- 2021/01/18
【感想文の書き方】3つの準備とテンプレで完全攻略!
感想文の書き方がわからない、書き出しが思い浮かばない…という方は少なくありません。しかし実は、たった3つの準備をしてテンプレートに当てはめるだけで、誰でも簡単に感想文を書けるようになるんです!長期休みの宿題やレポートにも活用できる簡単な方法をご紹介します!
感想文に苦手意識が働いてしまう3つのお悩み
誰もが必ずつまづく課題、それが感想文です。しかしよく考えてみると、どうしてつまづいてしまうのでしょう?その多くの理由はこちらが原因なのではないでしょうか。
①本が選べない |
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絵本だと表紙だけで選べたりもしますが、普段から本を読まないタイプだと、どんな本が良いのかわからないので選ぶのが難しいですよね。まだ文字に慣れない小学校低学年ならなおさらです。 |
②時間がかかる |
感想文は、本を読むことが前提です。(1)本を選んで(2)本を読んで(3)感想文を書く、という3つの工程が存在するため、確かに宿題のプリントを解くよりも時間がかかってしまいますね。そして後回しにしてしまって、どんどん時間が無くなっていくという悪循環に…。 |
③何を書いたら良いのかわからない |
こちらで悩まれる方が圧倒的かと思います。まず書き出しから思いつかない、「面白かった」「つまらなかった」「感動した」以外に何を書いたらよいのか文字が出てこない、文章をうまく構成できずまとめられない…などなど、何から手をつけたらよいのか完全に迷子の状態です。 |
これらは読書感想文の宿題を書かなければならないお子さんからレポート提出を求められる大学生・社会人まで共通するお悩みかと思います。
しかしこの3つのお悩みは、次の項目からご紹介する3つの準備をするだけで全部解決します!あとは感想文に存在するテンプレート、いわゆる「テンプレ」を埋めていくだけ!お子さんにどうやって感想文の書き方を教えたら良いかわからないという保護者の方にも教えるポイントをご紹介していきますので、ぜひお子さんと一緒にチャレンジしてみてください!
感想文を書くには3つの準備だけでOK!
準備① | 本を選ぶ |
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では本の選び方から解決していきましょう!そもそも普段から本を読まないタイプなのでどんな本が良いのかわからないという方は、以下の方法を試してください。
①自分が好きなジャンルの内容の本を選ぶ
自分が好きだったり興味がある内容なら、なんとか読み切れる気がしませんか?例えば車が好きなお子さんなら車が関係してくる物語のものを、宇宙に興味がある方なら宇宙に関係するものを、というように、とにかく自分が読んでいて楽しいものを選ぶことが大切です。
②本好きの友達や、図書館司書におすすめを聞く
ここは本好きのプロに任せましょう!学校の図書室の先生でも、地域の図書館のカウンターにいる司書さんに聞いてもOKです。インターネット書店の販売ページなどで、ユーザーから回答されたレビューを参考にしてもOKです!
【2】普段本を読まないタイプであること
【3】自分の好きなジャンル
③青少年読書感想文全国コンクールなどの課題図書から選ぶ
課題図書なら年齢に合った内容のものが選ばれているため確実です。図書館だけでなく本屋さんでも特集コーナーが作られていたりするので、お子さんを連れて行って「この中から選んでみるのはどう?」と提案してみましょう!
いっそのこと本を取り替えてしまいましょう!2、3冊くらいならまだ間に合います!ただし、どうしてこの本では書けなかったのか理由を明確にしてから次の本を選ばないと、いつまでも自分に合った本に出会えないので注意です。内容が難しかったのであればもう少し簡単なものにするなど、きちんと対策をしましょう!
準備② | メモをとり、付箋を貼りながら本を読む |
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用意するもの | 小さな付箋、メモ(切り取れるものが便利) |
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読み終わってからもう一度読み返すよりも、読みながらやっていくと時間短縮になります。読みながら気になる文に付箋を貼り、考えたり思ったことを1枚ずつメモに書いていきます。メモは後から切り取って並び替えるので、切り取れるタイプのメモや大きめの付箋がおすすめです。
準備③ | 自分が伝えたい順にメモを並び替える |
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読み終わったら、書いたメモを切り取って伝えたい順に並べ替えます。メモの枚数は原稿用紙の枚数に合わせて増やしたり減らしたりしてください。このときノートに貼って、考えのジャンル分けをしたり、繋ぎの文をノートに書き込むと時間短縮になりますよ。
さて、これで準備はOKです!それでは次からはテンプレを埋めていきましょう!
感想文にはテンプレがある!準備ができたらテンプレを埋めよう!
感想文に正解はありません。しかし、形式が決まっている「テンプレート」、いわゆる「テンプレ」が存在します。こちらのテンプレを理解さえしてしまえば、もう何も怖くありません!
① 書き出し:その本を選んだきっかけなど
② 本のあらすじ:どんな内容の本なのか1~2割程度で説明
③ 内容で気になったこと、どうして気になったのか具体例、自分の体験エピソード
④ 読む前と読んだ後の気持ちの変化
⑤ 今後に向けた抱負(まとめ)
それでは読みながらメモしていた内容を、以下のテンプレに当てはめていきましょう!
