• 2020/04/15

【スタッフ厳選】絶対に読みたいおすすめファンタジー小説50選!

ファンタジー小説を子供の読むものだと思っていませんか?剣と魔法のファンタジーだけだと思ったら大間違い!日常と隣り合わせの作品だったり、ホラーテイストの作品だったりとさまざま。古本店『もったいない本舗』のスタッフが厳選した国内外のファンタジー小説をご紹介します!

ファンタジーの世界

ファンタジー小説ってどんなもの?

みなさん、ファンタジー小説と聞けばどんな作品を思い浮かべますか?『ハリー・ポッター』を代表するような剣と魔法を使ったファンタジー、またはドラゴンなど架空の生き物が出てくるような小説を連想する人が多いのではないでしょうか。子供の頃は読んでいたけれど、大人になるにつれて読まなくなってしまった…という声も多く聞かれます。

でも実は、ファンタジー小説ってとても奥が深いんです。大人でも楽しめるようなちょっぴりダークなファンタジーだったり、必ずしもハッピーエンドで終わるわけではないものも数多く存在します。また近年では和製ファンタジーも大人の読者を中心に人気を集めており、ファンタジー小説はまさに群雄割拠の時代。

「一体何から読めば良いのかわからない!」という人のために、古本店『もったいない本舗』のスタッフsakuraが厳選した、国内外のおすすめファンタジー小説50作品をご紹介します。ファンタジーを語る上で絶対に外せない名作から、ちょっとマイナーな作品までランキング形式で幅広くピックアップしましたので、ぜひ最後までお付き合いください!

<スタッフおすすめ>国内ファンタジー小説35選!

絶対に外せない!後世まで残したい名作6選

初めにご紹介するのは、これだけは外せないと思う名作6作品。ファンタジー作品に初めて挑戦する人やちょっと苦手意識がある人は、まずは国内の作家さんの王道作品から読んでみるのがおすすめです。一生の宝物になるであろう名作たちを想像力をフルにしてお楽しみください!

名作ファンタジー

1位 『精霊の守り人』(著者:上橋菜穂子)

精霊の守り人

精霊の守り人

作者上橋菜穂子

出版社新潮社

出版年月2007年4月

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後世まで残したい名作の第1位は、迷うことなく<守り人シリーズ>を選びます!『精霊の守り人』を一作目とする本シリーズは、人間の世界(サグ)と精霊の世界(ナユグ)などその独特な世界観が魅力です。ファンタジーでありながら、その世界に暮らす人たちの生活が見え、息遣いが感じられるほどのリアリティがあるのです。

本作の主人公は、短槍使いの女バルサ。通常、ファンタジー小説の主人公というと<努力家・華がある・若い>というのが定番ですが、バルサは全くの正反対です。髪を一本に束ねた中年女。しかもどういう人生を歩んできたのか、どことなく厭世的な雰囲気が漂っています。でもこのバルサの生き方とカッコ良さに魅了される読者が続出!子供から大人まで幅広い読者に支持されています。

著者の上橋菜穂子さんは、児童文学のノーベル賞と言われている「国際アンデルセン賞」作家賞の受賞歴もあり、今世界中で和製ファンタジーが注目されているんです。まだ<守り人シリーズ>を読んだことのない方は、まずは『精霊の守り人』から順番に挑戦してみて下さいね。全10巻のほか、短編集や外伝が発売されています。


2位 『月の影 影の海』(著者:小野不由美)

月の影 影の海

月の影 影の海

作者小野不由美

出版社新潮社

出版年月2012年7月

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日本発祥の大人気ファンタジーとして、<十二国記シリーズ>も外すことはできません。本シリーズはなんと1991年から読み継がれてきた壮大なファンタジー作品で、日本中に熱狂的なファンが多数存在します。実はsakuraもその一人で、中学生のときに「十二国記」に出会って衝撃を受けて以来、かれこれ20年以上のファンです。

あまりにも重厚で唯一無二の作風とでも言うべきでしょうか。私たちの住む世界と、地図に載らない異世界<十二国>。シリーズ一作目『月の影 影の海』では、日本で暮らすごく普通の女子高生・中嶋陽子がある日突然「ケイキ」と名乗る男に、異世界へ連れ出されるところから物語は始まります。中華風の緻密な世界観をベースに、最初は泣き言ばかりの少女が、権謀術数渦巻く世界で強く逞しく成長していくストーリー。読み始めたら途中で本を置くことのできない面白さです!

ちなみに本シリーズは、十二国のさまざまな国を舞台として描かれているのが特徴。作品毎に登場人物も異なりますが、それぞれきちんとリンクされているのがファンにとって嬉しいところですね。出版順で読むか、時系列順で読むかなどさまざまな楽しみ方があります。また、外伝的な作品『魔性の子』は、シリーズ読了前と後のどちらに読むかで、大分受ける印象が変わりますよ!近いうちに<十二国記シリーズ>の特集も書きたいなと思っている今日このごろです。


3位 『空色勾玉』(著者:荻原規子)

空色勾玉

空色勾玉

作者荻原規子

出版社徳間書店

出版年月1996年

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日本神話をベースとしているファンタジーとして、根強い人気を誇っているのは『空色勾玉』『白鳥異伝』『薄紅天女』から成る<勾玉三部作>です。まだ人々が神と密接に結びついていた時代。この時代を舞台にした作品って、実はかなり珍しいのではないかと思います。古事記や日本書紀を下敷きにした作品と聞くと「ちょっと難しそう…」となかなか食指が動かないかもしれませんが、全然そんなことはありません。一度読み始めれば、ページを繰る手が止まらない和風ハイ・ファンタジー作品に仕上がっています。

個人的には、<勾玉三部作>の一作目『空色勾玉』が一番好きです。闇の氏族に生まれながら光を愛する少女・狭也と、逆に光の御子でありながら闇に焦がれてしまう少年・稚羽矢。いつの時代も自分とは相反する存在に惹かれてしまうというのは恋愛における定石ですね。稚羽矢が狭也の力によって、徐々に自分を取り戻していく様に、読者は思わずキュンとさせられるはず!

荻原さんの描く少年少女はどれも魅力的です。男の子は中性的な美しさを持っていたり、女の子は元気で生命力にあふれています。続編の『白鳥異伝』はヤマトタケル伝説をベースにしていたり、『薄紅天女』では奈良時代を舞台にしていたりと、<勾玉三部作>はそれぞれ独立した作品なのでどれから読んでも大丈夫!あなたのお気に入りのキャラクターを見つけてみて下さいね。


4位 『獣の奏者 闘蛇編』(著者:上橋菜穂子)

獣の奏者 闘蛇編

獣の奏者 闘蛇編

作者上橋菜穂子

出版社講談社

出版年月2009年8月

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先ほど<守り人シリーズ>でご紹介した上橋菜穂子さんの、別の人気シリーズが<獣の奏者シリーズ>です!こちらもアニメ化&コミカライズされており、幅広い年齢層に支持されています。本シリーズは<闘蛇>と<王獣>という2つの生き物が登場します。主人公の少女・エリンの母親は、獣ノ医術師として<闘蛇>の世話をしてきたものの、<闘蛇>が死んだという理由で罰として処刑されてしまうのです。

なぜエリンの母親の一族は疎まれていたのか?なぜ<闘蛇>に食い殺されて処刑されなければいけなかったのか?村を追われたエリンの人生が一から始まるとはいえ、ファンタジー小説としてはあまりに過酷な幕開けです。これはもはや児童書ではなく、大人ですら辛い展開なのではないでしょうか。獣ノ医術師を目指すエリンは、自分を拾ってくれた蜂飼いのジョウンや、<王獣>の子リランとの出会いを通してさまざまなことを学んでいきます。

本シリーズは、「闘蛇編」「王獣編」「探求編」「完結編」のほか「外伝・刹那」が発売されています。正直「完結編」はあまりにも切なくて再読するのには勇気が要るのですが、本当にこの本に出会えて良かったと心から思えるシリーズです。ちなみに、本作に登場するイアルがとんでもなくカッコイイのでご一読を。


5位 『霧のむこうのふしぎな町』(著者:柏葉幸子)

霧のむこうのふしぎな町

霧のむこうのふしぎな町

作者柏葉幸子

出版社講談社

出版年月2003年3月

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取り上げられることは不思議と少ないのですが、個人的にとてもおすすめしたいファンタジー小説が『霧のむこうのふしぎな町』です。初出は1975年で、なんと今から45年近く前!現代でも全く色あせることのない作品というのは素晴らしいですよね。映画「千と千尋の神隠し」に影響を与えたとも言われており、永遠の名作としてぜひ読み継がれていって欲しい作品です。

主人公の少女リナは、小学6年生の夏休みに1人で旅に出ることになります。「霧の谷」という洋館が立ち並ぶ不思議な町でリナが出会ったのは、何ともおかしな町の人々。そのうえ動物まで個性的なのだから驚きです。食べても食べても太らないお菓子や、口の悪いオウムなど、本作には幼い頃に想像したようなファンタジー要素がたっぷり詰まっています!

余談ですが、スタジオジブリの青春映画「耳をすませば」では、天沢聖司くんがこの『霧のむこうのふしぎな町』を読んでいるくだりがあるんですよ。聖司くんもこの本読んでいたんだ!と思うと、俄然読む気がわいてきませんか?(笑)ぜひとも映画でもこのシーンを探してみて下さいね!


