数年前から、子供に人気の職業として、「大工」が上がっているという。
そんな大工の世界を描いた、池田さとみ著の「霊感工務店リペア」を読んだ。
主人公の駒子は、祖父が経営する工務店で、設計士を務めている。彼女は
小さいころから霊感が強く、憑かれやすい体質でもある。そんな彼女と
一緒に仕事をしているのが、神主の血を引く玄ちゃん。その2人で、いつも
いわくつきの物件を、リペアしているのだ。
勝手にドアが閉まったり、座敷童子のせいで工事ができない家など、さまざまな
いわくつきの物件を、2人で解決していく駒子と玄ちゃん。古い家はもちろん、
まだ新しいアパートでも、宿り主がいる。その宿り主たちと共存を図ったり、
いろいろな方法で解決しながら、駒子たちはリペアを進めていくのだ。
ものを大切にする心と、人の気持ちの大切さを、改めて教えてくれる
この作品。自分が暮らす家にも、何らかの宿り主がいてくれたら、いいのになぁ
と思える作品だ。