• 2019/03/18

【ストロベリーナイト】ドラマ&原作"姫川玲子シリーズ"超解説

誉田哲也の大ヒット作【姫川玲子シリーズ】の紹介です。2019年4月からは新キャストで再ドラマ化も。根強いファンの多い作品ですが、未読の方もこれを読めば丸わかり!原作シリーズの読むべき順番やあらすじ、魅力的な登場人物を徹底解説します。気になる人は今すぐチェック!

ストロベリーナイトシリーズ

新キャストでドラマ化決定!『ストロベリーナイト』旋風再び!

<姫川玲子シリーズ>とは、警視庁捜査一課の警部補・姫川玲子が部下や上司たちと共に、難事件に体当たりで挑む人気の警察小説。現在、シリーズとして9冊が刊行されています。(2019年3月現在)

シリーズ累計発行部数は約400万部!男女問わずファンの多い作品で、2010年にはドラマ化されて高視聴率をマークし、その後映画も公開されるなど話題を集めました。

この『ストロベリーナイト』、なんとキャスト・スタッフを一新し、『ストロベリーナイト・サーガ』として再び連続ドラマ化されることが決定!(2019年4月〜) これまで映像化されていない最新のエピソードなども加え、新たに編成され再始動するんです!

初代・姫川玲子は竹内結子でしたが、新作では若手演技派女優・二階堂ふみ。玲子の相棒・菊田和男は亀梨和也!その他メンバーもガラリと顔ぶれを変えての再ドラマ化。初代版のファンにとっては多少複雑な気持ちもありますが、そこは期待を持って放映を見守りましょう!

愛すべき登場人物たちをご紹介!あなたの推しキャラは?


5人のシルエット

さて、<姫川玲子シリーズ>の魅力のひとつでもある、姫川玲子率いる<姫川班>のメンバーとその他登場人物たち。シリーズもので登場人物に愛着が生まれるのは自然なことですが、とくに誉田作品においては、まるで連続ドラマのように登場人物たちのその後が気になるニクい仕掛けがされているんです。といっても小説なので、新作が出るのは数年後。ファンとしては新刊発売を首を長くして待つしかない、ツラい身です。

補足ですが、作者・誉田哲也は、小説執筆の際、登場人物に実在の俳優、女優を当ててストーリーを組み立てていくそうです。脇役にビートたけしを当てることもあったとか。作者の脳内でのキャスティングにも興味ありますよね。

ちなみに2010年にテレビドラマ化されたときの配役はこちら。

姫川 玲子 竹内 結子
菊田 和男 西島 秀俊
ガンテツ 武田 鉄矢
今泉 春男 高嶋 政宏
日下 守 遠藤 憲一
井岡 博満 生瀬 勝久
大塚 真二 桐谷 健太
石倉 保 宇梶 剛士
湯田 康平 丸山 隆平
國奥 定之助 津川 雅彦

読者も「自分だったらあの人かな…」などキャスティングを考えてみるのも楽しいですよね。

では姫川玲子はじめ、主要メンバーから順にご紹介していきましょう。

姫川玲子シリーズの登場人物たち

<初代姫川班>
姫川 玲子 (ひめかわ れいこ)

高身長で美人、若くして警部補へ昇進、という興ざめしそうなプロフィールだが、その中身は燃えたぎる闘志を持ち、犯罪者の心理とシンクロしてしまうほど事件解決に没入する仕事一筋人間。『ストロベリーナイト』で明かされているが、姫川自身も犯罪被害に遭った辛い過去を持つ。それゆえに揺るぎない信念を持ち、他の捜査官には真似できない発想、捜査手腕を発揮、周囲の上司、先輩捜査官からも一目置かれる存在となっている。班員の菊田巡査部長とはお互い淡い好意を抱いていたものの成就せず、『インビジブルレイン』の事件がもとで配属先も別れ、バラバラになってしまう。

菊田 和男  (きくた かずお)