6位 『童話物語』(著者:向山貴彦)

童話物語

童話物語

作者向山貴彦

出版社幻冬舎

出版年月2001年7月

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こちらも何故か話題に上がることが少ないのですが、ぜひとも後世まで残してもらいたい名作ファンタジー小説です。こんなに素晴らしい作品なのに、いまいち表舞台に上がって来ないのは何故だろう?と考えて…ふと気付きました。そうだ、主人公の性格が悪いんだ…!!(笑)正しくは、性格が悪いというよりも心が荒んでいると言うべきでしょうか。ファンタジー小説の主人公としては、異色の設定かもしれませんね。

主人公の少女ペチカは、幼い頃に母親を亡くし、周囲から虐げられて育ちます。毎日ろくに食べることもできず、ぼろきれ同然の衣服を身にまとった少女。人間心に余裕がないと、他の人に優しくなれないものなのですね。ペチカがこんな性格になってしまったのも、育った環境を考えると仕方のないことです。

永遠に時がとまった妖精の国の住人フィツや、昔ペチカをいじめていた少年ルージャンの心境の変化。さまざまな人たちとの出会いを通して、ペチカは成長を遂げていきます。上巻はもしかするとペチカの性格の悪さに辟易するかもしれませんが、下巻に入ると途端に面白くなります。独自の通貨や時間の概念も面白いので、巻頭ページを眺めながらじっくりと浸って下さいね。


じっくり腰を据えて読みたい長編作品4選

次にご紹介するのは長編のファンタジー小説。どの作品もストーリーやキャラクター設定が秀逸で、時間を忘れてのめりこんでしまうこと間違いなし。長編作品は、作者独自の設定なども多くいつの間にかその世界に入り込んでしまうのが特徴です。中には100冊を超える超大作もありますが、気負わずにぜひ挑戦してみていただきたいです!

長編ファンタジー

1位 『グイン・サーガ』(著者:栗本薫)

グイン・サーガ

グイン・サーガ

作者栗本薫

出版社早川書房

出版年月1983年1月

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じっくりと腰を据えて読んで欲しい長編ファンタジーといえば、まずは栗本薫さんの『グイン・サーガ』でしょう!sakuraはこのシリーズとともに青春時代を過ごして来たと言っても過言ではありません。自分を読書好きにしてくれたのは、間違いなく『グイン・サーガ』のおかげです。栗本さんが亡くなったことによって、この壮大なヒロイック・ファンタジーは惜しくも130巻で未完となってしまいました。それでも、今からこのシリーズを最初から読める人が羨ましくてたまりません!

本シリーズは、豹頭の戦士グインを主人公とした作品。新興国モンゴールの奇襲により、滅亡の危機に瀕していたパロ。パロの家臣は、古くより伝わる古代装置を使って王太子レムスと双子の姉リンダを安全な場所へ移送しようとするのですが、あろうことか間違えて死霊たちが跋扈するルードの森へ転送されてしまうのです。そこで二人を助けた男は、「グイン」という自分の名と「アウラ」「ランドック」という言葉以外は何も覚えておらず、しかも作り物ではない豹頭。

最初の1巻目から見事に引き込まれてしまったのを覚えています。国の興亡と裏切り、複雑に絡み合った恋愛模様、また主人公はどこから来たのかという謎。登場人物がどれも魅力的すぎて、キャラクターだけで一日中語れそうです(笑)現在は複数作家が引き継ぎ、随時続刊されていますが…やはり栗本さんが書いた『グイン・サーガ』の結末を読めないのが残念でなりません。


2位 『デルフィニア戦記』(著者:茅田砂胡)

デルフィニア戦記

デルフィニア戦記

作者茅田砂胡

出版社中央公論新社

出版年月2003年1月

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ドラクエなどのRPGが好きなら、是非とも読んでいただきたいのが『デルフィニア戦記』です。何しろ世界観がゲームそのもの。先ほどご紹介した『グイン・サーガ』に比べると、かなりライトなファンタジーでテンポ良く進んで行くので、初心者でもとっつきやすいのではないかと思います。そして勧善懲悪の世界観なので、思い切りストレス発散できるという思わぬ効果も!

謎の騎士たちに囲まれ孤立無援の青年ウォルが、今まさに倒れようとしているところから物語は始まります。彼を助けたのは、わずか12、3歳に見える少年。とても人間とは思えない見事な剣さばきで次々と敵を倒して行くのです。早々にこの少年は、少女であることが判明するのですが、類まれな美貌を持ちながらも外見には無頓着で、しかも辟易するほどの口の悪さ。朴念仁タイプのウォルと、野生的な少女リィとの掛け合いが最高です。

本シリーズは、重厚なファンタジーを期待するとちょっと肩透かしかもしれません。逆に、キャラ読みしたい人やコミカルな展開が好きな読者には、まさにうってつけの小説だと思います。全18巻+外伝が出ているので、夏休みや冬休みに一気読みするにはちょうど良い巻数かもしれませんね!


3位 『アルスラーン戦記』(著者:田中芳樹)

アルスラーン戦記

アルスラーン戦記

作者田中芳樹

出版社光文社

出版年月2003年2月

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ファンタジー戦記物としては、『アルスラーン戦記』も外すことはできません!著者は『銀河英雄伝説』や『創竜伝』など数々の名作ファンタジーを書かれている田中芳樹さん。本作は『鋼の錬金術師』の荒川弘さんによりコミック化、またアニメ化でも人気が出たのでご存知の方も多いかもしれません。原作はまた違った趣があって面白いので、この機会に読んでみるのはいかがでしょうか。

どこか中世のペルシアを思わせる異世界が舞台。宗教国家ルシタニアの侵攻により、屈指の強さを誇っていたパルス王国は一夜にして滅亡してしまいます。14歳のアルスラーン王子は、部下一人を連れて戦場から脱出するのですが…。こうやってあらすじを書いていると、『グイン・サーガ』と似ている気がしますね(笑)

本シリーズの魅力は、主人公アルスラーンの脇を固めるキャラクターがとにかく個性的なこと!「戦士の中の戦士」である黒衣黒馬のダリューンや、策謀家でありながらなぜか宮廷画家を希望している美男子ナルサス。めちゃめちゃ強い美貌の女神官ファランギースも魅力的です。刊行ペースが6〜7年空いたこともありましたが、2017年に全16巻にて完結しています。コミック版と読み比べて見るのも楽しいですよ。


4位 『彩雲国物語』(著者:雪乃紗衣)

彩雲国物語

彩雲国物語

作者雪乃紗衣

出版社KADOKAWA

出版年月2011年10月

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綺麗なお兄さんは好きですか?女性のファンタジー好きさんにぜひ一読いただきたいのが『彩雲国物語』です。長年その人気っぷりに気になりつつも、角川ビーンズ文庫のあのカラフルな表紙に怖気付いて手を出せなかったのです…。でも、思い切って1巻目を読んで見たらもう止まらない!中華風の世界観ですが、ライトな文章でサクサク読めるので「気になっているんだけど〜」という人は気軽に手を出してもらいたいです!

主人公・秀麗は名家のお嬢様なのですが、貧乏で家計は火の車。そんなときに舞い込んできた仕事は、即位まもないダメ王様の教育係というものだったのです。しかも仕事期間中は、貴妃として後宮に入らなければならないという条件付き。顔は十人並み、でも頭が良く家事を完璧にこなす秀麗と、超絶美形の王様・劉輝の関係はどうなる?!

王様も官吏もみんな美形!というありえないハードルも平気で超えてくるのがファンタジー小説です(笑)小説の中だけだもの、現実逃避をしたって良いではないですか…。ちなみにsakuraは静蘭贔屓ですが、皆さんはどうですか?小説全18巻+外伝・連作短編集が発売されています。ビーンズ文庫に抵抗がある人は、装丁が大人向けに一新された角川文庫でも随時刊行されていますので挑戦してみてください!


超能力があれば最強!サイキック系作品5選

「もし、超能力や魔法が使えたらなぁ…」と、誰しも一度は考えたことがあるのではないでしょうか。ファンタジー小説の中でも外せないのが超能力や特殊能力を題材にした小説。スピード感あふれるバトルものもあれば、優しさにあふれるものまで多種多様です。現実では決して体験することのできないサイキック系ファンタジーをぜひお楽しみ下さい。

サイキック系ファンタジー

1位 『新世界より』(著者:貴志祐介)

新世界より

新世界より

作者貴志祐介

出版社講談社

出版年月2008年1月

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他を寄せ付けない圧倒的な面白さに、ただただ呆然としたのがこの『新世界より』です。SFファンタジーとでも言うのでしょうか。もともと『黒い家』や『悪の教典』などを代表とするホラー作品を中心として書かれてきた貴志さんですが、正直まさかこんなに面白いファンタジー小説を書かれるとは不意打ちでした。細部まで作り込まれた緻密な世界観はもはや見事と言う他なく、是非とも今後も読み継がれて行って欲しい作品です!

本作は、1000年後の日本が舞台となっています。「呪力」が当たり前のように使える世界で、それをうまく使えない子供たちには「ネコダマシ」が忍び寄ると言う不穏な噂。そして悪鬼と業魔の恐ろしい伝説に加え、外から悪いものが入って来ないようにするためのしめ縄。一見すると日本の田舎町といった風情の「理想郷」で、実は子供たちは巧みに管理されていたのです。

ハードカバー上下巻というボリュームですが、寝る間も惜しんでという言葉がぴったりなほど読みふけってしまった作品です。ファンタジーですが、随所に貴志さんらしいブラックな一面が垣間見えます。凄惨なシーンもあるものの、それ以上に「すごいものを読んでしまった」という感動の方が強かったですね。読了後には、ドヴォルザーク「家路」の哀愁的なメロディーが脳内に流れているはずです。


2位 『光の帝国』(著者:恩田陸)

光の帝国

光の帝国

作者恩田陸

出版社集英社

出版年月2000年9月

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恩田作品の中でもとりわけファンタジー色が強いのが『光の帝国』です。本作は<常野物語シリーズ>の一作目で、将来を見通したり、膨大な書物を暗記できたりと超人的な力を持つ常野(とこの)一族のことが描かれています。過去に何度も再読を重ねていますが、切なく温かく、読むたびに「戻ってきた」という安心感が得られる作品です。

本作は連作短編集で、色々な「不思議な力」を持った人々が登場しますが、彼らに共通するのは決して群れることなくひっそりと周りに埋もれて暮らしていること。どの登場人物も非常に理知的で、権力を持つことはありません。でも自分と違う個性を持った人間は、いつの時代も異分子扱いされてしまうのですね。とても孤独で、哀しい一族です。

<常野物語シリーズ>は、続編として『蒲公英草紙』と『エンド・ゲーム』が発売されています。『エンド・ゲーム』はシリーズの中でも若干毛色が違い、唯一ホラーテイストの作品です。「陽」と「陰」あなたはどちらがお好きですか?3冊ともそれぞれ異なる面白さがあるので、ぜひまとめて読んでいただきたいです!