① | 書き出し |
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最初の書き出しが思い浮かばない、という方は以下の方法を試してみましょう!
書き出しは、
【2】本を選んだ理由やきっかけを書く
【3】もっとも強く感じたことや教訓から書く
【4】印象に残ったフレーズから書く
と書きやすいです。
読みながら準備したメモの中に、使えそうな内容はありませんか?
• 本屋に行ったとき、「ろくべえまってろよ」という少し必死そうな言葉がどうしても気になってしまい、僕はこの本を選びました。
• 「100万回生きたねこ」というタイトルを見て、100万回も生きた猫の人生はどんなものだったのか知りたかったため、この本を選びました。
• 「ごん、お前だったのか」この最後の言葉が悲しくて、胸に突き刺さったまま抜けません。
② | あらすじ |
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選んだ本がどんな内容なのか、相手にわかるように少しだけ説明を入れましょう。 あらすじは、自分が新聞記者になって取材している気分で書くと書きやすいです。
あらすじは少しで大丈夫です。感想文全体の1、2割くらいに抑えておきましょう。
③ | 内容で気になったこと、具体例やエピソード |
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一番気になったこと、一番伝えたいことは何ですか?それを書いたら次に、「どうして気になったのか」の具体的な理由を繋げましょう!
感想文で先生が読みたい一番のポイントは、書いた本人の具体的なできごとや理由です。「どうしてそう思ったのか」常に意識して書きましょう!
④ | 読む前と読んだ後の気持ちの変化 |
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先生が読みたいポイントその2です。読む前の自分の考えと、読んだ後の自分の気持ちの変化を「具体的に」書きましょう。こちらでもやはり重要なのは「どうしてそう思ったのか、具体的なエピソード」です。
⑤ | 今後に向けた抱負 |
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いわゆるまとめですね。この本からどんなことを学んだか、学んだことをどう活かしていきたいかをプラスの気持ちでまとめると良いです。
もしも読んだ本の考えと合わなかったら、本の内容に必ず賛成しなくても大丈夫です。自分ならこうするなど具体的な解決策などを踏まえて、どうしてつまらなかったのかを具体的に書きましょう!
書き終わったら
自分で読み返して、見直しをしましょう!低学年はおうちの人にも読んでもらって、確かめましょう!
【1】「、」や「。」の使い方など、原稿用紙に書くときのルールは守っているか
【2】「て」「に」「を」「は」の使い方は間違っていないか
【3】漢字やひらがなの間違いはないか
【4】主語や述語がきちんと書かれているか
お疲れ様でした!!
年齢別・レベルアップのチェックポイント
ここからは年齢別に、もっとレベルアップに繋がるポイントをご紹介していきます。
小学生
◆ 自分の思ったことが書けているか
◆ 正しい文字や言葉遣いで書けているか
◆ 作文のルールを守って書けているか
低学年は保護者がインタビューして内容を引き出しましょう!
【1】「感動した場面は?」→「どうして感動したの?」
【2】「好きな部分は?」→「どうして好きなの?」
と具体的に問いかけて、内容をメモしていきましょう。
このときのポイントは決して「〇〇だったのよね」など感想を押し付けないことです。お子さんが素直に感じたインタビュー内容をメモしていって、伝えたいことの順に並び替えて整理していきましょう!
中学生
◆ 小学生のポイントがすべて抑えられているか
◆ 文の中にことわざや比喩、慣用表現も混ぜてみる
高校生
◆ より深く自分の考えが書かれているか
◆ ニュースや他文献など別媒体を具体例に持ってきて、さまざまな角度からの考えを伝える
あらすじは、つまり内容の要約です。大学受験の小論文対策として普段から本や教科書の要約をしていくと、その文章が伝えたい内容をすぐに理解でき、実力アップに繋がります!
大学生・社会人
これから自分が書く文章の目的を考えましょう!
【1】相手に一番伝えたいことは何かを考え
【2】伝わりやすい文を書く
ことが大切です。
伝わりやすくするためには、具体的な「数字やデータ」「エピソード」が必要です。情報収集をして、「事実」を具体的に説明しましょう。
また高校生編で紹介した要約のスキルは参考文献などの引用をするときにとても便利です。読んだ文章の要約を意識して練習していくと、相手に伝わりやすい説明ができますよ!
文章を書く関連記事として、こちらもどうぞ!
