• 2021/09/28

『ブルーピリオド』心に染みる名言の宝庫!あらすじ&キャラ紹介

漫画『ブルーピリオド』の人気が急上昇中。人生イージーモードのリア充主人公が、ある日「絵を描く」面白さに目覚める?!本作の特徴は、泣きたくなるほど心に響く名言が随所に散りばめられていること。アニメ化でも大注目の『ブルーピリオド』のあらすじと魅力を徹底考察します!

ブルーピリオドのトップ画像

『ブルーピリオド』ってどんな漫画?

『ブルーピリオド』は一筋縄ではいかない美術漫画!

『ブルーピリオド』という漫画をご存じですか?よく漫画を読む方なら、漫画賞でたびたび話題に上がる本作の名前だけは聞いたことがあるという人もいるかもしれません。「美術漫画」と言うとなかなかハードルが高いなと感じますよね。でも、「見た目は派手なヤンキーだけど、成績トップクラス、スクールカースト上位のリア充男子が美大を目指す漫画」…と言ったら、俄然興味が湧いてきませんか?(笑)

『ブルーピリオド』あらすじ
矢口八虎(やぐちやとら)は、学校では常にトップクラスの成績ながら、友人たちと朝まで渋谷で遊び歩くなど充実した高校生活を送っている。不良とも陰キャラとも仲良くできる調子の良い人柄で、何でもそつなくこなすことができるからこそ、人生における目標を見いだせずにいた。でもある日、先輩が描いた一枚の絵に心を動かされ、美術の世界に足を踏み入れることに。八虎は個性的すぎる仲間たちと共に、最難関と言われる東京藝術大学への入学を目指すが…!

目の肥えた漫画好きさんも納得の面白さ。さまざまな漫画賞も!

常に予想の斜め上を行く展開の『ブルーピリオド』は、やはり世の中の漫画好きの皆さんの注目を一身に集めました。2017年に「月刊アフタヌーン」で連載が始まってから、2018年には「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞2018」のネクストブレイク部門を受賞、とたちまち人気マンガの仲間入り。2020年には「マンガ大賞2020」と「第44回講談社漫画賞」総合部門を受賞。そして2021年にはTVアニメ化と今や破竹の勢いで漫画界を席巻している作品なんです!

『ブルーピリオド』が人気を集める理由は、作者の山口つばさ先生が東京藝術大学卒なので、物語にリアリティと説得力があること。そして今回プッシュしたいもうひとつの理由が、ただ青春美術漫画として面白いだけではなく、実は本作が「名言の宝庫」だということです。そこで、古本店『もったいない本舗』のスタッフsakuraが、思わずほろりと涙が出てしまう名言を中心に、本作の魅力について徹底的に語りつくします!

<主要キャラクター紹介>個性豊かなキャラ揃い!

「芸術家肌の人=個性的な人が多い」というのが定石ですが、『ブルーピリオド』も例外なく個性豊かなキャラばかりです!主人公の八虎がごく普通の男子高校生に見えてしまうほどに、型にはまらないエキセントリックなキャラクター揃い。でも、読み進めていくと天才型に見えたキャラが実は努力型だったり、一般の人たちが思いもよらないことで悩んでいたりと、徐々に血の通ったキャラクター像が浮き彫りになります。

それでは、八虎が切磋琢磨しながら共に美術の頂点を目指していく<主要キャラクター>を紹介していきましょう!

矢口 八虎

(やぐち やとら)

矢口 八虎 金髪にピアス、酒やタバコもたしなむ高校2年生。その派手な外見から、一見すると不良に見えるが、成績優秀でどんな人とも仲良くできる世渡り上手。何でもそつなくこなすが、見えないところで勉強していたりと努力型の一面も。打ち込めるものがないまま何となく日々を過ごしていたが、美術室で一枚の絵に出会ったことをきっかけに、思いがけず美大を目指すことに。

鮎川 龍二

(あゆかわ りゅうじ)

鮎川 龍二 八虎の同級生で同じ美術部員。男性だが心は女性の女装男子。スタイル抜群で特に女子からの人気が高い。本名の「龍二」で呼ばれることを嫌うため、周りからは「ユカちゃん」と呼ばれている。歯に衣着せぬ物言いをするため、八虎とはたびたび衝突するが、時には適切なアドバイスをしたりとお互い信頼し合える仲である。

高橋 世田介

(たかはし よたすけ)

