- 2021/02/09
【伊藤理佐おすすめ漫画】抱腹絶倒!人気作から新刊までご紹介
漫画家・伊藤理佐さんのおすすめ作品をご紹介します。『おんなの窓』『おいピータン!』など長期連載人気作から、体当たりダイエットや美容法の体験エッセイ漫画、子育て漫画まで抱腹絶倒の傑作たちを網羅しました。最新刊も全て紹介!共感&爆笑必至、読まずにいては絶対損ですよ。
伊藤理佐さんってどんな人?
まずは「伊藤理佐ってよく知らないな」という人へ、ざっくりプロフィールのご紹介から始めたいと思います。
・ 長野県出身。 | |
・ 猫とお酒をこよなく愛する。 | |
・ 1987年 | 『おとうさんの休日』で漫画家デビュー。(なんとまだ高校生!) |
・ 1990年 | 『おるちゅばんエビちゅ』連載開始。ヒット作となりアニメ化。 |
・ 1998年 | 『おいピータン‼』連載開始。 |
・ 2004年 | 『おんなの窓』が『週刊文春』にて連載開始。 |
・ 2006年 | 第10回手塚治虫文化賞短編賞受賞(『おいピータン‼』他一連の作品対象) |
・ 2007年 | 漫画家の男性と結婚、その後女児を出産。 |
漫画家の名誉でもある"手塚治虫文化賞"を受賞するなど、漫画界での評価も高い伊藤理佐さん。後の段落で詳しくご紹介しますが、同業者である有名漫画家さんと結婚したことは、漫画好きの間で大きな話題となり、記憶に新しい人もいるのではないでしょうか。 そして結婚、出産、育児の日々を赤裸々にエッセイ漫画にしたことで、これまで伊藤理佐さんを知らなかった主婦層など新規ファンもがっちりゲット!
とにかくどの作品も笑えるので、少しでも興味を持ってくれた人がいましたら、ガンガン手に取って読んでみてほしいと思います!
体当たりのほぼ実話!笑いすぎ注意【エッセイ漫画おすすめ8 冊】
ではさっそく伊藤理佐さんの作品をご紹介していきましょう。まずは、伊藤理佐さんのお家芸とも言えるエッセイ漫画から。「ここまで描くか…!」という伊藤理佐さんの胆力を感じられる作品ばかりです。ぜひご覧あれ。
『やっちまったよ一戸建て‼』
この作品はほんと凄い!伊藤理佐さんが自宅を建てるまでの、"全て"が描かれているんです。29歳(バツイチ独身)という若さで一国一城の主となり、理想のおうちで幸せに暮らす…はずだった⁈さて、土地探しから予算の見積もり、ハウスメーカー選び、間取りの設計まで(おそらくほぼ)実録のドキュメンタリー作品。果たして理想のマイホームが完成するのか?一つだけネタバレを。完成したお宅の一番の目玉、それは"吹き抜けのトイレ"(笑)。
タイトル「やっちまったよ」の言葉に込められた作者の様々な思いがしっかり伝わる立派な(?)ギャグ漫画となっています。また、真心ある不動産屋さん、設計士さんとの心温まる場面も。これから家を建てる人はぜひ参考に…ならないかも!?
『女いっぴき猫ふたり』
無事?にマイホームも建ち、執筆に精を出す伊藤理佐さんの、大事なパートナーと言えば、"猫"なんです。上記プロフィールにも書きましたが伊藤理佐さんは大の猫好き。本作品は当時飼っていた愛猫ニャコとクロとの3人(?)暮らしをWEB漫画で連載していたものです。
猫好きな人ならよりわかる、猫の魅力が満載!また伊藤理佐さんのあまりにも飾らない、ゆる~い日常が、読む側の気持ちも自然にほぐしてくれます。本作は2巻まで刊行。ぜひセットでお読み下さい。
『おんなの窓』
こちらは伊藤理佐さんの代表作の一つで、かの国民的雑誌『週刊文春』でラストページを担っています。1コマの漫画に伊藤理佐さんの短いコメントが添えられたもので、思わずクスッと笑ってしまう、ユーモアセンス光る作品です。何度読み返しても面白いし、何気ない一瞬を1コマに切り取って笑いに表現する伊藤理佐さんの手腕は、もはや天賦の才なのでしょう。2004年開始から現在まで絶賛連載中です。『週刊文春』は巻末から読むのが伊藤理佐ファンの証!
『女のはしょり道』
著者とあまり縁のなさそうな(すみません)美容雑誌『VOCE』に連載されているビューティーエッセイで、なんとVOCE最長連載とのこと。「キレイになりたい!でもラクに!」と"はしょり道"を選んで話題の美容グッズを購入したり体験へ出向いたり…、と爆笑必至の体当たりエッセイ漫画です。
いつもありのままをさらけ出してくれる伊藤理佐さん。一重まぶた、敏感肌…などなど自分のコンプレックスや悩みも包み隠さず(隠すどころか)極上の爆笑ネタに仕立て上げる著者に、ますます読者は伊藤理佐さんを好きになるしかありません。特に女性は共感度120%のハズ!
