勝手で個人的な意見なのだが、秋には「くるり」がよく似合う。骨太だけれど繊細なボーカルと、甘く切ない歌詞。それにぴったりの柔らかな音たち。秋の昼下がり、ローカル線の電車に揺られながら聴きたい。
そんなくるりのシングル「さよならリグレット」を、ここ最近よく聴いている。ブランケットに触れたような手触りの音に、切ない歌詞がなんともいい。電車かバスにゆられながら、ひとりしっとりと聴きたい曲だ。それに、一緒に収録されている「京都の大学生」もかなりの名曲である。少しくたびれた感じのする、京都弁の女性の歌詞がたまらない。聴いていると、京都の街並みが頭の中に描かれる。
4曲目、ラストに収録されている「ばらの花feat.小田和正from京都音楽博覧会2007」は涙が出そうになる。もともと切ない歌詞に、小田和正の声が、優しく響く。“安心な僕らは旅に出ようぜ”というフレーズが、耳にしっかりと残り離れない。
ちょっと切なくて甘い秋。そんな秋には、くるりを一人でしっとりと聴くのをオススメする。