高橋 世田介 八虎が美大の予備校で出会った童顔の少年。天才肌で苦労せずともプロ顔負けの絵を描くことができる。他人とのコミュニケーションが極端に苦手で、明るく友達の多い八虎のことをしぶしぶ認めながらも毛嫌いしている。好き嫌いがはっきりしており、時折カッと熱しやすくなることも。同じ学校の橋田からは「セカイ君」というあだ名で呼ばれている。

橋田 悠

(はしだ はるか)

橋田 悠 関西弁の人懐っこい青年。長い髪をおさげにしている。世田介と同じ高校で、八虎とは同じ予備校で出会った。他人の作品を見るのが大好きで、各地の美術館に通うのが趣味。美術に関する豊富な知識を持っている。姉2人と妹1人がおり、女性に囲まれて育った。

桑名 マキ

(くわな まき)

桑名 マキ 両親と姉、家族全員が東京藝大出身というサラブレッド。本人も予備校のコンクールで1位を取るなどの天才っぷりを発揮している。明るく面倒見の良い少女だが、出来の良い姉と比較し落ち込むなど時折闇も垣間見える。アイドルやK-POPが大好きというミーハーな一面も。

森 まる

(もり まる)

森 まる 美術部の部長。八虎のひとつ年上の先輩で、八虎が絵に興味を持つきっかけになった人物。小柄でおっとりした人柄だが、絵に向かうときだけは周囲も驚くほどの気迫とバイタリティーを見せる。絵を描くときのスタイルはかっぽう着。

佐伯 昌子

(さえき まさこ)

佐伯 昌子 八虎の通う高校の美術部顧問。初老の女性で、物腰がやわらかくいつも穏やかなほほえみを浮かべている。その反面、ズバリと鋭いアドバイスが飛び出すこともあり、部員たちからの信頼も厚い。八虎が美術の道に進むことを陰ながら応援している。

大葉先生

(おおば)

大葉先生 八虎が通う予備校の女性講師。やたらと声が大きく、建物の外にいるときでも声が聞こえてくるほど。サバサバした性格だが、実は相手をよく見ていて核心を突くような指摘をすることも。3人の息子がいる。

村井 八雲

(むらい やくも)

村井 八雲 東京藝大の1年生(浪人)で、とにかく目立ちたがり屋の青年。背中には大きなフクロウのタトゥーを入れている。「でっけえものが最強」と思っている節があり、自己紹介時にも大きい作品を持参した。八虎のことを気に入っていて、一緒に飲みに行く仲である。

三木 きねみ

(みき きねみ)

三木 きねみ 東京藝大の1年生(2浪)で、金髪のショートヘアの女子。熱血タイプの体育会系で、中学、高校ともにバレー部の部長をつとめていた。自分のことには無頓着な性格で、人のために尽くすタイプ。誰に対しても礼儀正しく敬語を使う。

 <泣ける名言>何度も読み返したくなるシーンはココ!

それでは次に、『ブルーピリオド』を彩る印象的な名言を見ていきましょう。長い人生、誰もが多かれ少なかれ何度も壁に衝突します。でもそれは決して超えられない壁ではありません。「2浪4浪は当たり前」と言われる超高倍率の東京藝大を目指し、夢に向かってがむしゃらに突き進む登場人物たちだからこそ説得力のある名言の数々。きっと私たちの人生においても、明日への一歩を踏み出す勇気をもらえるはずです!

1位

あなたが青く見えるなら
りんごもうさぎの体も青くていいんだよ

by 森 まる(1巻)

ひとことコメント
八虎は友達とオールで渋谷で遊んだ後、早朝の渋谷を見て「青い」と感じました。今思えばあの独特な感覚が、美術の道へ踏み出す小さな一歩だったのでしょう。きっと、遊び歩いていなければこの感覚を覚えることはなかったのではないでしょうか。どこまでも自由な感性を持つ森先輩だからこそ、笑い飛ばすでもなく、不思議に思うでもなく、八虎を鼓舞するような言葉をかけることができたのでしょうね。

2位

トライ&エラー
トライ&エラー
トライ&エラーよ!

by 大葉先生(2巻)

