近頃、テレビをつけるとお笑い芸人が大活躍している。不況になると笑いが好まれるというが、笑いを届けてくれる彼らの存在は、とても好ましい。
そんなお笑いブームの中、もうひとつのお笑いブームともいえるのが、森田まさのり著の「べしゃり暮らし」
主人公の上妻圭右は、「学園の爆笑王」と呼ばれる高校生。人を笑わせるのが何より好きで、人を笑わせるためなら、労を惜しまない。そんな彼の前に、元お笑い芸人である辻本潤が転校してきたことから、物語ははじまる。
2人の高校生が、お笑いに一生懸命な姿は、スポーツものに通ずるくらい清々しい。上妻と辻本がはじめてコンビを組んで、舞台に立ち漫才をするシーンは、その笑いがこちらにまで伝わってくる臨場感があり、ドキドキしてくる。
また、登場人物が誰も皆、“笑い”というフィールドで真剣に生きている人々で、男気がありとても魅力的なのだ。
現在、8巻まででている「べしゃり暮らし」続きが楽しみな作品のひとつになること間違いない。