姫川班の巡査部長。大柄で骨太、頼りがいある男だが寡黙で女性に関しては超奥手。上司である姫川玲子に好意を寄せるものの行動に移すことができないまま終わる。『ブルーマーダー』では菊田の人生にある大きな変化があったことが明かされる。

大塚 真二 (おおつか しんじ)

高校卒業後、警察官となり努力の末、憧れの警視庁捜査一課刑事へ。姫川班の巡査として活躍。玲子も初めての"年下の部下"ということもあって目をかけていたが、『ストロベリーナイト』で事件の核心に迫る事実を掴んだために身に危険が及ぶことに…。『インデックス』に収録されている短編『女の敵』に、玲子と初めて組んだ事件が書かれている。

石倉 保 (いしくら たもつ)

愛称たもっつぁん。姫川班の最年長巡査部長。顔つきは優し気だが熱い刑事魂を持つベテラン刑事。姫川班解体後は、鑑識班へ異動。

湯田 康平 (ゆだ こうへい)

愛称コーヘイ。『インビジブルレイン』で散り散りになった後、しばらく出番はないが『ノーマンズランド』で玲子と現場管轄署員として再会、ペアを組んで捜査することに。

葉山 則之 (はやま のりゆき)

愛称ノリ。大塚の後任として配属された20代の巡査長。『インビジブルレイン』で姫川班解体後もひとり警視庁捜査一課に残る。派手さはないが着眼点の鋭さ、刑事的センスを玲子の天敵・ガンテツ(勝俣健作)に見込まれ、引き抜かれてしまう。

<警視庁捜査一課メンバー>
勝俣 健作(かつまた けんさく)

通称ガンテツ。一課の警部補。なぜか玲子を目の敵にしてセクハラ&パワハラを続ける刑事。元公安で常に陰で怪しく動く。裏金作りはお手のもの、必要とあれば上司の弱みを握り脅しをかける。暴力団関係者や政治家と黒いパイプがあるという噂も。その一方、玲子を助けるような動きをしてみたり冷静に玲子のことを分析するなど、完全な敵とも言えない謎の人物。

日下 守(くさか まもる)

一課の警部補。冷静沈着で論理的捜査をポリシーとしており、直感や感情を優先する玲子とはぶつかる場面が多い。玲子は日下の顔が"過去の加害者"と似ているという理由で一方的に嫌っている。

今泉 春男(いまいずみ はるお)

一課の警部。玲子、ガンテツ、日下の上司。玲子の能力、行動力をかっており味方してくれる数少ない理解者の一人。だが時に無鉄砲ともいえる玲子の捜査には頭を悩ませている。いざというときには部下の責任を負ってくれる頼もしい上司。

<その他>
國奥 定之助 (くにおく さだのすけ)

監察医。 "おじいちゃん"キャラだが玲子一筋で、ちょくちょく飲みに誘うものの冷たくあしらわれることが多い。常に玲子を温かく見守る良き理解者。『ノーマンズランド』では退官後にもかかわらず玲子の捜査に一役買う場面も。

井岡 博満(いおか ひろみつ)

『ストロベリーナイト』から登場する"玲子命"の刑事。なぜかしら玲子が関わる事件の捜査本部によく現れる。関西弁風の言葉遣いが特徴で、隙あらば玲子にすり寄ってくるお調子ものだが、どこか憎めないとぼけたキャラクター。実は切れ者との噂も⁈

【姫川玲子シリーズ】この順番で読めば間違いナシ!


お待たせしました!こちらでシリーズの<読むべき順番&あらすじ>を詳しく解説したいと思います!
※若干のネタバレを含みますのでまだ読んでいない方はご注意ください!

