• 2017/05/01

これを読めば間違いなし!宮部みゆき小説のおすすめ7選

本屋さんに行けば必ず目につく場所に一冊は置いてある、宮部みゆきさんの小説。『どれを読んでもハズレなし』と言われている人気作家ですが、その作品数はなんと50以上!人気のヒミツを紐解きながら、どれからを読めばわからない人におすすめな7つの作品をご紹介します。

宮部みゆきって?数々の文学賞を総ナメ!しかし、実はゲーマー

1960(昭和35)年、東京生まれ。1987年に『我らが隣人の犯罪』でデビュー。『火車』で山本周五郎賞、『理由』で直木三十五賞と日本冒険小説協会大賞国内部門大賞、『模倣犯』で毎日出版文化賞特別賞、司馬遼太郎賞と芸術選奨文部科学大臣賞(文学部門)、『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の賞を受賞。趣味はカラオケとゲーム。特にゲーム好きは有名で、そのゲーム愛からゲームのノベライズの執筆やゲームコラムの連載をしていたこともあります。

"作家買い”される代表格

どの作品も「一度読むと止められない!」と評判で、「宮部ワールド」と呼ばれる世界観にどっぷりとハマる人も続出。そこまで多くのファンの心を掴む理由は、発表している作品数もさることながら、その多彩な作品ジャンルの数々です。
SFミステリー、現代ミステリー、時代小説、冒険ファンタジー…。
「本当に同じ人が書いてるの?」と思うほど、作品によってトーンも雰囲気も違うため、複数の作品を読み比べてもまったく飽きることがありません。自分が今まで読んだことのないジャンルの小説でも“宮部みゆき作品だから”とチャレンジする人も多く、幅広い年齢層の人たちから支持されています。

イメージが強いのは、やはり「ミステリー」

色々なジャンルの小説を手がける宮部みゆきさんですが、特に作品数が多いのはミステリー。ミステリー小説の賞レースの常連で、日本推理作家協会や日本SF作家クラブの会員でもあります。ミステリーといっても江戸時代が舞台の時代もの、現代社会の闇に迫る社会派もの、明るいテンポのユーモアなものなど、テイストもさまざま。なかでも今回は、好みが分かれづらい現代ミステリーをピックアップ!まずは、本を閉じるのが惜しくなるほど一気に読める3冊をご紹介します。

1.『火車』 第6回(1993年) 山本周五郎賞 受賞


●あらすじ
休職中の刑事・本間俊介の元に親戚の青年からある依頼を受ける。それは、失踪した婚約者・関根彰子を探すこと。何かの事件に巻き込まれたのではないかと調査を始めるが、彼女は徹底的に足どりを消し、自ら行方をくらましていた。なぜここまで巧妙に自分の存在を消してしまったのか?彼女に何がったのか?そして彼女を追いつめる正体とは?決して他人事ではない、長編ミステリー。

●おすすめポイント
宮部みゆき作品の中でも評価が高く、ミステリーの最高傑作とも名高い今作。「宮部みゆき初心者」の人が最初に手に取る小説としてもぴったり。現代社会に横行するカードや住宅ローンの恐ろしさを教えてくれます。だからといって現実味のある恐怖心だけを煽られるというわけでなく、登場人物の心理描写を巧みな文章力で繊細に表現しており、読者の心を大きく揺さぶります。謎が謎を呼ぶ巧妙なストーリー展開も圧巻です。

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2.『レベル7』 第44回(1991年)日本推理作家協会賞長編部門 候補


●あらすじ
ある日「レベル7まで行ったら戻れない」という謎の言葉を日記に残して1人の女子高生が失踪した。同じ頃、すべての記憶を失った若い男女が見知らぬ場所で目を覚ます。唯一の手がかりは腕に「Level7」の文字が残されていること。少女を探すカウンセラーと自分たちの記憶を探す男女2人が次第に交差し、最後には同じ終着地点へと導かれる。4日間の追跡の先に隠された真相とは?宮部みゆきの初期に書かれたサスペンスミステリー。

●おすすめポイント
最初に提示される謎が魅力的で、冒頭で一気に惹き込まれます。まったく違う場所にいる別の人物たちが、最終的に同じ真実にたどり着いていく展開も見事で、ミステリーらしい犯人は誰なのかというハラハラとした気分も味わえます。サスペンス要素が強いので、登場人物すべてが怪しく見えるのもポイント。テンポも良く、最後まで読者を飽きさせません。

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3.『名もなき毒』 第41回(2007年) 吉川英治文学賞 受賞


