人気となりました。家族を亡くし、行き場も無くした少年・稲葉夕士(いなば ゆうし)が、不思議な声に導かれて紹介された格安アパートは…妖怪アパート!?さまざまな妖怪や霊能力者、怪しい骨董屋などと過ごす奇想天外な毎日が、夕士の心の陰りを少しずつ取り払ってくれます。本当に怖いのは、妖怪ではなく人間だということをまざまざと見せつけられるようなぞっとするエピソードもあり、目頭を押さえてしまうような人情ストーリーもあり、飽きさせない展開で夕士の成長を最後まで見守ることができますよ。ぜひ原作も併せてお手に取ってみてください。
亜人ちゃんは語りたい
基本的には、ゆるっとほのぼの学園もの。でもエピソードやテーマの切り口が新鮮で面白い!ヴァンパイアにデュラハン、雪女にサキュバスといった「亜人(デミ)」ちゃんたちが、人間社会で普通に暮らせる世界観。一見普通に暮らせているように見えても、彼女たちは彼女たちで、自分の特性で悩んだり、落ち込んだりすることも少なくありません。けれど主人公の教師・高橋鉄男のフォローだったり、他の友達からの優しさにたくさんの勇気を貰って、笑顔で楽しい学校生活を送ります。「もし自分もデミちゃんとクラスメイトになったら、こんな風にフォローしてあげよう」、なんて真面目に思ってしまうくらい、自然でリアルなストーリーにぜひ引き込まれてください!
となりの妖怪さん
妖怪好きさんが願ってやまない、これぞあるべき人と妖怪の共存世界。猫又のぶちおに、ゆるいカラス天狗ジロー、小学生の女の子・むーちゃん。優しく紡がれる彼らの日常に癒され、ときに垣間見える過去や事情に涙します。本格的な悪意が存在しないため、登場キャラクター全員のことが大好きになりますよ。お子さんにも安心して見せられます。全4巻、SNSの口コミでも大人気のほのぼの作品、ぜひお手に取ってみてください。
妖怪ウォッチ
小学生男子に大人気・月刊コロコロコミックで連載中!2017年のセンター試験・日本史Aの問題に登場するなど、日本中にブームを巻き起こしたゲームのコミカライズ版です。ごく普通の小学5年生のケータが、ヘンテコ妖怪たちと出会ったことで、疾走感あふれるヘンテコドタバタな毎日に巻き込まれることになります。登場する妖怪たちはかわいらしくデフォルメされており、怖さを感じさせることは一切ありません。定番の妖怪だけではなく、ファンタジー色の強い創作妖怪や読者公募の妖怪も多数登場。妖怪を怖がるものではなく、完全にギャグとして描いているため、小さなお子さんにも安心して読んでもらうことができますよ!
繰繰れ! コックリさん
既存の概念を覆し、色々と斜め上を行くギャグマンガ。自分のことを人形だと思っている電波系の主人公・市松こひなと、こひなによって呼び出されたオカン属性の狐の妖怪・コックリさんが、コントのような毎日を繰り広げます。そのネタは幅広く、理不尽グロギャグから狐やタヌキのモフモフ癒し要素まで、読み手の感情をジャイアントスイングしてくると言っても過言ではありません。全12巻と集めやすい数で完結、納得の人気とクオリティできっちりアニメ化も済ませています。構えることなく気軽に触れられて楽しめる作品ですよ!
ようかい居酒屋 のんべれケ。
嫌なことがあったら、好きな飲み物(大人はぜひお酒で)を用意してこの作品。全5巻でサクッと読み切れて、頭を空っぽにして読めて、お色気要素もあって、登場する女子たちがみんなかわいらしい、鬱要素ゼロ漫画!女子大生・ひのが始めた居酒屋バイトのお客さんは、みんな妖怪でした。種族は違えど女子同士。女子同士だからこの内容でもセーフという意見も、まあ一理あるかと思います。この文章で察していただきたい、始終居酒屋の酔っ払いのノリのため、読まれる方もぜひそのテンションで楽しんでください!
氷属性男子とクールな同僚女子
同じ会社に勤める、雪女の末裔・氷室君と、クール女子・冬月さん。字面は冷たいですが、読むと心が暖かくなるラブコメです!自分の感情の起伏により、周囲を吹雪かせたり凍らせたりしてしまう氷室くん。周りに迷惑をかけないようにいつもクールを装っていますが、実は感情豊かな猫ちゃん好きの愉快な青年です。そんな氷室君が、クールに見えて実は天然(?)な冬月さんの優しさに触れて、「惚れてまうやろー!」とブリザードを呼びます。笑えて胸キュンな、SNSの口コミで広まった人気作品、おすすめです!
かくりよの宿飯 あやかしお宿に嫁入りします。
飯テロ注意!アニメ化も舞台化も果たした、大人気小説のコミカライズです。祖父が遺した借金のかたに、あやかしが住まうかくりよの世界のお宿に嫁入り!?でも絶対嫌なので、自分で稼いで返済します!という、しっかり者の主人公・葵が奮闘します。最初はあやかしたちに蔑まれながらも、自分の力で道を切り開き、信頼関係を作り上げる葵の姿に勇気を貰えますよ。大旦那様との恋の行方も、一体どうなってしまうのでしょうか…!?