1 『ストロベリーナイト』
必読度 ★★★★★
(あらすじ)
東京都内の公園で発見された、腹部を裂かれブルーシートに包まれた男性の死体。それは世にもおぞましい連続殺人事件の始まりだった――。
警視庁捜査一課警部補・姫川玲子率いる通称<姫川班>メンバーが捜査を進める中で出会う謎のキーワード "ストロベリーナイト" 。そして "エフ" と呼ばれる不気味な存在…。核心へと近づくにつれ悪の魔の手は警察へも伸び、捜査官たちの身にも危険が迫る。"ストロベリーナイト" が意味するものとは一体?そして誰もが予想だにしなかった衝撃的すぎる真相とは――。

シリーズ第1作。公園の池から次々と発見される他殺体の謎を追う姫川班のストーリーと、犯人側と思われる視点で綴られたストーリーが交互に語られます。読者は「いったいどこでどう繋がるのだろう?!」とドキドキしながら、事件の核心へと迫っていく緊張感&期待感でページを繰る手が早走りしてしまうほど。グロい場面も多々あるので苦手な人もいるかもしれませんが、虐待を受け続けた人間や高学歴エリートたちの心の闇から生まれる事件を通して、「生きるとは」「命とは」を考えさせられる作品となっています。また、玲子が警察官を志したきっかけとなる重要なエピソードが描かれているので、シリーズを読むうえで絶対にはずせない1冊。

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2 『ソウルケイジ』
必読度 ★★★★☆
(あらすじ)
川の土手に放置された車中から、人間の手首だけが発見された。"死体なき殺人事件"と、全く別件のよう思える建設現場での連続事故死。複雑な人間関係や保険金詐欺の手口、建設業界の闇までも絡んでいることが徐々に判明してくる。地道な捜査から玲子が辿り着いた悲しい父子の過去とは――。

『ストロベリーナイト』の猟奇的でセンセーショナルな内容から一転、本作は都会の片隅で体を張って歯を食いしばりながら生きる男たちの哀話となっています。次第に明かされる登場人物たちの悲しすぎる過去。親子とは、人の絆とは、を思わずにいられない良作です。また、捜査の合間に挟まれる玲子と上司、部下とのエピソードも読みどころポイント。とくに、玲子と部下である菊田巡査部長との恋模様も大いに気になるところです。

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3 『シンメトリー』
必読度 ★★★☆☆
(あらすじ)
シリーズ初の短編集。玲子が遭遇した<7つの事件>の事件簿。前科持ちの男の不審な死の陰に、警察を辞めた一人の刑事の存在を察知した『過ぎた正義』。援助交際から人の死に関わってしまった女子高生に喝を入れる『右では殴らない』――など、バリエーション豊かでいて姫川玲子の魅力を存分に味わえる一冊。

こちらは短編集なので、箸休めのように気軽に読めます。でも内容は一つ一つ丁寧に作り込まれており、これを膨らませたら一遍の長編小説になるのではないか、と思うほどです。

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4 『インビジブルレイン』
必読度 ★★★★★
(あらすじ)
マンションの一室で滅多刺しにされた暴力団関係のチンピラ男。暴力団同士の抗争かと捜査が進む中、ある一人の男が犯人だ、というタレ込みが。その男の素性が判明した途端、「捜査を中止せよ」と警察上層部から謎の命令が下る。納得できない玲子は上司に逆らって調査を続け、その男が過去の殺人事件の遺族であることを突き止めた――。

こちらはシリーズの中でも大きな転換点となる重要な一冊。宣伝文句が「姫川玲子を襲う最大の試練、シリーズ中もっとも切なく、もっとも熱い結末!」とあればもう読まないわけにはいきません。ネタバレになりますが、本作で玲子は暴力団関係者と禁断の恋に落ちてしまいます。そして単なる暴力団絡みかと思われた事件が一転、警察の過去の不祥事に繋がる可能性が浮上したことで警察内部は迷走、捜査員の間に溝が生まれ、保身に走る幹部らの人間性も暴かれることに。信念のまま突っ走った玲子が導いた、事件と恋の結末はあまりにも辛いものでした…。