『おかあさんの扉』
こちらも伊藤理佐さんを代表する1冊となった、雑誌『オレンジページ』で連載されている エッセイ漫画です。作中では「オットの人」と呼ばれる漫画家の夫との間に生まれた一人娘・あーこちゃんの子育ての日々を、いつも通りの観察眼で面白さ&可愛さ満点の漫画に。まさか私生活を見られるとは思いもしなかった有名漫画家のパパぶりや、あーこちゃんの愛らしい描写が見どころです。
2010年に連載が開始され、現在も連載中と息の長い作品。『おんなの窓』と同じく、一度伊藤理佐作品の面白さにハマると手放せないのはファン、読者、そして作り手側も同じ気持ちのようです。多くの出版社、編集者さんたちにも愛されている様子が作品中からも伝わります。
『なまけものダイエット(甘口編)』
伊藤理佐さんの好奇心は無尽蔵!美容からダイエットへとマンガの題材は果てなく広がります。「食べるの大好き、運動はキライ」という伊藤理佐さん、様々な流行のダイエット方法を試すもリバウンドを繰り返す過去だったとのこと。編集者の誘いに乗り、ヨーグルト酵素ダイエットや血液型ダイエットなど、次々試してはネタに昇華、まさに体を張った作品です。
本作品は2004年から約1年間、大和書房のホームページに掲載され、結婚出産を経たのち、雑誌『CREA』のWEBサイトにて再び開始されたものです。伊藤理佐さんが各媒体で引っ張りだこなのがわかりますよね。そしてなんと、2013年には雑誌『クロワッサン』のダイエット企画でご本人が顔出し登場!他、文春オンラインのサイトでは"月曜断食"に挑戦して見事ダイエットに成功した漫画も掲載されていますので、気になる人はそれぞれご覧あれ。
番外編
最後に「漫画より文章多め」の、番外編的な2冊をご紹介したいと思います。
『ステキな奥さん』
こちらは朝日新聞で連載(月2回)されているエッセイで、これまで伊藤理佐さんを知らなかった層の読者にもじわじわと支持が広がり、単行本は3冊目を刊行するまでの人気となりました。
エッセイの内容は、ほんとにささやかな日常の1コマ。「ご近所さんの柔軟剤のニオイが気になる…」「1990年て、何年前⁈」など、「わかるわかる~」とつい共感してしまうような身近な話が綴られています。全国紙での掲載ということもあり、いつもの赤裸々な爆笑ネタはおさえられていますが、作者と家族のこまやかな生活の営みを知ることができ、ファンは必読の一書です!
『ひとり上手な結婚』
こちらは雑誌『IN★POCKET』(2018年休刊)で連載された、読者からの質問に山本文緒さんが回答の文を担当、伊藤理佐さんが内容に(おおむね)沿った漫画を載せるというスタイルの作品です。山本文緒さんは『恋愛中毒』で吉川英治文学新人賞、『プラナリア』で直木賞を受賞するなど有名な女流作家で、彼女の文章だけでも一読の価値あり。プラスいつもの伊藤理佐さんの脱力マンガですので、何ともおトクな1冊ですよ。
笑って笑って、ちょっぴり泣ける【創作漫画おすすめ5冊】
人気のエッセイ漫画の次は<創作漫画>のご紹介です。エッセイ漫画とも通じるのが、人間の本質、本音をさらりと描くところ。それって実はとても難しい技術なんです。シリアスになることなく笑いを交えて恋愛、友情の"リアル"を漫画にするテクニックは、まさに伊藤理佐さんだけの唯一無二の腕前。ぜひご一読ください!
『おるちゅばんエビちゅ』
伊藤理佐さんの初期の大ヒット作がこちら。可愛いタイトルに可愛いハムスターの絵。表紙だけ見て「子どもに読ませてみようかしら…」、なんて思った人は今すぐストップ!うっかり子ども向けと勘違いすることなかれ。本作は<ちょいエッチなネタあり>大人向けのギャグ漫画です。可愛らしいハムスターとアダルトなギャグのギャップがとても面白く話題となり、なんと短編アニメにもなりました。(ちなみにアニメ企画担当は、庵野秀明氏!)