3位 『ほたるの群れ』(著者:向山貴彦)

ほたるの群れ

ほたるの群れ

作者向山貴彦

出版社幻冬舎

出版年月2012年10月

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先ほど『童話物語』で紹介した向山さんの別シリーズです。『童話物語』とは打って変わって、血生臭さムンムンなのがこの『ほたるの群れ』。タイトルと表紙からは想像できないですが、正直ファンタジーで「ここまでやってしまって良いのか」と思いました。決して児童書にはできないダークファンタジー小説です(笑)

主人公は、ごくごく普通の中学生の永児。彼が思いを寄せる少女・喜多見は、極秘組織「会」の殺人現場を目撃してしまい、命を狙われることになります。「会」「駒」「塾」など数々の組織が登場しますが、序盤は謎だらけ。だれが味方で、だれが敵なのかわからず、また組織内部の異常性も相まって読者はやきもきさせられます。

惜しむらくは、著者の向山さんが2018年に47歳という若さで亡くなってしまったことです。『ほたるの群れ』は4巻まで出ていましたが、未完のまま終わることになりました。素晴らしい才能が失われてしまったことは、本当に残念でなりません。続きが気になってしまうのを承知で本作に挑戦する方には、最高に面白い読書体験ができることをお約束します!


4位 『RDG レッドデータガール』(著者:荻原規子)

RDG レッドデータガール

RDG レッドデータガール

作者荻原規子

出版社KADOKAWA

出版年月2011年

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前述した<勾玉三部作>でご紹介した荻原規子さんの別シリーズで、こちらも人気の高い作品です。『空色勾玉』は古代日本を舞台としていましたが、『RDG』は現代。sakuraは荻原さん独特の古風な世界観が好きだったので、正直最初は現代が舞台と聞いてがっかりしたんです。でも読み始めたら、やはりそこはさすがプロのお仕事で、あっという間に引き込まれてしまいました。

荻原作品は積極的で元気な女の子が主人公になることが多いのですが、本シリーズの主人公・泉水子は珍しく全く別のタイプです。引っ込み思案でいつもおどおどした女の子。それに腰まで届く長いお下げ髪にメガネ姿です。…なんていうか、とても地味ですね(笑)でも、さなぎがやがて美しい蝶になるように、泉水子が自分の殼を破って能力を開花させる様が何とも小気味良いのです。

世界遺産となる神社で生まれ育った泉水子の隠された家系の秘密、山伏として修行を積んできた同年代の少年・深行、そして真響・真夏・真澄の三つ子などキャラが個性派揃いです。本シリーズは全6巻なのでとっつきやすいかもしれませんね!コミック化、テレビアニメ化もされているので合わせてどうぞ。


5位 『光車よ、まわれ!』(著者:天沢退二郎)

光車よ、まわれ!

光車よ、まわれ!

作者天沢退二郎

出版社ジャイブ

出版年月2008年9月

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本作は、子供の頃に読んで「とにかく怖かった」という印象を持っている人もいるかもしれません。初出は1973年ですが長らく幻の名作と言われてきました。そして2004年に単行本で復刊、さらに2008年に人気イラストレーター・スカイエマさんのモダンなイラストで文庫化され、密かにファンを増やしている作品です。sakuraがこの作品に出会ったのは大人になってからですが、子供の頃に読んでいたらおそらくトラウマになっていたことでしょう…。

もしも裏側の世界があったなら、と誰もが一度は想像したことがあるのではないでしょうか。でもそれがとてつもなく恐ろしい世界だったとしたら?始まりは、ある雨の日。ごく浅い水たまりで子供たちが水死するという不可解な事件が頻発するのです。水たまりの裏側にあるのは「さかしまの世界」。主人公・一郎は神秘的な美少女・龍子とともに不思議な力を宿す光車を探すことになります。

現実と幻想の境目が歪んだとき、水たまりの裏側から黒い生き物が動き始めます。決して西洋のファンタジーにはない、じめっとしたまとわりつくような恐怖と不安感。何とも鮮烈なイメージを心に残してくれます。いつ読んでも色あせることのない名作ファンタジーをお楽しみ下さい!

不思議は日常と隣り合わせ?日常系作品6選

日常の中にあるちょっと不思議な物語。独特の世界観が素晴らしく、視点を変えればこうもとらえ方が変わるのか、と驚かされることでしょう。突飛な設定のファンタジー小説が苦手な人や、平坦な毎日に飽き飽きしている人には特におすすめ。気分転換にはもってこいのジャンルです。

日常系ファンタジー

1位 『夜市』(著者:恒川光太郎)

夜市

夜市

作者恒川光太郎

出版社KADOKAWA

出版年月2008年5月

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夢中で遊んでいて、ふと独りぼっちだったことに気付いた黄昏時。神社の妖しげな薄明りに照らされた小道をじっと見つめていたこと。幼い頃は意識してはいなかったけれど、漠然となにか「別の世界」への入口を探していたように思います。『夜市』は、心の奥底にしまい込んだそんな記憶を呼び起こしてくれます。

2005年日本ホラー小説大賞受賞作です。とはいえ、昨今のホラー小説はその幅も広くなってきており、本作はどちらかというとファンタジー色が強い作品ではないでしょうか。望むものならなんでも売っているという夜市。幼い頃、弟と一緒にこの夜市にきた主人公は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れたのです。その後野球部のエースとして活躍したものの、罪悪感に苛まれ弟を買い戻すためにふたたびこの夜市を訪れることに…。

初めてこの作品を手に取ったとき、懐かしさと切なさがないまぜになったようなノスタルジックな気持ちに浸ったことを覚えています。以降、ことあるごとに再読するほどお気に入りの作品となりました。時空の裂け目に入り込んでしまったかのような感覚で、薄い本ながらも心に刻まれる読書体験となること請け合いです。


2位 『かがみの孤城』(著者:辻村深月)

かがみの孤城

かがみの孤城

作者辻村深月

出版社ポプラ社

出版年月2017年5月

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ミステリーを得意とする直木賞作家の辻村深月さん。2018年に本屋大賞を受賞した『かがみの孤城』は、ミステリーとファンタジーを見事に融合した著者の最高傑作となりました。これほどまでに悲しく優しい物語があったでしょうか。日本中を温かな涙でいっぱいにした本作は、年齢性別問わずずっと読み継がれて欲しい新たな名作です。あらゆる人に自信を持ってオススメします。

いじめなどが原因で学校に行けなくなってしまった7人の子供たち。ある日突然光る鏡に誘われて手を伸ばすと、そこには別世界のお城があったのです。現実とは離れた世界で交流をする同年代の子供たちは、やがてお互い心を許し始めるのですが、そこにはある疑問が生じます。なぜこの7人が集められたのか?なぜ彼らは外の世界で会うことはできないのか?すべてが明らかになったときの驚きと感動と言ったら!

今は、かつてないほど子供たちが生きづらい世の中だと思います。想像を絶するような陰湿ないじめや、徹底的に異分子を排除しようとする動き。本作は、ファンタジーながら時折ドキリとさせられるほどのリアリティがあります。読了後に、再度表紙絵を見直してみてください。また新たな発見があるかもしれません。


3位 『家守綺譚』(著者:梨木香歩)

家守綺譚

家守綺譚

作者梨木香歩

出版社新潮社

出版年月2006年10月

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日常に当たり前のように存在する不思議を描いた作品といえば、『家守綺譚』を読まずして日常ファンタジーを語ることはできません!四季折々の美しい草花、ゆったりとうつろいゆく時間、そして日々の生活に自然と溶け込んだ不思議。本作を読めば、どんなささくれだった心もふわりと包み込んでくれるような心地になります。

舞台は明治時代。主人公・綿貫は、若くして亡くなってしまった友人・高堂の実家に「家守」として住むことになります。既にこの世にはいないはずの高堂が、掛け軸の中からボートを漕いでこちらにやってくるくだりが大好きです。「どうした高堂。逝ってしまったのではなかったのか。」「なに、雨に紛れて漕いできたのだ。」普通は幽霊だなんだと大騒ぎするはずですよね(笑)でも綿貫は、おかしなことも怪奇現象も当たり前のこととして受け入れるのです。

その日から綿貫のまわりで不思議な出来事が起こり始めます。何故だかサルスベリの木に慕われたり、狸から恩返しをされたり、挙句の果てには河童まで登場するのです。綿貫とその愛犬ゴローの大物感といったら半端ないです。何とも不思議な読み心地で、ずっとこの世界観に浸っていたくなります。続編『冬虫夏草』もあわせてどうぞ!


