• 2022/09/06
  • 2020/09/15

『ゴールデンカムイ』が超絶面白い!あらすじと人気の秘密に迫る

TVアニメも大人気!アイヌの金塊を巡るサバイバル漫画『ゴールデンカムイ』の面白さを徹底解明!本作は、野生動物を豪快に料理する狩猟グルメ漫画としても注目を集めています。北の大地で繰り広げられる熱いバトルに加え、変人だらけのキャラの魅力も余すところなくご紹介します。

ゴールデンカムイの漫画

『ゴールデンカムイ』ってどんな漫画?

アイヌ。金塊。サバイバル。ヒグマ。グルメ。

『ゴールデンカムイ』(通称:金カム)を端的に言い表したら、きっとこんなカオスなキーワードになるはずです。本作は野田サトルさんによる青年漫画で、「週刊ヤングジャンプ」にて2014年より連載スタート、そして2022年4月28日発売の22・23合併号で堂々完結!約8年にわたる連載に幕を下ろしました。

連載当初は男性を中心にじわじわと人気を伸ばし始めましたが、2016年には「マンガ大賞2016」大賞、2018年には「手塚治虫文化賞」マンガ大賞に輝くなど快挙を成し遂げています。そして今ではアニメ化だけにとどまらず、さまざまなコラボ商品が発売されるほどメジャーな作品となりました。それでは人々を惹きつけてやまない『ゴールデンカムイ』のあらすじを見ていきましょう!

『ゴールデンカムイ』あらすじ

舞台は、ゴールドラッシュに沸いた明治末期の北海道。日露戦争での鬼神のごとき闘いっぷりから「不死身の杉元」という異名を持つ主人公・杉元佐一は、北海道に来ていました。それは幼なじみである梅子が目の病気にかかってしまい、その治療代が必要となるため。そこで、杉元はアイヌが隠した莫大な埋蔵金の噂を耳にすることに。そんな中、杉元は冬眠明けで気が立っている巨大なヒグマに襲われ、間一髪のところでアイヌの少女・アシパに命を救われます。

そこで判明したのは、"のっぺら坊"と呼ばれる謎の男が、アシパの父・ウイルクを殺しアイヌの埋蔵金を奪ったということ。のっぺら坊は、北方にある網走監獄の中から外にいる仲間に金塊の隠し場所を伝えるためにある方法をとったというのです。なんと囚人たちの身体に金塊のありかを記した入れ墨を彫り、脱獄させるという荒業!その暗号を解くためには、すべての囚人の「刺青人皮」を手に入れる必要があるとのこと。梅子の治療代を手に入れたい杉元と、父の仇を打ちたいアシパ。利害が一致した2人は手を組むことに。

『ゴールデンカムイ』は、"和風闇鍋ウエスタン"と表現されるほどさまざまな要素を詰め込んだ冒険活劇です。1巻だけを読むと「なかなか硬派な漫画だなぁ」という印象だったのですが、読み進めていくうちに何でもアリのごった煮状態に(笑)豪快すぎるアイヌ飯、ワイルドすぎる野生動物(主にヒグマ)との闘い、そして変態キャラのオンパレード!もうとにかく面白くて笑わずにはいられない、最高のサバイバル漫画なんです。今回は、古本店『もったいない本舗』のスタッフsakuraも大ファンである、『ゴールデンカムイ』の魅力について徹底的に語りつくします!

ゴールデンカムイ1巻

ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックス)

作者野田サトル

出版社集英社

出版年月2015年1月


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『ゴールデンカムイ』が面白すぎる<5つの理由>とは

"アイヌ"というと、普段馴染みがないワードだけに「ちょっと手を出しづらい」と感じる人も多いはず。でも『ゴールデンカムイ』は、そんなハードルをいとも簡単に超えてきました。それではなぜ本作があらゆる年代に愛される漫画になったのでしょうか?『ゴールデンカムイ』が面白い<5つの理由>を、さまざまな角度から読み解いていきましょう!

