- 2017/03/27
- 本
『魔女の宅急便』映画では描かれなかった登場人物の"その後"
ジブリ映画の中でも特に人気度の高い『魔女の宅急便』。
今や知らない人はいない国民的なアニメですが、実は続きがあるってご存知でしたか?
映画では描かれなかった、登場人物たちの"その後"とは?
<主な登場人物>
●キキ(主人公)
魔女と人間との間に生まれた少女。好奇心旺盛で元気いっぱい。
魔女の掟に従って、13歳の満月の夜に相棒のジジと共に旅立つことになった。
●ジジ(黒猫)
キキの相棒。キキ以外の人間とは会話ができない。
●トンボ
海に浮かぶ街コリコで、キキが出会ったメガネ少年。
飛行クラブに所属しており、空を飛んできたキキに興味を持つ。
●おソノさん
グーチョキパン店で働く優しいおかみさん。
コリコに来たばかりで、泊まる場所もなく途方にくれていたキキを自宅に居候させる。
物語は、魔女の血を受け継ぐ主人公の少女キキが、宅急便の仕事をしながら様々な出会いと別れを繰り返しながら一人前の魔女を目指すという成長ストーリーです。
ほうきに乗って自由に空を飛ぶ―。
きっと女の子なら、誰もが憧れたことがあるシチュエーションですよね。
「13歳の満月の夜に家を出て、魔女のいない町を見つけて定住しなければいけない」というストーリーは、少しずつ自我が確立し始めた同年代の子ども達の共感を呼び、数多くあるジブリ作品の中でもとりわけ小学生から中学生に大人気の作品です。
キキが生まれ育った家を飛び出し、「魔法」や「魔女」に馴染みのない町へ行く心細さや、ある日突然唯一のとりえである空を飛ぶ能力を失ってしまうという葛藤は、かつて少年少女だった大人達も「そうそう!」と頷いてしまった人も多いのではないでしょうか。
実は原作小説があった
今や日本に知らない人はいない!というほど有名な『魔女の宅急便』ですが、実はこの作品、原作小説がモデルになっているってご存知ですか?
角野栄子さんの『魔女の宅急便』シリーズ(全6巻)は、1985年に発売された第1作目からシリーズ累計150万部超えのベストセラーなんです。もしかすると小学生の頃、学校の図書館で借りたという方もいるでしょうか。
2014年に実写映画化で話題になった事もあり、再びこの原作が注目を浴びるようになってきました。
角川書店から発売された文庫版『魔女の宅急便』は、それまでの子ども向けのイメージをガラリと変えるような美しい表紙が目印で、大人も気軽に手に取りやすい装丁になっています。
映画では描かれていない登場人物たちのエピソード
そして、特筆すべきは原作では映画で描かれていないエピソードが満載ということ!
実は宮崎駿監督による映画版は、細かい変更点や様々なアレンジはあるものの、実は原作小説の1、2巻の内容に過ぎないのです。
映画を観て、キキは、トンボは、ジジは…みんなのその後はどうなったの?と気になりませんか?
原作の5作目『魔女の宅急便 魔法のとまり木』では、20歳になったキキが登場し「結婚」という人生のひとつの節目を迎えます。(誰と結婚したかは原作でご確認下さい)
続く最終巻『魔女の宅急便 それぞれの旅立ち』では、なんと30代のキキは双子のお母さんに!
そして黒猫ジジはどうなったの?キキとジジの関係は続くの?そう、原作では映画では描かれなかった登場人物たちの”その後”を知ることができるんです。
ーー元気な映画版とはまた一味違って、原作は角野さんならではのふんわりと優しい文体が心に沁みます。ママになっても可愛らしさを失わないキキは、最終巻では自分と同じ30代。子どもの頃から一緒に育ってきたキキが、やがて自分より年下になるのかと思うと不思議な感じがします。後世まで読み継がれるであろう、傑作ファンタジー小説。映画がお好きなら、是非原作も合わせて読んで欲しいです!
もったいない本舗スタッフ N (30代) の感想
大人になるにつれて別の作品を好む傾向
一人前の魔女になることを目指して旅立った少女キキの壮大な成長物語は、
子どもたちに生きる目的や、人生の選択など様々な事を教えてくれます。
今回は小学生から中学生に特に人気の『魔女の宅急便』を取り上げましたが、思春期や大人になるにつれて『耳をすませば』『風の谷のナウシカ』や『もののけ姫』など、別の作品を好む傾向も…。
ジブリ作品の原作は、一般的に知られていないエピソードが描かれている事が多いので、映画のファンでも新たな発見があるかもしれません。
是非この機会に、自分の好きなジブリ作品の原作を読んでみてはいかがでしょうか?
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