4位 『扉守 潮ノ道の旅人』(著者:光原百合)

扉守 潮ノ道の旅人

扉守 潮ノ道の旅人

作者光原百合

出版社文藝春秋

出版年月2012月8月

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表紙イラストから受ける印象が、そのまま文章になったような作品ですね。物語全体に優しくゆったりとした時間が流れているようです。瀬戸内海と山に囲まれた「潮ノ道」という架空の町が舞台で、著者光原さんの出身地である広島県尾道がモデルとなっています。尾道は急な坂道や、迷路のような路地など独特な雰囲気がありますよね。不思議な日常がどこに潜んでいてもおかしくない、という気がします。

本作は連作短編集で、潮ノ道に起こるさまざまな出来事が描かれます。時には切なく、時にはちょっぴりホラーのスパイスも効かせて、あっという間に読者を幻想的な世界に連れて行ってくれます。個人的には桜の絵の中に迷い込んでしまう『桜絵師』が一番好きでした。現実と幻想は隣り合わせなのですね。昔見た懐かしい風景が、まるで目の前にあるかのような錯覚を覚えます。

ちなみに光原さんは他にも素晴らしいファンタジー作品を数多く書かれていて、ケルト神話をベースにした『銀の犬』やギリシャ神話ベースの『イオニアの風』なども、とても面白いですよ!ぜひあなたのお気に入りの光原作品を探してみてくださいね。


5位 『妖怪アパートの幽雅な日常』(著者:香月日輪)

妖怪アパートの幽雅な日常

妖怪アパートの幽雅な日常

作者香月日輪

出版社講談社

出版年月2008年10月

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児童書としても根強い人気を誇っているのが『妖怪アパートの幽雅な日常』です。「優雅」ではなく「幽雅」なのがまた良いではないですか。本作の主人公は、両親を小さい頃に交通事故で亡くした夕士。彼は、高校進学とともに年季の入ったボロアパート"寿荘"に入居します。格安物件だし、一時の辛抱だ…と思った夕士は、次々と不思議な出来事に遭遇することに。

"寿荘"は、かなりアクの強い住人たちが暮らすのですが、そこは妖怪や幽霊たちが同居する「妖怪アパート」だったのです。麻雀を楽しむ妖怪、クリンとした目の少年の幽霊、それにとてつもなく美味しいご飯を作ってくれる手首だけ(!)の妖怪など個性的なメンバー揃い。それでも怖さというのは微塵もなく、心がすっかり荒んでいた夕士は徐々に本来の優しい心を取り戻していきます。

こんなアパートなら、例えボロボロでもぜひ下宿したい!と読者は思うはず。それぐらい妖怪たちとの生活は毎日温かくにぎやかです。時折、母親に殺されてしまった少年と犬のお話など、思わず胸を打たれるエピソードを挟みつつ、最後には決まってすがすがしい気持ちになれる良作ファンタジー小説です。全10巻+番外編が発売されています。


6位 『ブレイブ・ストーリー』(著者:宮部みゆき)

ブレイブ・ストーリー

ブレイブ・ストーリー

作者宮部みゆき

出版社KADOKAWA

出版年月2006年5月

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宮部さんが、ファンタジー小説?!と驚かれた方もいるのではないでしょうか。確かにミステリーのほかSFや時代物も書かれていることは知っていましたが、ファンタジーに限ってはまるで畑違いのジャンルだと思っていたんです。でも読んでみたら、ファンタジー作家さんも尻尾を巻いて逃げるほどのガチガチな本格ファンタジー。宮部さんの引き出しの多さを、改めて実感させられた作品です。

主人公である小学生・ワタルの家庭は、崩壊寸前です。突然の両親の離婚話から始まり、父親は家を出てしまいます。ある日ワタルは、工事中のビルの中に異世界への入口を見つけてしまい、「幸せな家庭を取り戻したい」という一心で運命を変えるために幻界(ヴィジョン)へと旅立ちます。

異世界ものでありながら、始まりはとてもシビア。現代パートは冗長ともとれるほど丁寧に描かれています。そういったリアリティが、おそらく人生の機微に通じた大人の読者に支持されているのではないでしょうか。文庫で上中下巻となかなかのボリュームですが、ぜひとも挑戦していただきたい作品です。アニメ映画化、ゲーム化もされていますよ!

もう現実に戻れない…世界観どっぷり作品7選

「続きが気になって仕方がない…!」どっぷりと寝食を忘れて読みふけってしまうような作品もご紹介します。物語の世界観から戻りたくない、と思えるような作品に出会ったときこそ、本好きとしては冥利に尽きるのではないでしょうか。きっとこの先もずっと、あなたと一緒に人生を歩んでくれるはずです。

世界観が良いファンタジー

1位 『煌夜祭』(著者:多崎礼)

煌夜祭

煌夜祭

作者多崎礼

出版社中央公論新社

出版年月2013年5月

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一度本を読み始めて、どっぷりとその世界観にハマってしまった作品はありますか?本を置いた後もしばらく呆然となってしまうほどの読書体験ができたら、本好きとしてはとても幸せなことですよね。sakuraはそんな体験ができた作品第1位は間違いなく『煌夜祭』を選びます!何度も何度も再読を重ねるたびに好きになってしまう作品。ジャケ買いでしたが、本作に出会って間違いなく自分のファンタジー観が変わりました。

「C★NOVELS大賞」大賞受賞作です。ある冬至の夜、廃墟で二人の語り部が夜を徹して交互に披露する物語。それは彼らが世界中を回って見聞きした話で、千夜一夜物語形式で語り手が次々に代わっていきます。彼らの話に共通しているのは、冬至が来ると人を喰う魔物の話。見た目は普通の人間ですが、冬至の日にはその本能を抑えられなくなるのです。

本作で特筆すべき点は、緻密なプロットです。それぞれの語り部により交互に披露される話は、最初こそ全く繋がりがないように見えますが、徐々にお互い重なり合う部分があることに気付きます。第1話から、まさか伏線が張られていたなんて!中盤以降、ひとつの流れに収束したときの感動と充足感と言ったら、なかなか味わえるものではないです。ファンタジー好きの人は、ぜひご一読を!!


2位 『NO.6』(著者:あさのあつこ)

NO.6

NO.6

作者あさのあつこ

出版社講談社

出版年月2006年10月

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徹底的に管理された社会、理想郷に見えた街の裏の顔。こんなキーワードが好きな人は、『NO.6』(ナンバーシックス)シリーズをおすすめします。私は文庫化されたものをリアルタイムで読んでいたのですが、新刊が出るたびに続きが気になってやきもきし…またしばらく間が空いて新刊を読んで…というのを繰り返していました。それほどまでに面白いですし、数年間どっぷりとのめり込んでしまったシリーズです。

犯罪もなく、自殺もない。人々の理想が実現した未来都市《NO.6》で、幼い頃から最高ランクのエリートとして育てられた主人公・紫苑。彼は12歳の誕生日に、矯正施設から脱走した少年・ネズミと出会ってから人生がガラリと変わってしまいます。一件完璧に見えた《NO.6》の繁栄の裏側では、ごく一部の人間以外は隔離された「西ブロック」でまるでゴミのように扱われていることを知ったのです。

天真爛漫でお人よしな紫苑と、都市の裏側の闇の部分を知り尽くしたネズミ。全く正反対の世界で生きる2人ですが、行動を共にするうちに徐々にお互いなくてはならない存在となります。光と闇、富裕層と貧困層、過去と未来。ありとあらゆる狭間で必死に生きる2人が見つけた一筋の光とは。全9巻と外伝が出ています。ラストも最高なので、ディストピア小説がお好きな人は必読です!


3位 『孤笛のかなた』(著者:上橋菜穂子)

孤笛のかなた

孤笛のかなた

作者上橋菜穂子

出版社新潮社

出版年月2006年12月

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<守り人シリーズ>、<獣の奏者シリーズ>に続き3度目の登場となる上橋さんです!やはり「ファンタジー」=上橋さんという構図が出来上がっていますよね。『狐笛のかなた』はシリーズものではないので、初心者の人も気軽に挑戦しやすいのではないかと思います。心が洗われる小説というのはこのような作品のことを言うのではないでしょうか。

主人公の少女・小夜は、ある日の夕暮れ、犬に追われる子狐を助けます。野火というその子狐は、実はこの世と神の世の"あわい"にすむ霊狐だったのです。人間と狐の恋ってどんなものなのでしょう。お互いを想う気持ちがあまりにも一途で、泣きたくなってくるほどです。

本作は、自然の描写が例えようもなく美しいのも特徴です。冒頭から始まる満月の光に照らされたすすきの原。すすきの穂が海のように波打っていく様子は、日本の昔の原風景を思い起こさせる描写で、日本人ならおそらく誰もが既視感を覚えるのではないでしょうか。西洋ファンタジーが主流の中、日本に根付いた和製ファンタジーのすばらしさを教えてくれる素敵な作品です。


4位 『西の善き魔女 セラフィールドの少女』(著者:荻原規子)

西の善き魔女 セラフィールドの少女

西の善き魔女 セラフィールドの少女

作者荻原規子

出版社中央公論新社

出版年月2004年10月

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こちらも<勾玉三部作>や<RDGシリーズ>などで紹介した荻原規子さんの別シリーズです。『西の善き魔女』は王道の中世ファンタジーで、キャラクターを中心に人気を集めています。『勾玉三部作』から入った場合、もしかするとあまりの作風の違いに違和感を覚える人もいるかもしれません。でもそこはさすがの荻原ワールドで、読み進めるうちにたちまちその世界観にのめり込んでしまうことでしょう。

本作は文庫で全8冊が出ていますが、ストーリーや舞台が目まぐるしく変わり、一時も読者を飽きさせない工夫がされています。荒れ野の少女の話から始まったかと思えば、学園ものに突入、そしてあっという間にSFチックな流れへと移行します。ちょっと性急すぎやしませんか?と思う部分がなくもないのですが、魅力的なキャラクターの前ではそんなことは些事でしかありません(笑)