① サバイバル漫画×ギャグ要素の絶妙なバランス

『ゴールデンカムイ』のベースとなっているのは、アイヌの莫大な埋蔵金を巡るサバイバル漫画なのですが、読み進めていくうちにどんどん"ギャグ要素"が多くなっていくのが特徴。金塊のありかを知るためには囚人たちの皮膚に描かれた刺青「刺青人皮」を集める必要があり、当然囚人は極悪人揃いですから死闘が繰り広げられます。そのため、ときには容赦ないグロ描写もあるのですが、それをうまく中和しているのがギャグです。「そこでその変顔持ってくる?」「やだコイツ変態!」みたいなシーンが多々出てくるので、いかなるときでもシリアスになりすぎずに、エンターテイメントに徹した漫画として楽しむことができます!

② (控え目に言って)個性的すぎるキャラクター揃い!

のちほどキャラクター紹介でも取り上げますが、『ゴールデンカムイ』にはたくさんの登場人物が出てきます。そのほぼすべてが控え目に言って「個性的」。正確に表現すると「奇人変人」の集まりなんです(笑)主人公・杉元は、一見するとちょっとイケメンの優しそうなお兄ちゃんという感じですが、そもそも「不死身の杉元」と呼ばれるくらいですから並大抵の男ではありません。ときには親を殺された小熊を助けたりと愛情深い一面を垣間見せることもありますが、敵には鬼神のごとき闘いっぷりです。ほかにも常に額当を付けた鶴見中尉や、そぎ取られた自分の耳を持ち歩く二階堂、怪力の柔道家・牛山など、普通のキャラクターがいない!というぐらい個性派ばかりです。

③ 豪快なアイヌグルメが満載!ヒンナ、ヒンナ。

『ゴールデンカムイ』はグルメ漫画だと思っている人もいるほど、食事のシーンがたくさん登場します。基本的にアイヌは狩猟で捕った野生動物をその場で料理するレシピが多く、「これぞアイヌ飯!」という豪快なグルメばかりです。作中ではアイヌの少女アシパさんがその豊富な知識を活かして料理をしてくれるのですが、捕らえたリスなどの動物を刃物でたたいてひき肉状にする「チタタプ」のほか、脳みそに塩をかけて食べたり目玉を食べたり。(あくまでも杉元が無理やりアシパに食べさせられる)アイヌ料理でも行者ニンニクとか食べていたんだなぁとか、ふと思いました。そして食事に感謝する言葉を忘れずに!「ヒンナ、ヒンナ。」

④ 実はヒグマが主役?動物のリアルな生態に驚き!

皆さん、「クマ」と聞くとどんなイメージがありますか?テディベア、くまのプーさんのような可愛いクマを思い浮かべる人もいると思いますが…。いえいえ、北海道のヒグマはそんな生易しい生き物ではありません。山の中でヒグマと対峙したら、おそらく9割の人が死を覚悟するでしょう。『ゴールデンカムイ』では、知られざるヒグマの生態をリアルに説明しているんです。冬眠明けのヒグマの恐ろしさ。自分の巣穴に入ってきた人間を殺さないという言い伝え。そして絶望的なほどの人間との体格差!アイヌ語ではヒグマは「キムンカムイ(山の神)」と呼ばれ畏れ敬われている存在。作中では、数えきれないほどさまざまなヒグマの登場シーンがあり、まさにヒグマが主役の漫画と言っても過言ではありません!

⑤ さまざまな文献・資料にもとづく正確な内容

『ゴールデンカムイ』を読んで驚かせられるのが、その参考文献の膨大さ!アイヌの歴史や暮らしなどきちんとした文献や資料にもとづき描かれています。細部にわたるまで正確に描かれることで、本作により深みとリアリティが生まれているのだと思います。ちなみに本作は、千葉大学教授(アイヌ語研究者)の中川 裕さんがアイヌ語監修を務められているほどの徹底っぷり。『ゴールデンカムイ』を入口として、アイヌ民族に興味を持つ人もいるのではないでしょうか。ただし、史実では箱館戦争で戦死したと言われている土方歳三なども登場しており、やはりエンターテイメントに徹したフィクションとして読むのが正解でしょう。

【主要キャラクター紹介】奇人変人の個性派揃い

さきほども述べたように、『ゴールデンカムイ』のキャラクターは個性派揃いです。個性派と言えば聞こえは良いですが、とにかく奇人変人の類ばかりなのです。(誉めてます!)敵も味方も、真っ当な人間はおそらくひとりも登場しないのではないでしょうか。それでは、本作に出てくる主要なキャラクターをご紹介します。皆さんはどのキャラがお好みですか?

