猫が大好きなので、つい猫が表紙の本は手に
とってしまう。もう、半ば病気のようなものである。
といっても、猫を擬人化したものはあまり好きではなく
(「ねこまんが」のよさが分からない)、そして泣けるような
作品は、絶対に手に取らないようにしていた。
しかし、うっかり読んで号泣した作品がある。町田康著の
「猫にかまけて」タイトルにひかれて、買ってしまったのが、
ある意味、運のつきだった。
小説家町田康が、淡々と飼い猫についてつづるエッセイ。
写真もとてもかわいらしくて、思わずほほが緩む。
しかし、愛猫ココアの療養についての記載は、どうしても
涙なしには読めなかった。小さくも貴重な命。それを必死に
守ろうとする筆者の姿と、それに答えようとするココア。
どうしても涙が止まらない。
読み終えた後、思わず自宅の飼い猫を抱きしめた。迷惑そうな
顔をしていたけれど、いとおしくて仕方なかった。