少女フィリエルの出生の秘密とは?亡き母から受け継いだ青い宝石とは?幼なじみルーンとの恋の行方は?昔少女漫画を読みながらひそかに夢見たことを、また再びかみしめています。女性のファンタジー好きさんに読んで欲しいシリーズです。


5位 『ミミズクと夜の王』(著者:紅玉いづき)

ミミズクと夜の王

ミミズクと夜の王

作者紅玉いづき

出版社KADOKAWA

出版年月2007年2月

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最近ファンタジー作家として密かに人気を集めているのが紅玉いづきさんです。紅玉さんは本作『ミミズクと夜の王』で第13回「電撃小説大賞」大賞を受賞しました。当時、「電撃小説らしくない」と話題になっていたのを覚えています。まるで童話を読んでいるかのような独特な世界観と、どこかうら悲しくなるようなストーリーは、それまでの電撃小説とは一線を画していました。

魔物がいる夜の森に現れた少女ミミズク。彼女の両手両足には外れることのない鎖と、額に「332」の焼き印があったのです。そして、美しき夜の王に向かって「自分を食べてくれ」と言うのですが…。紅玉さんの言葉選びがとても美しく、ライトノベルにありがちな気になる擬音語はありません。日本語の美しさと神秘的な雰囲気を堪能できるような童話ファンタジーに仕上がっています。

奴隷の少女と魔物の王、という異色の組み合わせではありますが、物語の根底にあるのは間違いなく純愛です。2人の関係性の変化と、まるでおとぎ話を読んでいるかのような柔らかさは、すさんだ心をきっと潤してくれるはずです。「ライトノベルだから」とあなどらずに、一度手に取ってみていただきたいです。


6位 『ユリエルとグレン』(著者:石川宏千花)

ユリエルとグレン

ユリエルとグレン

作者石川宏千花

出版社講談社

出版年月2008年4月

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ヴァンパイアものが好きな人なら迷わずおすすめします!<ユリエルとグレンシリーズ>は、タイトルそのままの兄弟の物語なのですが、2人はかなり特殊です。兄のグレンは、幼いころヴァンパイアに噛まれたものの再び血を与えられて死なずに済み、その代償として12歳のまま成長が止まったヴァンパイアになったこと。そして弟のユリエルは、ヴァンパイアに噛まれても平気な「無限の血」の持ち主なのです。

ヴァンパイアものといえば、今では現代を舞台にした作品などさまざまな作品が出てきていますが、もともと私たちが持っている「ヴァンパイアの印象」といえば、やはり中世ヨーロッパが舞台ではないでしょうか?常に重く垂れこめたような雲に、ひどく閉鎖的で陰鬱な村。本作はそんな印象にピタリと合致した作品で、独特の重々しい空気感を思う存分味わうことができます。

グレンの身体を人間に戻すことはできるのか?兄弟の旅は苦難を極めますが、その兄弟愛に時々ほっこりさせられます。どことなく『鋼の錬金術師』のエドとアルに似ている気がしますね。<ユリエルとグレンシリーズ>は全3巻。「ヴァンパイア」「兄弟」のキーワードにビビッときた人は、ぜひ読んでみてくださいね。


7位 『本好きの下剋上』(著者:香月美夜)

本好きの下剋上 兵士の娘Ⅰ

本好きの下剋上 兵士の娘Ⅰ

~司書になるためには手段を選んでいられません~

作者香月美夜

出版社TOブックス

出版年月2015年2月

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このコンテンツを読んで頂いているということは、きっとさぞや本好きの方なのでしょう。そんな本を愛する皆さんにおすすめしたいファンタジーが『本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~』です。サブタイトル長いですよね(笑)それに最近のラノベっぽくて読む気が起きない…そんな人もいるのではないでしょうか?

確かに本シリーズは、気軽に読めるライトノベルです。でも、本好きが本に捧げる愛情をストレートに表現した作品は、今までありそうでなかったのではないですか?今まで、本好きというだけでなんとなく肩身の狭い思いをしてきた、というあなた。「趣味は読書です」と胸を張って言いたいけど言いづらい、というあなた。このシリーズを読めば、きっと次の日から自信を持って「本好き」をアピールできるはずです!!

話が逸れました、閑話休題。本作は日本の図書館で就職が決まっていた女性が、事故で命を落としたのち、異世界の少女マインに転生する話です。劣悪な環境、大の読書好きなのに本どころか紙さえ手に入らない世界。それなら本を作ってしまおう!と奮起するストーリーです。現在19冊+外伝が出ています。思った以上に骨太設定で面白いので、本好きさんはぜひ読みましょう!


これは一味違う!上級者向け作品7選

国内作品、最後にご紹介するのは一風変わったファンタジー作品です。万人受けはしないけれど、好きな人は確実に好きであろう作品の数々。一筋縄ではいかない展開は、百戦錬磨の上級者さんにぴったりです。王道ファンタジーに飽きてしまった人におすすめしたい7作品をご紹介します。

上級者向けファンタジー

1位 『旅のラゴス』(著者:筒井康隆)

旅のラゴス

旅のラゴス

作者筒井康隆

出版社新潮社

出版年月1994年3月

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『旅のラゴス』は1994年の文庫版発売以来、じわじわと売上を伸ばし続けているロングセラーです。またここ数年で、SNSなどでの発信により口コミでも一気に人気が広がった作品。決して派手な売り方はしていないのに、これだけ長きにわたり売れ続ける作品というのは、おそらく読者の琴線に触れるものがあるのでしょうね。

ファンタジーでありながら、近未来的なSF要素も含まれ、それと同時に郷愁も感じてしまうという何とも不思議な心地がする本です。旅を続ける主人公ラゴスは、未来とも古代ともつかない文明が失われた世界で壁抜けや集団転移、すべてを頭に記録できる子供などさまざまな能力を持つ人々と出会います。ラゴスの旅の目的とは何なのか?

sakuraは実はこの本をジャケ買いしたのですが、結果大当たりでした!本のファーストインプレッションって意外と大切なもので、それが生涯における自分の宝物になるかもしれません。壮大な物語である本作も、誰かの宝物になることを切に願います。いつでも手元に置いて欲しいファンタジー小説です。


2位 『鹿の王』(著者:上橋菜穂子)

鹿の王

『鹿の王』(著者:上橋菜穂子)

作者上橋菜穂子

出版社KADOKAWA

出版年月2014年9月

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おなじみの上橋菜穂子さん、再び登場です!上橋さんは決して筆の早い作家ではないものの、書く本すべてが不朽の名作になる予感を秘めています。本作『鹿の王』も同様で、2015年本屋大賞を獲得して以来、ずっとそのファンを増やし続けています。医療系ファンタジーと言ったら固く聞こえますが、民族間の対立、宗教と医学などさまざまな要素が内包された素晴らしいファンタジー小説です。

ある岩塩鉱にて、突如として侵入してきた謎の犬に噛まれて死んでいく奴隷たち。静かに、そして猛烈なスピードで蔓延する疫病。あまりにもむごい物語の幕開けです。犬に噛まれても生き残った主人公ヴァンは、同じくかろうじて難を逃れた少女ユナを拾います。ヴァンのパートと同時に、一方で若き天才医師ホッサルのパートも同時進行で進められていきます。

謎の疫病の原因を解くという、ファンタジーとしては一風変わったストーリーで、最初は少し難しく感じるかもしれません。でも一度この世界に入り込むと、ディテールまでしっかり作り込まれた世界観で、すぐに引き込まれてしまうことでしょう。上下巻の他、続編『鹿の王 水底の橋』が発売されています。


3位 『有頂天家族』(著者:森見登美彦)

有頂天家族

『有頂天家族』

作者森見登美彦

出版社幻冬舎

出版年月2010年8月

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ちょっぴり変わったファンタジーを楽しみたいという人は、森見さんの『有頂天家族』はいかがでしょうか?本作の主人公は何と「狸」。狸の4兄弟の話をそれはそれは大真面目に書いているものだから、それだけで笑えてきます。何と言っても可愛いのは、あらすじに書かれている「傑作・毛玉ファンタジー」というフレーズ。私はもうこれだけで本作を買ってしまいました(笑)

京都に暮らす狸の4兄弟は、偉大な父から阿呆の血だけを引き継いだへなちょこ揃いです。他の作品の例にもれず、森見作品に限っては「阿呆」というのが最高の誉め言葉。狸たちがすったもんだしながら面白おかしく暮らす様子に、「阿呆だなぁ」と言いつつ最後にはホロリとさせられてしまう良作ファンタジーです。

ちなみに本作は、無駄に四字熟語が多いです。天下無双!呉越同舟!読了後にはついつい四字熟語を多用したくなってしまうことでしょう。狸からユーモアを学び、人生を学ぶ。かつてこんな本があったでしょうか。最後はこれで締めましょう。「面白きことは良きことなり!」


4位 『後宮小説』(著者:酒見賢一)

後宮小説

後宮小説

作者酒見賢一

出版社新潮社

出版年月1993年4月

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1989年日本ファンタジーノベル大賞受賞作です。この賞が創設された記念すべき第一回目で大賞を受賞しました。私は未だ観たことはないのですが『雲のように風のように』というタイトルで、後にテレビアニメ化されたようです。著者の酒見さんといえば戦国時代の中国を舞台とした歴史小説『墨攻』が代表作とされていますが、デビュー作は『後宮小説』なので大分作風が違います!