浅草鬼嫁日記 あやかし夫婦は今世こそ幸せになりたい。
タイトルも秀逸。前述の『かくりよの宿飯』と同じ原作者による小説のコミカライズ、こちらも素晴らしい妖怪もの。平安時代最強の鬼・茨木童子が生まれ変わり、令和でJKになりました!同じく前世で旦那様だった鬼の酒呑童子である幼馴染と、浅草の街で平和に暮らします。とは言え、平安の世では散々暴れまわっていた鬼が、大人しくしていられるはずもありません。人の世にこっそり住まう妖怪たちの厄介ごとに首を突っ込んでは、危険に巻き込まれます。しかし最強鬼嫁の力は健在。全部自分の腕っぷしで解決します。果たして今世では、幸せに暮らせるのでしょうか…!?元夫婦同士のラブコメにも胸キュンですよ!
おとめ妖怪ざくろ
エリート帝国軍人(ヘタレ)とケモ耳半妖少女(ツンデレ)がタッグを組んで、悪い妖怪を成敗!人と妖怪が共存する、架空の日本でのお話です。着物や小物のデザインもかわいらしく、またそれを纏う半妖少女たちが華麗に戦う姿が麗しい!もちろんアニメも大好評!優雅に桜の花びらが舞い、躍動感のあるバトルシーンの美しさは、まるで歌劇団の舞台を見ているような気持ちになりますよ。種族の違う者同士の恋愛がお好きな方、明治頃の雰囲気がお好きな方におすすめです。
町でうわさの天狗の子
全12巻、ぜひ紙の本で大人買いしていただきたい。何度でも読み返したくなる、優しい世界観の作品です。天狗が住み、天狗を信仰する街・緑峰町。その天狗と人間のハーフの子である秋姫は、普通の女の子でいたくて天狗の修行をサボっています。おまけに学校のアイドルであるタケル君に夢中。でも秋姫は2トントラックも持ち上げられるほどの怪力で、内に秘められた天狗の力は強大。同じく天狗修行中の幼馴染・瞬がお目付け役になっている高校生活も、一体どうなってしまうのか…。始終ふんわりとした世界観なのに、隙あらば挟まれるギャグはキレッキレです。落ち込んだときでも読めて、しっかり前向きさと優しさを貰える作品ですよ!
妖狐×僕SS(いぬぼくシークレットサービス)
全3部構成、初めは絶対に2巻まで一気に読んでください。自分を変えるため、超厳重な警備の高級マンションで独り暮らしを始めた主人公・白鬼院 凛々蝶(しらきいん りりちよ)。しかしそのマンションは、妖怪の先祖返りたちが住む、通称「妖館(あやかしかん)」と呼ばれるいわくつきの場所でした。入居者には必ず1人割り当てられるSS(シークレットサービス)と言われるボディーガードが凛々蝶にもつきますが、御狐神 双熾(みけつかみ そうし)と名乗る彼の正体は…?読み進めていくと、色々な衝撃展開が待っています。何が起きても大丈夫なように気をしっかり持って、凛々蝶と双熾の絆を見守っていきましょう。大どんでん返しや衝撃展開が大好きな方はぜひお手に取ってみてください!
③殿堂作品
ゲゲゲの鬼太郎
幼き日のトラウマ代表!1968年のアニメ放送により、日本中に妖怪ブームを巻き起こした元祖妖怪漫画です。「鬼太郎」の誕生は1954年。戦前の大人気紙芝居『ハカバキタロー(墓場奇太郎)』を題材に、新たな紙芝居作品の作成依頼を受けたのが始まりだそうです。テレビが普及するまで子どもたちの娯楽の一つとなっていた、いわゆる『黄金バット』などの街頭紙芝居ですね。当初のストーリーは、墓場から生まれた幽霊族の少年・鬼太郎が主人公の怪奇譚。しかし売り上げが伸びず、悪の妖怪と戦う正義のヒーロー路線に変更。水木氏の他作品『悪魔くん』の大ヒットも後押しし、「鬼太郎」もようやく日の目を見ることになりました。こういった経緯から、怖がりさんには初期の作品をあまりおすすめできません(笑)できれば後期の作品か、新編纂された発行年月日の新しい全集を読まれることをおすすめします。逆に怖いものが平気な方は、民俗学や日本史の勉強にもなるため、ぜひすべてを網羅してみてはいかがでしょうか。日本における「妖怪のお父さん」となった水木氏の、数々の妖怪絵本もおすすめです!