※以下、アニメ版の声優もあわせて記載。一部ネタバレあります!

杉元一派
杉元 佐一
(すぎもと さいち)
声:小林親弘
杉元佐一 元大日本帝国陸軍一等卒の青年。日露戦争時には、その鬼神のごとき闘いっぷりと、重傷を追っても翌日には回復して戦場を駆けまわっていたことから「不死身の杉元」という異名を持つ。死んだ幼なじみの妻・梅子の眼病の治療費を得るため、砂金採りのために北海道に渡ってきた。しかし、そこで莫大なアイヌの埋蔵金の噂を耳にする。突如現れたヒグマに襲われたところを、アイヌの少女・アシパに助けられる。年下ながらアシパのことを"さん"付けして尊敬している。
アシ
※アシパの「リ」は小書き片仮名の「リ」。
声:白石晴香
アシㇼパ 杉元が北海道で出会ったアイヌの少女。ポーランド人×樺太アイヌ混血の父と、北海道アイヌの母の血を引いたクォーター。父親ゆずりで目の色は濃紺色。アイヌを誇りとしながらも、古き慣習にとらわれず現実的で柔軟な見方をする。狩猟の腕は抜群で、ヒグマに対しても物怖じはしない。杉元をはじめとする同行者には、よくアイヌ料理を作り反応を楽しんでいる。美少女だが頻繁に変顔を披露する。杉元が持っていた"味噌"をしばらくオソマ(大便)だと勘違いしていた。
白石 由竹
(しらいし よしたけ)
声:伊藤健太郎
白石由竹 入れ墨をもつ脱獄囚のひとり。頻繁に脱獄しまくることから「脱獄王」の異名を持ち、自らの関節を自由自在に脱臼させてどんなに狭いところでも出入りすることができる。また言葉巧みに情報を引き出すこともできることから、間諜役として重宝している。(しかしアシパからは役立たず扱いされている)基本的にお調子者で愛されキャラである。動物からよく頭をかじられる。金塊の分け前をもらうことを条件として、杉元たちに協力することに。
キロランケ
声:てらそままさき
キロランケ アシパの父・ウイルクの友人。元陸軍第七師団の工兵部隊であり、手榴弾や爆弾を自作する技術がある。ロシア系少数民族出身のアイヌで、ロシア語のほかアイヌ語、日本語などを自在に話すことができる。謎多き人物であり、杉元からはあまり信用されていない様子。幼いころから馬と一緒に育ってきたため、その表情や仕草を見ただけで馬の体調を見極めることができるほどである。
インカマッ
※インカマッの「ラ」は小書き片仮名の「ラ」。
声:能登麻美子
インカラマッ コタン(アイヌの村)に居ついた占い師の女で細目の美人。何を考えているのかわからず謎多きキャラである。インカマッという名前の意味は"見る女"。「千里眼」を持つと言われており、白狐の頭骨を使った占い「シラッキカムイ」を行う。少女のころはアシパの父・ウイルクとともに放浪をした過去を持ち、彼を慕っていた。アシパからは信用されておらず、"誑かすキツネ"と呼ばれている。
土方一派
土方 歳三
(ひじかた としぞう)
声:中田譲治
土方歳三 新選組の「鬼の副長」。箱館戦争で戦死したことになっているが、実は素性を隠し戦地から落ち延びていた。入れ墨を入れた囚人たちを脱獄させた主犯格。既に齢70を越えた老人であるが、血気盛んで未だにその体力・判断力ともに衰えは見られない。ある壮大な目的を達成すべく、活動資金を得るために銀行を襲撃、第七師団を打ち倒すことを目論んでいる。
牛山 辰馬
(うしやま たつうま)
声:乃村健次
牛山辰馬 刺青囚人のひとり。額の四角く硬いタコと、独特の柔道耳が特徴である。ヒグマや馬などを投げ飛ばすほど常人離れした怪力の持ち主であり、かつては10年間無敗の柔道家として名をはせていた。「無敗の牛山」との異名を持つ。基本的に紳士であり相手を敬う心を持っているが、裏切り者には容赦なく制裁を加える。金塊の分け前を目当てに土方と手を組むことに。