本作はなんというか…かなり挑戦的な物語です。一言でいえば究極の「嘘っぱち」小説!(悪口ではないですよ)いかにも史実をもとにした歴史小説といった趣で語られますが、もちろんすべて架空の物語。それに「素乾書」「乾史」「素乾通鑑」という歴史書をもとに記されたという記述があるものの、この歴史書だって存在しない嘘っぱちなのです(笑)

舞台は中国を思わせる素乾国。後宮に田舎娘の銀河が入り、やがて正妃の座を射止めるのですが、反乱軍の蜂起により銀河は後宮軍隊を組織するはめに…。使われる漢字は難しいのにどこまでも人を食ったような軽妙な語り口が小気味よく、テンポ良く進んでいきます。そして何よりも登場人物がみな魅力的な作品なので、たくさんの人に読んでもらいたいです。

5位 『烏に単は似合わない』(著者:阿部智里)

烏に単は似合わない

烏に単は似合わない

作者阿部智里

出版社文藝春秋

出版年月2014年6月

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本作『烏に単は似合わない』で、史上最年少の松本清張賞受賞者となり作家デビューした阿部智里さん。20歳でこの作品を書かれたとは驚きです…!過去の阿部さんの読書歴として、今回のコンテンツでも紹介した上橋菜穂子さんの<守り人シリーズ>や、荻原規子さんの<勾玉三部作>を挙げられていましたが、これらの傑作ファンタジーを読んで育った方が、新たなファンタジー作家として登場する時代なのですね。

<八咫烏シリーズ>は『烏に単は似合わない』『烏は主を選ばない』『黄金の烏』『空棺の烏』『玉依姫』『弥栄の烏』の文庫全6巻が発売されていて、新世代の和製ファンタジーシリーズとして若い世代を中心に今人気を集めています。表紙がどれも綺麗で、ついついジャケ買いしたくなってしまいますよね。一見ライトノベル風ではありますが、なかなか重厚な世界観です。

人間の代わりに八咫烏の一族が支配する異世界「山内」を舞台に繰り広げられる、若宮の后選び。権力争いをする四家の貴族から遣わされた、4人の姫君たちの熾烈な争いが描かれます。ファンタジーと思って読み進めていると、本作は途端にミステリーの様相を呈してきます。そしてラストでは驚きの展開!本作は2巻目『烏は主を選ばない』をあわせて読んで初めて面白さがわかると思うので、1巻目で挫折せず、ぜひ続編も続けて読んでみてくださいね!


6位 『バルタザールの遍歴』(著者:佐藤亜紀)

バルタザールの遍歴

バルタザールの遍歴

作者佐藤亜紀

出版社文藝春秋

出版年月2001年6月

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1991年日本ファンタジーノベル大賞受賞作です。しかしファンタジー小説と侮るなかれ!『バルタザールの遍歴』は、ファンタジーとくくるにはあまりにも重厚で、もはや歴史小説といったイメージです。20世紀初頭のウィーンを舞台にひとつの肉体を共有する双子の青年、バルタザールとメルヒオールの奔放な人生を綴った作品。最初に伝えておきますが、本作はファンタジー上級者向けです。

見た目は一人の没落貴族の青年。でも彼には二人の人格が宿っているのです。二重人格というのとはまた違って、全く性格は異なる二人であるものの、互いが互いを補完し合っているとでも言うのでしょうか。バルタザールとメルヒオールは周りから変人扱いされながらも、パリやウィーン、ザルツブルクなど各国を転々としつつ自由奔放で退廃的な人生を歩みます。

これが佐藤さんのデビュー作なんて驚きです!新人作家にありがちな青臭さはまるでなく、数十年も本を書き続けているベテラン作家の作品を読んでいるかのようです。美と醜は紙1枚ほどの違いしかなく、享楽と退廃は隣り合わせなのですね。幻想的な世界観と、読者を酔わせる圧倒的な筆力に思わず脱帽した作品です。皆川博子さんの作品が好きな人もぜひ挑戦してみて下さい。


7位 『金春屋ゴメス』(著者:西條奈加)

金春屋ゴメス

金春屋ゴメス

作者西條奈加

出版社新潮社

出版年月2008年10月

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2005年日本ファンタジーノベル大賞受賞作です。他のファンタジーとはかなり毛色が違って、通常のファンタジーに飽きてしまった!という上級者向けの作品となります。本作の舞台は近未来の日本。そこになぜか鎖国状態の「江戸国」が独立国家として出現します。「えぇと、時代もの?」「でも近未来?」と読者は初っ端から混乱状態!でもそのカオスワールドがまた独特な魅力を醸し出しているのです。

競争率300倍という超難関をくぐりぬけ、「江戸国」への入国を許された主人公・辰二郎。彼の身請け先は極悪非道で知られる「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守。ゴメスのあまりにも強烈なキャラクターにストーリーが正直ついていきませんが、致死率100%という流行病「鬼赤病」の謎を追うという、割としっかりとしたファンタジーミステリーです。

この「江戸国」というのは、電化製品はもちろんのこと薬も病院もないような、まるで江戸にタイプスリップしたかのような不便な場所なのですが、きっと現代人なら誰もが魅力的に感じることでしょう。人間の温かさ、豊かな自然。謎解きやファンタジー云々よりも、人情味たっぷりの「江戸国」の雰囲気を楽しむのが正解です!

<スタッフおすすめ>海外ファンタジー小説15選!

中高生でも楽しめる名作中の名作7選

ここからは海外作家の作品をご紹介。「翻訳作品ってなんだか難しそう…」と思う人も多いかもしれませんが、実は映画化・アニメ化されていたりして、意外と親しみがあるものが多いんです。中高生の皆さんもファンタジーの世界にどっぷりと浸って想像力を鍛えてみてはいかがでしょうか。ストレス発散にもなりますよ!

中高生向け海外ファンタジー

1位 『ハリー・ポッターと賢者の石』(著者:J・K・ローリング)

ハリー・ポッターと賢者の石

ハリー・ポッターと賢者の石

作者J・K・ローリング

出版社静山社

出版年月1999年12月

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世界中どこを見渡しても知らない人はいない!最強の海外ファンタジー小説といえば『ハリー・ポッター』です。映画があまりにも有名になったので、逆に原作小説を読んだことがないという人も相当数いるのではないでしょうか。映画を既に全シリーズ観たという人も、やはり原作は別物でとても面白いですよ。夏休みや冬休み、長期休暇などにシリーズ読破を目標にしてみるのはいかがですか?

本シリーズは『ハリー・ポッターと賢者の石』から始まりました。ストーリーは既にご存じの通りですので、こちらでは省略します。それまでのファンタジー小説とは打って変わって単なる勧善懲悪ものではなく、理不尽な差別や悪の魅力を巧みに描き出したところが世界的大ヒットの一因ではないでしょうか。国によらず誰もが共通して持つ感情やワクワク感を、作者のJ・K・ローリングさんは見事に押さえていますよね。

主人公ハリー・ポッターは欠点だらけの男の子です。それに、彼の友人のロンやハーマイオニーだって、人には言えない劣等感を持っていて決して完璧な人間ではありません。だからこそ読者と等身大の魅力的なキャラクターたちは感情移入の対象となり、彼らの成長とともに自分も一緒に成長していく、そんな気持ちにさせられるのかもしれません。名作中の名作ですので、絶対に本作は外せません!!


2位 『ムーミン谷の冬』(著者:トーベ・ヤンソン)

ムーミン谷の冬

ムーミン谷の冬

作者トーベ・ヤンソン

出版社講談社

出版年月2011年6月

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<ムーミンシリーズ>もまた、世界中で大人気のファンタジー小説です。最近はグッズ展開やカフェなど、キャラクターでも人気を集めていますね。ゆるいカバのような外見のムーミン(実際のところはカバではなく、あくまでも「妖精らしきもの」なのですが)は、日々の生活に追われる忙しない現代人にひとときの癒しを与えてくれます。

ムーミントロールやスナフキン、ちびのミィやミムラ姉さんなど、「キャラクターはなんとなく知っているよ!」という人でも、実は原作をちゃんと読んだことがないという人は沢山いますよね。原作とアニメの違いを存分に楽しめるのもこの<ムーミンシリーズ>の特徴で、原作ではムーミンやスナフキンがかなり毒舌なんです。時々ちょっと引いてしまうぐらいに口が悪く、容赦ない会話に笑ってしまいます。

<ムーミンシリーズ>は、『小さなトロールと大きな洪水』から始まり『ムーミン谷の十一月』で終わる全9作品で、それぞれ魅力たっぷりの作品ですが、中でもsakuraが一番好きなのが『ムーミン谷の冬』です。皆が冬眠する冬、ムーミントロールひとりだけが目覚めてしまったというお話。静謐でピリッと凍てついた冬の様子が伝わり、何度となく読み返したくなる作品です。


3位 『モモ』(著者:ミヒャエル・エンデ)

モモ

モモ

作者ミヒャエル・エンデ

出版社岩波書店

出版年月2005年6月

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何度か『もったいない本舗』の別コンテンツでも取り上げてきましたが、中高生へのおすすめファンタジーとして『モモ』も外すことはできません!ミヒャエル・エンデといえば、映画「ネヴァー・エンディング・ストーリー」の原作『はてしない物語』を挙げる人が多いものの、教訓的で深く考えさせられる作品はやはり『モモ』ではないでしょうか。

町の円形劇場の廃墟に住み着いた、ちょっと変わった少女モモ。人の悩みを消してしまうという不思議な力を持つモモは、"時間どろぼう"の男たちと対決することになります。本作は常に「時間がない」を口癖にする現代人に対する痛烈な風刺を伴っていて、読んでいると自分のことを言われているようでドキリとする人も多いはず。

毎日一分一秒を争って行動している人や、ゆっくり過ごす間もなく常に時間に追われている人。何度も何度も時計を見ないと気が済まない人。あなたの周りにそんな人はいませんか?そしてあなた自身はどうでしょうか。中高生の皆さんはもちろん、大人の皆さんにも是非読んで欲しい作品です。読了後には、きっと<時間>に対する認識が新たになっていますよ!