●あらすじ
日本屈指の大企業の広報室で働く杉村三郎は、トラブルを起こした女性アルバイト・原田いずみを解雇したのだが、彼女は悪意に満ちた嘘を並べて会社を訴訟するという手紙を送ってくる。そのことがきっかけで、彼女の身辺調査をするために杉村は探偵事務所を訪れたのだが、そこで世間を騒がす連続殺人事件の被害者の家族と出会う。一見、なんの関係もない2つの事件が、知らぬ間に少しずつ繋がっていく社会派ミステリー。

●おすすめポイント
タイトルにもある「毒」を大きなテーマにした今作。青酸カリ、シックハウス症候群、土壌汚染など、本当に人間の体に悪影響を与える「毒」と、悪意のある嘘、いじめ問題、理不尽な動機での殺人など、現代社会に潜む攻撃的な人間の「毒」を絶妙に絡めたストーリーです。人物の心の内面を丁寧に描き、毒に犯された人間がその毒を周りに伝染させていく様に、思わずはっと息を飲むことも。『誰か somebody』に次ぐ杉村三郎シリーズの第2作目のため、シリーズすべて読破するのもおすすめ。

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映画やドラマなど映像化された作品も多数

宮部みゆきさんの知名度を後押しているのは、やはり映画やドラマなどの映像化作品。原作の小説は読んだことがなくても、実写なら見たことがあるという人も多いのではないでしょうか。日本だけでなく海外で映画化された作品もあり、小説以外にも“宮部みゆき原作”の作品はかなり多いんです。ここでは数ある映像化作品のなかでも、特に人気を集めた話題作4つをご紹介します。

4.『模倣犯』 第55回(2001年)毎日出版文化賞特別賞、第5回(2001年)司馬遼太郎賞、第52回(2002年)芸術選奨文部科学大臣賞 受賞


<映画>
公開日:2002年6月8日
監督・脚本:森田芳光
キャスト:中居正広、山崎努、伊東美咲、木村佳乃、寺脇康文
配給:東映
<ドラマ>
放送日:2夜連続放送 [前篇]2016年9月21日(水)夜9時、[後篇]2016年9月22日(木・祝)夜9時
脚本:森下直
監督:松田秀知
キャスト:中谷美紀、坂口健太郎、満島真之介、山本裕典、清水富美加
放送局:テレビ東京系

●あらすじ
一家惨殺事件の唯一の生き残りである少年が、ある日公園のゴミ箱から女性の右腕を発見する。その後も犯人からマスコミや被害者家族への挑発的な行動が繰り返され、史上最悪の犯罪者として日本国中を震撼させた。そんな時、転落事故によって死亡した男の自宅から、女性を殺害した証拠が次々と見つかり、事件は解決されたかのように見えたのだが…真犯人は別にいるとマスコミの前で主張する男が現れる。真犯人は誰なのか?死んだ男の正体とは?クライマックスで意外な真実が暴かれる、現代ミステリーの金字塔。

●おすすめポイント
宮部みゆきさんの代表作。『模倣犯』というタイトルだけでも、みなさん一度は聞いたことがあるはず。読みごたえのある長編ミステリーで、その文章量は原稿用紙にして3551枚にも及んだそうです。緻密な心理描写や期待が高まるスリリングな展開は、最高のエンターテインメントとの声も多く、文庫本5冊の超大作ながら決して長いと思わせません。宮部みゆきさんの人気の理由がこの作品に詰まっています。

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5.『ソロモンの偽証』 週刊文春ミステリーベスト10(2012年)第2位、このミステリーがすごい!(2013年)第2位、第10回(2013年)本屋大賞第7位


<映画>
ソロモンの偽証 [ソロモンの偽証 前篇・事件 / 後篇・裁判]
[前篇・事件]公開日:2015年3月7日
[後篇・裁判]公開日:2015年4月11日
監督:成島出
脚本:真辺克彦
キャスト:藤野涼子、板垣瑞生、佐々木蔵之介、夏川結衣、永作博美、黒木華
配給:松竹

●あらすじ
雪の降るクリスマス、柏木卓也という14歳の中学生が転落死した。警察が自殺と断定したのも束の間、「同級生の大出俊次が殺した」という匿名の告発状が関係者たちに届く。同級生のいじめ、大人の保身、マスコミの過剰な報道、そして第2、第3の犠牲者…。人の悪意による負の連鎖を断ち切るため、中学生たちが同級生の死の謎を「学校内裁判」によって明らかにしようとする。一体何が真実なのか?なぜ転落死したのか?偽証しているのは誰なのか?全3部作の長編ミステリー。