永倉 新八
(ながくら しんぱち)
声:菅生隆之
永倉新八 元新選組の隊士であり、土方の部下にあたる。鳥羽・伏見の戦いの後は、新選組を抜け小樽に移住した。既に老人であるが、剣の腕は未だ衰えず若かりしころの血の気の多さが垣間見えることも。土方と再会した後は、同志として活動を再開し、活動資金やロシアから仕入れた武器を土方に提供している。
第七師団
鶴見 篤四郎
(つるみ とくしろう)
声:大塚芳忠
鶴見篤四郎 中尉。大日本帝国陸軍の師団「第七師団」において、アイヌの埋蔵金を付け狙う主導者である。両目のまわりの皮膚がむけ、頭蓋骨の一部が欠損しているため額当を付けている。刺青人皮でできた肌着を身に着けるなど、残虐な性格で突飛な発言が目立つも理知的な一面もあり、部下たちの中には鶴見に心酔する者も多い。
尾形 百之助
(おがた ひゃくのすけ)
声:津田健次郎
尾形百之助 上等兵。凄腕のスナイパーであり、300メートル以内なら確実に頭部を打ちぬくことができる男。銃をはじめ各種武器の取扱いや装備には詳しい。一匹狼タイプで表情に乏しく、何を考えているのかわかりづらい。自らの父と母を殺害、腹違いの弟を狙撃するなど身内にも容赦がない。鶴見に背いて謀反を起こし、杉元一味と行動を共にすることに。アシパには密かに興味を寄せている。
谷垣 源次郎
(たにがき げんじろう)
声:細谷佳正
谷垣源次郎 一等卒。秋田出身の元マタギの生真面目な青年。任務の途中で、不審なアイヌの少女(アシパ)を追跡、保護しようとしたが白銀のエゾオオカミ・レタㇻに襲われ失神する。自らの不注意によりアマッポ(アイヌの狩猟罠)により矢毒を受けてしまい、アシパの応急処置で命を取り留める。その後は、アイヌの村で療養生活を送ることになる。
月島基
(つきしま はじめ)
声:竹本英史
月島基 軍曹。低い鼻と目元のシワが特徴的。比較的常識人であり、鶴見からの信頼が厚い。駆け落ちを約束していた女性(いご草ちゃん)がいたが、日清戦争から帰還後、彼女は行方不明になっていた。実父を殺し、死刑囚となる。しかし鶴見の説得により生きる希望を取り戻し、「ロシア語が堪能なら部下にする」と話を持ちかけられる。その後、ロシア語を死ぬ気で勉強し、今では不自由なく通訳ができる。
鯉登 音之進
(こいと おとのしん)
声:小西克幸
鯉登音之進 少尉。褐色肌で貴公子のような整った顔立ちの薩摩国の武士。上級指揮官へのエリートコースを歩んでいる。子どもっぽくエゴイスティックな性格の持ち主で、興奮すると早口の薩摩弁になってしまうという特徴がある。上司の鶴見に傾倒しており、彼の写真を持ち歩いているほど。
二階堂 浩平
(にかいどう こうへい)
声:杉田智和
二階堂浩平 双子の兄弟(浩平・洋平)の片割れ。兄弟ともに残虐な性格で、禁じられていたにもかかわらず捕らえた杉元を、独断で拷問の上殺そうとした。杉元に返り討ちに遭い洋平を失った後は、杉元に復讐することだけを考えて生きてきた。ヒグマからの襲撃で左耳を失い、その耳をいつも携帯しそれを洋平に見立てて会話をするという、謎の奇行をする。鶴見への忠誠心はあまりない。

TVアニメ『ゴールデンカムイ』が大人気!第4期情報も

『ゴールデンカムイ』原作ファンの人でも、原作未読の人でも絶対に楽しめるのがアニメ版です!!正直原作を読んでいる人には「え、あんなシーンやこんなシーン、アニメにしちゃって良いの?」とドギマギしてしまうのではないでしょうか(笑)もちろん根底にあるのはアイヌの金塊を探すというシリアスかつサバイバルなストーリーなんですが、本作の魅力はその合間合間で披露されるギャグとジビエ(狩猟料理)にあります。それをアニメで観られる日が来るなんて…!