ひとことコメント
この名言、大好きです。大葉先生はたびたび核心を突くアドバイスをくれます。東京藝大に受かるためにどうすれば良いのかと、八虎が悩んでいたとき、大葉先生はとにかく「トライ&エラー」を強調します。現役で受かるためには、戦う武器が少ない分、とにかく色々なことを試行錯誤して試してみようということ。壁にぶち当たっても、それが当たり前!八虎の色々な可能性への道を閉ざさぬよう配慮された名言です。大葉先生の名言は、他にも「作品は諦めたらそこで完成よ」と、『スラムダンク』の安西先生を彷彿とさせるような言葉もあります。

3位

後悔はないですよ
反省は死ぬほどあるけど

by 矢口 八虎(6巻)

ひとことコメント
受験が終わった後の八虎がぽろっとこぼした言葉ですが、この一言に複雑な感情が見え隠れします。どんなときでも試験って後悔することばかりですよね。「ああしておけば良かった、こうしておけば良かった」。100%の実力を出しきれることなんて、本当に稀なことです。でも八虎は、本番で実力を出しきれないところまでが実力だと考えています。"後悔先に立たず"ですが、反省は次に繋げられるという前向きな言葉ですね。

4位

「好きなことは趣味でいい」
これは大人の発想だと思いますよ

by 佐伯 昌子(1巻)

ひとことコメント

現代を生きる私たちにグサリと刺さる言葉です。「好きなことは趣味でいい」「好きなことを仕事にしたら嫌いになる」きっと誰もがこんなことを考えたことがあるのではないでしょうか。「食べていける保証がないのに美大に行くメリットはあるのか」と聞いた八虎に対して、美術部顧問の佐伯先生は"自分の好きなことに人生のウエイトを置くのは普通のこと"だと伝えるのです。よく考えれば当たり前のことなのに、どうして私たちは大人になるにつれて忘れてしまうのでしょうか。

5位

でも世間が良いっていうものに
ならなきゃいけないなら
俺は死ぬ

by 鮎川 龍二(2巻)

ひとことコメント

ユカちゃんならではの言葉ですね。ユカちゃんは女装男子で、男の人のことが好き。でもそのことを真っ向から受け止めてくれる男性は、未だ現れず…。フラれて涙を流す彼に、八虎は「お前くらい整った顔立ちなら、普通に男性の格好でもモテるだろ」と慰めるのですが、ユカちゃんは自分の信念を一切曲げる気はありません。多数に迎合することが当たり前の世の中で、彼のような一本筋の通った生き方は生きづらいだろうなぁと思う反面、とても羨ましくも感じられるのです。

6位

好きなことをやるって
いつでも楽しいって意味じゃないよ

by 矢口 八虎(3巻)

ひとことコメント
「好きなことをできていいね」「自分の好きなことをやっているんだから文句ないでしょ」こんな心ない一言に傷ついた経験はありませんか?そう、それとこれとは違うんですよ!(笑)いくら自分の選んだ道とはいえ、山あり谷ありで楽なことなんてひとつもありません。ときには苦痛を伴うからこそ、その先に楽しみがあるのです。母親の「好きなことだから頑張れるんじゃない?」という言葉は、スランプ状態に陥った八虎の心に重くのしかかったのではないでしょうか。

7位

落ち込んでる人見てると
アタシはまだ大丈夫って思えるじゃん?

by 桑名 マキ(4巻)

ひとことコメント

天才少女と言われた桑名マキのセリフとは思えない!と最初は思いました。…が、はたから見れば天才でも、両親が東京藝大出身&姉は現役首席合格…となれば、そのプレッシャーは常人が想像できないほど大きなものだったのではないでしょうか。同じレベルの人たちが集まると、どうしても他の人が優秀に見えてしまうことが多いものです。このときのマキは、落ち込んでいる人を見ることでかろうじて自分を保っていたのですね。意外ですが、彼女も悩んだり苦しんだりする同じ人間なんだと実感できたエピソードです。

8位

話術で本音を隠すんじゃなくて
本音を技術で武装したらいいんじゃないか?

by 恋ケ窪(4巻)

ひとことコメント
こんな親友が欲しい!と思った人も多いのでは?ヤクザみたいに怖い顔の恋ちゃんが、パティシエへの一歩を踏み出したとき、八虎は絵を描くことが怖く自分のことでいっぱいいっぱいでした。高校時代、クラスのどんな人たちとも仲良くできて、聞き上手で、成績優秀だった八虎は努力のたまものだったのですね。自信がないから、努力(話術)でカバーする。そんなところを見抜いていた恋ちゃんは、「本音を技術で武装しろ」と八虎にアドバイスします。持つべきものは、こんな男友達ですね!