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5 『感染遊戯』
必読度 ★★★☆☆
(あらすじ)
こちらは4編からなる中短編集で、姫川シリーズに登場する3人の刑事が主人公となる、いわばスピンオフ。玲子の登場シーンは少ない。『感染遊戯』~製薬会社員殺人事件を玲子の天敵・ガンテツこと勝俣健作が、『連鎖誘導』~路上殺傷事件を元警察官・倉田修二が、『沈黙怨嗟』~近所の高齢者同士の傷害事件を元姫川班の葉山則之が、それぞれ主役となり捜査する。そして最終話の『推定有罪』では前3編に驚きの関係性があることが明かされ、物語は救いのない結末へ突き進む――。

短編集ですが、読み終えると連作短編集であることに気付く巧妙な構成が光ります。一見、何の関係もなく見える3つの物語が、最終話であっと驚く繋がりを見せ、読者は混乱と興奮のままラストを迎えることに。テーマとして"腐敗した政治家" "官僚に対する国民の怒り"を取り上げており社会派ミステリーとも言える秀作。いつもの姫川シリーズとはちょっと違う、骨太なストーリーを味わえます。これだけ単独で読んでも十分楽しめる作品。

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6 『ブルーマーダー』
必読度 ★★★★★
(あらすじ)
『インビジブルレイン』の後、警視庁捜査一課を出て池袋署刑事課に配属された玲子。暴力団組長が全身の骨を折られ惨殺された事件の捜査に当たるものの難航、次々と同様の被害者が出る事態に。そんな中、池袋の街中で密かに噂される殺人鬼"ブルーマーダー"の存在。いったい何者なのか?姿の見えない殺人鬼を追う玲子たちが暴いたのは事件の真相だけでなく、身内(警察)にはびこる醜い組織争いだった。そして犯人逮捕後の怒涛の急展開、玲子が大切な人を守るために起こした行動とは――。

ファンにとって衝撃作だった『インビジブルレイン』後の初長編。これまで親しんだ姫川班メンバーが解体されてしまい寂しさは否めませんが、すぐにジェットコースターのようにスリリングな物語の世界に没入できます。"ブルーマーダー"の正体と警察の意外な関係、また警察内部の派閥争い、そして池袋の裏社会で隠れるように生きる人々の人生ー。さまざまに入り乱れた細い線が一つの太い線へと収束していくところはさすが誉田哲也、読み終えるまで手を止めることができません!

そして本作品では、姫川シリーズのファンであれば腰を抜かすほどの、ある登場人物に関する<衝撃の事実>が明かされます!前作『インビジブルレイン』も玲子や部下たちにとって大きな転換点でしたが、ある意味『ブルーマーダー』も、玲子の人生がどこへ向かうのか、考えさせられる内容になっています。

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7 『インデックス』
必読度 ★★★★★
(あらすじ)
こちらは8話からなる短編集。人間の生きる意味とは?価値観とは?玲子と容疑者の哲学的な取調べが印象的な『アンダーカヴァー』、かつて姫川班メンバーだった大塚巡査と玲子が出会った初めての事件を書いた『女の敵』、警察官になる前の学生時代の玲子が登場する『彼女のいたカフェ』、社会問題ともなっている児童虐待を題材とした悲しい事件『夢の中』『闇の色』など、バラエティーに富んだ作品が収められ、玲子ファンにはたまらない1冊。

短編集ですが、どれも安定の面白さ。かつての姫川班メンバーはほとんど登場しないのでやや寂しいものの、"玲子ラブ"でお気楽キャラの井岡巡査部長が迷(?)コンビぶりを発揮してくれます。そして本作品では、シリーズのファンにとって2つの嬉しい出来事が。一つは、待ちに待った玲子の警視庁捜査一課への復帰。もう一つは、読んでのお楽しみということで…。今後の<姫川シリーズ>が俄然待ち遠しくなること間違いなし!