読むだけで感想文が怖くなくなる関連書籍の紹介
ここからは感想文の書き方が載っている書籍のご紹介です。小中学生向けと保護者向けに分けたので、年齢や目的に合わせて参考にしてみてください。
小中学生向け
みんなの味方、ドラえもんの学習シリーズ本の読書感想文版です。ドラえもんの漫画で楽しく学べるので、小学生のお子さんが最後まで読んで内容を理解してくれる可能性が高いです。まず興味を持ってもらう入門書として、子どもに人気のキャラクターによる学習本シリーズを選んでみるのはいかがでしょうか。
著者は『名探偵夢水清志郎』シリーズで有名な児童書作家、はやみねかおるさんによる小中学生向けの学習本です。始終優しい雰囲気の絵とシンプルな内容でわかりやすく、「小中学生向け」カテゴリに入れましたが親子で読むのもおすすめです。読後は「本を読みたい」「文を書いてみたい」という気持ちになるので、タイトル通りめんどくさがりさんへきっかけの1冊におすすめです。かわいすぎるぽっちゃりねこが文章の基本の「き」を教えてくれるので、猫好きさんにもおすすめです!
保護者向け
個人的におすすめNo.1!目からうろこの作文入門書です!小学校1年生からすぐに実践でき、「3日間でクラス全員が原稿用紙を埋められるようになる」と話題の授業を書籍化したものです。苦手な理由を一つひとつ丁寧に解決してくれるので、親子で楽しんで取り組むことができます。語彙力アップの練習帳や、迷わずに書けるようになる特別原稿用紙がダウンロードできるようになっており、自宅で何度も練習ができますよ。教育学に精通している著者は子どもに自信を持たせ主体的に楽しみながら伸ばすという理念をお持ちで、「先生の先生」として教員からも絶大な支持を受けています。作文指導に困った方はぜひこちらの本を読んでみてください。
現在進行形で四苦八苦しているmizが救われた本です(笑)国語は算数や理科のように明確な答えがないため、どう教えたら良いのかわからない保護者は多いと思います。そんな方向けにわかりやすい声掛けの実例や指南が載っていますので、我が子に教えるときはつい感情的になってイライラしてしまう…というお悩みの方にもおすすめの一冊です。
高校生・大学生・大人向け
自分の言葉で「わかりやすく」「簡潔に」伝えられるようになる、具体性のあるメソッドが人気の書籍です。人物像の説明、ビジネスシーンでのスピーチ、美術評論、商品レビューなどなど、文章を書くときだけでなく、あらゆるジャンルあらゆる場面で使えます。自分の考えをまとめるのが苦手な方に特におすすめの一冊です!
こちらはどちらかと言うとSNS向きの文章のノウハウが解説されています。現代ではSNSが情報の発信も受信も手軽で簡単なツールとして主流ですので、レポートや報告書向けの文章だけではなく、SNS向きの文章を勉強してみるのはいかがでしょうか。
読書感想文におすすめの本
こちらには、読書感想文の本として鉄板の作品を集めました!本を選べない…という方は、ぜひ参考にしてみてください!
タイトルの通り、背は高いけど弱虫な1年生の男の子と、背は小さいけど明るくて強い2年生の女の子の友情物語です。書かれた時代が古いため現在の世情とは少しずれている部分もありますが、笑って共感できてハラハラして、つい頑張れと応援したくなる、そんな作品です。章ごとにわかれているため、お子さんのペースに合わせて区切って読むこともできますよ。
人が死ぬ瞬間を見たくて、町はずれに住む老人の観察を始める少年たちの物語です。インパクトのある不謹慎なあらすじのため、お父さんお母さんは手に取るのをためらってしまうかもしれませんね。しかし内容は、世代を超えたあたたかい友情と命の大切さに大きく心を揺さぶられる、感動作品です。読み終わった後は、おじいちゃんおばあちゃんに会いたくなってしまうかもしれません。大人が読むときはハンカチ必須です。
読書がしんどい中高生におすすめです!学校や部活という身近なテーマで共感しやすく、6編のショートストーリーという構成のため、1日1編読めば6日で読み終われます!そしてあくまでも「読書感想文」のためおすすめはできませんが、こちらの作品は映画も大ヒットしているため、映画を観るという最終手段も残されています(笑)最終手段があることを安心材料にして、頑張って文字を追ってみましょう!
他にもおすすめの本をこちらの記事で詳しくご紹介していますので、迷ったときはぜひ参考にしてみてください!
まとめ
本を読んで文章を書く、ということが苦手な方は多いです。しかしどんな難しいことにも、必ず攻略法があります。ゲームのように、攻略法に沿ってレベル上げやアイテムの準備をしてボスに挑めば、怖いものなんて何もありませんよね。もちろん、感想文も同じです!
どうか少しでも不安要素を減らして、感想文を書くことに対する苦手意識が薄れますように!
読書経験値を上げるためのさまざまな本のご購入は、日本最大級の在庫数『もったいない本舗』でどうぞ!
ライティング担当 : miz札幌在住30代2児の母。レトロゲームとクラシック音楽が大好きで時々自分でも弾く。ムーミンのアニメを観ることと、子どもたちの寝かしつけ後にやるサバイバルアクションホラーゲームが日々の癒し。博物館や郷土資料館の類が好きだが、シビアな開館時間の前によく惨敗している。インドア派だったのが活発すぎる子どもたちによってアウトドア派にさせられた。司馬遼太郎、M・ルブラン、川原泉、藤田和日郎作品が好き。 |