9位

やっぱ でっけえもん作りたいっすね
でっけえやつ!
でっけえことは最強なんで!

by 村井 八雲(8巻)

ひとことコメント
いや~本当良いキャラしてます、八雲くん(笑)「でっけえもんは最強」というのは、一見頭が悪そうに思えますが、彼の実力を知ったらそんなことも言えなくなりますね!自己紹介でも課題でもとにかく大きな作品を持参する八雲は、小さなものは嫌い、すべてが規格外で"空気を読む"なんてことはしません。自分の信念を曲げないという意味では、ユカちゃんと似たところがあるかもしれませんね。でも人間の心の機微は読み取れるようで、八虎をちょくちょく元気づけるシーンも。

10位

何者かになる権利はあっても
義務はない…と思います…

by 高橋 世田介(10巻)

ひとことコメント
自分の好きな絵を描かせてくれない、ありのままを表現したら「つまらない」と言われる。たいていのメンタルの人なら、これだけで自信を喪失してしまうことでしょう。特に猫屋敷教授の言葉は辛辣で、「つまんな!!そのままじゃ君何者にもなれないよ!?」と、世田介くんの人格そのものをひっくり返します。ますます頑なになる世田介くんですが、このことがきっかけで新たな視界が開けるのです。遠いからこそ学べることもある、ときには謙虚な姿勢も大事なんですね。

『ブルーピリオド』TV最新アニメ化情報

『ブルーピリオド』ファンの方、そしてこれから漫画を読もうと思っている方にも朗報です。なんと本作が2021年10月よりアニメ化されます!今まで頭の中で想像することしかできなかった色彩の世界が、アニメで表現されると思うと胸が震えますね…!あの早朝の青い渋谷だったり、美術の頂点を志すキャラたちが描いた絵がカラーで見られるのも楽しみです。原作の持つ独特の魅力がどこまで表現されるのか、今から待ち遠しいですね。

TVアニメ『ブルーピリオド』は2021年10月1日よりMBS/TBS系スーパーアニメイズム枠で放送スタートです!なお、テレビ放送より先行して、Netflixにて9月25日より配信開始されています。"芸術の秋"は、ぜひ『ブルーピリオド』を観て感性を磨いていきましょう!

【番外編】あの"アルフォート"とのコラボから生まれた楽曲も!

一時期話題になったのが、皆さんもご存じのチョコレート菓子"アルフォート"と『ブルーピリオド』のコラボから生まれた音楽『群青』。この曲は、代表曲『夜に駆ける』などで有名なYOASOBIさんのオリジナルソングなんです。 YOASOBIさんは、原作小説などからインスパイアされて作詞作曲をするスタイルが特徴なんですが、こちらのスペシャルムービーは、実写と漫画がスタイリッシュにクロスオーバーするとても素敵なMVに仕上がっています。歌詞も聴けば聴くほど秀逸で奥深いので、ぜひ一度ご視聴下さいね!

まとめ

さて、ここまで『ブルーピリオド』の魅力や、人生の指針となる<名言>をご紹介してきましたがいかがでしたか?もちろん「青春スポ根美術漫画」として楽しむのも良し!でも、読めば読むほど含蓄に富んだ漫画だと気付かされるのではないでしょうか。

人生、常に上り坂とはいきません。ときには抱えきれないプレッシャーに押しつぶされそうになったり、怒りにまかせた選択をしたり、大きな壁に突き当たることもあるかもしれません。そんなときに、きっと『ブルーピリオド』の名言はあなたの背中をそっと後押ししてくれるきっかけになるかと思います。アニメ化でますます大注目の『ブルーピリオド』、ぜひ原作漫画・アニメともに楽しんでいきましょう!

ブルーピリオド 1 (アフタヌーンKC)

ブルーピリオド 1 (アフタヌーンKC)

作者 山口 つばさ
出版社 講談社
出版年月 2017年12月
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sakura
ライティング担当 : sakura

札幌在住30代。本や少年コミックを読むことが大好きで、家事の合間にハイボールを飲みながら読書をするのが至福のとき。小説はイヤミス、ホラー、児童文学まで好きなジャンルは多岐にわたり、ラストですべてがひっくり返される「大どんでん返し」本を好んで読む。子どもの頃からホラー映画が好きで、最近は『死霊館』や『インシディアス』など心の奥底まで恐怖心をかきたてられるようなジェームズ・ワン監督作品に魅了されている。

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