動く杉元やアシパさんたちを観られるのは、原作ファンにとってもたまらないですよね。ネタバレのため多くは触れませんが、sakuraは「ラッコ鍋」の回では涙が出るほど笑いました…。原作同様アクの強い作りではありますが、好きな人はとことん好きなのでは。アニメーション制作はジェノスタジオ。既にTVアニメ第1期から第3期までが放送され、第4期は2022年10月3日より放送開始!ファンの方は必見ですが、それ以外の方もぜひ第1期からご覧下さいね。

金カムファン必見。いつか行きたい"聖地巡礼"スポット

効率良く『ゴールデンカムイ』ゆかりの地を巡りたい!というファンの皆さんにおすすめなのは、「北海道開拓の村」です。札幌市の野幌森林公園内にある野外博物館で、札幌市民ならば必ず一度は行ったことのある人気スポット。こちらでは、『ゴールデンカムイ』に登場するモデルとなった建物があちこちにあり、コミックと見比べて「このシーンだ!」と楽しむことができるんです。"聖地巡礼"するなら、絶対におすすめのスポットです。

※画像をクリックすると拡大します。
旧三〼河本そば屋
本編2巻で登場したお蕎麦屋さん。小樽に立ち寄った杉元たちがにしん蕎麦を食べているシーンがありましたね。中に入ると献立表があり、それも作中のものと全く同じ。ぜひ見比べてみて下さいね。ヒンナ、ヒンナ。
旧納内屯田兵屋
旧納内屯田兵屋
こちらも本編2巻で登場しました。わかりづらいですがお気づきでしょうか?アシパとレタラが杉元を探しに来たときに、"脱獄王"の白石が潜伏していた小屋です。小物まで隅々が再現されているのに驚きます。
旧山本理髪店
旧山本理髪店
本編6巻で登場した理髪店。ここはね、感動しますよ。外観も内部も漫画そのままですから!尾形が顔そりをしてもらっていたシーンがそのまま再現されている人形もあります。
旧浦河支庁庁舎
浦河支庁庁舎
本編6巻で出てきた、家永カノが経営する「札幌世界ホテル」のモデルです。ホテル自体にさまざまなトラップが仕掛けられた迷宮ホテルでしたが…実際はとても可愛らしい建物ですね。

ここでは紹介しきれませんでしたが、「北海道開拓の村」には他にもゴールデンカムイの元ネタになった建物がまだまだあります。漫画片手に、隅々まで探してみるのも面白いかもしれませんね。敷地内はとても広いので、少なくとも1万歩は歩きます。散策するなら歩きやすい靴がマストです!

アイヌのことがもっと知りたい!関連本紹介

「今まで全くアイヌのことを知らなかった」という人も、『ゴールデンカムイ』を読んで俄然興味が出てきた!という声があちこちで聞かれます。アイヌの歴史や独特の文化、数々の昔話や郷土料理などに、関心を持つ人が増えてきたようですね。そこでアイヌのことがもっと知りたい!という人のために、古本店『もったいない本舗』のスタッフsakuraがおすすめする読みやすいアイヌ関連本を4冊ご紹介します。この機会にぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

アイヌ関連書籍

アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」

アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」

アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」

作者中川 裕 (著)/野田 サトル (イラスト)

出版社集英社

出版年月2019年3月


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まさに『ゴールデンカムイ』ファンのために作られた副読本です!著者の中川 裕さんは、『ゴールデンカムイ』のアイヌ語監修者。やはり漫画の人気は、エンターテイメント性を重視したストーリーの中にも正確に裏付けられたリアリティがあるからなんだなぁ、と思います。漫画では、何も知らない杉元に対してアシパさんがアイヌの文化についてちょくちょく説明してくれるシーンがありましたが、本作を読んでいると「〇巻の第〇話のあのエピソードはこういうことだったんだ!」と合点がいくのではないでしょうか。アイヌ入門編としてはぴったりの本です。