さらに2012年頃から、突如インターネットをきっかけに韓国でリバイバルブームが起こり、キャラクターグッズが売れるなど異例の展開を見せました。そしてそして!ファン歓喜のえびちゅ再始動!現在『漫画アクション』にて続編『おるちゅばんエビちゅ ちゅ~』が連載中です。(2020年10月現在。)
『ミックスリサ ~伊藤理佐傑作集~』
単行本未収録作品を含む、『は行でいこう』などの4本の漫画をまとめた文庫本。「友達の彼女を妊娠させてしまう男」、「不倫中のいとこに恋をしてしまう男」などちょっと普通じゃない恋愛模様が描かれた作品集です。
漫画家さんの中には、良くも悪くも初期の頃から作画、タッチが大きく変わっていく方もたくさんいますが、伊藤理佐さんは"ブレない"タイプ。いたってシンプルな線で描かれる理佐ワールドな作品からは「時代が変化を続けても人間ってそんなに変わらないよね」という普遍さを読み取ることができます。
『おいピータン‼』
伊藤理佐ファンの間では圧倒的支持を受ける、不動の人気作がこちら!雑誌『Kiss』に連載されたオムニバスのショートコミック。1話ごとカップルや職場の同僚など登場し、恋愛、仕事にまつわるストーリーが描かれます。中でも妙に男気ある小太りの「大森さん」とキッチリ結び髪のメガネ女子「渡辺さん」のカップルのエピソードが徐々に作品の中心となっていきます。
『おいピータン‼』の魅力は幅広く、巧みなストーリーのみならず、"食・料理"も大きな読みどころの一つ。「恋人とたい焼きを半分こするとき、どう分ける?」「油分たっぷりのシチューで恋が冷める…」。そんなさり気ない一場面で、相手の価値観や相性が見えてくることも、ありますよね。読み口はライトなのに、とっても深い本作品は、第29回講談社漫画賞少女部門賞を受賞しました。
『あさって朝子さん』
ライフスタイル情報誌『Hanako』で4年にわたり連載された、東京で働くOL・朝子が送るドタバタの日々を描いたショート漫画。わずか見開き2ページで、OLたちの日常をユーモア&「あるある!」で表現できちゃう伊藤理佐さんは、やっぱり天才!
「若い、若くないの境目ってどこ?」「今まで付き合った男の共通点は?」などなど、読み始めると止まらない!1冊あっという間に読んでしまいます。『おいピータン‼』の大森さんが登場するなど嬉しいコラボシーンも。
『おいクロタン!』
先に紹介した『おいピータン‼』の大森さんが飼っている黒猫のクロ。このクロが登場する4コマ漫画がこちらです。『おいピータン‼』好きなら読まないわけにはいきません。大森さんと渡辺さんと、クロ。2人のクロへの愛はもちろん、伊藤理佐さん自身の猫に対する愛情がひしひし感じられる猫マンガとも言えます。
猫を飼っている人ならよくわかるシーンや仕草がたまりません。また、漏れ出るクロの心の声がまた可愛い!ただの猫好きのみなさんにもオススメする猫マンガです!
"オットの人"は一世を風靡した、あの漫画の作者だった!
みなさん、お待たせしました!こちらで伊藤理佐さんの旦那さんについてご紹介します。
伊藤理佐さんの旦那さんは、一世を風靡した『伝染るんです』の作者・吉田戦車さん! むっつりとしたカワウソ、泣きながら飛ぶカブトムシの斉藤さん…。なんとも不思議なキャラクターと世界観が話題となった不条理ギャグマンガ『伝染るんです』は、吉田戦車さんの代表作です。
冒頭でも書きましたがお二人の結婚は漫画ファンの間ではちょっとしたニュースになりました。補足ですが、お二人ともバツイチ同士の再婚とのこと。それらも作品中でごく自然に書かれています。
また吉田戦車さんの意外なお仕事のひとつが、NHK「おかあさんといっしょ」の体操「からだ☆ダンダン」の作詞を担当されたということ(2019年)。小さなお子さんがいる人は知らずに耳にしているのではないでしょうか。マンガにとどまらない吉田さんの多彩な才能が感じられますね。
吉田戦車さんとの結婚にも驚きましたが、伊藤理佐さんのお友達も実に豪華!なんです。日常生活を綴るエッセイ漫画の中で垣間見ることができる、華麗なる交友関係もマンガ好きには興味深いもの。ベビーシッターを紹介してもらったり猫を譲り受けるなど親しい間柄の西原理恵子さんや、もはや日本を代表する女性漫画家・萩尾望都さん、代表作『あたしンち』でお馴染みのけらえいこさんなど、そうそうたる顔ぶれにビックリです。
吉田戦車さんの作品
オットの人から見た、伊藤理佐さんとの子育ての日々を描いた作品です。
『まんが親』
伝説の不条理マンガはこちらです!主役はかわうそ…インパクト強!!
『伝染るんです』
まとめ
今回は中古本店スタッフが一押しの伊藤理佐さんをご紹介しましたが、いかがでしたか?一度読んだら記憶に残る、稀代の漫画家さん。知っている人も知らなかった人も、本当にどの作品も面白くおすすめですので、興味を持ってもらえたら嬉しいです。
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ライティング担当 : otake札幌在住の40代2児の母。趣味は読書。小説からエッセイ、漫画まで何でもこいの雑食派。好きな作家は横山秀夫、誉田哲也、角田光代、篠田節子、乃南アサなど。とくに人間の本音や心の闇に迫る作品に惹かれる。テレビも好きで、笑えるバラエティで忘れた笑顔を取り戻す。一度手放した思い出の漫画たちを買い戻すことを目標に日々働く。すべての家事を終えて飲む一杯が一番の癒し。 |