うしおととら
こちらも同じく、幼き日のトラウマになっている方が多いのではないでしょうか?妖怪ものならこれを読め。漫画史に凄絶な爪痕を残した、妖怪バトルの代表作品です。主人公の少年・潮(うしお)は、ある日自宅の蔵の中に封印されていた化け物を見つけてしまいます。巨大な槍で壁に磔にされているそれは、明らかに解放してはいけないもの。しかし危機に陥った友人たちを守るため、潮はその槍を抜いてしまいます。手にした槍は、妖怪を屠る「獣の槍」。最強の武器をとり、最強の妖怪と向き合い、何千年ものときを経ても未だ変わらぬ運命に、立ち向かいます。最初から最後まで魂で描かれた作品のため、ホラー描写はトラウマもの、人情ものは涙が止まりません。バトルの描写は言わずもがな、これは本当に紙に描かれたものなのか疑ってしまうほどの、躍動感に激しい殺陣。読後は恐らく、一生分の冒険を終えた気持ちになりますよ。どうぞお腹いっぱいになるまで、堪能してください。
また、藤田氏が原案協力、『うしとら』に登場したイズナや一鬼、くらぎが登場する別の妖怪作品はこちら!
どろろ
陰鬱かつ凄惨。漫画の神様による、無限地獄のような作品です。ときは戦国時代。天下を熱望する父親により、生まれながらにして生贄にされてしまった主人公・百鬼丸。しかし不屈の精神を持つ彼は己の運命に抗い、奪われた48箇所の身体を取り戻すため、48体の妖怪を退治する修羅の旅に出ます。原作は未完、さまざまな部分を補完した1969年公開のアニメ版は、現代の放送倫理の観点から二度と放送できないと言われています。正に、幻の大作。しかし未完とは言え、ストーリーとしては切りの良い所で終わっているため、安心してお手に取ってください。感受性の高い方は、できればメンタルが元気なときに読まれることをおすすめします。
地獄先生ぬ~べ~
こちらの作品を読んで、教師を目指された方も多いのではないでしょうか?妖怪を倒すことができる最強の「鬼の手」を持つ霊能力教師・鵺野鳴介(ぬえの めいすけ)・通称ぬ~べ~が、生徒たちや街の平和を守ります。基本的に一話完結型。しかし妖怪バトルだけで無く、ヒューマンドラマやラブコメなど多種多様な幅広いストーリーで、飽きることはありません。生徒たちの心も体も守るべく必死に奮闘するぬ~べ~の姿は、学校関係で悩む生徒たちに、たくさんの勇気と希望を与えてくれますよ。続編も好調、『ジャンプ』の歴史に残る大ヒット作、ぜひご覧ください!
犬夜叉
願いが叶う宝玉・四魂の玉。それを巡って人と妖怪が争う戦国時代に、現代の女子中学生・かごめがタイムスリップしてしまいます。かつて玉の守り人であった巫女の生まれ変わりである彼女は、陰謀により袂を分かってしまった半妖の少年・犬夜叉と再会。砕け散ってしまった四魂の玉のかけらを探すため、因縁が渦巻く世界を共に駆け巡ります。人と妖怪が存在する世界での冒険が、とにかくワクワクします!登場するキャラクターたちの因果関係も複雑で、ラブコメ要素もばっちり。最後が気になりすぎて、一気に読めてしまいますよ。その完成された世界観、完璧な「その後」の続編も素晴らしいため、ぜひ併せてお手に取ってみてください!
▼『犬夜叉』続編はこちら▼
バブリーなデザインで時代を感じますが、内容は今読んでも面白いの一言。『週刊少年サンデー』で連載されていた、アニメも大人気だった作品です。除霊・妖怪退治が専門の凄腕GS(ゴーストスイーパー)の美神 令子(みかみ れいこ)が、ビジネスと人情の間で揺れながら荒稼ぎします。序盤と後半では何もかもが大きく成長しているため、できればまとめて読んでいただきたい。どうしようもないダメ人間・横島君は、後半で凄まじい成長を遂げます。どうか最後まで見守ってあげてください。
その他おすすめ妖怪漫画
・『夏目友人帳』緑川ゆき
・『ダンダダン』龍幸伸
・『不機嫌なモノノケ庵』ワザワキリ
・『千年狐 ~干宝「捜神記」より~』張六郎
・『青の祓魔師』加藤和恵
・『結界師』田辺イエロウ
・『最遊記』峰倉かずや
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まとめ
古来から恐ろしくも親しまれてきた妖怪たち。彼らが人間にとって完全に忌むべきものであったのなら、漫画という娯楽のモチーフになることもなかったでしょう。漫画を読んで、妖怪について正しく恐れて正しく面白がれるようになったのなら、次は本格的な妖怪絵巻で怖がって楽しむのも面白そうですね!
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ライティング担当 : miz札幌在住30代2児の母。レトロゲームとクラシック音楽が大好きで時々自分でも弾く。ムーミンのアニメを観ることと、子どもたちの寝かしつけ後にやるサバイバルアクションホラーゲームが日々の癒し。博物館や郷土資料館の類が好きだが、シビアな開館時間の前によく惨敗している。インドア派だったのが活発すぎる子どもたちによってアウトドア派にさせられた。司馬遼太郎、M・ルブラン、川原泉、藤田和日郎作品が好き。 |