1時間でわかるアイヌの文化と歴史

1時間でわかるアイヌの文化と歴史

1時間でわかるアイヌの文化と歴史

作者瀬川 拓郎 (監修)

出版社宝島社

出版年月2019年6月


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タイトルにあるように"1時間でわかる"というのは少し言い過ぎだと思いますが(笑)図や写真などをふんだんに使い、わかりやすくアイヌ文化とその歴史を紹介しています。例えば『ゴールデンカムイ』にも出てきた「イオマンテ」(熊送り)という儀式は、北海道の阿寒などでもよく耳にする言葉ですが、具体的にどのような儀式を指すのか?またアシパが小熊に感情移入しないようにしていた理由などが、本作を読むとよくわかります。カラーなので初心者でも挑戦しやすい一冊です。

アイヌと神々の物語~炉端で聞いたウウェペケレ~

アイヌと神々の物語~炉端で聞いたウウェペケレ~

アイヌと神々の物語~炉端で聞いたウウェペケレ~

作者萱野 茂

出版社山と渓谷社

出版年月2020年3月


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読み物として単純に面白いのが『アイヌと神々の物語』。本作は、著者が祖母や村のフチ(年長のおばあさん)から聞いたアイヌの38の昔話を集めたものです。一般的な日本の昔話とは一味もふた味も違って、独特で不思議な世界が広がっています。アイヌはクマとの結びつきが強い民族なので、やはりクマが登場するお話が多いですね。ひとつの物語が終わると、イラスト付きの解説が入るのでとてもわかりやすいですよ。寝しなに、1編ずつ読むのも良いかもしれませんね。

熱源

熱源

熱源

作者川越 宗一

出版社文藝春秋

出版年月2019年8月

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第162回直木賞受賞作としても記憶が新しい『熱源』。本屋大賞2020にもノミネートされましたね!本作はエンターテイメント作品ですが、実在した人物をベースとしています。他国から踏みにじられ、時代に翻弄された樺太アイヌの生き様が描かれた作品で、これがまためちゃくちゃ面白いのです!物語ベースになっていることで、より彼らに感情移入することができ、淡々と綴られる筆致からは静かな「熱」が伝わってくる傑作小説です。本作をきっかけにアイヌに興味を持つ人もたくさんいるのではないでしょうか。

まとめ

『ゴールデンカムイ』は、サバイバル、アイヌ、グルメ、変態キャラなどさまざまな要素を詰め込んだ闇鍋漫画です。"アイヌ"と聞くと「何だか難しそう…」という先入観があった人も、ふたを開けてみれば最高のエンターテイメントが待っています!埋蔵金を巡る命のバトルロイヤルを楽しんでも良し、豪快すぎるアイヌ飯を再現してみるも良し、あとは杉元×アシパの友達以上・兄妹未満の関係に萌えるも良いでしょう。皆さんはどんな読み方で本作を楽しみますか?

なんと実写映画化が決定している本作!ファンにとっては「あのシーンを実写化できるのか」という期待半分、不安半分といったところでしょうか。まずはTVアニメで、動く杉元やアシパを眺めて楽しむも良し!また原作を読みたいという人は、ぜひ『ゴールデンカムイ』全巻セットを購入してみて下さいね。

▼3分で振り返り!TVアニメ「ゴールデンカムイ」(ネタバレ注意!)
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sakura
ライティング担当 : sakura

札幌在住30代。本や少年コミックを読むことが大好きで、家事の合間にハイボールを飲みながら読書をするのが至福のとき。小説はイヤミス、ホラー、児童文学まで好きなジャンルは多岐にわたり、ラストですべてがひっくり返される「大どんでん返し」本を好んで読む。子どもの頃からホラー映画が好きで、最近は『死霊館』や『インシディアス』など心の奥底まで恐怖心をかきたてられるようなジェームズ・ワン監督作品に魅了されている。

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