4位 『ナルニア国物語 ライオンと魔女』(著者:C・S・ルイス)

ナルニア国物語 ライオンと魔女

ナルニア国物語 ライオンと魔女

作者C・S・ルイス

出版社岩波書店

出版年月1985年10月

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世界三大ファンタジーといえば、『指輪物語』『ナルニア国物語』『ゲド戦記』とよく言われますが、中でも中高生の皆さんに一番読んで欲しいのが『ナルニア国物語』です。なぜならば夢がある!「不朽の名作ファンタジー」と銘打ってはいても、中には血なまぐさかったり、人間の汚い部分が見え隠れする作品もありますが、本シリーズはまさに子供の頃に夢見た世界がそのまま本になったようなイメージです。

戦時中、疎開した4兄弟は田舎の古いお屋敷にやってきます。お屋敷を探検するうちに、末っ子の女の子ルーシィは空き部屋の衣装だんすが異世界に繋がっていることを発見するのです。そこは雪の降り積もるナルニア国。ここの場面は、映画版でも有名なワンシーンではないでしょうか。

『ナルニア国物語 ライオンと魔女』から始まる本シリーズは全7巻です。今回は中高生向けファンタジーとして取り上げましたが、小学生高学年から読むことができますよ!ラストのほうは若干作者の宗教観など入ってきますが、それも含めて学生の皆さんにおすすめしたいシリーズです。非日常を描いた壮大なファンタジーをぜひご堪能下さい。


5位 『ライラの冒険 黄金の羅針盤』(著者:フィリップ・プルマン)

ライラの冒険 黄金の羅針盤

ライラの冒険 黄金の羅針盤

作者フィリップ・プルマン

出版社新潮社

出版年月2003年11月

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「三大ファンタジーと言われてもなかなか読む気が起きない…」「一味違うファンタジーが読んでみたい…」という天邪鬼な皆さん(笑)には、<ライラの冒険シリーズ>をご紹介させていただきます。本作も過去に一作目だけ映画化されたことがあるので、ご覧になった人もいるかもしれません。映画は残念ながら続編の制作が打ち切られることになりましたが、本作は原作小説が素晴らしいのです!

事故で両親を亡くした少女ライラの周りで、不穏な事件が起こります。子供をさらうという謎の団体ゴブラーの噂に加え、ライラの親友ロジャーも忽然と消えてしまったのです。北極で子供たちが何かの実験に使われているという情報を仕入れたライラは、世界に6つしかない黄金の羅針盤を持って北極へと向かうことに。

守護精霊ダイモンの存在と、獰猛な鎧グマ、そして何百年も生きている美しい魔女など、本シリーズならではの魅力がたっぷりです!『ライラの冒険』は第1部「黄金の羅針盤」、第2部「神秘の短剣」、第3部「琥珀の望遠鏡」から成る三部作です。読みやすいボリューム感なので、お気軽に挑戦してみて下さいね。


6位 『ゲド戦記 影との戦い』(著者:アーシュラ・K・ル=グウィン)

ゲド戦記 影との戦い

ゲド戦記 影との戦い

作者アーシュラ・K・ル=グウィン

出版社岩波書店

出版年月2009年1月

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スタジオジブリの映画『ゲド戦記』でご存じの人も多いと思います。映画は賛否両論ありましたよね。原作者のアーシュラ・K・ル=グウィンさんが映画を観て怒ってしまったというのは有名な話です。sakuraも正直映画がそこまで心に響かなかったので、原作も長らく手を出したことはありませんでした。でも、世界三大ファンタジーのひとつなら、読んでおかなくては!と気乗りしないまま読み始めたんです。

原作の『ゲド戦記』は、頭の中で思い描いていた以上に壮大な世界観が広がっていました。私は、映画を観て「ゲド戦記なのに、肝心のゲドが全然出てこないのはどうして?」と不思議に思っていたのですが、それもそのはず。映画化されたのはシリーズの3巻のみだったのです!原作は、まだまだやんちゃだったゲド(ハイタカ)の少年期から始まる物語で、ワクワクするような冒険譚が描かれていました。

海外シリーズ物によくあることですが、本シリーズも例にもれず、巻を追う毎に哲学的になってきます。(4巻目『ゲド戦記 帰還』からがそれに当たります)一読では少々理解しがたい箇所もありますが、映画とは全く別物なので思い切って読んでみて下さい!『ゲド戦記 影との戦い』から始まるシリーズは、外伝含め6冊が出ています。


7位 『指輪物語 旅の仲間』(著者:J・R・R・トールキン)

指輪物語 旅の仲間

指輪物語 旅の仲間

作者J・R・R・トールキン

出版社評論社

出版年月1992年07月

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ファンタジー好きさんなら絶対に忘れてはいけません!大ヒットした映画「ロード・オブ・ザ・リング」の原作となった『指輪物語』です。社会現象にもなった映画なので、シリーズすべて観たという人も多いかもしれませんね。でも原作は、文庫で全10巻という結構なボリュームなので、少しハードルが高いと感じるのではないでしょうか。でもファンタジーの金字塔とも言われる『指輪物語』、一度は挑戦したいものですよね!

大ヒットした映画というのは、素晴らしい原作があってこそだと思います。物語は冥王サウロンの作った指輪を軸として、ホビットやエルフ、人間やドワーフなどさまざまな種族を巻き込む壮大な歴史物語として展開していきます。平和なホビット庄に忍び寄る不気味な影とは。

正直、最初のほうは結構読みづらいです(笑)まずは世界観の説明から入るため、物語の起伏があまりないからではないでしょうか。でも巻を追うにつれて、徐々に盛り上がりを見せ俄然面白くなっていきますよ!この壮大な物語を途中でやめてしまうのはもったいないです。ファンタジー小説というよりも歴史小説のような厚みのある本シリーズ。できるならば中高生のうちに挑戦したい作品です。


ダークな世界観も魅力!大人向け作品8選

生と死が常に隣り合うダークファンタジーの世界は、想像よりもはるかに過酷な結末が待っているかもしれません。物語全体がシリアスな展開で、人間の残酷な心理や過激な戦闘には思わず本を閉じてしまいそうですが、大人の皆さんならそれを乗り越えた先の面白さにハマるはず。

大人向け海外ファンタジー

1位 『七王国の玉座 氷と炎の歌』(著者:ジョージ・R・R・マーティン)

七王国の玉座 氷と炎の歌

七王国の玉座 氷と炎の歌

作者ジョージ・R・R・マーティン

出版社早川書房

出版年月2006年5月

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ダークファンタジーとして、大人の皆さんに絶対おすすめしたいのは<氷と炎の歌シリーズ>です!最初に注意喚起をしておきますが、本シリーズは「子供には読ませられないファンタジー」です。酸いも甘いもかみ分けた大人だからこそ、このダークな世界にのめり込めるのではないかと思います。

『七王国の玉座』から始まる本シリーズは、日本では現在第5部まで刊行されています。(2020年3月現在)本作は<鉄の玉座>と七王国の覇権を巡る群像劇で、登場人物も膨大です。ファンタジーとはいえ、決して生易しいものではなく血で血を洗う争い、裏切りに次ぐ裏切り。例え主人公と思われるような登場人物も、あっさりと死んでいってしまうので読者はひとときも油断できません!

でもこれほどまでに過去にハマった海外作品があるだろうかというほど、のめりこみました。本作は「ゲーム・オブ・スローンズ」というタイトルでドラマ化もされ、こちらは完結しています。ドラマも世界中で大ヒットし、海外ドラマ史上最高傑作と呼ばれるほどの面白さなのであわせてご覧いただきたいです。


2位 『サブリエル 冥界の扉』(著者:ガース・ニクス)

サブリエル 冥界の扉

サブリエル 冥界の扉

作者ガース・ニクス

出版社主婦の友社

出版年月2006年8月

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子供向けファンタジーでは満足できない!という大人の皆さんには、<古王国記シリーズ>もおすすめします。『サブリエル 冥界の扉』 『ライラエル 氷の迷宮』 『アブホーセン 聖賢の絆』から構成される本シリーズの魅力は、何と言っても死霊たちが徘徊する世界。決して優しい物語ではありません。主人公の少女サブリエルは、失踪した魔術師の父の行方を追うため、単身「壁」を越えて古王国へ向かいます。

ファンタジー小説の主人公といえば、物語とともに成長していくというのがお決まりのパターンです。でもサブリエルは、良い意味で既にキャラクターができあがっているのですよね。まだ未熟さは残るとはいえ彼女は強力な力を持つネクロマンサー。恐ろしい死霊と対峙しても常に冷静沈着な少女の姿に、読者はすっかり魅了されてしまいます。

剣と魔法のファンタジーに食傷気味という方!是非<古王国記シリーズ>を読んでみてください。ハンドベルと魔術の戦闘シーンはとても新鮮で、冥界の静かな描写に思わず心を打たれてしまうはずです。第二部から始まるライラエルの物語も、第一部とはまたがらりと雰囲気が変わって面白いですよ。


3位 『ペギー・スー 魔法の瞳をもつ少女』(著者:セルジュ・ブリュソロ)

ペギー・スー 魔法の瞳をもつ少女

ペギー・スー 魔法の瞳をもつ少女

作者セルジュ・ブリュソロ

出版社KADOKAWA

出版年月2005年7月

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ジュヴナイル向けっぽいのに、実はかなりダーク!それが『ペギー・スー』です。一見あらすじだけ読むとごく普通のファンタジーのようですが、ページを繰る手が止まらなくなるほどにシュールで恐ろしい作品なのです。作者のセルジュ・ブリュソロさんは「フランスのスティーヴン・キング」と呼ばれているとのことですが、すぐに合点がいきました(笑)

主人公ペギー・スーは、周りからはちょっと浮いた存在の女の子。何故なら彼女には「お化け」の姿が見えるのです。新しく越してきた街で、不気味な出来事が起こり始めます。太陽が突然青く光りはじめ、その光線を浴びた人は次々と身体に異変が起きていくのです。そしてその影響は動物たちにも…!