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8 『硝子の太陽R(ルージュ)』
必読度 ★★★★★
(あらすじ)
都内で起きた一家惨殺事件を、警視庁捜査一課に復帰した新生<姫川班>が捜査に当たる。現場近くで会った不審者を玲子はフリージャーナリストであると突き止めたものの、その男は何者かに殺されてしまう。手掛かりがなく謎の多い事件に果敢に挑む玲子へ、28年前に起きた一家殺人事件との関連を示唆する捜査一課・勝俣刑事。玲子の天敵でもある彼からの情報は果たして解決への道標か、それとも玲子を地獄へ誘うトラップか――。核心に迫る姫川班メンバーに訪れる衝撃のラストとは。

読者も気が滅入るような一家惨殺事件の犯人の存在は、日本が抱える一つの国家的弱点を炙り出すものだった、というなかなかハードな内容。政治的要素を含み今までの姫川シリーズとはまた違う色を出すことに成功しています。しかし悲しい結末に打ちのめされる玲子の姿に胸を痛めたファンも多いのではないでしょうか。一つの救いは、ラスト2行。また前を向いて立ち上がり、捜査に向かう玲子の姿が待ち遠しくなるはず。

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『硝子の太陽』にはアナザーストーリーがあった!

実は本作は、同時期に同タイトルで2冊刊行されており、
『硝子の太陽 R(ルージュ)』~ 姫川シリーズ
『硝子の太陽 N(ノワール)』~ ジウシリーズ
というように、誉田哲也の<ジウシリーズ>とのコラボ作品となっているんです。

<ジウシリーズ>とは、2人の女性刑事の、国家転覆を狙う闇の組織との闘いから始まり、その意志を継ぐメンバーたちが様々な悪と対峙していく物語。現在、9冊まで刊行されています。(2019年3月現在)

『硝子の太陽 N(ノワール)』では"フリージャーナリストの殺人事件"を軸に、<ジウシリーズ>のメンバーが沖縄米軍基地問題に絡んだ巨悪に立ち向かうストーリー。同じ時間軸でそれぞれのキャラクターたちが難事件に挑む中、同じ場面をNとRそれぞれの視点で描いた部分など、コラボ作品ならではの読みどころポイントです。

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9 『ノーマンズランド』
必読度 ★★★★★
(あらすじ)
女子大生殺害事件の捜査本部に入った玲子。現場に残された指紋から容疑者が浮上するも、その男は別の殺人容疑で他署に逮捕されていた。しかし一向に取調べの情報が入らないことを不審に思った玲子はあらゆるツテを辿って独自捜査を敢行。地検の担当検事にまで情報収集をかけ、背後にただならぬ大きな真相が隠されていることに気付く。やがて玲子は北朝鮮拉致問題という国家的事案に足を踏み入れてしまう――。

シリーズ最新刊(2019年2月現在)。玲子が担当する女子大生殺害事件と並行して語られる、埼玉県の女子高生失踪事件。この2つの物語がどう繋がるのか、いつもと同様、読者はひたすらにページをめくるしかありません。ファンには嬉しい、初代姫川班メンバーとの再会も。周囲の協力を得ながら玲子らしい驚異の行動力で2つの事件が徐々に結び付き姿を現していく流れは圧巻の一言。そして新登場の東京地検の検事が今後のキーパーソンになりそうな予感…。またまた次作を期待させる終わり方となっています。

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映像化された作品リスト

<姫川玲子シリーズ>は『ストロベリーナイト』というタイトルでテレビドラマ放映されていたことは前述の通りですが、実は連続ドラマは小説『ストロベリーナイト』が原作というわけではありません。

こちらで簡単に、ドラマ化された原作についてご紹介しておきましょう。

テレビドラマ『ストロベリーナイト』の原作リスト
(フジテレビ系列)
(原 作)
単発ドラマ 「ストロベリーナイト」(2010年) 『ストロベリーナイト』
連続ドラマ 「ストロベリーナイト」(2012年)  
 第1回  シンメトリー 『シンメトリー』
 第2-3回 右では殴らない 『シンメトリー』
 第4-5回 過ぎた正義 『シンメトリー』
 第6回  感染遊戯 『感染遊戯』
 第7-8回 悪しき実 『シンメトリー』
 第9-11回(最終話) ソウルケイジ 『ソウルケイジ』

新たなキャストでドラマ化されるとわかったら初代ドラマ版も観ておきたくなりますよね!

