- 2018/05/02
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【五月病とは】あなたは大丈夫?症状、原因から予防まで徹底解説
五月病を知っていますか?GWが終わって何だかやる気、元気が出ない、疲れが取れない、朝起きられない…そんな人は要注意!五月病の主な症状、原因、セルフチェックから予防方法、おすすめの食べ物まで丁寧に解説します。少しでも心当たりのある人は最後まで読んでみて下さい。
そもそも、五月病ってどんな病気?
5月のゴールデンウイークが終わるとよく耳にする「五月病」という言葉。聞いたことはあるけど、どういう意味なのかきちんと理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。
五月病(ごがつびょう)
新人社員や大学の新入生や社会人などに見られる、新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状の総称である。
もう少し詳しく説明すると、
医学的には五月病という病気はありません。5月に上記のような症状を訴える人が多く出てくるので、五月病と呼ばれるようになりました。
(※「さつきびょう」とは読みません、ご注意を!)
心療内科や精神科の医師に診察してもらうと、『うつ病』『適応障害』などと診断されるケースが多いようです。
五月病の原因とは ~なぜ5月に多いのか?
日本では、どの会社も学校も4月スタートですよね。新しい環境に飛び込み、何とか慣れよう、周りの人とも仲良くしよう、と一生懸命頑張る人が多いのですが、自分では気づかないうちに無理をしたり、疲れが溜まって、ちょうど1か月経ったころに症状が現れてくるのです。加えて、ゴールデンウイークという連休があることで、張り詰めていた緊張がプツリと切れることも大きな原因のひとつと言われています。
期待と不安を胸に新たな環境に飛び込んだものの、思い描いていたものと違ったり、周りの人と合わなくて孤立してしまったり…。「心が折れる」などと表現されるように、ストレスが溜まって「もう頑張れない」という状態に陥ってしまうのが五月病の入り口です。
では、以下の2つのケースはどうでしょうか?
ケース1 | 就職活動を勝ち抜いて、第一希望の会社に入社したAさん(22歳、男性) |
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どうしても入社したい会社があり、大学時代はサークル、アルバイト、インターンシップへの参加など就職活動のために出来ることは全てやるなど力を注いだ。努力が実り内定を貰って、意気揚々と入社。毎日朝早く出社し、先輩たちが帰るまでは退社せず、少しでも早く仕事を覚えようと必死に頑張ってきたが、GWあたりから遊ぶ気力も無くなり、朝起きられない、身体が鉛のように重く、食欲が無くなり体重が落ちてきた。
ケース2 | 結婚して仕事を辞め、見知らぬ土地へ引っ越したBさん(28歳、女性) |
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5年交際していた彼氏とやっとゴールイン。30歳前には結婚したいと思っていたので嬉しい。しかし彼氏が転勤に。自分も正社員として働いていたが、退職して夫に付いて行くことを選択。初めての土地で知り合いもなく、一日中家にいる毎日が続き、次第に気分が落ち込んでいった。楽しみだった新婚生活なのに幸せを感じられず、笑うことも無くなり「自分はいなくても良いのでは」などとネガティブなことばかり考えるようになった。
…この2つの五月病のケースを見てどう思いましたか?一見すると、とくに本人にダメージを与えるような悪い出来事やトラブルが起きていたわけではありません。むしろ希望が叶って恵まれた状況にも見えますよね。実は、このような五月病のパターンにも、ストレスが大きく関係しています。
ストレス、とは簡単に言うと"外部から受ける刺激によって緊張する"ことで、
良いストレス(就職、進学、結婚、出産など) |
悪いストレス(人間関係や仕事のトラブルなど) |
があります。
一般的にストレスというと悪いイメージを抱きますが、人に良い緊張感を与えて成長させてくれる、良いストレスも存在するのです。
しかし、良いストレスであっても、その人の環境や体調、精神状態によっては耐えられずに、"五月病"という不調な状態になってしまうことがあるのです。
五月病というと、大人がなるイメージがありますが、学校に通う子どもにも起こりうることです。中学、高校への進学などで新しい人間関係に溶け込めない、勉強についていけないなどの原因で五月病の症状が出ることもあります。親は、子どもの様子を見守り、必要な場合は適切に対応してあげましょう。
五月病の主な原因まとめ
- 急な環境の変化
- 周りの人間関係の変化
- 生活リズムの崩れ(夜更かし、乱れた食生活)
あなたは大丈夫?セルフチェックしてみよう!