正直、児童書とは思えないくらい不気味です。包丁を持って自分の子どもを追いかける人たち。食料の奪い合い。映像化したら、もはや阿鼻叫喚の地獄絵図ではないでしょうか!この人間の闇を描いた狂気はまさにスティーヴン・キングそのものです。子どもの頃に読むとトラウマ級の本シリーズは、11巻まで発売されています。


4位 『WOOL』(著者:ヒュー・ハウイー)

WOOL

WOOL

作者ヒュー・ハウイー

出版社KADOKAWA

出版年月2013年9月

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終末的世界、ディストピア的世界がお好みの方へ。<サイロシリーズ>を読んだことはありますか?『WOOL(ウール)』『SHIFT(シフト)』『DUST(ダスト)』から成る三部作は、もしかすると日本ではあまりメジャーな作品ではないかもしれません。でもなんと本場Amazon.comでは、日本での発売当初からレビューの5つ星がなんと4000以上!今確認すると、2020年3月現在で10000を超えていました。

世界中の読書量が減っていると言われる現代で、これだけの注目を集める『WOOL』とはどんな作品なのでしょうか?すべての生き物が死に、荒廃した未来の世界が舞台となっています。外の世界は猛毒の大気が蔓延していて、外に出た人は数分で死んでしまうという終末世界。生き残った人々は地下144階建ての「サイロ」で暮らし、外界の様子は地上に設置されたカメラを通して大型スクリーンに映し出されます。

本シリーズで特殊なのは、死刑=<清掃>の刑ということ。もちろん普通の掃除ではありません!地上に設置されたカメラのレンズを拭くことが<清掃>の刑なのです。何しろ外界は猛毒に覆われているので、外に出ることは死を意味するということ。点在するサイロの秘密とは?汚染された世界について上層部の人間が隠していることとは?機械工の主人公ジュリエットの魅力もあいまって、ワクワクするようなSFファンタジーに仕上がっています!


5位 『闇の公子』(著者:タニス・リー)

闇の公子

闇の公子

作者タニス・リー

出版社早川書房

出版年月2008年9月

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「ダーク・ファンタジーの女王」と呼ばれるタニス・リーさんは、2015年にその生涯を終えるまでに沢山のダーク・ファンタジーを残してくれました。昔少しだけ後ろめたい気持ちを抱えつつ、ドキドキしながら読んだ…という読者の皆さんもいるのではないでしょうか?著作の多くが絶版になっているのが残念ではありますが、ファンの希望により復刊している作品もあります。今回はその中でも<平たい地球シリーズ>一作目の『闇の公子』をご紹介します。

タニス・リーさんの紡ぎ出す文章は、まるで流れる音楽のように美しく妖艶さがあります。言葉というのはこんな魔力があるのだろうかと思うほどに、耽美な世界に引き込まれます。『闇の公子』は、妖魔の都を統べる王アズュラーンによって、人生を狂わされる人間たちを描いています。絶大な魔力と人間を惑わす美貌を兼ね備えた闇の公子。残酷な美しさは、酷く哀しいです。

ちなみに本作は、とても人前では読めないシーンもあるので、通勤中に読む人はご注意下さいね(笑)流麗で美しい文章を転がしながら、自宅でじっくり読んでいただきたい作品です。<平たい地球シリーズ>は5冊出ていますが、『闇の公子』の他は復刊されていないのが残念です。


6位 『魔道士の掟 探求者の誓い』(著者:テリー・グッドカインド)

魔道士の掟 探求者の誓い

魔道士の掟 探求者の誓い

作者テリー・グッドカインド

出版社早川書房

出版年月2001年8月

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王道のファンタジーを楽しみたい人は、<真実の剣シリーズ>はいかがでしょうか?羽住都さんのイラストが美しい本シリーズは、決して温かいファンタジーではありません。次々と人は死んでいくし、内容もかなりハードなハイファンタジーです。大人向けの描写も多々あるので、あまりお子さんには読ませないようにして下さいね!

森の案内人である主人公リチャードが出会ったのは、自らをカーランと名乗る真っ白なドレスを着た女性。類まれな美貌を持つ彼女は、四人組の男たちに追われていたのです。リチャードはカーランを助けるものの、その日から彼自身が命を狙われるようになります。カーランは一体何者なのか?また<境>の向こうからきたものとは何なのか?

ダークな世界観で、ライトファンタジーに飽き飽きしている皆さんにはぜひおすすめしたいのですが、ひとつだけ難点があります…。第一部「魔導士の掟」から始まる本シリーズは、現在日本では第8部まで出ているものの今後の出版予定がないとのこと。(何ということでしょう!)第11部で完結だというのに、早川書房では今後も出さないそうなのです。続きを原書で読める自信がある人は、挑戦してみてください。


7位 『妖精王の月』(著者:O・R・メリング)

妖精王の月

妖精王の月

作者O・R・メリング

出版社講談社

出版年月1995年2月

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一風変わったケルト・ファンタジーがお好きな人には<妖精の国物語シリーズ>をおすすめします。ケルト神話ってとても独特な世界観で、どこか悲哀を感じませんか?sakuraは一時期ケルト作品にはまった時期があり、「アーサー王物語」やケルト幻想小説集など読みあさりました。そんな中出会ったのがこの『妖精王の月』です。

ガチガチのケルトではなく、現実の中にふわりと溶け込んでいる妖精の世界。いとこ同士であるアイルランドのフィンダファーと、カナダに済むグウェンは、夏休みを利用して2人でアイルランドを旅することにします。でもタラの丘の〈人質の墳墓〉で、フィンダファーは忽然と姿を消してしまうのです。妖精王に見染められたフィンダファーの行方は?そして最後に妖精王が下した選択とは?

とても綺麗に描かれたケルト・ファンタジーで、アイルランドという国は本当にこういうケルトの世界が隣り合わせになっているのかもしれない、というワクワク感がありますね。<妖精の国物語シリーズ>は、『妖精王の月』『夏の王』『光をはこぶ娘』『夢の書』の4作品が出ています。どれも素敵なファンタジーなので、日々の生活に疲れた大人の皆さんはぜひ手に取って癒されてくださいね。


8位 『トワイライト』(著者:ステファニー・メイヤー)

トワイライト

トワイライト

作者ステファニー・メイヤー

出版社ヴィレッジブックス

出版年月2008年4月

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本作は、人間×ヴァンパイアのラブストーリーとして爆発的な人気が出て、当時はアメリカのティーンズを中心に社会現象を巻き起こしましたね!映画版も日本をはじめ世界中で大ヒットし、ヴァンパイアのエドワード役を演じたロバート・パティンソンは、一躍時の人となりました。

今までのヴァンパイアものといえば、おどろおどろしいホラーチックな作風が多かったのですが、『トワイライト』がこの世に出てからは、おそらく「人間とヴァンパイアってこんな甘い恋ができるんだ!」と多くの人が気付いてしまったのでしょう…。それからはヴァンパイア=恋愛物が主流になりましたね。

そんな大ブームのさきがけとなった<トワイライトシリーズ>、原作はティーン向けに書かれた小説なのでとても読みやすいんですよ。都会から田舎の街に引越してきた主人公の少女ベラは、人間離れした美しい顔立ちの少年エドワードと出会います。彫刻のような顔立ちをした少年に、ベラはたちまち惹かれてしまうのですが、彼は人間の血を欲するヴァンパイアだったのです。赤面するほどに甘い本シリーズは、文庫で全10巻。女性の皆さん、しばし夢の世界に浸って下さい…(笑)

まとめ

暖炉の前で本を読む女性

ここまでお読み頂きありがとうございます!古本店『もったいない本舗』のスタッフsakuraが、独断と偏見で「おすすめファンタジー小説」50作品をご紹介しましたが、気になった作品はありましたか?ファンタジーは、今や子どもだけが読むものではありません。大人の皆さんにこそ手に取ってもらいたいファンタジー小説がたくさんあります。

毎日仕事や学業に励んでいる皆さん、ほんのちょっとだけ現実逃避してみませんか?ファンタジー小説だからこそできることがあり、きっとあなたの想像力や遊び心を刺激してくれるはずです。ファンタジー作家を中心に読むも良し、コバルト文庫やハヤカワ文庫FTなどファンタジー小説に特化したレーベルや出版社から探してみるのも良いでしょう。「どうせフィクションだから」と言わずに、試しに手に取ってみて下さい。この先の人生、ともに歩んでいきたい作品が見つかるかもしれませんよ!

ここでご紹介した50作品はごく一部で、世の中にはまだまだ素晴らしいファンタジー小説がたくさんあります。ぜひ、一つでも多くの作品に触れてみていただければと思います。

sakura
ライティング担当 : sakura

札幌在住30代。本や少年コミックを読むことが大好きで、家事の合間にハイボールを飲みながら読書をするのが至福のとき。小説はイヤミス、ホラー、児童文学まで好きなジャンルは多岐にわたり、ラストですべてがひっくり返される「大どんでん返し」本を好んで読む。子どもの頃からホラー映画が好きで、最近は『死霊館』や『インシディアス』など心の奥底まで恐怖心をかきたてられるようなジェームズ・ワン監督作品に魅了されている。

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