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作者・誉田哲也の意外な素顔とは

ミステリアスな男性

ここまで<姫川玲子シリーズ>について解説してきましたが、男女問わずこんなにも読者を魅了する小説を書く誉田哲也とは、いったいどのような人なのか興味が湧きませんか?最後に、作者である誉田哲也について触れておきたいと思います。

今や出す本すべて話題となるベストセラー作家ですが、もともと目指していたのはなんとプロのミュージシャンとのこと!

中学生の頃に音楽に目覚め、30歳までロックバンド活動を続けて本気でメジャーデビューを夢見ていたそうです。しかし、ある女性アーティストの存在を知り、その突出した才能とスター性に打ちのめされたことでミュージシャンの道を諦めることに…

そのアーティストとは、椎名林檎

「なるほど…!」とちょっと納得してしまう部分もありますよね。ミュージシャンへの道を諦めたのち、格闘技関係のウェブサイトで観戦リポートのライターをしたことで文章を書く面白さを知り文筆の道へ。作家・誉田哲也の誕生です。

2002年のデビュー作『ダークサイド・エンジェル紅鈴 妖の華』でいきなり第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞し、続く2003年には『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞と早い段階から快進撃が始まり、その後も名だたる文学賞の候補にたびたび上がるなど文学界における評価も高く、堂々人気作家の仲間入りを果たしました。

誉田哲也の多才ぶりが窺えるのが作品のバリエーションの豊富さ。<姫川玲子シリーズ>は警察小説ですが、その他にも青春小説である『武士道シックスティーン』から始まる<武士道シリーズ>は、漫画化されたのち映画化されるなど若者層にも人気を呼びました。

また吸血人間や超能力者が登場するファンタジーテイストのものや、作者自身の音楽活動を彷彿とさせるバンド小説『レイジ』、ロックバンドのギタリストが主人公の『疾風ガール』など、よくこんなに幅広いジャンルの作品がかけるものだなあ、と読者は驚くことしかできません。

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まとめ


爆発するイチゴ

今回は誉田哲也の<姫川玲子シリーズ>を徹底解説しましたが、いかがでしたか?ファンの人も未読の人も、本シリーズの面白さを感じていただけたら幸いです。

<姫川玲子シリーズ>の魅力
1 大胆かつ先が読めない、重層的なストーリー
2 個性あるキャラクターたち
3 物語とともに登場人物も成長、変化していく

幾重にも重なるストーリー展開や個性的な登場人物で本をめくる手が止められず、「一気に読んでしまった…!」「すぐにでも違うシリーズが読みたい…!」という人が続出!きっとドラマも見ずにはいられないはずです。

また、このシリーズの最大の魅力と言えるのが、登場人物がストーリーと一緒に成長していくということ。実は姫川玲子は、作品とともにきっちり年を重ねています。『ストロベリーナイト』では29歳だったのが、『ノーマンズランド』では35歳と、誉田哲也は登場人物に容赦なく歳を取らせます。

つまり〈シリーズを追うことがそのまま登場人物の人生を読む〉ことに。30代後半に差し掛かった玲子はこの先どんな人生を歩むのか?まだまだファンを飽きさせない仕掛けを繰り出してくる作者に期待して、次作を待つこととしましょう。

otake
ライティング担当 : otake

札幌在住の40代2児の母。趣味は読書。小説からエッセイ、漫画まで何でもこいの雑食派。好きな作家は横山秀夫、誉田哲也、角田光代、篠田節子、乃南アサなど。とくに人間の本音や心の闇に迫る作品に惹かれる。テレビも好きで、笑えるバラエティで忘れた笑顔を取り戻す。一度手放した思い出の漫画たちを買い戻すことを目標に日々働く。すべての家事を終えて飲む一杯が一番の癒し。

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