●おすすめポイント
特筆すべき点はなんといってもその壮大なストーリーの長さ。先ほどの『模倣犯』をも上回るページ数で、その文量はなんと文庫本で全6冊!「第Ⅰ部・事件」、「第Ⅱ部・決意」「第Ⅲ部・法廷」の全3部構成になっています。「学校内裁判」というフレッシュで興味深い設定はありつつも、宮部みゆきさんらしい人間のダークな部分が今回もふんだんに盛り込まれています。子どもと大人、立場は違えどお互いの稚拙で残酷な部分がリアルに描かれているので、身につまされます。小説とほとんど変わらない脚本で映像化された映画も数々の賞を受賞。若手俳優さんたちの名演技はどれも心を打たれます。

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6.『楽園』 週刊文春ミステリーベスト10(2007年)第2位、このミステリーがすごい!(2008年)第8位


<ドラマ>
放送日:5/3(水・祝)・5/3(木・祝)深夜1:00~
脚本:篠崎絵里子
監督:権野元
キャスト:仲間由紀恵、黒木瞳、夏帆、金子ノブアキ、松田美由紀、石坂浩二、小林薫
放送局:WOWOW

●あらすじ
日本中が注目した連続誘拐殺人事件から9年。事件による心の傷が癒えていないフリーライターの前畑滋子の元に、ある1つの奇妙な依頼が舞い込む。12歳で死んでしまった息子がサイコメトラーだったかどうかを調べてほしいというものだ。息子が死ぬ前に残した絵には、16年前の殺人事件に酷似したものが描かれていた。しかし、その殺人事件は最近新聞記事になったばかりの事件で、死んだ息子が知るはずがなかった――。『模倣犯』の事件から9年後を描いた、待望の続編。

●おすすめポイント
『模倣犯』で登場した前畑滋子を主人公にした作品。続編と銘打ってはいますが、まったく別の事件を描いているので『模倣犯』を読んでなくても楽しめます。“超能力”がキーワードになっているのでファンタジーな内容なのかな、と思われがちですが、事件の概要や人物たちの心理描写は相変わらずリアルで、バラバラな事件が一つに収束していく展開にも目が離せません。全体のテーマが「親子関係」なので、子どもを持つ親世代の人にはぜひ読んでほしいです。苦しくて切ない気持ちになりますが、心に深く刺さると思います。

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7.『理由』 第120回(1999年)直木三十五賞、日本冒険小説協会大賞国内部門大賞 受賞


<映画>
公開日:2002年6月8日
監督・脚本:大林宣彦
キャスト:村田雄浩、加瀬亮、根岸季衣、寺島咲、厚木拓郎
配給:アスミック・エース

<ドラマ>
放送日:2012年5月7日
脚本:髙橋麻紀
監督:山本剛義
キャスト:寺尾聰、速水もこみち、吹石一恵、福士誠治、永山絢斗、菅田将暉、橋本愛、香里奈
放送局:TBS
●あらすじ
東京都荒川区の超高層マンションで中年男女と老女が殺される殺人事件が起きた。それと同時にベランダから若い男が謎の転落死を遂げる。しかも4人は、そのマンションの住人ではなく、そこに住んでいるはずの家族は別の場所で暮らしていた――。殺されたのは一体「誰」なのか?なぜ殺されたのか?そして犯人は「誰」なのか…。現代社会の心の闇をノンフィクションの手法で描いた一風変わったミステリー。

●おすすめポイント
何十人もの人物を登場させて事件の真相に迫っていくドキュメンタリー的な手法を用いているので、読み手はさながら事件を追う刑事役のよう。その一人ひとりの緻密すぎる人物設定も素晴らしく、本当に現実社会にいるような人たちばかりです。だからこそ、この事件の真実と悲劇が起こった背景を知った時、目を背けずに向き合う強さの大切さを、すべての読者が感じ取れるはず。フィクションだとは思えないリアリズム小説です。

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まとめ

数多くの作品を世に送り出している宮部みゆきさん。
どの作品にも共通しているのは、緻密なプロットと丁寧な人物設定、そしてあっと驚くストーリー展開と、読者に衝撃を与える言葉の力強さです。現代社会に生きる人間の心の中には誰もが狂気や憎悪を隠し持っているのでは?と、考えずにはいられません。
犯人探しだけがミステリーじゃないと気づかせてくれるのが、きっと宮部みゆき作品です。どれか一冊でも読めば、きっと他の作品も読みたくなるはず。通勤・通学のお供に鞄に忍ばせてみてはいかがですか?

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