「もしかして自分もそうかも」という人も「自分は大丈夫だな」という人も、ここでセルフチェックしてみましょう。
五月病セルフチェック
夜、なかなか寝付けない
朝、起きられない
洋服を選べない、出かける準備が進まない
学校、会社に行きたくない
電車、バスに乗れない
人と話すのが面倒くさい
やる気、元気が出ない
何でもマイナス思考になりがち
食欲がない
集中力がなくなり、仕事や勉強が進まない
疲れが取れない
身体が重く感じる
趣味のことや好きなことをやる気にならない
→ 7つ以上当てはまった人は、要注意です!五月病のおそれがあります。
(※このチェックリストは医学的に確定診断するものではないので、あくまでも、自分の今の状態を確認するためにご利用ください。)
~ セルフチェックで多く付いた人や、「自分は五月病かもしれない」と思った人へ ~
症状が重い場合は、やはり専門の病院、医師に診てもらうのが一番です。(精神科、診療クリニック、社内の産業医によるカウンセリング等)
何も対応せずに放置しておくと、うつ病やその他精神疾患へと悪化する可能性もあります。
自己判断で終わらせず、きちんと自分の心身に向き合い処置してあげましょう。
五月病の予防・対策
では、五月病にならないためにどうしたらよいか、おすすめの予防法などを紹介していきます!
1 | 規則正しい生活を送る |
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何と言っても一番大事なのが、これなんです。朝起きて太陽の光を浴び、夜は眠り、食事をきちんととる。この基本の生活リズムが乱れると、心身の不調へ直結します。これには科学的な理由があります。
▶夜更かし、朝寝坊 → 精神を安定させるホルモン"セロトニン"の分泌を妨げる
▶乱れた食生活 → 必要不可欠な栄養が不足すると身体や脳を動かすパワーが出ない
2 | 軽い運動、散歩などで身体を動かす |
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少し気分が落ち込んでいるときなど、外へ出て身体を動かしてみましょう。ただ散歩するだけでもOK 。できれば、一定のリズムで歩くことに集中してみて。リズミカルな動きというのがポイント!気持ちを安定させてくれるホルモン"セロトニン"が出やすくなります。カラオケで歌うことも効果があるようですので、今はやりの"1人カラオケ"もおすすめです。
3 | ストレスを溜め込まない |
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先ほどストレスについて説明しましたが、就職や結婚など一見良い変化も人間にとってはストレスのひとつ。一生懸命頑張っているうちに、無意識に心身が疲れてしまうことも。できれば、その日のうちに、一日の疲れを取るよう心がけましょう。家族や友達、恋人、会社の同期など、誰かと話をすることで自然と気分転換できたり前向きになることも多いです。あとは好きな音楽を聴く、映画を観るなどもオススメ。意識してストレスを発散させるようにしましょう。
五月病予防のための、おすすめ食材
さて、何度も出てきた"セロトニン"というホルモン。ストレスや不安感を軽減させ、心の安定を保つはたらきをする、まさに五月病の予防には必要不可欠なものなんです。
そのセロトニンを作り出すのには、"トリプトファン"という栄養素が必要なのですが、そのトリプトファンを含む食材をご紹介します!
・大豆食品(豆腐、納豆、味噌、しょうゆ、豆乳)
・乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト)
・果物(バナナ)
・その他(卵、ごま、ピーナッツ)
いずれも手に入りやすく、毎日食べられるものですよね!
例えば、
- バナナヨーグルト
- チーズオムレツ
- 豆腐の味噌汁
など、かんたんに作れるメニューで日々の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
五月病について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?少しでも「五月病とは何か」をおわかりいただけたら幸いです。また、セルフチェックで多く当てはまった方がいましたら、放っておかずに対応しましょう。自分の心も体も、まずは自分でいたわって、メンテナンスしてあげてくださいね。
ライティング担当 : otake札幌在住の40代2児の母。趣味は読書。小説からエッセイ、漫画まで何でもこいの雑食派。好きな作家は横山秀夫、誉田哲也、角田光代、篠田節子、乃南アサなど。とくに人間の本音や心の闇に迫る作品に惹かれる。テレビも好きで、笑えるバラエティで忘れた笑顔を取り戻す。一度手放した思い出の漫画たちを買い戻すことを目標に日々働く。すべての家事を終えて飲む一杯が一番の癒し。 |