書店でなんとなく目に入り、なんとなく買ってみたのが、細川貂々著の「ツレがうつになりまして」だった。今思えば、当時身近な人が“うつ病”にかかっていて、どうにかその病気にかかった人の心情を知りたいという気持ちがあったのだろう。
作者の夫である“ツレ”は生真面目な性格で、仕事上のストレスから、徐々に言動がおかしくなってしまう。それを心配した作者が病院に行くことを勧め、診察してもらったところ“うつ病”と診断される。
ほんわりとしたイラストで綴られた、漫画風のエッセイ。うつ病について、全く何も知らなかった私には、とても勉強になる1冊だった。
それと同時に、“夫婦愛”の力強さにも感動した。作者はツレがどんな言動をしようとも、最善の答えを出そうと努力するし、ツレもどうにかして、作者を悲しませないよう、困らせないように懸命に努力する。
かわいらしいイラストと、あっさりした文章ですんなり読めるが、とても奥の深い作品だ。うつ病について知りたいという人に、特に勧めたい。